グルンガスト零式
SRG-00 グルンガスト零式(Grungust Type-0)
- 登場作品:バンプレストオリジナル
- 分類:試作型特機
- 形式番号:SRG-00
- 全高:50.3 m
- 重量:380.0 t
- 動力:核融合炉⇒プラズマ・リアクター
- 装甲材質:VG合金
- 基本OS:TC-OS
- 開発元:テスラ・ライヒ研究所
- 開発者:ジョナサン・カザハラ,ロバート・H・オオミヤ,リシュウ・トウゴウ
- 所属:地球連邦軍⇒ディバイン・クルセイダーズ⇒テスラ・ライヒ研究所
- 主なパイロット:ゼンガー・ゾンボルト⇒リシュウ・トウゴウ
- メカニックデザイナー:宮武一貴
地球圏防衛委員会の依頼により、グルンガストシリーズ開発の為先行試作された0番機。「零式(れいしき)」と呼称する。ゲシュペンストなどのパーソナルトルーパーでは対応できない、巨大な敵との戦闘を想定して制作された。
基本OSはゲシュペンストシリーズの人体操作OS「TC-OS」を採用し、そのプログラム開発には剣の達人であるリシュウ・トウゴウの協力を得ている。フレームそのものにVG合金「(Variable Geometric Alloys)」と呼ばれる形状記憶合金を採用しており、剣を動かす際のモーションや、のちのグルンガストの三段階変形に活用されている。完成体はゼンガー・ゾンボルト用に調整され、特別に「零式斬艦刀」と呼ばれる巨大な大剣を使用できるように改良を重ねた。基本的な戦闘スタイルとしては、その斬艦刀や後のシリーズにも共通で採用された腕部射出機構「ブーストナックル」を使用した質量による物理的攻撃で圧倒する、というもの。
ゼンガー・ゾンボルト個人の専用機としてDC戦争やL5戦役でも活躍したのだが、戦後はゼンガー自身が戦犯者となった為、そのまま行方不明となったが、機体だけはテスラ・ライヒ研究所に戻された。その後分解修理が行われ、バルトール事件の際に、リシュウ・トウゴウの意向で彼専用にOSを書き換えられ、再び戦場に舞い戻ることになる。
肩にドリル状の物体があるが、特に機能はない。これは、敵対する知的生命体に対する心理的威圧効果を狙ったもの……つまりはハッタリである。零式以降には採用されず、壱式以降には飛行形態用のジェットエンジンが搭載されている。また、L5戦役では動力源が宇宙航行艦のサブジェネレーターを流用したものだったが、分解修理の際にプラズマ・リアクターに換装され、全体的に性能が強化された。
他のグルンガストと比べて険しい顔、張り出した肩、鋭角的なデザイン、黒を基調としたカラーリングなどや、搭乗者のゼンガーが一時敵に回ることもあって、一部では「悪のグルンガスト」と言ったイメージが強い(乗っているゼンガーは「悪を断つ剣」であることを考えると皮肉なイメージである)。
登場作品と操縦者
OGシリーズ
- スーパーロボット大戦ORIGINAL GENERATION
- ゼンガーの専用機で、完全固定型のパイロットになっている。味方時は高火力だが主力武器の射程が短く、敵時は射程が長めの代わり火力は抑えめ(それでも序盤としては高い)。
- スーパーロボット大戦ORIGINAL GENERATIONS
- OG1シナリオとOG2.5シナリオに登場。後者ではリシュウ・トウゴウが搭乗する。ゲームシステムの変更に伴い、ハイパーブラスターが全体攻撃になった。ユルゲン戦での貴重なダメージソースとなるが、燃費が最悪なので補給ユニットを貼り付けるべし。ちなみに本作の予告編ではこの機体でウォーダンと戦っていた。
- スーパーロボット大戦OG外伝
- OG2.5と同じくリシュウが本機に搭乗する。零式斬艦刀の必要気力も115と下がり燃費も良くなって使いやすくなった(以前は消費ENは80だったが、本作から40になった)。また、ハイパーブラスター、斬艦刀の射程も伸び(威力に関しては2.5より低下しているが)、ある程度離れた敵にも対応できるようになるなど、かなり優遇されている。正式参入時には二人乗りの参式がいるが、使わないには惜しい性能。ルート分岐の際、ゼンガーと別のルートになる為、序盤戦における重要なダメージソースであると同時に、アーマーブレイカーが撤退するボス相手に対して重要である。ちなみにゼンガーを乗せるとOG1同様カットインがある。
- 第2次スーパーロボット大戦OG
- 零式斬艦刀のカットインがスレードゲルミルの咆哮を想起させるものとなっている。
- スーパーロボット大戦OG ディバイン・ウォーズ
αシリーズ
- スーパーロボット大戦α
- 未登場だが設定は存在。ゼンガーが参式を「新たな剣」と呼んでいたことからすると、プロジェクト・アーク参加前(DC時代)にこれに乗っていたと思われる。
装備・機能
