スペースコロニー
スペースコロニー(Space Colony)
人類が宇宙空間で生活するために作った大規模な「人工の大地」。数百から数千人の人類が自給自足できるように作られている。その大きさのため、月と地球との関係で安定するラグランジュポイントを周回するように設置されることが多い。
『ガンダムシリーズ』においては、殆どの作品で登場する。
大気の自浄力が地球と比べて低い為、空気清浄の為の機器や施設は不可欠とみられる。この為、SF作品等では内燃機関を使うものはコロニーでは禁止されていたり、火そのものが使えなかったりする。また、現実的には宇宙放射線の影響や地球とは異なる環境から来る健康面や人工建造物の宿命である耐用年数の限度も含めて、実現化するには数々の課題が山積みとなっている。
また、自給自足にも限度があり、資源を得る為には地球や他の惑星等からの入手が必要となる。
地球と異なり、気象は完全調整されている(地球における寒暖差や天災が無い)為か、作品によっては地球上での雷など自然現象を知らず、敵の新兵器と誤認した人物も存在している。
スパロボにおける扱い
スパロボにおいては、宇宙マップではよく出てくる地形で、ユニットをそこに配置するとHP・EN回復効果がある。 マップ全体におけるスペースコロニーのマスの割合はごく小さいものだが、防御力・回避率の上昇に加え、HP・ENの回復効果まである為、出来るだけ上手く利用したい所。
しかし、スペースコロニーは積極的に攻め込む場合には、自軍ユニットを配置しにくい場所に位置している場合が多い。その為、熟練度の獲得条件が「一定ターン以内にマップをクリア」のように速攻を求められる場合、プレイヤーはその恩恵に預かりにくい。どちらかといえば、防戦する事でデメリットが発生しない状態のときに使う地形である。
ガンダムシリーズのスペースコロニー
宇宙世紀作品
人口増加や環境汚染などの問題を解決する手段として宇宙移民が開始され、それを受け入れるためのものとして作られ始める。
全長35km、直径6.4kmの円筒形をしており、1基で100億tもの重量を持つ。形は所謂「島3号型」で、密閉型及び開放型(外にミラーがついていて外光を取り入れられるようになっている、御馴染のアレ)とがある。
設置箇所であるラグランジュポイントは各々サイド1~サイド7と呼ばれている。
(「サイド」はそこに群立するコロニー群を指し、「ルウム」「ムンゾ」「ノア」など呼称を持つ)
その中での各コロニーは建造順に「バンチ」で番号を付けられるが、個別に名をつけられるコロニーも存在する。
- サイド1、2、4
- 一年戦争(厳密には一週間戦争)開戦時にジオン公国に奇襲を受け、住民は全滅。その(サイド2の)コロニーの一機がブリティッシュ作戦=地球への大質量投下攻撃に用いられる。
一年戦争後は復興されるも、サイド1の30番地では反地球連邦運動家撲滅のための毒ガス攻撃「30バンチ事件」が起き、住民は全滅。
サイド2の12バンチはティターンズのグリプス2のコロニーレーザーにより破壊。
同じくサイド2の21バンチはティターンズの毒ガス攻撃により住民全員死亡。
(以上Ζ)
また、サイド4の某コロニーはネオ・ジオンのコロニー落としに使われてしまう。
(ΖΖ)
…と、いいとこなしのコロニー群である。
なお、UC0106年以降に再びコロニーはその数を増やすが、それは新興団体の登場を呼ぶものであった。
(『F91』のクロスボーン・バンガード(サイド4)、『機動戦士Vガンダム』のザンスカール帝国(サイド2)) - サイド3
- 地球から見て月の向こう側のポイント。UC0062年に独立を宣言、ジオン共和国を樹立する。だが指導者の死、共和制から公国への移行などもあり以後地球連邦との溝を深める。
一年戦争末期にザビ家一党がほぼ戦死した後、残った指導者層が降伏、ジオン共和国として自治を維持する。 - サイド5
- かの有名な「ルウム戦役」の行われた場所。コロニーの開発もあまり行われておらず、被害も殆ど無かったようである。
テキサスコロニーがあるのもここである。 - サイド6
- 一年戦争開戦直後に中立を宣言。そのためこのコロニー内(宙域ではない)での戦闘行為及び兵装の開封等は地球連邦、ジオンの別なく厳しく制限される。
連邦軍人とジオン軍人が互いの立場を知らずに出会ってしまうことのよくある場所である。 - サイド7
