デモンベイン(DEMONBANE)
- 登場作品:機神咆吼デモンベイン
- 分類:鬼械神(コピー)
- 全高:55.5m
- 重量:4254t
- 動力:銀鍵守護神機関『獅子の心臓(コル・レオニス)』
- 装甲材質:ヒヒイロカネ
- 開発者
- 不明(設計開発)
- 覇道鋼造(修理改修)
- 所属:覇道財閥
- 主なパイロット:大十字九郎、アル・アジフ
魔術理論と科学の複合によって造られた、鬼械神を模した巨大ロボット。覇道財閥前総帥・覇道鋼造の主導で開発された(とされる)。
模造品ではあるが仕様やその性能は鬼械神と大差なく、魔術師と力ある魔導書が揃っていなければ運用することができない。アルと契約した九郎が格納庫に眠る本機を発見(ゲーム版では偶発的に逃げ込んだことで発見、アニメ版ではアルが本機と感応して地上に召喚)し、そのままパイロットとなった。
性能
特殊合金ヒヒイロカネの装甲を持ち、通常兵器はほぼ通用しない堅牢な防御力を持つ…が、作中で相対するのは鬼械神を始めとする魔術的な存在がほとんどであり、堅牢さを発揮する機会は少ない。その他の防御策としては、アルに依存することで発動する旧き印(エルダーサイン)があり、鬼械神相手では寧ろこちらの方が有効とされる。
フォルム面では頭部から放出される鬣のようなビーム(これはアニメ版においては手間の都合か省かれている)と、脚部に装着された巨大なシールドが大きな特徴で、まるで「城塞」を彷彿とさせるデザインである。尚、戦闘中はバイザーで顔面が覆われているため確認しづらいが、人間のものと同形状の口が存在しており、ゲーム版では大きく開いて咆哮したり、歯を食い縛ったりすることがある。
脚部シールドには時空間を歪曲させる機能を持つ「断鎖術式『ティマイオス』『クリティアス』」が内蔵され、歪曲の反動を利用して爆発的な推進力・機動力を得ることができる。これを連続的に使用することで、敵の攻撃を跳躍して回避した後、空中で更に別方向へ跳躍して距離を瞬時に詰める等といった慣性の法則を無視した荒業を行うことも可能。逆に言うと、この機構を用いない場合、巨体かつ超重量のデモンベインは機動性の大半を発揮できない。
また、本来の機能に加えてアルが持つ(本来は自身の鬼械神であるアイオーン用の)兵装を流用することができる。また、作中で明言されているわけではないが、『ネクロノミコン』以外でも力のある魔導書ならばデモンベインの起動は可能であるため、例えばマスターテリオンやアンチクロスの持つ魔導書で起動させれば、それぞれの魔導書による魔術や魔術兵装を使用できると思われる。漫画版では、ブラックロッジに強奪されたデモンベインにクラウディウスが乗り込んだ際、クラウディウスが生身で使う魔具である剣玉を装備していた。
動力源である「獅子の心臓」は、内蔵された「銀の鍵」により開かれた平行世界から無尽蔵にエネルギーを汲み上げる半永久的な機関であり、これによりデモンベインそのものは基本的にエネルギー切れ等を起こすことが無い。しかし、魔力に限っては搭乗者に依存するため、搭乗者の状態によっては動かなくなってしまうことも。全体に魔力を供給する為、伝導率の高い水銀(アゾート)を血液のように張り巡らせている。予備の動力として通常電力も搭載されているが、こちらにはデモンベインそのものを動かせるほどの出力はない。また、デモンベインの建造途中では当時の人類の技術(十九世紀末)が追いつかず、蒸気機関を補助動力としていたこともある。なお、この当時は鋼造の持っていた魔導書の一つ「死霊秘本機械語写本」が「心臓」の制御を担当していたが、それゆえかこの魔導書は生まれて間もない写本にも拘わらず精霊化を遂げている。
特性
鬼械神は術者の魔力を消費することで動くが、それゆえに召喚するだけでも多大な魔力を必要とする。しかしデモンベインはあくまでコピーであり、機械で構成されているため、魔導書さえあれば理論上誰でも操縦が可能(ゲーム版の瑠璃ルートで九郎が負傷して搭乗できなくなった際、アルと瑠璃が操縦した)。ただし、基本的には魔術師でなければならない。
