差分

1,704 バイト追加 、 2021年3月2日 (火) 19:48
編集の要約なし
6行目: 6行目:  
元々『[[機動戦士ガンダム]]』ではパワードスーツを使う予定であったが、当時ヒットしていた『[[マジンガーZ (TV)|マジンガーZ]]』の流れに合わせて巨大ロボット化した経緯がある。モビル「スーツ」という呼称はその名残。
 
元々『[[機動戦士ガンダム]]』ではパワードスーツを使う予定であったが、当時ヒットしていた『[[マジンガーZ (TV)|マジンガーZ]]』の流れに合わせて巨大ロボット化した経緯がある。モビル「スーツ」という呼称はその名残。
   −
モビルスーツより巨大なものや、人型でないものは「[[モビルアーマー]]」と呼ばれる。
+
モビルスーツより巨大だったり、完全な人型ではない機体の内、既存兵器類の延長ではない異形寄りの機体は「[[モビルアーマー]]」と呼ばれる。
    
== 作品世界ごとの扱い ==
 
== 作品世界ごとの扱い ==
20行目: 20行目:  
一年戦争終結から数年後となる宇宙世紀0083年あたりの時期には、「[[アナハイム・エレクトロニクス]]」が中心になる形で次世代型のモビルスーツの開発が検討され、連邦が運用する[[ガンダムタイプ]]の新型モビルスーツ開発計画である『[[ガンダム開発計画]]』を実行。後の新世代型モビルスーツと比べても規格外と言える高性能な機体が幾つも開発されたが、『[[デラーズ紛争|デラーズ紛争(0083)]]』時に[[テロリスト]]である[[デラーズ・フリート]]に[[ガンダム試作2号機|一部の]][[ガーベラ・テトラ|機体]]が悪用され、多大な犠牲者を出す事態となってしまった結果、機密書類の発効により計画で開発されたGPシリーズは登録を抹消。それに関連するあらゆる書面・資料・部品など痕跡を残す物全てが破棄され<ref>[[オサリバン|開発計画に特に深く関わった人物]]も謎の死を遂げており、表向きには「自殺」という形で処理されている。</ref>、研究成果や技術自体も封印されている。
 
一年戦争終結から数年後となる宇宙世紀0083年あたりの時期には、「[[アナハイム・エレクトロニクス]]」が中心になる形で次世代型のモビルスーツの開発が検討され、連邦が運用する[[ガンダムタイプ]]の新型モビルスーツ開発計画である『[[ガンダム開発計画]]』を実行。後の新世代型モビルスーツと比べても規格外と言える高性能な機体が幾つも開発されたが、『[[デラーズ紛争|デラーズ紛争(0083)]]』時に[[テロリスト]]である[[デラーズ・フリート]]に[[ガンダム試作2号機|一部の]][[ガーベラ・テトラ|機体]]が悪用され、多大な犠牲者を出す事態となってしまった結果、機密書類の発効により計画で開発されたGPシリーズは登録を抹消。それに関連するあらゆる書面・資料・部品など痕跡を残す物全てが破棄され<ref>[[オサリバン|開発計画に特に深く関わった人物]]も謎の死を遂げており、表向きには「自殺」という形で処理されている。</ref>、研究成果や技術自体も封印されている。
   −
『[[グリプス戦役|グリプス戦役(Ζ)]]』の勃発する宇宙世紀0087年には、「ムーバブルフレーム」といった革新的な新規技術を導入した新世代型のモビルスーツ開発が本格的に開始され、地球連邦軍、[[ティターンズ]]、[[エゥーゴ]]、[[アクシズ]]といった様々な勢力で使用される事になっているが、この頃になるとモビルスーツの開発における発展・進化のインフレが激しくなっており、特にアナハイムの「[[Ζプロジェクト]]」を始めとした「モビルスーツとモビルアーマーの二形態を持つ可変機構のモビルスーツ」の開発に精力が注がれた結果、グリプス戦役の初期では最新鋭の機体であったにも拘らず、それから半年以上過ぎた末期の頃には完全に旧式化してしまうモビルスーツが多数出てしまっている<ref>例として挙げるなら、[[ガンダムMk-II]]、[[リック・ディアス]]、[[百式]]、[[マラサイ]]、[[ガルバルディβ]]、[[ネモ]]等</ref>。
+
『[[グリプス戦役|グリプス戦役(Ζ)]]』の勃発する宇宙世紀0087年には、「ムーバブルフレーム」といった革新的な新規技術を導入した新世代型のモビルスーツ開発が本格的に開始され、地球連邦軍、[[ティターンズ]]、[[エゥーゴ]]、[[アクシズ]]といった様々な勢力で使用される事になっているが、この頃になるとモビルスーツの開発における発展・進化のインフレが激しくなっており、特にアナハイムの「[[Ζプロジェクト]]」を始めとした「モビルスーツから別形態への可逆変形機構を持つ可変モビルスーツ」の開発に精力が注がれた結果、グリプス戦役の初期では最新鋭の機体であったにも拘らず、それから半年以上過ぎた末期の頃には完全に旧式化してしまうモビルスーツが多数出てしまっている<ref>例として挙げるなら、[[ガンダムMk-II]]、[[リック・ディアス]]、[[百式]]、[[マラサイ]]、[[ガルバルディβ]]、[[ネモ]]等</ref>。
    
