桐山英治
桐山英治(Eiji Kiriyama)
- 登場作品:鉄のラインバレル
- 声優:速水奨、庄司将之(少年時代)
- 種族:地球人(日本人)→マキナ人間(アニメ版のみ)
- 性別:男
- 年齢:25歳
- 身長:187cm
- 体重:68kg
- 血液型:B型
- 趣味:機械いじり
- 所属:キリヤマ重工
- 役職:キリヤマ重工5代目社長⇒(加藤機関部隊長兼任)
- 主な搭乗機:プリテンダー
- キャラクターデザイン:下口智裕、平井久司(アニメ版)
キリヤマ重工5代目社長でプリテンダーのファクター。森次玲二とは同級生であり、幼馴染の親友同士。
幼い頃は何かあるたびに森次を守っていたが、森次が自らの力を自覚していくにつれ、無茶をする森次を桐山が尻拭いをするという関係は変わらないも、守る立場が守られる立場へと逆転していった。だが彼の森次への思いは歪んでおり、「森次を救う正義の味方」という自らの正義に忠実すぎたが故に彼が自らの庇護対象でなくなることを許容できず、裏で不良たちを雇い森次にけしかけていた。やがて森次の体に痛覚が無いことを知ると、体の痛みではなく心の痛みを与えようと姉の森次百合子を間接的に殺害するという暴挙に出る[1] 。
彼がクーデターまがい[2] の軍事行動を起こしたのは主にJUDA社の乗っ取りのためだが、そのJUDA社乗っ取りを企んだそもそもの理由は森次の所属する特務部を取り込み、自らの支配下に置くこと。つまり、彼の目的は徹頭徹尾森次を自らの庇護下に置き、彼を救う正義の味方になることであり、自らの力をひけらかしたり、父親を「パパ」と呼んだりすることからもわかるように、体は大人になっても心は中学生時代からまったく成長していない幼稚さが目立つ人物である。
作中でも仄めかされているように、独善に溺れたままだった場合の浩一の未来像の一つである。一方で望まれなかったが故に正義の味方になれなかった浩一である森次に対する歪んでしまった場合の矢島とも見ることができ、彼の存在は浩一が正義の味方になるためには歪みを正してくれる存在(≒矢島)が必要不可欠だということを逆説的に証明しているとも言える。
原作漫画版
JUDA本社の戦いにて父親と森次の願いにより正義の味方によって倒されることで歪みを正される。その後に海外へ渡り、ヒトマキナとの戦いに際して加藤機関へ参加し、森次と和解した。
この時の彼は髪も伸び放題で無精髭を生やし作業服にTシャツという格好[3] で、人相もガラリと変わっており柔和な印象を持たせるものになっており、実際に沢渡がロストバレルのファクターになった際に一コマ登場した時は現地の子供に手を引かれて、とても慕われている様子であった。
ヒトマキナの本拠地である月に単機突入し、ジャミング施設を破壊するという決死の任務に挑み、どうにかこれを実行するもヒトマキナに包囲されてしまう。絶体絶命のその時、周囲の反対を押し切ってオーバーライドして来た浩一に助けられる。 最終章では社長職に復帰し、加藤機関の部隊長を務めつつ物資提供を担っている。その際、髭も剃って以前と同じ様な顔つきに戻っている。
アニメ版
原作以上に人格が歪んでおり、森次がJUDAを裏切った際には、ほぼ同じタイミングで日本政府にクーデターを起こし「閣下」を自称するなど増長時の浩一をさらに極端にしたようなキャラクターとなっている。
JUDA奪還作戦の際に、自身の策に溺れラインバレルに敗北。その後、マサキに回収されマキナ人間として復活。フラッグを襲撃するも、戦闘の最中にプリテンダーが暴走。しかし、最期まで機体との融合に抗い続けた挙句、Dソイルの活性率が500%を超えてアポトーシスを起こし、機体もろとも爆散した。
登場作品と役柄
携帯機シリーズ
- スーパーロボット大戦L
- 初登場作。アニメ版設定なので敵として登場。マキナ人間として復活した後は命中率・回避率共に高くなっている。
- ルートによってはマキナ人間となった状態しか戦えない事も。
