ボアザン星人
ボアザン星人(Boazanian)とは、『超電磁マシーン ボルテスV』に登場する異星人。
概要
地球に侵略してきた異星人。星の名前の元ネタはフランス語で隣人を意味する単語(Voisin)だが、スペルには反映されていない。
ボアザン星に本拠を持ち皇帝を頂点とした帝制(ボアザン帝国)で、角の有無により貴族と労奴に区別され、角のない労奴は苦境の生活を送っていた。更なる資源と労働力を欲し、「角のない異星人は労奴にも劣る下等生物だから、角のあるボアザン貴族の指導下におくべきである」との大義名分を掲げて、宇宙に植民地を広げている。この価値観ゆえ、プリンス・ハイネル率いる地球征服軍は、地球人を「それなりの科学力を持つ哺乳類」と見なしていた。故に、ド・ズール(SRWではカザリーンが代役することもある)が「地球人には愛情の概念がある」と報告した際、「犬や猫と同レベルの地球人にそんな概念があるわけがない」と幹部総出で爆笑した。
最終的に、ボルテスチームがボアザン本星に乗り込んだのを契機に、労奴たちが一斉蜂起し、貴族たちを拘束する。以後は、ラ・ゴールが中心になって再建に着手することとなった。
登場作品
原作のようにボアザン本星まで殴り込みをかけるのは『第3次α』のみで、それ以外の作品では地底城攻略まで描かれている。『A』、『J』では決着がつかない。元々「星間国家」という設定ゆえか、他作品の星間国家をより強大に見せるべく、帝国がまるまる支配下に置かれている場合が目立つ。
αシリーズ
- スーパーロボット大戦α
- ゼ・バルマリィ帝国(エアロゲイター)の支配下。
- 「角のない異星人」であるバルマー人に屈服したためか、他のSRWよりかは地球人への偏見が薄れている。そのため、ド・ズールの「地球人には愛情の概念がある」という報告も、「考えられぬ話ではない」と、すんなり受け入れていた。
- 身分制度については言及されるのだが、本作中のボアザン貴族たちは「ゼ・バルマリィ帝国に酷使される人々」という印象が強く、原作ほど傲慢には見えない。
- 第2次スーパーロボット大戦α
- ゼ・バルマリィ帝国の支配下から脱したが、ハイネル曰く「皇帝ズ・ザンバジルにより腐敗しきった」とのこと。暗黒ホラー軍団と手を組み、ド・ベルガン率いる軍勢を地球に派遣し、小バームのオルバン大元帥を支援した。
- 第3次スーパーロボット大戦α
- ムゲ・ゾルバドス帝国、キャンベル星人と手を組み、星間連合を形成した。本作で初めてボアザン本星と皇帝ズ・ザンバジルが登場し、ボアザン星の解放が再現された。
携帯機シリーズ
- スーパーロボット大戦A
- ベガ星連合軍に従属する。角を持つもの同士で百鬼帝国と提携する。皇帝の話題も少し出るがボアザン星に行く手段がないためかエンディングでボルテスチームがボアザン星に旅立つシーンで終わる。
- スーパーロボット大戦R
- ミケーネ帝国、恐竜帝国、キャンベル星人と手を結ぶ。
- 作中では地底城陥落までしか描かれておらず、ハイネルとカザリーンは存命のまま地球を去った。歴史が変わったエピローグではサブロウタの口から「月臣が復興に手を貸している」と語られているので、原作同様に貴族制は崩壊したらしい。その後、キャンベル星人、アルクトス星人と共に地球と友好を結んだ。
- スーパーロボット大戦J
- 原作の貴族意識を反映してか、他の勢力とは手を結ばず基本的には単独の勢力。グラドス軍と交戦したこともある。
- 剛博士、浜口博士がズ・ザンジバルを倒すためにソーラーファルコンでボアザン星に行く計画を立てるシーンがあるがその後の展開は不明。
- スーパーロボット大戦L
- 名前のみ登場。ソーラーファルコンの帰還から始まるため、既に倒されているが、脳波解析技術がルド・グロリアに悪用される。
単独作品
- 新スーパーロボット大戦
- バルマー帝国の支配下。身分制度関係への言及はあまりない。グラドス軍に比べると扱いが悪いが、暗黒ホラー軍団よりは優遇されている印象。
- スーパーロボット大戦Card Chronicle
- 地球に襲来したが、人類間の戦争と宇宙からの侵略者、ホロルンゴの出現により地球での状況が混沌してしまい、事態を静観する立場をとってボアザン本星へと引き上げた。
- そして並行世界が融合し、それでも無くならない戦いで地球が疲弊していることを知ると、機械帝国ガルファと手を組んで再び侵攻を開始した。
- スーパーロボット大戦DD
- ワールド2世界における敵勢力の一つ。同一世界の宇宙人勢力は、意志疎通可能かどうかも疑わしい使徒やあらゆる生命体を機界昇華させたがるゾンダー、生物と融合して操るインベーダーなど、とてもではないが話が通じそうにない連中ばかりなので、単独での地球征服を画策している。
人物
他作品の関連人物・組織
- キャンベル星人
- 『α』ではゼ・バルマリィ帝国、『A』ではベガ星連合軍と、そろって他国の支配下に置かれる。
- 『R』では同盟を結ぶ。
- バーム星人
- 『第2次α』では結託する。
- 『A』では、同じくベガ星連合軍の支配下に置かれる。
- 妖魔帝国
- 『新』では同じくバルマー帝国傘下。
- 暗黒ホラー軍団
- 『新』ではバルマー帝国に占領され、同じ辺境方面軍第8艦隊に組み込まれる。
- 『αシリーズ』では結託する。
- グラドス軍
- 『新』ではバルマー帝国に占領され、同じ辺境方面軍第8艦隊に組み込まれる。
- 『J』では敵対する。
- ベガ星連合軍
- 『A』では、キャンベル星人、バーム星人とともに支配下に置かれる。
- ゼロ (電童)
- 『CC』では客将の扱いを受けるが、角を持たないが故にあまり信頼されてはいない様子。
- バルマー帝国
- 『新』では、この帝国の辺境方面軍第8艦隊に組み込まれる。新参者ゆえ「暗黒ホラー軍団以上、妖魔帝国並、グラドス軍以下」の待遇を受ける。
- ゼ・バルマリィ帝国
- 『α』ではこの帝国に占領され、『新』以上に酷使される。
関連用語
余談
- 「ボルテスVの続編」として描かれた漫画作品『第41話 逆襲する貴族』(長谷川裕一:作)では、殖民星の貴族が評議会を結成し本国奪還を目論んでいること、労奴改め市民と貴族の争いが深刻化していることが言及されている。
- この作品は非公式だが、後に長谷川氏が手掛けた漫画『超電磁対戦ビクトリーファイブ』にて一部設定が流用されている(直接話が繋がっている訳ではない)。