ジェラウド・ガルス・バンテール

ジェラウド・ガルス・バンテール(Jeraud Guls Bantail)

聖インサラウム王国の騎士団、アークセイバーのナンバー1を務める男。全ての騎士の頂点である「ナイトオブナイツ」の称号を持ち、専用機ディアムドを駆る。

礼節、教養、武芸、そのすべてに秀でた完璧な人物で、騎士たちはもとより民からも信頼と尊敬を受け、聖王やユーサーも頼りにしている。機動兵器はもちろんのこと、自身での戦闘力も随一であり、御前試合では3連覇という記録を持つ。なお、ミドルネームの「ガルス」は、御前試合の優勝者であることを示す。

インサラウム史上最強との呼び声も高かったが、ガイオウとの戦いでは敗北を喫し、自身も傷を負った上に妻子を失う。左頬の傷はその戦いでついたものだが、反対側は戒めのために己でつけたもの。

質実剛健をそのまま体現した、まさに騎士の鑑というべき人物であり、ZEXISのメンバーもその人柄を高く評価していた。 アンブローンにも臆さず正面から意見を言うなど自負も強い。

ウェインからは「旦那」と呼ばれていたが、臆病者のユーサーに忠誠を尽くす姿に疑念を抱かれており、反発する彼を拳で諌めたことも多い。どこまでもユーサーに付き従い、その資質を買っていた理由は、ガイオウ襲撃後、誰もが絶望に沈む中で、彼だけがジェラウドの妻子の死に泣いてくれたからであった。

ディアムドを駆り、インサラウムのために前線で戦い続けたが、結果的にその高すぎる誇りが仇となり、覚醒したリ・ブラスタに敗北。満身創痍でパレス・インサラウムに帰還し、ユーサーを鼓舞するとともにウェインに後を託し、絶命した。アークセイバー最強の騎士の死は、インサラウムにとって大きな痛手となったが、同時にユーサー・ウェインの奮起を促し、間接的にではあるがアンブローンの心境にも大きな変化を与えるなど、強く影響を残した。

登場作品と役柄

Zシリーズ

第2次スーパーロボット大戦Z再世篇
15話「マン・アズ・ビフォー」で敵として初登場。味方の平均レベルが24~5、敵のレベルが26~8というこの時点で一人だけレベル70というとんでもない強さを持つ。この時点では乗機がディム・リーなのでさほど強くはないが、ディアムドに乗り換えると鬼神の如き強さを発揮。

パイロットステータス設定の傾向

能力値

全般的に高い能力を誇り、命中と技量が飛び抜けている。運動性フル改造のダブルオーや、異能生存体発動中のキリコでさえよけるのが困難。地形適応はオールAだが、ハンデにもならない。

精神コマンド

第2次Z再世篇
必中不屈直撃気迫期待
祖国に忠を尽くす騎士、というキャラクターをよく現している。「期待」は後輩主君に対するものか。

特殊技能(特殊スキル)

第2次Z再世篇
指揮官L4ガード再攻撃戦意高揚Eセーブ気力+ボーナス
どこを見ても隙がない。たいていのユニットにはセントール・スプリントの再攻撃をかましてくるため、余程強化していないと耐え切れない。底力精神耐性が無いことが救い。

エースボーナス

気力130以上で、自軍フェイズ開始時に精神コマンド『直感』が掛かる
第2次Z再世篇で採用。未収得だが内部データにこれが存在。こんなボーナスに再攻撃、そしてディアムドの破壊力が加わっては恐ろしいことになっていたところである。

パイロットBGM

「天の金剛」
例によってイントロはアークセイバー共通。曲名はダイヤモンドの和名「金剛石」から。

人間関係

ユーサー・インサラウム
主君。ガイオウの襲撃によりインサラウムの民が絶望に沈む中で彼だけが妻子の死に涙してくれたことにより彼に絶対の忠誠を誓っている。
ウェイン・リブテール
後輩。
シュバル・レプテールマルグリット・ピステール
同僚。
クロウ・ブルースト
宿敵。ヴォダラ宮における戦闘で図らずも彼のスフィアの反作用を促し、暴走を招いてしまう。また、自身の与り知らぬところで彼から嫉妬の感情を抱かれていた。
エスター・エルハス
敵対相手。戦闘前会話で未熟さを指摘しながらも、それに臆する事の無い闘志を示した彼女を「戦士」として認める。

名台詞

「…私は弱い男だった…」
「だが、この両頬の傷に懸けて誓う…!二度と敗北はしないと!」
ZEXISとの初戦時、高圧的な物言いでマルグリットを下がらせた事に対し、怒りをぶつけてくるクロウへ己の決意を静かに語る。
「破界の王に敗れたインサラウムは、アンブローン殿の次元科学の成果により確かに強くなった」
「そして、それを駆る我々もそれに見合う強さを得た……敗北と引き換えに我々は力を手にした」
「ジ・アンブレイカブル」にて。敗北を肯定するような言い回しにウェインは反発するが……。
「……お前の言うとおりだ、ウェイン」
「お前はそんな犠牲など必要とせずに強さを極めてくれ」
「我が友シュバルが言っていた……お前ならば、自分を超え、私を超え、ナイトオブナイツに辿りつけると」
「だから、私はシュバルに代わり、お前の成長を見守るつもりだ」
返しがこれ。アークセイバーの次代を担う若き騎士に、ジェラウドは未来を見る。
「フ……激戦の連続だな。それでこそ我が人生」
出撃間際、帰ってきたら稽古をつけてくれと言うウェインに対して。だが、この約束が果たされることはついになかった……。
「マルグリット……アークセイバーはインサラウムのために戦うのではない。己の信ずるもののために戦うのがアークセイバーだ」
「私にとって、それはインサラウムであり、お前の場合は殿下個人だったはずだ」
「今でも思い出す。お前が王族親衛隊の隊長に就任した時の民達の喜びの声を」
「殿下とお前の仲睦まじい姿は、民達にとってインサラウムの希望そのものだった」
マルグリットとの会話。民達の希望を背負い、ナイトオブナイツは決戦の地に赴く。
「止まれ、新たなる次元獣よ」
「これは人間と人間の戦いだ。ただ勝てばいいというものではない」
「誇りを解さぬ破壊の使徒は控えよ」
クロウを攻撃するギガ・アダモンを制して。あくまでもアークセイバーの一人として、ジェラウドはクロウとの正面激突を望む。何気にトレーズと似たようなスタンスである。
「我が妻と……子の死を伝えた時……殿下が……私の代わりに……泣いてくださったからだ……」
「誰もが……怒りと絶望の中に……いた時……あの方だけが……誰かのために……涙を流して……くださった……」
「お前は……それを……弱さと言うかもしれない……だが、殿下は……民の上に立つ者に……最も必要なものを……持っておられる……」
今際の際に明かした、ユーサーへの忠義の理由。怒りと絶望に国中が囚われる中、ユーサーだけはジェラウドの家族の死を悲しんでくれた。ゆえにこそ、その弱くも優しき統治者の剣として、ナイトオブナイツは在り続けたのであった。
「土は土に、灰は灰に、塵は塵に……ウェイン……殿下をお守りし……誰……よりも……強く……なれ……」
「そして、殿下……インサ……ラウムの民に……未来……を……」
ジェラウドの最期。主君が、弟子が、強くなって祖国に未来を齎すことを信じ、インサラウム最強の騎士は長い戦いを終えた……。

搭乗機体・関連機体

ディアムド
ナイトオブナイツの専用機。
パレス・インサラウム
平時はこの艦に常駐し、出陣の時を待つ。