- スーパーロボット大戦UX
- 原作漫画版で登場。終盤で原作同様に月突入作戦前に森次と和解し、自軍に加入する。
- EDでは原作と異なり社長には復帰せず、完全に職を森次に譲っている。
単独作品
- スーパーロボット大戦Card Chronicle
- イベント「未来へ繋ぐ想い」にてカイルスと合流。
パイロットステータス設定の傾向
能力値
『L』では能力自体はそこそこだが、ラインバレル勢で最大の回避が問題。マキナ人間化してからは全能力が一律で5上がり、森次より強くなる(回避に至っては125とスティング、グレイスと同値)。
精神コマンド
特殊技能(特殊スキル)
人間関係
- 森次玲二
- 昔からの親友。桐山が掲げている正義は自身のものというより、学生時代に彼が掲げていたものである。
- 森次百合子
- 原作では彼女を間接的に死に追いやる。『L』ではこの設定が取り入れられている。
- 桐山修蔵
- 父親。英治によって無理やり退陣させられた元代表で、英治の暴走を止めるべくその行いを森次に詫び、息子の救いを求めた。アニメには未登場。
- UXでは名前のみ言及され、原作同様に成敗された息子を海外へ旅立たせた。
- 早瀬浩一
- 最終的に英治の正義を間違いだと断罪した。
- 道明寺誠
- アニメ版ではクーデターの際に特自隊員である彼を手中に収める。最も、彼は結局裏切るのだが。
- 菅原マサキ
- アニメ版では敗北後に彼に拾われ、マキナ人間に改造される。原作漫画版ではヒトマキナとの戦いに際し同僚となる。
- ユリアンヌ・フェイスフル
- 迅雷開発アドバイザーであり、英治の右腕的存在。
他作品との人間関係
名台詞
原作漫画版
- 「だったら心配するな――」
「お前が正義の味方なら 俺はお前の味方だ」 - 帰り路で無邪気な笑顔で肩を抱きながら。その笑顔の下に隠された歪みに、森次はまだ気づいていなかった…
- 「なぁにどうせ昔からお前を守るコトが俺の役目だったんだ それに前にも言っただろ――」
「俺はお前の味方だって」 - 雨の中痛みに傷ついた森次に優しく手をさしのべながらの一言。言葉と行動だけ見れば善意に満ちているが、その表情は悦楽に満ちた笑顔で醜悪に歪んでおり、森次は自らの過ちを悟ることとなった。
- 「なァ、玲二……お、お前はひとつだけ間違ってるよ」
「ぼ、僕は……お前だけの正義の味方になりたかったんだよ……」 - 原作漫画版で早瀬に倒された後、改めて森次に語った自分の本心。だが森次はこの本心もすでに理解していた。UXではDVEで再現されている。
- 「こんな僕でもまだ必要としてくれたんだ…捨て駒だろうと全うしてみせるよ」
- 単独で敵拠点突入という、生存確率の低い作戦に決死の覚悟で挑む。
- 「何してるプリテンダー!? 僕は逃げるつもりはない!!!」
「「僕の命を守る」?そ れなら尚更逃げるコトはやめてくれ」
「お前には解らないだろうな…ここで逃げるというコトはね 僕にとっては――」
「命を失う以上のコトなんだよ!!!」 - 月のジャミング施設破壊の任を帯びて向かった先でヒトマキナに包囲され、絶体絶命の危機を迎えながらも、自身やファクターを守ろうと自発的に離脱しようとしたプリテンダーを制止して命がけで戦いに挑む桐山英治。以前やアニメ版とは完全に別人である。
- 「ナーブクラックの機動を舐めるなよ」
- 大型ミサイルによるジャミング施設の破壊を妨害するヒトマキナ丙型だったが、桐山は二発目のミサイルに無線式ナーブクラックを打ち込み、その推進力でもって変幻自在の機動を描き施設の破壊を成し遂げることに成功。ヒトマキナの想像を見事に凌駕して見せたのだった。
- なおこの台詞、実は4巻の陸戦でイズナが言った台詞の対応。
- 「ありがとう…早瀬君…」
「過去にあんな酷いコトをした僕を……助けたいって思ってくれただけで僕は十分だよ……」 - 任務を達成するも、ヒトマキナに包囲され蹂躙されるプリテンダーのコクピットからの言葉。改心した桐山の誠実さが窺い知れる。