また、不測の事態により魔導書を失った場合でも、マシンであるために召喚せずとも出撃可能であり、代替回路を用意できればパワーは落ちるものの問題なく動くことができる。事実、アルが戦闘不能に陥っていた期間、エルザがその役割を魔術回路で代替することでフォローしていた(もっとも、代替自体が本来は困難であるが)。
更に、機械であるため損傷箇所の修復やメンテナンス、細かな調整等が人の手により容易に行えることも強みとなっており、鬼械神の最大の弱点である「(術者の魔力が尽きるため)長く戦闘を続けることができない」という点がない。
このように、スペック自体はオリジナルの鬼械神に劣るものの、デッドコピーであるがゆえの長所をいくつも持っており、作中では「最弱無敵の魔を断つ剣」とも称されている。また、操者となる魔術師に対し、徹底的に負荷をかけないよう設計されているのも特徴の一つ。
名前は「魔(Demon)」を「滅する(Bane)」で、「魔を滅する者」を意味する。作中ではどちらかと言うと「魔を断つ剣」の方が通りが良い。
登場作品と操縦者
- スーパーロボット大戦UX
- 初出演作品。第3・4話で一時参戦するが、参戦は他の主人公機と比べるとやや遅れる。
- ダンクーガノヴァやノートゥングモデルのファフナーがMサイズの本作では、前線で戦える数少ない(後半まで唯一の)Lサイズユニットである。魔術を扱うロボットであるためか、ENゲージではなくMPゲージとなっている。改造による最大値強化は不可能でEセーブも無効だが、補給はなぜか有効。何をどうやって補給しているのかはさっぱり不明。改造項目が一つ少なく、ELSによるENダメージを受けないという利点もある。戦艦を除いた場合、最大HP自軍一位を誇るが、イベントと改造で強化されていき最終的には撃ち落とし、切り払い、分身回避、バリアと一通りの防御技能が出そろうため、むしろ堅牢さでは戦艦よりもこちらに軍配が上がる。また、初期は空が飛べず移動力5と足が遅いが、アル復帰と同時に原作通りシャンタクが装備されて飛行可能になり移動力も+1される。
- 本作のデモンベインについては、一部ユーザーから「スパロボなデモンベイン」と呼ばれることも。公式設定の「様々な可能性のデモンベイン」の一つ、という話である。なお、作中のアルの発言により、かつての乗機アイオーンは宇宙の終焉を超えたデモンベインである可能性が暗に示されている。
装備・機能
武装・必殺武器
バルカン以外の武装は全てMP消費だが、アルの「魔導書」技能により回復量が増えるため、実は見かけより燃費がいい。そのため、魔導書技能が無いエルザが搭乗している時は回復が見込めず最大値も低下するため一気に燃費が悪化する。
そのためエルザ搭乗時は指揮ボーナスでEN・MPを回復できるアーニーを戦術指揮に据える、補給役を張り付けるなどして消耗を抑えるのが吉。
デモンベインの武装
- バルカン砲
- こめかみ部分に内蔵された火器。文字通りのただの機関砲だが、破壊ロボを一撃で破壊でき、鬼械神相手でも牽制としては通用する。
- 『UX』でも実装されたものの、格闘の陰に隠れてほとんど使い道がない。撃ち落とし演出で見ることの方が多いかもしれない。
- 格闘
- 殴りつける。蹴り技があるため、原作でも格闘手段と言えば殴っていることが多い。
- UXでは消費の割に威力が高く、しかも射程が4とバルカン砲より長いため、基本的に攻撃手段はこれとなる。
- アトランティス・ストライク
- 時空間歪曲によって生じるエネルギーを直接叩き込む近接粉砕呪法。その性質上、キックでさえあればどんな形でも成立する。
- アニメ版ではオリジナル要素として脚部シールドが脚部側面に移動し、頭部が一部変形する。
- 『UX』ではアニメ版再現により初登場時に追加。演出は飛び蹴りバージョン。レムリア・インパクトの追加が非常に遅いため、長らく主力必殺技として使っていくことになる。
- ちなみにこの技にはアルと九郎のカットインがあるが、エルザとノーマル九郎のカットインもきちんと用意されている。
- 技の語源となった「アトランティス」とは古代ギリシアの哲学者、プラトンの著書『ティマイオス』及び『クリティアス』の中で記述した伝説の大陸のことを指す。
- アトランティス・トルネード・ストライク
