熱血ロボ ゲキ・ガンガー3

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熱血ロボ ゲキ・ガンガー3(Fiery Spirit Robot Gekigangar 3)

機動戦艦ナデシコ』作中において放送された架空のロボットアニメ。いわゆる劇中劇

内容は『ゲッターロボ』を主体として、70年代のロボットアニメや特撮などの要素が多く取り入れられている。

人気を博し、後にスピンオフ作品としてOVA『ゲキ・ガンガー3 熱血大決戦!!』が製作された。また、テーマ曲「レッツゴー ゲキ・ガンガー3」はヒーローアニメ・往年のスーパーロボットアニメのOP曲を彷彿とさせる出来で、これまた人気が高い。本編では未採用であった「飛翔け!ゲキ・ガンガー3」等の楽曲も含め、ナデシコのアルバムCDに本編の楽曲と同格の扱いで収録されている。

スタッフ

本編ナデシコとは別チームである。また、声優は本編ナデシコと共通している。

設定

(ナデシコ世界における)21世紀末のアニメ業界では、もはや全てのパターンが出尽くし、究極的なマンネリ状態に陥っていた。そこで原点回帰として、1970年代の熱血アニメをモチーフとして制作されたのが本作である。当時ほとんどロストテクノロジーとなっていたセル画技術などを駆使しているなど、かなり力を入れて作られた作品である。しかし人気は振るわず、放送時間変更の上、39話で打ち切りになった。その後、再放送によって人気が出た(以上の設定はフィルムブック等に記載されている設定。本編では出てこない)。

ゲキ・ガンガーが制作されたのが2096年、ナデシコ本編は2200以降の話。にも関わらず、主人公テンカワ・アキトダイゴウジ・ガイがのめり込んでファンになっており、特に全話を艦内に持ち込んでいたガイの影響で、作中でも序盤から頻繁に登場する。

木連においては、地球および火星からの放逐時に民間人が持ち出したゲキ・ガンガー3以外に娯楽作品がなかったため、困窮した生活を送る人々の間に浸透し、時を経て聖典とまで呼ばれるほどの影響力を持つようになった。木連人の思想形成にまで影響を及ぼしており、特にアニメ内の「勧善懲悪」主義が木連のタカ派軍人達に与えた影響は大きかった。木連軍人の代表・草壁春樹の政治思想や地球に対する偏見は基本的にこのアニメによって形成されたもので、そのような点から言えば、このアニメは地球-木連間の戦争の遠因になっているとも言える。

上記のようなバックボーンのおかげで、ゲキ・ガンガー一辺倒に凝り固まった木連軍人の価値基準は容易には揺らがなかった。しかし、物語の最終局面におけるアキトからユリカへの告白において、彼が語ったゲキ・ガンガーへの想いとその先へ踏み出すべきとする発言が若手将校の心を動かす切欠となり、その後の「熱血クーデター」に繋がることになる。

クーデターの奏功後は、ゲキ・ガンガーを政治的な扇動に用いてきた草壁が失脚し、また木連に地球の文化が流入することになる。その結果、続編の劇場版の頃までには木連内部におけるゲキ・ガンガー熱はかなり薄まったようである。

なお、「ゲキ・ガンガー」の世界では「機動戦艦ナデシコ」がアニメという設定。

スパロボにおける扱い

基本的に木連の思想形成のバックボーンであるという設定がそのまま流用されている。各種スーパーロボット作品のネタについては完全にスルーされている。ナデシコ初参戦の頃は「隠し要素としてゲキ・ガンガーのキャラおよびユニットも登場するのでは?」とファンの間で噂されたこともあったが、流石にそのようなことはなく、『ゲキ・ガンガー3』は現在に至るまで一貫して劇中劇として取り扱われている。ただし、BGMはWで戦闘BGMとして採用されている。

