バンドーラ

2017年6月23日 (金) 00:02時点における240f:a9:6bae:1:21db:b5e1:6246:a2fc (トーク)による版 (→‎本編)
バンドーラ
登場作品

スーパー戦隊シリーズ

演者 曽我町子
デザイン 篠原保
種族 古代恐竜人類
性別
所属 バンドーラ一味
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概要

恐竜戦隊ジュウレンジャー』の敵組織「バンドーラ一味」を束ねる魔女。 かつて古代恐竜人との戦いの果てに古代人と恐竜を滅ぼしており、守護獣の手により惑星ネメシスへと封印されていたが、宇宙飛行士が何も知らずに封印を誤って解いてしまった為に復活。 に拠点となる宮殿ドーラパレスを築き、地球への攻撃を開始する。

魔女らしく破壊と殺戮を好む他、子供が大嫌いであり子供を狙った卑劣な作戦を多く立てている一方で、バンドーラ自身は非常にノリが良い性格。子分からも畏怖される以上に慕われており、時に子分達に優しく接して一緒に踊りやを楽しむ等、コミカルな場面も多く見られている。

元々は古代恐竜人類の部族・ダル族の女王であったが、一人息子のカイが恐竜に追われて死んだ[1]恨みから大サタンにを売り、魔女となった経緯が有る。子供嫌いなのは、このトラウマが理由。

また、頭の回転が速い上に判断力が高く、子供以外にも偽物変身を利用する、残り時間の少ないドラゴンレンジャー / ブライを狙う等でジュウレンジャーを社会的・精神的に追い詰める作戦を多く取る。そして、それ以上に目立つのが生身での戦闘力。(変身前とはいえ)本気のブライを軽く圧倒し、獣帝大獣神を魔法の一撃で怯ませる等、その実力は本物である。前線に出る時は飛ぶ自転車[2]に乗っている事が多い。

キャラクターの総評

バンドーラはスーパー戦隊シリーズにおける悪の組織の大ボスでありながらその「コミカルで憎めない悪役ぶり」と、彼女率いるバンドーラ一味が他のシリーズでは多く見られる「敵幹部同士の内紛や足の引っ張り合い、下剋上といった裏切りイベントが一切見られない」等シリーズ屈指のアットホームな敵組織である事、何よりも演者である魔女役や悪の女王役を長年に渡って多く演じてきた曽我町子氏(元々同氏に演じてもらう前提でキャラクター設定を作っていた)の存在感の大きさが語り草となっており、ファンからはバンドーラ様と親しみを込めて呼ばれている。

いわば、バンドーラは「『恐竜戦隊ジュウレンジャー』の影の主役」に位置するキャラクターであると言えよう。

登場作品と役柄

単独作品

スーパーロボット大戦X-Ω
初登場作品。台詞のみで姿は現さず、サプライズ出演に近い。本作でもにドーラパレスを築いた事が言及されている。

人間関係

カイ
息子。溺愛していたが、恐竜に追われて死亡[1]。この事件が原因で、子供嫌いとなる。
トットパット
部下であるコウモリのモンスター。
ブックバック
部下である子鬼のモンスター。
プリプリカン
部下である妖精レプラカーン。ドーラモンスターを製造する役目を持つ。
グリフォーザー
部下である獣人戦士。当初は喋れなかったが、後に恐竜の卵を奪う成果を立てた事で喋れるようにしている。
ラミィ
物語中盤から登場するグリフォーザーの妻。当初は別行動を取っていたため、過去の戦いにおいて一人封印から難を逃れていた。
大サタン
息子カイの命を奪った恐竜を恨むバンドーラを魔女にした悪魔。

他作品との人間関係

バット将軍ガリレイ長官
X-Ω』にて、実質的に共闘関係となる。
流竜馬
『X-Ω』にて、バンドーラの声を聞いて「まったくハイテンションなバアさんだな」と評した。だいたい、合ってる。