- 原作ゲーム版にて夢幻心母突入の際に使用した技。アニメ版では未使用。
- アトランティス・ストライクに錐揉み回転とシャンタクによる加速を加え、威力を強化したもの。
- レムリア・インパクト
- 無限熱量により相手を「昇滅」させる第一近接昇華呪法。質量ゼロ・重力無限・熱量無限大の状況を作り出す結界に敵を封じ込め、昇滅させる。鬼械神をも跡形もなく消し去るだけの破壊力を持つ、デモンベインの代名詞と言える必殺技。発動時はこめかみの放熱フィンが展開するほか、バイザーの上から口部をフェイスガードが覆い、若干ではあるが頭部のデザインが変化する。
- 発動するには瑠璃の承認と彼女が送信するナアカル・コードを受信する必要があり、自由には使えない。というのはこの攻撃、「並行世界から取り出した熱量をそのまま相手に叩き込む」という技であり、機体が健在である限り「並行世界が存在すれば無限に撃てる」という無茶苦茶な存在なのである。ナアカル・コードは濫用を防ぐためのセーフティロックであり、操者による悪用を防ぐためのもの。
- ゲーム版では初陣でいきなり使用するが、アニメ版ではアトランティス・ストライクが前倒しされて通算3戦目のデモンペイン戦で初使用。
- 『UX』では第1部の中盤(ティベリウス戦)とさらに遅い初披露となり、イベントで一度使用されるが何故か通常使用が解禁されず、実装はなんと第2部の終盤となる(イベントBGMだけは初披露の時点で登録される)。ちなみにこっちにもエルザとノーマル九郎バージョンのカットインがあるが、実装タイミングはエルザの参戦ステージのため、アル版のカットインはかなり先になる。ついでに言うと原作前半版のカットインはイベントのみ。
- 諸々の事情で、事実上デモンベインの最強攻撃はこれと考えた方がいい。ちなみに各所で話題となった瑠璃のパンモロカットインはこれで入る。
- 元ネタは「覚悟のススメ」に登場した「螺螺螺・螺旋」。ちなみに「レムリア」はインド洋に存在したとされる大陸の事を指す。
- レムリア・ディレイ・インパクト
- 複数の敵に次々とレムリア・インパクトを撃ち込み、最後に一斉昇華する技。『UX』では採用されていない。
- レムリア・インパクト零零零式
- 続編『機神飛翔デモンベイン』における最終奥義。戦闘終了時にあるコマンドを入力することで見ることが出来る。その詳細は省くが、後に格闘ゲーム『ニトロ+ロワイヤル -ヒロインズデュエル-』にて『刃鳴散らす(はなちらす)』より参戦した石破戒厳のEDでそのキャラの中の人ネタ及び某会社への皮肉を交えて盛大にパロられていた。
- 輝くトラペゾヘドロン(シャイニング・トラペゾヘドロン)
- 第零封神昇華呪法。本体は中核部分にある多面体結晶であり、剣のような形状をとっているのは結晶を封じている「函」が変質した物。その異様さから「捻じ曲がった神柱」「狂った神樹」「刃の無い神剣」等と形容される。触れた対象を異次元へ放逐するというデモンベインの窮極呪法兵葬だが、機体が勝手に動き出して発動し、更に発動中は一切の制御が効かなくなる等、その存在は多くの謎に包まれている。
- その正体は「邪神が封じられた宇宙そのもの」であり、より正確には「放逐する」と言うより「吸収する」と言った方が正しい。この封印から逃れた邪神は今のところナイア一柱のみ。
- 本編で九郎が入手した時点ではナイアルラトホテップの手によって2つに分割されており、もう片方はマスターテリオンの手に渡っている。九郎、テリオン両者をトラペゾヘドロンが扱えるレベルまで成長させた上で両者を激突させ、トラペゾヘドロンを破壊し邪神の封印を解く事が本編におけるナイアルラトホテップの目的である。
- ちなみに発動用の詠唱文が存在。内容は始動が「荒ぶる螺旋に刻まれた 神々の原罪の果ての地で 我らは今聖約を果たす」、発動が「その切実なる命の叫びを胸に 祝福の華に誓って 我は世界を紡ぐ者なり」。リベル・レギスの方は形式だけ同じで内容が反対。
