リベル・レギス
概要
魔導書「ナコト写本(エセルドレーダ)」を用いてマスターテリオンが召喚する深紅の鬼械神。デモンベインと対をなす存在で、召喚者であるマスターテリオンの能力も相俟って凄まじい戦闘能力を有する。
本体よりも巨大な翼や髑髏を模した頭部、カッターナイフのように鋭い指先等が特徴。
通常時はマントや肩アーマーのように機体上部を巨大な装甲が覆っているが、真価を発揮する際にはこれが展開し腰後部から生える翼となり、悪魔のような姿を曝け出す事となる。 変形の際は魔術な力でパーツの追加・排除がなされるため、構造は一致しない。
様々な魔術や武装や結界により遠近問わずに極めて高い性能を発揮する。これらの武装はデモンベインの武装・魔術と対をなすようなものが多い。
作中中盤でアンチクロスの造反によりマスターテリオン諸共消滅したが、終盤で復活。最終決戦では翼を展開した形態となり、デモンベインと死闘を繰り広げた。
最終的にはマスターテリオンごと世界の外側へ放逐されたが、続編『機神飛翔』で再登場。当初はある事情からエセルドレーダを欠いた不完全な状態だったが、デモンベインと同等の強さの鬼械神を一蹴するなど戦闘力は健在だった
原作ゲームのとあるルートではアンチクロスの造反後にブラックロッジに回収され、ネームレス・ワンの代用品としてクトゥルーの制御に用いられた。その後ブラックロッジの構成員であるサンダルフォンがエセルドレーダを喰らい同化することでリベル・レギスを強奪。搭乗した際にはサンダルフォンの戦闘スタイルに合わせ機体の運動性能を極限まで活かした格闘戦を展開し、真正面からデモンベインを圧倒した。
小説『機神胎動』では、リベル・レギスの動力触媒である無限の心臓が収められたマナウス神像がキーアイテムとなっている。覇道鋼造によると、獅子の心臓は機械化された無限の心臓である事から、リベル・レギスの魔導機関エンジンと銀鍵守護神機関は機能的にはほぼ同一のモノである事が示唆されている(次作『軍神強襲』の展開からもそれは伺える)。
登場作品と操縦者
携帯機シリーズ
- スーパーロボット大戦UX
- 初出演作品。原作では本格的な参戦が中盤以降となるのだが、今作ではなんと第4話で最初の大ボスとして登場し、原作ファンの度肝を抜いた。終盤において参戦作品最後の大ボスとしてデモンベインやUXの面々とぶつかり合う。尚、終始翼を開いた状態での参加となる。
- 戦闘の機会は共通ルートのみで、合計3回。うち2回は明らかに手を抜いており、HPが初回48000、2回目50400と強化が十分ならデモンベインのみで対応できる。ただし機体の地形適応が全てSでパイロットのマスターテリオンのステータスも非常に高いため、リアル系でも命中弾を出しカウンターも連発してくる。
- 終盤ではHPが30万もあり、マスターテリオンの能力によりHPの減少と引き換えに防御力が跳ね上がっていく厄介な相手。しかし、二回行動やMAP兵器が無い上に基本的にはデモンベインを優先的に狙って攻撃してくるため、きちんと対処さえしていれば然程苦労せずに倒せる。
- 隠し要素のフラグが立てば最終話のみ味方として使用可能。デモンベイン並みの性能を持つ上に、素の攻撃力もトップクラスで、機体ボーナスでさらに攻撃力が強化され、何よりマスターテリオンがスーパー系にも関わらず精神コマンド「魂」を覚えるため、自軍最高レベルの単体攻撃力を誇る。ちゃんと育成・改造も出来るため、残った資金やスキルパーツをフルに叩き込んでカリ・ユガとの戦いに臨みたいところ。ただし、敵の時より燃費が悪化している(格闘以外の全消費MPが+10)上、サブパイロットの「魔導書」レベルのレベルアップ方式が違うため、レベル59に達していない場合は継戦能力はデモンベインにわずかに譲る。
- PUでは特にマジンカイザーSKLと相性が良く、リベル・レギスの魂とカイザーの熱血・覚醒のコンボは、カリ・ユガとの決戦で大きなダメージソースとなってくれる。作品繋がりで、デモンベインとのライバルタッグも良いが、リベル・レギスのボーナスの内、特殊回避は既にデモンベインにあるために無駄になってしまうのが欠点。
装備・機能
武装・必殺武器
- 格闘
- 手刀を叩き込む。
武装
- ABRAHADABRA(アブラハダブラ)