Wゲージを持たないので、換装武器は装備できない。
武装・必殺武器
- アーマーブレイカー
- 敵の装甲値を下げる特殊武器。換装武器ではなく、零式の固有兵装扱い。状態変化にレベルが設けられたOGS以後は、レベル3効果となった。零式自体の攻撃力が高いので、どちらを優先するのかが問題。Record of ATXでは、零式の脚部から発射されるのが確認できる。
- ブーストナックル
- 両腕をロケットで打ち出す、いわゆる『ロケットパンチ』系の武装。ENを消費せずに使えるのがメリット。基本的に斬艦刀を持っている方の腕を使う。
- ハイパーブラスター
- 胸部に内蔵されたエネルギービーム砲。弐式のマキシ・ブラスター、参式のオメガ・ブラスター同様、重力場による仮想砲身から発射される。OGSとOG外伝では全体攻撃。ちなみに、ゲーム中では胸部装甲に重力場の砲身を構築して発射するが、壱式同様中央に開いての収束モードが存在する。こちらは「Record of ATX」の1巻におけるアルトの初陣話で見られる。
- 零式斬艦刀
- リシュウとゼンガーの協力で完成した特別な刀。全長82mの巨大な大剣で、パーソナルトルーパー用のスラスターを取り付けて振りかざすという無理がある武器。刃先は高周波で覆われており、超振動によって寸断する。OGS以降は右手で持っているが、GBA版では使用する際には専用のブースターで飛んできていた。なお、「Record of ATX」では射出された斬艦刀を弾道兵器としてそのままメギロートの群れにぶつけたり、空中で障害物的に配置した斬艦刀に敵戦闘機をおびき寄せてぶつけたりと、その多彩な運用方法に驚いた読者も多いはず。マリオン・ラドムから「出刃包丁」と揶揄された時、リシュウは激怒して、武士の魂だと反論した。OGS以後は、バリア貫通属性が追加。実体剣ゆえの取り回しの悪さが唯一の泣き所で、後にこの反省点を活かす形で参式斬艦刀が作られた。
- 斬艦刀・疾風怒濤
- 零式斬艦刀を使った必殺技。ブースト全開で一気に距離を詰め、真上から一刀両断する(GBA版では同じ技名だが斬らずに打ち上げる)。OGSでは夕日を背にして歩み寄る演出があり、凄まじい迫力を醸し出している。なお、アーマーブレイカー以外の武装を使用する際、斬艦刀は捨ててしまう。どうやって回収するのか。ちなみにOGS以降は、振り下ろす際に落下の勢いに加えて刀身のブースターを噴射し、地形ごと強引に叩き潰す、という無茶苦茶な攻撃方法が使われている。
- 斬艦刀・大車輪
- 本来はダイゼンガーが使う必殺技だが、「Record of ATX」で零式も使用。使い方も同じで、零式斬艦刀をブーメランのように投げつける。
- 零式斬艦刀・疾風迅雷
- 第2次OGで追加された剣技。言ってしまえば疾風怒濤の横斬り版で、横倒しに構えて突撃し、斬艦刀のブースターを噴射して両断する。
特殊能力
GBA版OG1のみ
- ブレイカーキャンセラー
- ブレイカー系の特殊武器の状態異常を無効化する。
OGS以後
- ロボットブロック
- R系特殊効果(装甲ダウン、EN低下など)を無効。特殊武器のシステムが変更を受けた為、こちらに変更された。
- パイロットブロック
- P系特殊効果(気力ダウン、行動不能など)を無効。OGSの2.5以後追加された。これで事実上、本機は「フルブロック」を持っているのと同じ事になった。
移動タイプ
サイズ
- L
- 知能を持つ相手に対して威圧感を与えるため、巨大なフォルムが採用された。
機体フル改造時のカスタムボーナス
- 格闘武器の攻撃力+200
- OGS以後採用された。高い火力がさらに高くなる。
機体BGM
- 「悪を断つ剣」
- ゼンガー及びリシュウ専用BGM。
対決・名場面など
- 斬られる前に斬れ
- キョウスケルートの3話にて。輸送機を襲うメギロートを前に鳴り物入りで登場し、完成したばかりの零式斬艦刀にて一刀両断せしめた。なお「Record of ATX」では大群を単機で薙ぎ払い、キョウスケとエクセレンが追いつく前に片付けてしまった。
- 対アルトアイゼン
- 「いつか来るべき日のために」「その男の真意」にて。袂を分かった新旧アサルト1が、信念をかけて激突する。
- 対グレイストーク
- DCの大義を失わせた根幹たるアードラーの乗艦を、怒りと共に一刀両断した。
- 師弟対決
- 「欺かれた観客」「崩壊する理想」にて。テスラ研を強襲したムラタを前に、かつての師・リシュウが一番弟子の搭乗機で出撃。激闘を演じるも決着はつかなかった。
関連機体
詳しくはグルンガストシリーズを参照されたし。
余談
寺田氏は、グルンガストシリーズで本機が最も好きだと語っている。零式斬艦刀のイラストを見た時には、自分のイメージとピッタリだと喜んだと言う。