- 『UX』ではアル復帰後に追加される。強力だが消費が60と重く、ボス戦向け。ただし、51話のリベル・レギス戦で撃ち合いになった場合、カウンターで先手を貰うとフリーズしてしまうバグがあるが、この戦闘では発動時の台詞が先述の詠唱文を使用した専用のものになるため、一度は見ておくといい。ちなみにリベル・レギスの方もデモンベインに使う場合のみ専用の台詞が出る。
- 元ネタは勿論クトゥルフ神話。邪神「闇を彷徨うもの」を呼び出すことの出来るとされる惑星ユゴスで作られた「偏四角多面体」。伝説の大陸レムリアで発見された後アトランティスへと運ばれ、古代エジプトにて「暗黒のファラオ」ネフレン=カが手にした。その後、現代になって邪教集団「星の智慧派」に渡ったとされる。
- ファイナル・シャイニング・トラペゾヘドロン
- シャイニング・トラペゾヘドロンの強化型。分割されたトラペゾヘドロンが一つに戻った姿であり、ある意味真の姿とも言える一撃。
『UX』では追加武装であり、無改造での攻撃力7300という最強クラスの破壊力を持つ。追加されるのは51話(最終話の1話前)とあまりにも遅いが、カリ・ユガがあまりにも頑強なため使いどころがないわけではない。ちなみにこれを含め、デモンベインの必殺技はすべて射程1。
アル・アジフの断片
- アトラック=ナチャ
- 鬣状のビームを拡散させ、蜘蛛の巣のように張り巡らせて対象を捕縛する捕縛結界呪法。
- 『UX』においては特殊行動として実装され、MP消費で一定範囲内の敵の移動を封じる。自機中心で範囲が5なので、そのまま使うとデモンベインが袋叩きにされかねない。なので、ヒット&アウェイ+連続行動を併用し、突っ込んで1機撃墜⇒「加速」の後特殊コマンド使用⇒移動して自軍に合流、つまり「撃ち逃げ」をするのがベスト。
- 特定ポイント防衛ステージなどでは「密集地帯に撃ち込み、その隙に味方が残りを叩く」という手法も有効。
- ニトクリスの鏡
- 鏡で出来た幻影を発現する。また、機体をミラーコーティングしてビームを防御する・攻撃を受けて割れた破片の数々を敵に突き刺す等といった応用も可能。
- 『UX』においては特殊回避能力として実装。最大発動率は30%と本作の特殊回避の中では最低クラスだが、素の回避力が皆無なので効果を実感しやすい。また、同作では初登場時はウェストが持っており、デモンペインごと自分を複写するという予想の斜め上を行く手を打ってくる。また、中盤のバイストン・ウェルルートでは意外な目的で使用することに……
- バルザイの偃月刀
- プレート状の鋭利な刃を持つ"魔法の杖"。本来は持ち主の魔力を強化し、魔術の儀式に用いる事で魔術の使用を円滑にするためのものである。
- 単純な斬撃に用いるのはもちろん、扇の様に展開してブーメランのような投擲武器としても使用でき、斬撃の衝撃波でも物体を破壊することができる。魔力を通すことにより、灼熱の刃へと変化する。
- UXでは第1部の中盤で追加。2度斬りつけた後に衝撃波で追撃する。準必殺技クラスの攻撃力を持ちながら気力制限なしという点が優秀。追加時のイベントではデモンベイン出撃まで剣が飛び回って自軍のHPを削り続けるという地味に厄介なイベントがある。
- クトゥグア&イタクァ
- 炎の神性クトゥグア、風の神性イタクァという旧支配者の力を宿した二挺拳銃。作中でも言及されているように銃自体は「暴君」が九郎に与えたもの。また、銃そのものはアルのページではないため、彼女が戦闘不能になった時も人間サイズの銃として実体化しており、マギウス・スタイルになれない九郎の主力武器となっていた。
- 両者とも火薬には霊的存在の物質化を促進させる霊薬「イブン・ガズイの粉薬」が含有されているほか、「神獣弾」を装填することで、クトゥグア・イタクァの本来の姿を解き放つ神獣形態を使用できる。