スーパーロボット大戦IMPACT
ほぼ原作通りのポジション。本作ではゲッターなどより本作の方が先発で、アニメで放送されていたものに現実の技術が追いついた、という設定。
スーパーロボット大戦MX
劇場版ナデシコが参戦しているため、あまり関わってこない。ゲッタードラゴンのシャインスパークに興味を抱いたサブロウタが、ゲキ・ガンガーの技に喩えて詳細を訊ねてくる程度。
スーパーロボット大戦A
原作でのゲキ・ガンガーのマラソン鑑賞会が再現された。冷やかな反応も多かったが、リリーナは交渉相手方の聖典とも呼ばれるものならば、と鑑賞会に率先参加。しかも妙なところに気付く。
スーパーロボット大戦R
無敵鋼人ダイターン3』のギャリソンが子供の時に再放送を見ていたというクロス要素があった。再放送だから、55歳のギャリソンが幼少期に見てても不思議ではない。
スーパーロボット大戦J
アキトに勧められて見たアーサーがはまるイベントがある。また、後半のナデシコルートで観賞会を行った際は「単純明快で面白かった」「今の時代にない物を感じた」とかなりの大好評となり、特にカティアドモンが内容に感動するのが印象的。また、同ルートでは甲児(と明言していないが、おそらくボスも)が昔ゲキガンガーにはまってたことが判明する(ちなみに同年代の統夜は見ていなかったとのこと)。
スーパーロボット大戦W
本編とは異なり木星圏に持ち込んだのは『機動戦士ガンダムSEED』のキャプテンG.G.であるという衝撃のクロスオーバーがなされている。なお、彼が木連の人間に渡したのがゲキ・ガンガーだった理由については、後に驚愕の真実が語られることになる。
本作でのゲキ・ガンガー原作と同等以上にシナリオに絡むバックボーンになっており、ゲキ・ガンガーに関する要素は一番充実している。ナデシコ関係のユニットのBGMは主題歌の「レッツゴー ゲキ・ガンガー3」が採用されており、他にも終盤で使用可能になるアキトとのダブルゲキガンフレアのカットインで一瞬映るガイの格好は、『ゲキ・ガンガー3』の主人公である天空ケンのパイロットスーツを模したものであるなど、細かいオリジナル要素がある。その代わり、いつもBGMとして採用されていた「You Get to Burning」が今回は採用されず、ゲキ・ガンガー関連の充実した作り込みの割を食う格好になっている。

関連項目

ジンシリーズ
ゲキ・ガンガー3を模したテツジン、ウミ・ガンガーを模したマジンなど、基本的にゲキ・ガンガーをモデルにした造形になっている。また、九十九など一部のパイロットは、コクピットに愛用のゲキガングッズを置いている。

