狩谷由紀恵
狩谷由紀恵(Yukie Kariya)
フェストゥム因子移植第一世代の生き残りで、その過酷な過去故にアルヴィスや竜宮島に不満を募らせ続けており、新国連のスパイとなっていた。
新国連に帰還後、愛するミツヒロのためにいつ死んでもおかしくないほどの無理な投薬をしてまでマークニヒトのパイロットとなったが、テスト中にフェストゥム・イドゥンに同化され、死亡。死ぬ直前に自らの手でミツヒロを殺害させられてしまい、フェストゥムに「憎しみ」を理解させることになってしまう。
劇中における「自分よりも年下の少年少女に対しては冷淡(あるいは冷酷)な態度を取る」「主人公側の組織であるアルヴィスに対して不満を抱き、敵組織と内通した上に裏切る」という言動故に「悪女」のイメージがある由紀恵であるが、彼女の心が歪んでしまった最大の原因は「人類の敵」であるフェストゥムの脅威から生き残る為の「アーカディアン・プロジェクト」の一環として行われたフェストゥム因子を移植された事にあった。
フェストゥム因子を移植された件や、最後はマスター型フェストゥムであるイドゥンによって同化された上に命を奪われた件を考慮すると、「狩谷由紀恵もまた、フェストゥムによる犠牲者の一人であった」と言えよう。
登場作品と役柄
携帯機シリーズ
- スーパーロボット大戦K
- 基本的に原作と同じ行動を取るが、イドゥンに同化された状態の由紀恵が敵として登場するシナリオがある。原作では同化された直後に絶命したため、同化状態の由紀恵は実質的なスパロボオリジナル。
- C・コードと読心の重ね掛けにより、命中と回避に+80%という滅茶苦茶な補正が掛かる。本作では、歴代でも最強クラスのストライクフリーダムガンダムですら「集中」無しでは危険。
- スーパーロボット大戦UX
- こちらでは原作通り完全に同化されてしまい、パイロットとしては登場しない。なお、仮にも最初は味方側なのに初登場時からして右向きになっている(しかもよく見ると人類軍の服を着ている)。
人間関係
- 遠見弓子、日野道生
- 同級生で、旧知の仲。彼ら以外の第一世代は尽く実験や先天性疾患の犠牲となってしまった。二人からは「ゆきっぺ」という愛称で呼ばれていた。
- 同期である彼女たちのことは少なからず大切に思っており、人類軍がカノンごとフェンリルで竜宮島を葬ろうとしていた際には道生にその真実を教えて、彼が人類軍と決別する切っ掛けを作っている。
- 真壁一騎
- マークエルフを得るため、迷う一騎に島を離れるよう促し彼を新国連に連れ出す。
- 羽佐間翔子
- ファフナーパイロット候補生の一人。彼女がスフィンクス型のフェストゥムとの戦いで散華した際には、心無い一言を放った。
- 皆城公蔵
- アルヴィスの情報を得るため愛人となっていた。しかし、彼や真壁史彦にはスパイであると早い段階で感づかれており、泳がされていたにすぎない。
- 遠見千鶴
- (フェストゥムに対抗する為とはいえ)彼女らからフェストゥム因子を移植されたため、憎しみを抱く。
- ミツヒロ・バートランド
- 彼を愛しており、身を犠牲にしてまで尽くす。
- だが、ミツヒロ自身は「由紀恵に対してフェストゥム・ゲネを致死量まで投与し、まるで物を扱う程度の認識でしか見ていない」等、彼女を道具として利用しているに過ぎなかった。
- 最期はイドゥンに操られたことで、由紀恵自身の手で殺すことになってしまった(彼女を道具として利用していたミツヒロにとっては、自業自得であるが)。
- イドゥン
- 最終的には彼に同化されてしまい、落命した。
名台詞
- 「総士君、帰ってきたんですね。もう、お家へ遊びに行けなくなっちゃいますね…」
- 第1話「楽園~はじまり」より。公蔵の後ろからしな垂れ懸りながら。両者がただならぬ関係である事がうかがえる。
- もっとも実際の所、公蔵は由紀恵の正体を知っていたのだが…。
- 「アルヴィスよ」
- フェストゥムの襲来を受けて竜宮島中学校の生徒達を避難させた際に、咲良からの「ここ、どこなんですか?」という問いに答えて。
- ここまでは、生徒からも親しみやすい教師としての狩谷由紀恵であった。
- 「子供は勉強だけしてればいいのよ」
- 第3話「迷宮~しんじつ」より。ファフナーパイロット候補生達をアルヴィスの秘密基地に招き、翔子から「どうして、私達に隠していたんですか? こんなすごい秘密基地を…」という素朴な疑問に対して。
- 冷徹に相手を突き放すような由紀恵の返答には、剣司と衛が「何か、いつもの狩谷先生と感じが違う」と感想を抱いた。
- 「ここは学校じゃない!」
- 第4話「逃航~ふなで」より。真矢達からの質問に対し、業を煮やして声を荒げる。
- なお、真矢曰く「狩谷先生は、いつも生徒からの質問には答えてくれる」教師であった模様。それだけに、真矢達は狩谷先生の豹変ぶりに絶句していた。
- 「あなた、この計画で何人犠牲にしてきたの? 今更何を…」
- 第5話「約束~ちかい」より。「体調が思わしくない翔子を休養させて欲しい」と言う千鶴からの申し出を断って。
- 「敵は消えたわ。貴重なマークゼクスと、一緒にね…」
- 第6話「翔空~ぎせい」より。翔子がマークゼクスの時限式自爆装置「フェンリル」を起動させてスフィンクス型のフェストゥムと相討ちした光景を見て。
- (戦力面での視点で見れば間違いではないにしても)翔子の死に衝撃を受けている甲洋達の前で言うので、冷徹さを通り越して冷酷さを感じさせる心無い一言である。
- 「あなたはここにはいない。…いちゃいけないのよ」
- 第10話「分解~すれちがい」より。総士に言われた「あなたはそこにいますか」を一人呟いていた一騎の前に現れ続けた言葉。この後、彼に島からの脱走を持ちかける。
- 「やっと手に入れた…幸せな時間…」
- 第23話「劫掠~おとり」より。マークニヒトのコクピット内にて。愛するミツヒロの力となれる時を目前にして満足げに呟く。しかし…。
- 「嫌ぁぁぁっ! やめて! やめてぇぇぇ!」
「ミツヒロ、さん…」 - イドゥンの介入により、操られるままマークニヒトの拳でミツヒロを殺害してしまう。
- この後、結晶化が由紀恵の全身に及んで、フェストゥムと同じ金色に身体が変色し…彼女はここから「いなくなった」。