- 『UX』では「クトゥグア=イタクァ」の名称で第2部中盤から追加。アニメ版に適切なシーンがなかった為か演出はオリジナル色が強く、「両手に紋章が浮かび上がるカットインから銃を呼び出して銃撃(このあたりはアニメ版の再現)→クトゥグアの1発とイタクァの連続着弾で宇宙まで打ち上げられる→真下から迫るクトゥグアと特有のジグザグ軌道を描くイタクァが連続で着弾して爆発」といった流れ。クトゥルフ神話では、イタクァは人間を空に巻き上げて地球外の遠方の地をあちこち連れ回し、最後は地上に投げ捨てるとされており、そのあたりを意識した演出なのかもしれない。射程は最大7と近接攻撃だらけのデモンベインにはありがたいが、必殺技クラスなので消費が40と重い。反撃時は状況と相談して撃つべし。また、両者の人間態も「???」名義ではあるがキャラクターとして登場し、武器使用時には一瞬だけカットインが入る(銃を呼び出した直後)。アニメ版準拠で神獣形態は非実装だが、「THE RETURN OF THE SORCERER」インターミッションの夢幻心母突入イベントで神獣形態を使う描写が挿入された。
- クトゥグア
- 「モーゼルC96」を基にした黒と紅の大型自動拳銃。破壊力と連射性にも優れている炎を纏った弾丸を放つ。
弾丸は炎の神の洗礼を受けた50口径弾『The minions of Cthugha』が使用されている。神獣形態は焔に包まれた獣の姿をしており、触れるもの全てを蒸発させるほどの熱量を放つ。 - イタクァ
- 「マテバM6Unica」をベースにした銀の回転式拳銃。魔術による追尾誘導能力を持つ氷を纏った弾丸を放つ。
弾丸は風の神の洗礼を受けた46口径弾『Wendigo』が使われている。神獣形態は氷の躯と翼を持つ一角の竜の姿をしており、絶対零度で広域を瞬時に凍結させることが可能。
- ロイガー&ツァール
- 二振りの小剣。二つを繋ぎ展開することで十字状の投擲武器として使用できる。
- 『斬魔大聖』には名前だけしか登場しておらず、ゲーム版『機神咆吼』に付属するOVAではこの断片を手に入れるまでの一幕が描かれている…が、ゲーム本編では僅かに登場するのみで、アニメ版では出番すらないという不遇の兵装。続編の『機神飛翔』ではとあるキャラクターがこの兵装を愛用し、大活躍することに。
- ド・マリニーの時計
- 時間の停止、巻き戻しを可能にする。余談だが、ミスカトニック大学の時計塔には「本物」のド・マリニーの時計が覇道鋼造の手によって埋め込まれている。
- シャンタク
- アイオーンの飛行ユニット。アルが全ての断片を取り戻した後に使用可能になる。蝙蝠の翼や黒いマントと喩えられる形状をしており、これによりデモンベインも飛行能力を会得する。
その他の装備・機能
- 旧き印(エルダーサイン)
- 魔力を介して発動する防禦陣。邪悪や敵意を祓い、清める力を持つとされる。物理的な衝撃に限らず、魔術攻撃に対しても高い防御力を発揮する。発動時、機体の前方に光輝く五芒星の印が展開する。
アニメ版ではバリアとして使われたシーンがないためか『UX』では特殊能力として採用されていない(機体ボーナスのバリアフィールドはこの代用だと思われる)。 - 自己修復能力(メリクリウス・システマ)
- 終盤において機能し、損傷箇所を瞬く間に修復していく。オリジナルの鬼械神は総じて最初からこの能力を持っている。
アニメ版では明確に修復している描写がないためか『UX』では特殊能力として採用されていない。 - 機神銃舞 / 零距離銃舞(モータルガンバット)
- ゲーム版『機神咆吼』のライカルートにおいて、ネームレス・ワンに使用したコンボ技。アニメ版では未使用。
断鎖術式による2段ジャンプで敵の攻撃を回避すると同時に飛びかかり、至近距離からクトゥグア&イタクァによる銃撃を浴びせ、トドメに踵落とし版アトランティス・ストライクで粉砕する。
『機神飛翔』では必滅奥義(いわゆるフィニッシュブロー)として使用する。
特殊能力
- 銃装備
- 頭部バルカン砲で撃ち落としを発動。
- 剣装備
- バルザイの偃月刀で切り払いを発動。バルザイの偃月刀入手に合わせて実装される。
- バリア・フィールド
- 改造・成長ボーナスで取得できる特殊機能。軽減量は最低1000、最大1500となかなか優秀。ただし、消費するのは例によってMPなので燃費が悪化する。
- 原作におけるエルダーサインの疑似再現と思われる(アニメ版では使っていないため)。
移動タイプ
サイズ
- L
- 上記の通り、UXでは貴重な自軍Lサイズユニットである。
機体BGM
- 「機神咆哮―交錯する刃金と刃金」
- 通常戦闘時のBGM。
- 「破神昇華―渇ず飢えず無に還れ」