- 月から見て地球の裏側のポイント。開発の遅れたポイントであるが、月及びサイド3から遠いために地球連邦が兵器開発等に用いた。軍用コロニーが数機あるだけで、民間コロニーは殆どない。
一年戦争後はティターンズのお庭と化す。
機動武闘伝Gガンダム
国家は地上を離れ全て独自のコロニーを持つに至っている(そして地球の管理権を争いガンダムファイトが行われる)。他のガンダムシリーズと逆に、「環境が整備されたコロニーが国家の本拠地となって支配層・富裕層が住み、荒廃した地球に貧困層が住んでいる」状態となっている。そのため、コロニーへの密告者やチケットを巡って暴動も起きている。
終盤になってやっと各国のコロニーの全容が明らかになるが、例えばネオジャパンコロニーならば「日本列島の形をした大地」、ネオアメリカならば「マンハッタンの街並」といった、その国のステレオタイプなイメージを模したモノが宇宙に浮かび、しかも自由自在に動き回る事が可能と、重力発生のメカニズムやラグランジュポイントといった科学考証を完全に無視した、ある意味Gガンダムらしい代物になっている。
新機動戦記ガンダムW
宇宙世紀のスペースコロニーと役割は同じだが、トーラス型と呼ばれ大きさは宇宙世紀のものの半分程度(約18㎞)とコンパクトになっている。形は所謂「島2号型」で、密閉されたドーナツ型になっている。
機動新世紀ガンダムX
宇宙世紀のスペースコロニーと変わらない。
第7次宇宙戦争時に多くのスペースコロニーが破壊、或いは地球へ落下したため、原作内で存在するのは宇宙革命軍の「クラウド9」にある数基しかない。
∀ガンダム
作品上、地球と月しか出てこないので、地球と月の中間点以外の場所は登場しない。
登場するものも「ザックトレーガー」と呼ばれる自転を利用した大型射出装置のみである。
機動戦士ガンダムSEED
宇宙世紀のスペースコロニーも存在しているが、作中では「プラント」という、それまでのガンダムで描かれた気密型及び開放型とは全く違った「砂時計型」とでもいう形をしており、中心部分で回転することで両底辺の大地に重力を発生させ、中心部側面にあるディスク状のミラーを調節することで昼夜を操作している。
宇宙世紀のスペースコロニーに比べて面積は少ないが密集性と開放性が高い構造で、宇宙港は中心部分にあるため、大地部分を上下に繋ぐ非常に長いエレベータが存在するのが特徴となっている。
なおこの世界でのスペースコロニーは、ナチュラル(遺伝子操作していない人、しない人)とコーディネイター(遺伝子操作している人)との住み分けとして機能している。
場所はL5(地球から見て月の向かって右側のラグランジュポイント)にあるらしい。最初に登場したヘリオポリスも同様である。
機動戦士ガンダム00
他作品のスペースコロニーと異なり、人住目的ではない、基本的な研究目的の為に作った大型施設。
また、本格的な宇宙移民も行われていない。ただし、劇中において、スペースコロニーに居住していた経験のある人物は存在している。
ガンダムシリーズ以外のスペースコロニー
機甲戦記ドラグナー
基本設定などはガンダムシリーズとそう変わらないと思われる。
- アルカード
- ケーン達が住んでいたコロニー。ギガノス帝国軍の攻撃で崩壊する。
OGシリーズ
OGシリーズにおいては、L4宙域に10基のコロニーが存在する。名称は1号基から順にエルピス、ノゾミ、ホフヌング、ウィッシュ、エスポワール、ホープ、スペース、エスペランサ、スペランツァ、ナディエジーダである。いずれも「希望」を意味する単語が使用されており、それぞれの単語からその言葉を使う国のコロニーとして分かれている模様(例:ノゾミ→日本)。
この世界におけるコロニーは、長く延びた直方体が付属する円筒の周囲に居住区と思われるリング状の構造物が組み合わさった形状をしている(言うならば、外観が蛇口に似ている)。
関連する用語
余談
前述のとおり、スペースコロニー内は大気の自浄力が低く、大気汚染の原因となるものは基本的に厳禁であり、ガンダムシリーズ等でもコロニー内で自発的に火を焚いたり、喫煙行為をするという描写はあまり見られない(喫煙行為は作品が青少年向けということも一因であろうが)。
SRWやガンダムシリーズ以外の作品を例に挙げると、コナミ(現・コナミデジタルエンタテインメント)のSFゲーム『ポリスノーツ』に登場するスペースコロニー「BEYOND COAST」では、喫煙行為そのものが違法とされている。