アニメ版
- 「親愛なる国民の諸君! 見てくれたかい? この桐山栄治の華麗なる活躍を!今日からボクが、正義の味方だ!」
- 14話次回予告。絵美からの感想(?)は無論「あなた、最低です!」であった。
- 「親愛なる国民の諸君! 逆らうヤツは、ボクのプリテンダーでプチッといくよ! プチッと! だってこのボクこそがこの国の正義なん…」
- 15話次回予告。まさかの二連続だが、それを言いきる前に絵美に「あなた、最低です!」とぶった切られてしまう。
- 「玲二は何も悪くない! 悪いのは、玲二の正義を認めない世界の方だ! この腐った世界が百合子さんを殺したんだ!」
- 21話「狂気の翼」での森次の回想にて。
- 「これじゃあ僕が悪者みたいじゃないかああああ!!」
- 敗北時に発した台詞。
- 「正義の敵は実力排除……アイアム正義、アイアムジャスティス!」
- マキナ人間となった際に口にする。この状態の桐山は言動が支離滅裂になっているのが特徴。
- 「変だよ……玲二……こんなはず……ないのにな……」
- プリテンダーに取り込まれながら、自らの最期を悟って。桐山の行動はすべて「正義の味方」である森次の助けになろうとしたがためであり、その意味ではある種哀しい存在である。
- 「玲二が正義の味方なら、僕は玲二の味方になるよ」
- プリテンダーが爆破する際、死の間際に少年時代の自分を回想。直後に安らかな顔を見せ、プリテンダーは爆散した…。
スパロボシリーズの名台詞
L
- 「さあ、モニターから目を離さないでくれたまえ」
「ま、次回への引きは大切だよね。テレビモニターから目が離せない展開ってさ」 - それぞれ第15・16話JUDA奪還作戦ルート「裏切りの蒼」「JUDA奪還作戦」より。妙にくどい言い回しだが、声優ネタでマクシミリアン・ジーナスが艦長時代に使っていた「モニターから目を離すな」が元ネタであろう。
- 「人材不足は否めないな。そうだ、玲二。NEXの倉田君とか、オーブのソガ君やアマギ君が結構優秀だって聞くけど」
- 第15話JUDAの防衛任務にあたれルート「JUDA奪還作戦」シナリオデモより。クラタ、ソガ、アマギ……全員『ウルトラセブン』の警備隊隊員の名前である。そして言ってる当人は「キリヤマ」で、森次が通っていたのは「諸星」中学である。これでもし戦力として「ウィンダム」を使っていたら完璧だった。
- 「飛行形態への変形ができるのは、僕のプリテンダーだけで十分だよ!」
- トーラスやコスモダイバーなどに対しての特殊戦闘台詞。
- 「玲二……僕だけが……君の味方に……」
- Lでの最期の台詞。マキナ人間と化しながらも、最後まで彼は自分を失わなかった。
UX
- 「コイツが報告にあった小型ガンダムか? 解剖して我が社の新製品開発の参考にさせてもらうのもいいかな…!」
- 対劉備、曹操、孫権との戦闘前会話。
- 「困るんだよなァ、バルキリー…。ウチの優位性が示せないじゃないか!」
- 対バルキリー。同じ可変機を駆る者として、強い対抗心を見せる。残念ながら同じ声の天才は今回いない。
- 「宇宙人め…! 地球は我々人間のモノだ!」
- フェストゥムとの特殊戦闘台詞。元ネタは恐らく『ウルトラセブン』第42話「ノンマルトの使者」のラストにて海底人ノンマルトの基地を壊滅させた際のキリヤマ隊長の名台詞「海も我々人間のモノだ!」であろう。
- 「地球の平和は、人類の手で守り抜かなきゃならないんだ!誰の手も借りない!」
- カリ・ユガとの特殊戦闘台詞。邪神によって可能性を生みすぎた世界を閉じようとする「神」に、「一人の人間」として桐山が挑む。そう、人類の手で平和を守りぬくために。
- そして、この台詞もまた、『ウルトラセブン』最終話「史上最大の侵略(後編)」のクライマックスにおけるキリヤマ隊長の名台詞が元ネタであると思われる。