ブラックサレナ | |
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外国語表記 | Black Sarena |
登場作品 | 劇場版 機動戦艦ナデシコ -The prince of darkness- |
分類 | 特殊偵察用機動兵器(エステバリス) |
全高 | 8 m |
動力 |
重力波 新型バッテリー 固形燃料 |
素体 | エステバリス・テンカワSPL |
開発 | ネルガル重工 |
パイロット | テンカワ・アキト |
概要
テンカワ・アキト専用機。その正体は増加装甲を纏ったエステバリス・アキト機(このアキト機はTV版アキト機の改造機)である。
一対多を想定し重装甲、高機動を実現した機体ではあるが、その分武装は少ない。尻尾状のテールバインダーはマジックハンドになっており、先端にはアンカークローを有している。パイロットがA級ジャンパーであるため、月~火星レベルの長距離ボソンジャンプが可能。
そもそもは「エステバリス・テンカワSPL」という、蜥蜴戦争時にアキトが使用していたエステバリスを改造した実験機であり、アルストロメリアのプロトタイプにあたる機体である。この機体のデータにより、ジンタイプよりもさらに小型の機動兵器でもボソンジャンプが可能と判明し、役目を終えたSPLはネルガルの会長室経由でアキトの手に渡った。
しかし、高性能試作機とはいえ元が旧型の上、相手は最新スペックの夜天光+六連×6では勝ち目があるはずもなく大破(敗れたアキトが生還できたのも単に彼がA級ジャンパーだったからにすぎない)。これを受けたネルガル側は、対多数戦闘をコンセプトに強化改造を行い、外付けの装備や追加アーマーを実装。これが「ブラックサレナ」である。ちなみにロールアウト当初の武装が、実弾兵器を満載し、落ちた機動力を補うため燃料系スラスターと重力推進を併用した重火力型(ストライカータイプ、S型)である。
このS型は拠点強襲には多大な効果を発揮したものの、一番の本命であった夜天光には相性の悪さ(機動力特化の白兵型と火力特化の重装甲では歴然である)が祟り、やはりボロ負けを喫する。そこで、重装甲を維持しつつ機動力を確保するため、スラスターを肩に追加して脚部そのものもスラスターに換装、ハンドビームガンを装備する両手では武器が使えないためテールバインダーにマジックハンドの機能を持たせ、増加した推力に機体を耐えさせるため、エステバリスの四肢を固定することで剛性を高めた重装甲型(アーマード、A1型)へと改造された(余談だがS型とA型はカードゲーム『クルセイド』で初めて色つきイラスト化された)。
ここからさらに装甲を高めたのが、劇中に登場した機体(A2型)である。ちなみに実は背部の装甲がかなり薄く、SPLの重力波アンテナが飛び出している。さらにジャンプ装置は高機動ユニットの方にあり、サレナ本体には搭載されていない(つまりブラックサレナ単独では基本的にジャンプ不能)。
このような仕様のため、機動力と推進力、装甲はズバ抜けているのだが、肝心の火力が通常のエステバリス以下と非常に低い。徹底的に対北辰衆に特化した機体であるため、大軍が相手だと素の状態では不利。
ブラックサレナ(black sarana、黒百合)の花言葉は「恋」「呪い」。ユリカへの想いと北辰らへの復讐心のダブルミーニングが込められているのだろう。ユリカへの想いを心に秘め、北辰らへの復讐心で心を閉ざしたアキトと、かつての愛機・エステバリス(ちなみに、エステバリス=ナツザキフクジュソウの花言葉は「優しくて悲しい思い出」「消しがたい思い出」)を漆黒の追加装甲で覆い隠した姿がダブって見える機体である。ちなみにsaranaとはユーラシアでの百合の呼び名の事。
強化装備形態
- 高機動型ブラックサレナ
- 高機動ユニットを装備した状態。
登場作品と操縦者
異常なまでの運動性と移動力、そしてリアル系とは思えないほどの重装甲とディストーションフィールドを併せ持ち、ボソンジャンプやEN回復も付いている為、出しておけば単機でシナリオクリアも可能。
また、他のエステバリスカスタムとの性能差を埋めるためか、コアとなっているユニットがエステバリス・アキト機から、アキト専用のエステバリス・テンカワSPLへと変更されている。 ただし、劇場版でコアとユニットとなっているアキト機は『TV版のエステバリス・アキト機の改造機』なので、エステバリスカスタムとは別物だが『エステバリスのカスタム機』ではある。SRWで『エステバリスカスタム』がコアユニットに採用されているのも、そのあたりも関係あるのかもしれない。
携帯機シリーズ
- スーパーロボット大戦R