- 掌から雷撃を放つ呪文。呪文の意味は「死に雷の洗礼を」(語源はヘブライ語の「汝の雷を死に浴びせよ」)。原作ではエセルドレーダがこの呪文を唱えている。
- 元ネタはアイレスター・クロウリー著の「法の書」の記述。よく似た有名な呪文にABRACADABRA(アブラカダブラ)があるが、こちらは主に治療や退魔の呪文として使われていたとされる。また、デモンベインシリーズに影響を与えたライトノベル「ブラックロッドシリーズ」では、とあるキャラが手から雷撃を放ちながら「ABRACADABRA」と唱えるシーンがある。
- 黄金の剣
- 十字架型の金色の剣を召喚し、敵を斬り裂く。原作では刀身が伸縮可能なため、遠距離の相手や超巨大な相手にも対抗可能。「天狼星の弓」の矢としても使われる。先端が十字架のような奇妙な形をしており、全体的に厚みがあり刃も見えない。イラストでは十字架状部分の下を杖のように持っているものも存在する。
- また、マスターテリオン自らも、生身で戦う際はこれを魔術で武器として具現化し(むしろ正確には、マスターテリオンの魔術でリベル・レギスの武器として使っていると言う方が正しい)、障害物となるビルや掃射されるデモンベインの頭部バルカンの弾丸を生身で切り払っている。
- 『UX』では「金色の宝剣」表記。五芒星の形を描きながら、敵を切りつける。
- グランドクロス
- 黄金の剣で数回敵を切りつけた後、大きく振り下ろして相手を縦一閃に切り裂く必殺技。『UX』では不採用。
- 天狼星(シリウス)の弓
- 黄金の弓を召喚し、矢で敵を射る。複数本を同時に発射する他、上空に発射して無数の矢の雨として降らせることも可能。デモンベインのクトゥグア・イタクァに相当する。アニメ非登場のため『UX』では不使用。ちなみにこの弓の矢は上記の黄金の剣を番えている。『機神飛翔デモンベイン』では、装備時に「聖弓ウィリアム・テル起動」というセリフを聞くことが出来る為、もしかしたら技名であって武装名では無いのかもしれない。
- 元ネタとしては、クロウリーの結成した魔術結社「銀の星」がシリウスを表しているとされる。
- 天狼星の弓・セト
- 魔力を収束し、悪神セトの姿をしたエネルギー状の矢で敵を射抜く必殺技。デモンベインのクトゥグア・イタクァ神獣形態(SRWではイベント限定)に相当する。
- ン・カイの闇
- 11発のブラックホール弾を生成・射出し、着弾すると同時に敵の装甲を抉り取る。追尾機能が非常に高く、最終決戦時ではデモンベインも避けきれずにシャンタクの一部が飲み込まれ喪失している。例えるなら、グラビトロンカノン(OGシリーズ版)をブラックホールにし、追尾性能をつけたもの。こちらもアニメには非登場のため『UX』では不使用。
- 「ン・カイの闇」とはクトゥルフ神話の邪神ツァトゥグァが住む地下世界。ナコト写本にはツァトゥグァの事も多く記載されているので、その力の現れと思われる。
- メテオ
- 相手の頭上に隕石を降らせる。魔術操作により避けられようとも何度も追尾することが可能。こちらもやはりアニメ非登場のため『UX』では不使用。
- ハイパーボリア・ゼロドライブ
- デモンベインの「レムリア・インパクト」と対を成す兵装。負の無限熱量を宿した絶対零度の白く燃える手刀。デモンベイン・トゥーソードのレムリア・インパクトに競り勝ったうえで半身を一撃で消滅させるほどの凄まじい威力を誇る。
- 「ハイパーボリア」はグリーンランド近辺にあったとされる大陸を指し、クトゥグアの子であり冷たい炎を持つアフーム=ザーによって消滅したと言われている。ナコト写本はハイパーボリア大陸に持ち込まれた事が知られており、アフーム=ザーの記述も多く記載されていることから、その力の現れと思われる。
- 『UX』では最終戦で追加。ただしシャイニング・トラペゾヘドロンも追加されているため、見る機会は少ない。見たければ「脱力」を使うか、フラグを成立させて味方にしてからになる。カットインとカメラワークの違いで一見気づきにくいが、モーションがレムリア・インパクトと同じ。原作ゲーム版だと氷結するエフェクトは文章にすら描写されない。移動力低下の特殊効果がある。
- 恐らく、負の無限熱量により物質が絶対零度を下回る時発生するエネルギーの反転移現象により対象を昇華しているのだと思われる(例えるなら究極の霜焼けか)。
???