- 必殺技会得時に流れるイベント曲。何故か通常時にそれらの技を使っても流れないが、戦闘曲に設定することは可能。
対決・名場面など
関連機体
- アイオーン
- アル本来の鬼械神。攻撃力に長けた短期決戦用の機体であり、まさに「最強の魔導書」に相応しい最高位の力を持つ。……が、鬼機神全般の弱点として、魔力消費が極めて激しいという欠点がある。特にこのアイオーンは最高位であるためその消耗も半端ではなく、余程の才能がない限り術者は魔力と精神力を削られ続け、それでも魔力が足りない場合、術者の生命力を魔力に変換する機構「アルハザードのランプ」が強制的に術者の命を削って魔力を絞り出すため長期間乗り続けると確実に死ぬ『術者殺しの鬼械神』でもある。リベル・レギスとは別の意味でデモンベインと対称的な機体。
- 原作冒頭時点では術者を欠いた状態であり、リベル・レギスにあえなく破壊されてしまった(このシーンはアニメ及び『UX』でも再現されている)。
- シャンタクを初めとする武装の一部はこの機体に由来する。また、デモンベインと酷似した姿をしているが、その理由は不明。
- デモンペイン
- ドクター・ウェストが制作したデモンベインの姿を模した破壊ロボ。「ベ」ではなく「ペ」となっている。
- リベル・レギス
- 宿敵・マスターテリオンの鬼械神。実はある意味で対存在。
- デモンベイン・トゥーソード
- 『機神飛翔デモンベイン』に登場。異世界から来た少年「二闘流(トゥーソード・トゥーガン)」が使用する黒いデモンベイン。
- 頭部ビームフラッグが二本になり、脚部シールドが側面に移動している・シャンタクが脚部シールド内部から虫の羽のように展開するなど細かい部分に差異がある。オリジナルのデモンベインよりも身軽で、運動性能が高い。
- 並行世界のデモンベインの改造機だと思われていたが、その正体はとても意外な存在だった。
- なお、アニメ版デモンベインの変形はトゥーソードのデザインを意識した物となっている。
- デモンベイン・ブラッド
- トゥーソードと同じく『機神飛翔』に登場。異世界から来た少女「アナザーブラッド」が使用する紅いデモンベイン。オリジナルと同じ形状だが、使用武装は搭乗者であるアナザーブラッド独自の魔術に依存している部分が多い。
- デモンベイン(軍神強襲版)
- 外伝小説『軍神強襲』に登場。規格外の大きさと性能を誇るデモンベイン。
- 魔を断つ永遠の剣(デモンベイン・アートレータ・アエテルヌム)
- 外伝小説『軍神強襲』版と『機神飛翔』版の2つがある。両方共チートそのものを具現化するとこうなるというかのようなふざけた存在。
- グルンガスト
- 「デモンべイン」は元々原作のシナリオライターである鋼屋ジン氏が第4次プレイ中にグルンガストに付けた名前である。
余談
- 原作(アルルート)及びそれを元にしているアニメ劇中では「覇道鋼造によって造られた」と説明されているが、別のルートで明かされた真相によると鋼造は「前のループ」から飛ばされ破壊されたデモンベインを復元しただけであり、その後の続編や関連作品においても「デモンベインが何者によって造られたか」について触れられたことはなく、現在に至るまでデモンベインの真の製作者は謎のままである。
- また、そのルートでは、デモンベインを復元したのは鋼造ではなく、鋼造を名乗る別の人物だったことが明かされている。
- この「鋼造が回収して来た原作版デモンベイン」は、実はアニメ版のエピローグにも登場している。
- 実は公式設定で様々な可能性のデモンベインが一度に召喚された事例があり、どんな姿でもおかしくないというある意味ぶっ飛んだ機体。液体だろうが未完成だろうが、崩壊寸前だろうが気体だろうが考えられうる可能性全てを内包している。その中にはマジンガーシリーズだったりゲッターロボシリーズだったり、果てはミールだったりする可能性も存在していた。デモンベインの定義は恐らく「魔を断つ剣」であるため、本家デモンベインのように戦う意志さえあれば形に関係なく全てがデモンベインになりえる。この定義に従うならばUXでデモンベインとともに戦った自軍全員が「デモンベイン」であるという解釈も成り立つ。