- 初登場作品。序盤でスポット参戦した後、終盤から使える。乗るのは序盤が劇場版のアキトで、終盤がTV版のアキト。撃墜されるか分離するとエステバリスカスタム・アキト機になる。また序盤に劇場版ナデシコがメインのルートを選んでいる場合のみ高機動ユニットがつく。
- 原作と異なり「小型の相転移エンジンを搭載している」という台詞がある(実際はエステバリス同様母艦からの重力波ビームがエネルギー源)。技が二つだけで、ディストーションアタックは気力120~なので、下位メイン機体のエステバリス(砲)と比べてパワーアップしてるとは言い難い。一応エステバリス状態でガイのスーパーエステバリスとダブル・ゲキガンフレアを放つことが可能なのが強み。
- スーパーロボット大戦W
- ラスト3話+47話・49話のみ参戦するが、それ以外の話では資金+経験値泥棒な上に武装が極端(弾頭10のハンドカノン、消費50のディストーション・アタック、使うと分離するパージ)なため、あまり使い勝手のいいユニットとはいえない(ただし、サレナ自体はEN回復持ち)。装甲も1300しかない(もっとも装甲値が全体的に低い『W』において、リアル系で1300は高い方だが)。しかし、分離してエステバリスカスタム・アキト機になると、ガイとダブルゲキガンフレア(劇場版Ver)が使えるようになる。劇中ではありえない、SRW独自の技にもかかわらず演出が凄まじく、その上合体技の中でも特に凶悪な威力を誇るので、ガイの火力底上げという意味でも使って損はないユニットである。また、サレナ単体でもパージ攻撃が使え、リアル系の単体武器としては破格の攻撃力を誇る。高機動ユニット装着時もパージ攻撃が使えるので計2回使える(パージ攻撃は使うと分離する)。
- ブラックサレナとエステバリスカスタム・アキト機の武器の差は実はパージ攻撃とダブルゲキガンくらいで、アキト機はENこそ下がるが重力波アンテナの恩恵を得られるので、燃費もエステバリスカスタム・アキト機の方が良い。ただし、高機動型ブラックサレナ→ブラックサレナ→エステバリスカスタム・アキト機と分離する度に運動性が落ちるという欠点がある。また、『R』、『MX』とは違いボソンジャンプを特殊能力として持っていない(1部と2部の間が半年しかないのでアキトが使いこなせていないとも取れるが、アルテミスではあっさりジャンプ奇襲をやってのけている……)。
単独作品
- スーパーロボット大戦MX
- アキトがリベンジを持っているため強力だが、参戦時期が遅すぎるのが最大の難点。また、リョーコ、ヒカル、イズミの3人とは違い、合体攻撃を持っていないのも欠点。しかし、実は本作では単独最大のダメージを叩き出すユニットである(アキトの養成次第だが、メディウス・ロクスの最終形態なら4発で落とせるほど)。本作では撃墜されてもエステバリスカスタム・アキト機にはならない。武器に「ディストーションアタックS」が追加された。
- スパロボ学園
- 地形適応が空・宇Sと陸・海Dと極端で、入手難易度が高いが本作は回避型ユニットが弱い傾向にあり、いままで以上に扱いが悪い。原作で陸に立っていたのだから陸適応ぐらいAでもいいと思うが…。
- スーパーロボット大戦V
- 参戦が遅い事に定評のある本機だが、本作では11話より登場し本格参戦は20話と歴代最速の参戦。参戦が早い分、歴代サレナと比べると性能が抑えられているが、アキトが初期状態で底力レベル9を持ち、HPが低くリアル系にしては装甲が高い機体性能もあってちょっと被弾するだけで戦闘力が跳ね上がる。
- デフォルトでのEN回復手段を持たない関係で他のエステバリスよりも燃費が良く、気軽にディストーション・アタックが撃てる。回復に関してはカスタムボーナスをとれば「重力波ビーム」の効果を受けられるようになるので早めに五段階改造を施してやると良い。
- アキトがダッシュを持っており、カスタムボーナスでさらに+1されるので、素の移動力が9となる。従来作より全体的に移動力が低下している今作においては破格とも言える。
- なお、高機動型はマップアイコン、エステバリス・テンカワSPLは演出のみでどちらもユニットとして登場しない。
- スーパーロボット大戦X-Ω
- 2017年4月の強敵イベント「じぶんらしくあるために」の特攻ユニットとして登場。レアリティSRとSSR、更にSSRはガチャ産と強敵チップ交換による大器(ブラックサレナ◇)の2種類があり全てがシューター。ガチャ産SSRは大器SSRの限界突破の素材として使用可能。大器型は最大限界突破のレベル80の時にリアル系でありながら装甲が1万超えをする上昇量を持つ。
- 短距離シューターであり敵エリアに居る時にアビリティ「A級ジャンパー」「黒百合」で回避率、攻撃力が上がる為、前線での壁役に優れる。