- シャイニング・トラペゾヘドロン
- デモンベインと同様の窮極呪法兵葬。本来ならば1つしか存在しえない物だが、ある理由から2つに分割されている。
- こちらにもデモンベイン同様詠唱文が存在。始動は「血塗れて、擦り減り、朽ち果てた 聖者の路の果ての地で 我らは今聖約を果たす」、発動が「深き昏き恩讐を胸に 埋葬の華に誓って 我は世界を紡ぐ者なり」。
- 『UX』では詠唱文の後半部分が対デモンベイン用の特殊台詞として収録されている。ただしリベル・レギスが先手を取った状態で撃ち合いになると、被弾した際にフリーズするバグが存在する。距離を取るか、カウンターされないように九郎の技量を上げるか、そもそも被弾しないかが対処法となる。
その他
- 自己修復能力(メリクリウス・システマ)
- 鬼械神が持つ再生能力。
- 『UX』では不採用。気になるなら味方になった後でスキルパーツの修理装置搭載を付け代用しよう。
- 空間転移
- 機体を別の場所へ瞬間的に再構成させ、転移させる。
- 重力結界
- マスターテリオンの魔術の一つ。広域に展開し、敵を押しつぶす。
- 『UX』ではイベント。
- 餓鬼結界
- マスターテリオンの魔術の一つ。巨大なケダモノの肉、毛皮、爪、牙、嘴、骨、鋏、顎をごちゃ混ぜにしたような巨大な肉塊を招喚し、相手が近づいた瞬間に弾けて敵を包み込み、そのままそのケダモノとしてのあらゆる捕食器官で貪り食うトラップのような魔術。原作ゲーム版『斬魔大聖』および『機神咆吼』で使用。
特殊能力
MP制ユニット。
移動タイプ
サイズ
- L
機体ボーナス
- UX
-
- 初期段階:格闘武器+100 射撃武器+100 特殊回避15% スペック低下無効
- 第二段階:格闘武器+150 射撃武器+150 特殊回避25% スペック低下無効
- 第三段階:格闘武器+200 射撃武器+200 特殊回避35% スペック低下無効
- 最終段階:格闘武器+300 射撃武器+300 特殊回避35% スペック低下無効
- 格闘と射撃に両方ボーナスが入るのが最大の特徴。このため最強武器が射撃であるマジンカイザーSKLと相性がいい。
機体BGM
- 「機神咆吼―交錯する刃金と刃金」
スパロボシリーズの名場面
- ADVENT EVIL GOD
- 『UX』第4話「舞い降りた翼」にて、大十字九郎と対峙するマスターテリオン。九郎はデモンベインを召喚。対してマスターテリオンは「いつもの通り」生身で応じようとするが、その時九郎と共にいたジョーイが九郎に加勢するため、ヒーローマンを呼び出す。
- これに対しマスターテリオンは、過去幾億回の輪廻の中でも見た事がない、予測も出来ない「白き英雄」の出現に、内心では喜びを隠せなかった。そこで、「趣向を変える」としてエセルドレーダを呼び出し、リベル・レギスを召喚。「本来ならばもっと後で披露するはずだった」黒き鬼械神。彼らがこの輪廻でどんな運命をたどるのか、そして何者なのかを見定めんと戦いを挑む。
関連機体
余談
- 名前の由来は、実在したオカルト研究家であり、自分を「聖書の獣(マスターテリオン)」と称するアレイスター・クロウリー著の「法の書(Liber AL vel Legis)」より。
- 翼の展開によりシルエットが大きく変わるが、実はその展開する場面は一切映像化されておらず、どうやって変形するのかは不明(いわゆるトンデモ変形の一つ)。
- 翼を閉じた時の姿は原作ゲームPC版とPS2版で頭部のデザインが大きく異なり、PC版では若干間抜けな顔のダミーヘッドで覆われている。PS2版ではそのダミーヘッドが無くなっており、本来の頭部の下半分が閉じた翼によって隠れた状態となっている。
- その頭部だが、原作ゲーム版では顔面上部が大きく窪んだ紫色の部分が目となっているのに対し、アニメ版ではその下にある髭状のパーツの付け根部分に目がある(設定画では瞳も確認できる)。『UX』でも機体をよくよく眺めるとそれらしい書き込みがある(被弾してのけ反った際に確認可能)。
- 外伝小説や続編などの描写から、デモンベインが持つ鬼械神によく似た別物故の特徴をリベル・レギスも幾つか持つため、実はリベル・レギスもデモンベインと同じく元々存在している鬼械神によく似た別存在を魔導書で転送・制御しているのではないか、という説も根強い。