リアルロボット戦線

2015年6月13日 (土) 22:00時点におけるじお (トーク | 投稿記録)による版 (→‎ノーザンブライト共和国)
  • 発売日:1999年8月12日
  • 機種:プレイステーション
  • 開発:ウインキーソフト、プロソフト
  • 発売:バンプレスト
  • 定価:6,800円

概要

バンプレストが発売したスーパーロボット大戦シリーズの流れを組むシミュレーションRPG。キャラクターデザインは河野さち子氏、開発はウインキーソフト。

スーパーファミコンで発売された『バトルロボット烈伝』とストーリーや世界観を引き継いでいる部分があるが、両者は一種のパラレルワールドとして扱われており、前編続編の関係ではない。

『バトルロボット烈伝』はスパロボとは異なるシステムが模索されていたが、本作はロボットが全てリアルサイズで描かれている以外はほぼSRWのゲームシステムと同じ。マスの形状もヘクスでなくスクエアに戻された。マップ画面はクォータビューである。改造は同型機体にも適用される(ムジカの機体を改造すれば、色が違う同型の味方機も強化される)。

ストーリーも主人公の行動一つで、様々に模様替えするのでその点における評価は本家スパロボ以上との声もある。

問題はゲームとしての完成度で、読み込み速度が極端に遅いこと。『新スーパーロボット大戦』より戦闘画面へ切り替わる速度が遅く、アニメーションも乏しい面が挙げられる。当然ながら売り上げは伸びずに空振りに終わった作品である。

参戦作品

バトルロボット烈伝』と同じく、バンプレストオリジナルを除いた参戦作品が『0083』を除き全て富野作品、それも創通エージェンシー・サンライズの製作のもの、に限られているのが特徴。『烈伝』に参戦していた『無敵鋼人ダイターン3』と『無敵超人ザンボット3』が未参戦なため、『リアルロボット戦線』のタイトル通り「リアルロボットものと呼ばれがちな作品」に参戦作品が絞られている。

世界観

「ウルス」と呼ばれる世界がある。

ひとつの惑星に端を発するその世界は、かつて高度な科学力を有した前文明の遺産、「デュプリケーター」により支えられていた。

デュプリケーターとは、ウルスに存在する3つののひとつ、「フシコ」に映し出される異世界の映像を実体化させる装置であり、その原理は今もって解明されていない。

だが、デュプリケーターによってもたらされる人的資源および技術は、ウルスの民に独自の文明を発展させる事を妨げ、必然的にその異世界の影響を色濃く受けたものへと変貌させてしまった。特に軍事面の突出には目を見張るものがあり、それは人の”力による欲望の具現化”という手段の普遍性を現していたのかもしれない。

最初のデュプリケ―ターが発見され、300年の歳月が流れた。……にも関わらず、ウルスでは幾度目かも知れぬ戦乱が勃発していた。

東の大国「アズロニア立憲王国」が、西の大国「ノーザンブライト共和国」に対して戦線を布告したのだ。当初は国力で勝るノーザンブライトが有利と見られていたが、アズロニア領において新たなデュプリケーターが発見されるや、戦況は膠着状態にもつれこんだ。

その戦乱のさなか、ノーザンブライトの辺境地域において新たなデュプリケーターが発見された。ノーザンブライト司令本部は直ちに調査隊の派遣を決定。その任に就いた部隊に「ムジカ・ファーエデン」という少女がいた事で、ウルスは新たな一歩を踏み出す可能性を得たのかもしれない。

用語

ウルス
リアルロボット戦線における惑星。「アズロニア」と「ノーザンライト」の二国間戦争を繰り広げている。
デュプリケーター
第1の「フシコ」には異世界の映像を投影されており、その映像からブランチを生み出す施設。旧ウルス文明の遺産。デュプリケーターによって呼び出し先が違う。一定容量しか呼び出していられないため、保有するデュプリケーターの量が戦力増強に直結する。実は「フシコ」にマザーデュプリケーターが存在する。
ブランチ
デュプリケーターから生み出されたロボットや人。エネルギーが続く限り、複写によりロボットや人を複製することが可能。
死亡すると消滅して死体は残らない(ロボットは消えない)。既に存在してる人物のデュプリケートは不可能。死んで消えれば再デュプリケート可能になる。
ブランチにはランクがあり、ランクが上がるごとにエネルギーを大量に消耗する。
ブランチにも生殖能力がある。ウルスの住人とで人を増やすことが可能であるが、ブランチで生み出された人や、それを慕う人々は追害される。
動植物なども呼び出せるが戦争が続いているため、そのようなことにエネルギーを割くものはいない(ウルスでは動物が滅びかかっていて、犬や猫すら動物園で見るもので個人はペットにできない天然記念物になっているにも関わらずである)。