- 短距離シューターなので攻撃間隔が高速と表示されているが実際のダメージレースはかなり遅く「復讐者」による攻撃速度アップはその欠点をある程度相殺できる程度でしかない。
装備・機能
武装・必殺武器
武装
- マジック・アンカー
- 主にマニピュレーターの役割をし、精密作業時に使用する。
- ハンドカノン / ハンドカノン(遠距離)
- 本機の射撃武器。エステバリスの両腕に装着して使用する。
- 『W』では弾数がたったの10しかなかったが『V』では16と大幅に増えている。また『V』の遠距離版は移動後使用不可。
- ハンドカノン(近距離)
- 『V』でアンカークローと同様に追加。至近距離から回転しながらハンドカノンを乱射する。遠距離版とは弾数は別個で12発もあり、カスタムボーナスがない段階でも反撃に困らない。
- ディストーションフィールド
- 周囲の空間を歪ませるバリア。
必殺技
- ディストーション・アタック
- ディストーションフィールドを展開して体当たりを行う。
- 『W』ではトドメ演出で原作における「抜き撃ち」を行い、中身のエステカスタムが登場する(分離扱いにはならない)。『MX』、『V』ではバリア貫通があるが、『W』では無い他、ディストーション・アタックの例に漏れず燃費が悪い。『V』では初期段階ではEN回復系能力がないこともあり、他のエステ2機よりは消費が軽い。
- ディストーション・アタックS
- 上記のディストーション・アタックの後、装甲をパージしてエステカスタムもディストーション・アタックを行う。『MX』と『V』で使用。『V』ではトドメ演出でエステカスタムがパージされた装甲の前で立ち、左目から黒いオイルを流すのだが、原作のクライマックスの再現である。なお、『MX』のディストーション・アタックはバリア貫通があるのだが、こちらにはバリア貫通がない。
- アーマーパージ
- 『W』のみ使用。『MX』におけるディストーション・アタックS。ディストーション・アタックの後に装甲をパージしてそれを敵機にぶつけ、中身のエステカスタムが体当たり。リアル系ユニットの武器としては破格の攻撃力を誇るが使うと分離扱いとなり、エステバリスカスタム・アキト機になってしまう。この技の使用で分離すると、個別コマンドの分離と違いENが回復しないので注意。ただし、本機はナデシコと共に運用する事が前提なので、それほど弊害はないと思われる。なお、高機動型にも同様の武器として「高機動ユニットパージ」がある。
特殊能力
- 銃装備
- 『W』で所持。ハンドカノンで撃ち落としを発動。
- ディストーションフィールド
- ボソンジャンプ
- 『R』で所持。『MX』ではアキトの特殊能力A級ジャンパーで同じ効果が得られるため所持していない。『W』や『V』ではどちらも所持していないため、ボソンジャンプを行うのはイベント限定。
- EN回復(小 / S)
- 『R』、『MX』では小、『W』ではS表記。設定ではこのような機能は所持していないが、設定通り重力波アンテナ所持だと活躍させづらいと思われるので妥当な処置だろう。『R』の「小型相転移エンジン搭載」という台詞はこの特殊能力を意識したオリジナル設定かもしれない(単なるライターのミスかもしれないが)。『V』では失われたが、カスタムボーナスで補って余りあるようになる。
- 分離
- 『R』、『W』で所持。エステバリスカスタム・アキト機に分離する。HPとENも全回復する。
- 換装
- 『MX』、『W』で所持。『MX』では現行の搭載換装と同じで、戦艦に搭載すると再び高機動型に換装可能となる(一度だけ存在するスポット参戦時も可能)。『W』ではインターミッションや出撃準備で高機動型やエステバリスカスタム・アキト機に換装可能。
移動タイプ
サイズ
- S
カスタムボーナス
機体BGM
- 「ブラックサレナIII」
対決・名場面
スパロボシリーズの名場面
- 黒百合作戦
- 『V』第46話「宇宙の狼」にて、ドメル率いるガミラス艦隊と戦闘になった地球艦隊・天駆。ドメルの指揮官としての高い能力も然る事ながら、物質転送装置での攻撃部隊送り込みによる物量作戦に苦戦する。
- その最中、ヤマトの副長真田が、敵旗艦の甲板付近にある装備が物質転送装置だと気付く。報告を受けた艦長沖田は、古代に命じて作戦名「黒百合」を発動。
- 作戦の内容は、ブラックサレナがボソンジャンプで敵旗艦に一気に接近して転送装置を攻撃・破壊し、ボソンジャンプで敵の下を素早く去る、転送には転送で対抗する一撃離脱戦法。アキトは沖田の狙いに応え、理想的な展開で転送装置を破壊、敵の転送戦法を封じて見せたのだった。
関連機体
- アルストロメリア
- ブラックサレナの実戦データを基に開発された新型量産機。
商品情報