名台詞

本編

「大地に眠る悪霊たちよ、〇〇に力を与えよーっ!」
ドーラモンスターを巨大化させる際の台詞。の居城から地球へと向かってドーラセプターを投擲し、杖の刺さった場所から吹き出す力によって巨大化させる。
対象はドーラモンスターに限らず、ドラゴンレンジャー / ブライや、普通の人間の少年等も巨大化させた事がある。
余談だが、物語の途中からは「力を与えよ」の前に「はぁっ!」と気合いの叫び声を上げるようになった。
「プリプリカ~ン? プリプリカ~ン??」
プリプリカンを呼ぶ時の声。曽我町子氏の演技もあって、とても特徴的な声である。
「ねぇ、アタシキレイ?」
プリプリカンにした質問。これに対してプリプリカンは黙ってしまったが、バンドーラ様は曽我氏の美貌もあってとてもお美しい。
「冗談じゃない!みんな、これに摑まって!」
第14話「小さくなァれ!」より。
「苦しめ苦しめ!もっと苦しめ、アハハハハ!!」
「アッハハハハハハハ!!」
「アハハハハハハハ!!」
「ハッハハハハハハハ!!!!」
第16話「クシャミ大作戦」において、人々がドーラーエンドスのクシャミ菌で苦しむ笑いの時の台詞。渾身の高笑いは必聴。
「女を馬鹿にすると承知しないよ!!」
ラミィから喋れるようになったグリフォーザーの第一声が「女は戦場に出ず家に洗濯でもしてろ」だった事を告げ口されて。
バンドーラもまた戦場で戦う(だけの実力を持つ)女性である為、亭主関白な発言は許せなかった模様。
「ぎゃああああ! 目が……目が見えない!」
「離せぇぇぇ!! これしきのことで呪文をやめてたまるか! 私の命と引き換えにしてでも、今度こそジュウレンジャーを倒して見せる!!」
第30話「サタンが来る!」より。大サタン召喚の呪文を唱えている最中に反動で目が潰れるも、駆け寄ったラミィを振り飛ばして詠唱を再開する。鬼気迫る様子から、今度という今度の本気が伺える。
本シーンでトットパット達は「死なないで~!」と心配していた為、バンドーラがとても部下に慕われているのがわかる。なお、実際の大サタン召喚後はバンドーラの視力が回復したらしく、ちゃんと目が開いていた
「あたしを裏切った罰よ!!」
ブックバック「ご勘弁を~!」
トットバット「お許しくださいぃ~!!」
第35話「忍者戦士ボーイ」より。忍者の家系が受け継ぐ「不老不死の薬」を奪うよう言いつけたトットバット・ブックバック・グリフォーザーの3人が、勝手に薬を飲んでしまった(実は頭痛・腹痛・コショウの実が入っていた偽物)事に腹を立てて、珍しくお仕置きを下す。ちなみにこの回のモンスターであるドーラニンジャは薬がすり替えられていたことに気付いており、手を出さなかった。
「ああー、間違いない! アッハハハハ! 今度こそ卵をぐっちゃんぐっちゃんに踏みつぶし、ジュウレンジャーに吠え面をかかせてくれるわ!」
第37話「恐竜が生まれる」より。序盤終わり頃に一時行方不明になった恐竜の卵を見つけて。
なお、この卵は守護獣の存在のよりどころたる「最後の恐竜」であるため、知らなかったとはいえかなりクリティカルな狙いだったと言える。
「ブライが死ねば、ジュウレンジャーはどうなる?」
ブックバック「ええと、ショック! ショックを受ける!」
第38話「ブライ死の出発」より、ドーラパレスでの作戦会議において。本格的に残り時間の無くなってきたブライを追い詰め、彼を死に追いやることでゲキ達に精神的動揺を与えようと目論む。
「さあどうする、ジュウレンジャー! キングブラキオンを呼ぶか、それとも剛龍神のままスクラップにされるか! どっちにしてもお前たちの負けなのさ。アッハハハハハハ……え!?」
第48話「闇からの息子」にて、ドーラタロスに踏みつけられ絶体絶命の剛龍神を前に勝ち誇る。キングブラキオンが守る恐竜の卵がなくなれば守護獣が滅び、かといって呼ばなければこのまま倒される、というピンチにジュウレンジャーを追い込んだが、その矢先に獣騎神の咆哮が響き……。
ちなみにジュウレンジャーにはもう一つの選択肢として、ティラノザウルスとプテラノドンを呼んで獣帝大獣神になるという手段があったのだが、誰も気付かなかった模様。
「カイ……頼むから死なないでおくれ…カイ……あたしをまた、一人にしないでおくれぇぇ!!」
最終決戦、究極大獣神によって倒されたドーラタロス。そして、再び死んでしまった息子カイを抱き抱えたバンドーラの悲痛な叫び。
魔女が涙を流した事で魔力は消え、バンドーラは普通の女性になってしまう。史上最大の悪の魔女は消え、そこには子供の死を悲しむ一人の母親の姿があった…。
「覚えているがいい、ジュウレンジャー。私は諦めた訳じゃないよ。必ず魔力を取り戻し、地球に戻って見せる!アハハハ!」
その後、壺に封印され宇宙を漂い、部下達と火を囲みキャラソンで歌って踊った後の台詞。再び地球に戻り復讐する事を誓うバンドーラだったが…。
「何だい、ラミイ。その赤ちゃんは?」
ラミィ「決まってるじゃありませんか! 私たちの赤ちゃんですわ。さっき生まれましたの。ね、ダーリン!」
グリフォーザー「拙者、うれしくて…」
「冗談じゃないよ! 私が子供は嫌いだって事分かってんだろ?」
グリフォーザー夫妻に第一子が生まれた事を知らされる。当然、子供嫌いなバンドーラは嫌悪感を見せるが、その直後…
赤ちゃん「きゃっきゃっ!」
「…う~ん、なんて可愛い赤ちゃんなんでしょう!! 抱かせてちょうだ~い♪」
トットパット「わ、私にも、私にも!」
ブックバック「僕にもぉ~」
ラミィ「ダーリン、幸せ~」
プリプリカン「よぉし、ワシは赤ちゃんの揺り籠を作るぞぉ!」
「あ、笑った笑ったぁ~!」
赤ちゃんの可愛さに思わず頬が緩み、笑顔で赤ちゃんを抱っこするバンドーラ。それに乗じて部下達は皆赤ちゃんにメロメロに。
ジュウレンジャーとの戦いには敗れ去ってしまったが、そこには確かに幸せが有った…。