登場人物

ノーザンブライト共和国

ムジカ・ファーエデン
性別は女、年齢17歳、身長157cm、体重48kg、ノーザンライト国所属、階級は三尉で、後に一尉。シミュレーションの実技訓練で失敗を繰り返し、実戦経験にも乏しい新兵であったが、経験を積むことでリアルロボット軍団の指揮官としての才覚を見せる。ブランチに対しては偏見はなく、持ち前の明るさでブランチ達を引張って行く。
性格は上記の通り思いやりのある優しい少女で、一人称は「ボク」。シャア・アズナブルのファンで、機体を赤く染めてしまうが、それは祖父がかつて「赤い彗星」と呼ばれていたからである(新たにデュプリケートされたシャアには関係ないことだが、シャアの孫にあたる。ただしムジカは祖父とは知らない)。
異星人であること(舞台が母星なので当てはまらない可能性もあるが)と年齢が17歳のボク少女である点では、『スーパーロボット大戦K』のシェルディア・ルージュと共通している。
グレン・ドーキンス
性別は男、年齢17歳、身長174cm、体重65kg、ノーザンライト国所属、階級は二尉。ムジカとは同期生。幼き頃にブランチによるテロで両親を失い、ブランチを憎んでいるが、ムジカにそれを諌められている。最終的には、ブランチ達が記憶を失って元の世界の自分と一つになるとき、自分もブランチだったと判明する哀しい結末を迎える。
エリヤ・バリアード
性別は男、年齢19歳、身長176cm、体重65kg、ノーザンライト国所属。リアルロボット軍団の旗艦「シルバラード」の艦長を務める。ムジカとは気軽に話せる人物。性格は気弱で、本当に艦長かと誤解される。趣味はプラモデル、カレージキット、美少女フィギュアの製作で、自室に飾っている。同じ趣味のリュウセイとは意気投合できそうだが、残念ながらそういう描写はない。その製作技術で、メカニックは得意。
ラズロ・ファーエデン
ムジカの父親。ラズロの父親はシャアであり、ブランチとウルス人のハーフ。参謀長。搭乗機体はクァイア・アームド。ブランチ解放を唱えてノーザンブライトに反乱を起こし解放軍を立ち上げる。ムジカが解放軍に加わるラズロルートでは、全てのデュプリケーターを掌握しても破壊せず、ブランチに脳手術を施し精神コントロールして世界征服に乗り出す。ムジカが加わらないルート(シロッコルートorポセイダルダルート)では、アマンダラ・カマンダラパプテマス・シロッコにより暗殺されてしまう。
ウォロン・メロウズ
ムジカやグレンの先輩。レギの兄。ラズロに賛同して解放軍に加わる。
レギ・メロウズ
ウォロンの妹。階級は三佐。ムジカにとっては姉貴分。ムジカが解放軍に加わるラズロルートでは敵対し、ムジカの手で撃墜されうまく脱出できず下半身を損ない、意識不明の重体に。逆に解放軍に加わわらないルートでは、反逆者の娘という立場のムジカをフォローしてくれる。
ワイズ・エンジュ
司令。レギの婚約者。ラズロルートではではレギが重体になるとムジカへの復讐に燃えて、レギのクァイア・ファイターで自らの手でムジカを殺そうと半狂乱になって付け狙う。ポセイダルルートでは、立場上は保護監察中のムジカを預かる隊長ながら実質的な指揮権をムジカに融通する。
ジック・ボルドル
司令。
ロシュ・ラビンスク
司令。
マロウ・デクリード
司令。
ドク・ディンティス
メカニック。
シャクシャ・コッシャー
三佐。
ジョージー・ジョージ
進行ルートによって敵になったり味方になったりするややこしいキャラのひとり。代々続く由緒ある家柄の血統書付きの箱入り娘で、性格やしゃべりかたは典型的なお嬢様。女性だけのエリート部隊バルハラ隊戦艦、宇宙巡洋艦バルキリー所属の副官として、第1の月“フシコ”の探索に向かったが、謎の敵(エレドライル)の襲撃に遭い部隊は全滅、彼女ひとりだけどうにか脱出カプセルで生き延び、エネルギー反応を調査しに来たグレン機に回収される。グレンの副官として配属されてからは彼に寄り添うように従うがムジカの事はあまり好いてはいなかったが、ゲーム終盤に過去のウルスとつながっているデュプリケーターの存在をムジカ達に匿名で知らせるあたり、ムジカの実力は認めていたようである……と思いきや、ルート次第でここで同じく手紙を受け取ったグレンとジョージーが合流し、ジョージー本人にも手紙について身に覚えがない事が明かされる(ちなみに、手紙に差出人J・Gとさりげなく書いていたが誰も気づかず、ジョージー本人の口から自分のイニシャルだと言われる)。そして、そのルートのEDでは…。主な搭乗機はクァイア・キャノン。

アズロニア立憲王国

ラルフ・クオルド
性別は男、年齢20歳、177cm、69kg、アズロニア国所属、階級は二佐。「アズロニアの青い剣」と自ら謳っているエースパイロット。ブランチ達を駒として扱い、捨て駒にする。過去にブランチのマウアー・ファラオを愛したが、死別後新たにデュプリケートされたマウアーには当然そんな記憶はなく、以降ブランチに突き放した態度を取るようになった。性格は傲慢かつキザな性格。