スパロボで用いられたゲキガン用語

海燕ジョー
ゲッターでいう隼人に当たる人。ゲキ・ガンガーの海戦・スピード担当形態であるウミガンガーのメインパイロットで、合体ロボチームの二枚目・クール担当。作中で非業の死を遂げる(実は生きている)ため、熱狂的ファンが葬式を実施したという某美形兄弟の兄や某有名ボクシング漫画のライバルキャラクターのような設定が存在する。声はプロスペクター役の小野健一氏。
ヒカルのセリフでチラッと登場するほか、Jではガイ生存フラグを満たすとジョーが復活した際の台詞(ゲキ・ガンガー最終話でジョーが発したとされるセリフ「本物の地獄はこんなものじゃなかったぜ!」)で部隊に復帰、アキトがその点を指摘している。
なお、ゲキガンチームの他の構成員の名前は、熱血担当リーダーが「天空ケン」(声:真殿光昭)、力持ち担当が「大地アキラ」(声:飛田展男)、彼が死亡した後の交代要員が「竜崎テツヤ」(声:松本保典)である。
国分寺ナナコ
本作のヒロイン。ゲッターチームで言うところの早乙女ミチルのポジション。木連の軍人にとっては崇拝の対象としての域に達しているキャラクターであるが、ミナトと知り合い彼女の素晴らしさを知った九十九元一朗に「ナナコさんは所詮二次元の女性だ!」と言い放つ(ナデシコ第24話)。A等でも再現されたこの一言は、元一朗が九十九に引き金を引く決定的な要因となった。
アクアマリン
第33話「聖少女アクアマリンの微笑み」に登場したという設定のゲストキャラクター。異星人の美少女というグレンダイザー系ゲストキャラの設定と、姉に戦いを強要されるコマンダー・アイサーの設定を混ぜて作られていると思われる。本作でも悲劇のヒロインという扱いで、アキトは彼女の大ファン。彼女そっくりのアクア・クリムゾンにアキトが誘惑され大混乱に陥るという原作展開はJWで再現された。余談だが、アキトはAにて本作の設定の基になっているアイサーと戦闘する機会があるが、特にこの件に触れることはなかった。
ゲキ・ガンガー3全話一挙上映
地球木連の和平の前祝いとしてナデシコ内で開催された「ゲキガン祭(ノリはほとんど同人即売会)」のメインイベントである原作上映会。ARJで行われた。生真面目なリリーナも参加している。ちなみに原作で上映されていたのは「ゲキ・ガンガー3 特別編集版熱闘篇!」と題した九十九入魂のダイジェスト版である(Jでもこのダイジェスト版を上映している)。
欠番(幻の第○話)
木連では地球からの脱出の際に持ち出した全話のうち、原作第9話「キョアック星からの逃亡者」、第13話「聖夜の悲劇!サタン・クロックM!!」および前出のアクアマリンの登場話である第33話が欠けた状態となってしまっており、地球で現存していることを知った九十九は狂喜した。
なお、設定資料などで確認できるこの3話のシナリオは、全て狙ったように敵方であるキョアック星人と地球人の融和や戦いへの疑問を思わせる内容であるため、軍上層部による情報統制という見方もできるが、何分視聴者の憶測に過ぎないため真相は不明。
アキトが最終回を見ていない理由
同作は第27話以降第39話までは放送時間帯が変更された(その際、本作のタイトルは『ゲキ・ガンガー3』から『熱血ロボ ゲキ・ガンガー3』に変更となった)という設定で、それがためにアキトは最終話の内容を知らず、上記のゲキガン祭で初めて内容を知ることに。それが最後のユリカに対する告白の台詞に繋がる。なお、アキトが見ていたのは再放送版であり、初回放送時は不振ながら再放送で人気を博したという設定は、ギャリソンが子供の頃にファンだったという設定にも生かされている。おそらく『機動戦士ガンダム』が人気を博した背景が元ネタだろう。

ゲキ・ガンガーの武装

ガイ機の技名(およびアキト機の技の一部)にはゲキ・ガンガーの武装名が用いられている。基本的に全て、ゲキ・ガンガーのメイン形態であるゲキ・ガンガー3(ゲッター1に相当する空中戦・汎用形態)形態で使用する技である。なお、元一朗等の木連軍人もジンシリーズの技を使用する際に下記の技名を叫ぶことがある。

ゲキガンフレア
アキト機およびガイ機のエステバリスにおけるディストーションアタックの名称。ゲキ・ガンガー3の必殺技で、敵の前線指揮官であるアカラの乗機・ビッグアカラスペシャルにゲキガンソードを破られ、追い詰められたゲキ・ガンガーが発動させた。「3人が同時にボタンを押さなければエネルギーが暴走して機体が爆発」という、本機の原型となったロボットの必殺技のオマージュ設定が用いられている。ちなみに、被害はゲッターロボ以上である。
ゲキガンパンチ
ガイ機エステバリスのワイヤード・フィスト。本来はロケットパンチそのままの技で、当たり前だが本来はワイヤーは存在しない。
ゲキガンソード
ガイ機のイミディエットナイフ。本来はゲキガニウム合金製の長剣で、ナイフのような小ぶりな剣ではない。
ゲキガンビーム
ガイ機のラピッドライフル。光子力ビームそのままの技で、目から発射する。ライフルの方は実弾だが、本来は名称通り「ビーム」。一部作品ではゲキガンライフル表記。台詞としても「ゲキガンライフル」と言う作品もある。
ゲキガンシュート
詳細不明。原作ではアキトがフィールドランサー使用時に叫んでいた。ゲームでは元一朗などが重力波砲発射の際に叫ぶ。原典ではどのような武装なのだろうか?