キャラソン

「トットパット! ブックバック! グリフォーザー! プリプリカン! さぁ、行くよ!」
劇中でも度々歌っていたキャラソンの台詞。なお、ラミィ加入後に本編で歌われたものは「さぁ、行くよ!」が「ラミィ! 行くよ!」に変更されていた。
「いやぁ…何にもないのがいいねぇ!」
キャラソンの2番での台詞。バンドーラの境遇を考えると物悲しいものがある…。

迷台詞

「はぁ……なんだこりゃ……」
第7話「恐怖! 瞬間食い」より、プリプリカンが焼き上げたドーラキルケを見て思わず脱力。プリプリカン曰くこのモンスターは失敗作だったらしく、バンドーラに強要されて焼き上げたのだがこの始末。本人も「言わんこっちゃない……」と頭を抱えていた。
「もう、ドジマヌケ! ようしこうなったら、ドーラキルケを大きくしてやるかな! 大地に眠る悪霊たちよ、ドーラキルケに……ち、力をあーたーえーよー……」
「もう駄目……お腹が減って力が出ない…」
ドーラキルケを巨大化させようとドーラセプターを構えるが、投げられずに倒れてしまう。
実はこの話ではバンドーラはダイエットの為に絶食の最中であり、ドーラキルケを送り出したのも食べる事が家族の」という一家を見ての八つ当たりという至極どうでもいい理由であった。