旧ウルス

エレドライル・エルフィン
旧ウルス人であり、本能の赴くままに第1の月”フシコ”に存在しているマザーデュプリケータ―(MD)を見守る少女。自分と同じ旧ウルス人の相棒であるチャシキとは対照的に気ままで身勝手な性格をしており、無邪気ゆえに残虐な一面を持ち、逃げる相手に対しても容赦をしない。また、旧ウルス人以外の人間をサルぐらいにしか思っておらず、ウルス人やブランチを傷つけることに罪悪感が無い。過去にフシコを探索に来たバルハラ隊を全滅させていた。しかし、チャシキの言う事は素直に聞くなど、MDの使命よりはチャシキの言葉を優先していた。普段はコールドスリープ状態の為、歳をとってない。ウィンジュエルの性能も相まって、戦闘では悪鬼の如き活躍を見せる。
チャシキ・ポンツラグル
旧ウルス人であり、マザーデュプリケーター(MD)の番人。自然の摂理を重んじ、凪の湖のような穏やかで物静かな性格をしている。見た目は10から12歳ぐらいの少女であるが、本当の年齢は不明。左頬に文字のような青色のペインティングがあり、外見的に小柄で子供のように見えるが、知的で思慮深く考え方が大人びている。本来は戦いを嫌っているものの、MDを守ると使命に対する責任感から仕方なく戦っており、常に心は罪悪感にさいなまれている。同じ旧ウルス人であるエレドライルとは相棒の関係である。エレドライルと同じく普段はコールドスリープ状態のため歳をとってないが精神年齢は高い。キャラクターとしてはムジカと比べると、知名度が低い(ムジカとは違い、設定イラストが無いせいもあるが……)。何かを守る使命感を持つ性格や見た目から、チャシキのモチーフはおそらく某格闘ゲームに登場する某ヒロインと思われる。
MD(マザーデュプリケーター
人工知能があり会話可能。

ブランチ

シャア・アズナブル
過去3度ともデュプリケーターされたシャアはやがて反乱を起こしため、S級ブランチだがデュプリケートが禁止されている。その中には、ウルス人と子をなしたシャアもあり、ムジカは孫にあたる。ムジカがひょんなことから呼び出してしまい味方になっても、そのため自軍から刺客が配属されたりする。ラズロルートではコロニーをブランチのための新天地にしようとしており、裏からレジスタンスを支援した。シャアルートでは、ナイチンゲールに搭乗、ブランチ解放のためには一度ウルス人に粛清を与えねばならないと考えてシロッコと手を組み、ムジカはシャアの誘いを断わったものの敵対してしまったことに深いショックを受ける。
マウアー・ファラオ
かつてのマウアーの中には、ラルフ・クオルドと恋仲になった者が居た。
ニー・ギブン
ラズロルートでラズロに反旗を掲げるブランチのレジスタンスのリーダー。ラズロに対抗する象徴として、ムジカに新リーダーを頼む。
リュウセイ・ダテ
ラズロルートでムジカが特定のマスに入るとR-1とともに仲間になる隠しキャラ。デュプリケーターの事故により本来デュプリケートされないはずの世界からやってきた。隠しキャラであるため、同じ趣味のエリヤ・バリアードと絡むことはない。また、スーパーロボットが一つたりともいない事を猛烈に悔しがる一面も。ちなみにSMAPに乗り換え可能であり、またムジカたちもR-1に乗り換えできる。

登場オリジナル機体

SMAP(エスマップ)

Super Maneuver Armed Puppet。SMAPの操縦方法は脳波コントロールだが、この系統のパイロットはモビルスーツ(ニュータイプ専用を除く)も操縦可能。

クァイア・デモニック
緑色の機体。シャアに憧れるムジカ・ファーエデンは自分の機体を赤く塗装している。
クァイア・エヴォリューション
クァイア・デモニックをナイチンゲールのパーツで強化している。
クァイア・ブースト
クァイア・ハイブースト
クァイア・ファイター
クァイア・キャノン
クァイア・アームド
カリオン・グラナーダ
発掘して解析中のジャガーノートを参考にして開発された。
カリオン・インフィニート
カリオン・グラナーダをクィン・マンサのパーツで強化している。

旧ウルス

ジャガーノート
ウィンジュエル
エレドライル・エルフィンの機体。
シカンナシン
チャシキ・ポンツラグルの機体。
MD(マザーデュプリケーター
防衛機能がある。
デュプリケーター
本作ではユニット扱い。

艦船

シルバラード

その他

制御装置
第3の月「タンデ」を落下させるための装置。

商品情報

資料リンク

ムジカ親衛隊
ムジカ・ファーエデンのファンサイト(リンク切れ)。

話題まとめ

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