スパロボシリーズの名台詞

「そんなに戦いたいんなら、思う存分戦わせてあげるよ」
「大地に眠る悪霊たちよ! あいつらまとめて異空間に送っておやり~!」
「せいぜい人間とハ虫人類で潰し合うんだね。アーッハッハッハッハ!」
X-Ω』イベント「5色の恐竜戦士」より。異空間を形成して、ジュウレンジャー&スーパーロボットのパイロット達を(彼等と対決していた恐竜帝国もまとめて)異空間へと送り込んだ。
直接姿を拝めないとはいえ、バンドーラ様の御登場に驚愕したファンも多かったであろう。
「おのれぇ…。人間どもとハ虫人類で潰し合いをさせるつもりが台無しじゃないか!」
「まあいいさ。あたしにはお前たちを倒す方法がまだいくらで~もあるんだ」
「せいぜいそれを楽しみにしてるんだね! アーッハッハッハッハ!」
同上。閉じ込めたはずの異空間から生還したジュウレンジャー&スーパーロボットのパイロット達に対して。
「漁夫の利を狙う」という今回の企みが失敗してもめげない、相変わらずハイテンションなバンドーラ様であった。

関連怪人

各種ドーラモンスター
巨大化させる度に、手にした杖ドーラセプターを投げている。

余談

  • バンドーラ役の女優・曽我町子氏はその他の特撮番組でも悪の女王・魔女を演じ、その演技力の高さは「悪役を演じさせたら右に出る者はいない"特撮の女王"」と評されていた。
  • 上述の通り、スーパー戦隊シリーズの中でも特にアットホームな雰囲気を持つバンドーラ一味ではあるが、演じる曽我氏が過去に敵組織の首領・ヘドリアン女王役として出演していた『電子戦隊デンジマン』および『太陽戦隊サンバルカン』では組織内の内紛が原因で戦隊側に敗北を喫している。
  • 「『恐竜戦隊ジュウレンジャー』の放送当時、悪の組織の首領でありながらバンドーラは、正義の側であり主人公であるジュウレンジャーよりも(主な視聴者層である)子供達からの人気が高かった」という逸話が有る。
  • 海外版『マイティ・モーフィン・パワーレンジャー』では「リタ・レパルサ」という名前で登場。設定の大部分は変わっておらず、「(日本はもとより)海外の子供達にも人気を博した」という逸話も存在する。
    • 当作において、映像をそのまま流用する形で引き続き曽我氏がリタ役として出演し、追加撮影分も曽我氏が担当している。
      • 後に、リタ役は一部新撮で代役を担当していた現地の女優であるカーラ・ペレス氏に正式に変更となっている。
    • 曽我氏はその後、『魔法戦隊マジレンジャー』にて天空聖者マジエル役を演じたが、それをベースとした『パワーレンジャー・ミスティックフォース』ではリタ・レパルサが改心し正義に目覚めた姿「ミスティック・マザー」という設定となっている。
      • 当初マジエルは岡田眞澄氏が演じる予定だったが、撮影直前になり岡田氏が食道癌を患っている事が発覚し辞退したため竹本昇監督の推薦で曽我氏が代役を務めることになった。しかし実は曽我氏も膵臓癌に侵され体調不良を押しての出演であり、『マジレンジャー』が実写ドラマでの遺作となった。
        • なお曽我氏を推薦した竹本監督は、いざ撮影に入ると「"特撮の女王"曽我町子に演技指導する監督」という立場に緊張の連続だったという。
        • 曽我氏は『マジレンジャー』の放送終了から3ヶ月後の2006年5月7日、膵臓癌で永眠。その直後に小学館から発行された『愛蔵版30大スーパー戦隊超全集』では、曽我氏の追悼企画が行われ、ヘドリアン、バンドーラ、マジエルがカバー裏に描かれた。

脚注

  1. 1.0 1.1 なお、カイの死の原因は彼が恐竜の卵を割った事にある。(子供の悪戯心でやった事とはいえ)自業自得なのだが、バンドーラはこの事実をを知らない。
  2. 現在普及しているものと異なり、前輪が大きい古いタイプのもの。