==== 高性能・大型化による発展 ====
 
==== 高性能・大型化による発展 ====
30行目: 30行目:     
==== 小型化される新世代機 ====
 
==== 小型化される新世代機 ====
マフティー動乱から5年程が過ぎた宇宙世紀0110年の時期より、コストパフォーマンスの高騰やメンテナンス性の低下等の事情で、モビルスーツが小型化する動きが本格的に見られる様になる。当初は、モビルスーツの大手メーカーと言えたアナハイムが担当していたが、アナハイムの技術で開発された小型モビルスーツの性能は思わしくない状況にあり、これに業を煮やした地球連邦軍の海軍戦略研究所「[[サナリィ]]」は独自に小型モビルスーツを開発すべく、「[[サナリィ#フォーミュラ計画|フォーミュラ計画]]」を発動。徹底したコストダウン、無駄な装備の排除、ハードポイントの設置、一つに特化した機能、熱処理機能の向上といった様々な条件や問題を解決させた形で、小型・高性能化したモビルスーツの開発に成功させた。これに焦ったアナハイム側も、フォーミュラ計画の一部を盗用する形で新たに小型・高性能化したモビルスーツを完成させるが、サナリィはそれらをも上回る優れた性能の機体を開発させていく事になる。しかし、大規模生産工場を所有している故に、地球連邦軍の量産機の開発・製造に関しては依然としてアナハイムが握り続ける事になっている。
+
マフティー動乱から5年程が過ぎた宇宙世紀0110年の時期より、コストパフォーマンスの高騰やメンテナンス性の低下等の事情で、モビルスーツを15m級に小型化する動きが本格的に見られる様になる。当初は、モビルスーツの大手メーカーと言えたアナハイムが担当していたが、アナハイムの技術で開発された小型モビルスーツの性能は当時の軍縮主体の世情には適していたものの、これを「低性能」と判断し業を煮やした地球連邦軍の海軍戦略研究所「[[サナリィ]]」は独自に小型モビルスーツを開発すべく、「[[サナリィ#フォーミュラ計画|フォーミュラ計画]]」を発動。徹底したコストダウン、無駄な装備の排除、ハードポイントの設置、一つに特化した機能、熱処理機能の向上といった様々な条件や問題を解決させた形で、小型・高性能化したモビルスーツの開発を成功させたかに見えたが、実際は高性能の追及によって熱核融合炉の仕様変更でより高出力を得やすい構造に変更したが、耐久性にかなり問題のある機体となってしまい、被弾時の誘爆率が高まり、撃破時の爆発もより大きくなる様になるなどの諸問題を抱えた上、高価でも問題無い実験機や試験機の類のみの成功に留まり、量産機原型では戦時用レベルの過剰性能、動作確実性の低さ、整備コストの高さなどから運用に適しないと突き返された機体を機密の名の元に隠匿したり情報操作工作としてサナリィ側に都合の良くAE側を貶す内容が主体のネガティブキャンペーンを行う有様であった<ref>基本的に現行主流の設定書籍の情報はサナリィ側の欠点を記さずAE側やブッホ側の悪辣さを過剰に強調した「サナリィ史観」に偏った記述の物が多い為、その辺りを割り引いて鵜呑みにせず偏りを省き公正に見る必要が有る。</ref>。これに対しアナハイム側も、サナリィ側の欺瞞を見抜いた連邦軍側の協力も有ってフォーミュラ計画の一部を盗用する形で新たに小型・高性能化したモビルスーツを完成させる。大規模生産工場を所有しコストパフォーマンスや軍縮世情などの要求にキチンと応える故に、地球連邦軍の量産機の開発・製造に関しては依然としてアナハイムが握り続ける事になっている。
   −
そんな中、「ブッホ・コンツェルン」が先駆ける形で小型・高性能化したモビルスーツの大量生産に成功するも、ブッホ・コンツェルンは施設軍隊として「[[クロスボーン・バンガード]]」を結成し、地球連邦軍へ宣戦布告する形で『[[コスモ・バビロニア建国戦争|コスモ・バビロニア建国戦争(F91)]]』を引き起こす。この戦いでも、サナリィの開発したフォーミュラ計画の機体が多大な戦果を挙げ、その機体は戦後に量産化が決定。数年後には地球連邦軍への次期主力機として配備されるまでに至った。そんな中、モビルスーツは[[木星|木星圏]]においても新たに開発が行われる事になり、地球以上の高重力である木星の環境に耐えられる設計が求められた結果、これまでのモビルスーツよりも大型かつ大出力のスラスターを搭載したタイプが開発されていったのだが、強大な軍事力を得た木星圏で新たに『[[木星帝国]]』が興され、これが地球圏と木星圏の戦争である『[[木星戦役|木星戦役(クロスボーン)]]』にまで繋がった。だが、地球連邦軍の最新鋭主力機として量産されたモビルスーツは、高性能を追求し過ぎてしまったが故に、リミッターを設けてもパイロット達に扱いきれないピーキーな機体となってしまうという本末転倒な事態となってしまい、結局は木星帝国を相手に対した戦果は上げられずに終わった結果、高性能よりも安定した性能の機体が連邦軍の主力となっていった。
+
そんな中、「ブッホ・コンツェルン」が独自の形で小型・高性能化した15m級モビルスーツの大量生産に成功する。この機体は当時の連邦軍主力配備機体に対する対策研究の末に開発された物である為、既存の連邦軍機体を圧倒できるのは至極当然の代物であった。ブッホ・コンツェルンは私設軍隊「バーナムの森」を本格的な軍事組織とした「[[クロスボーン・バンガード]]」を結成し、地球連邦軍へ宣戦布告する形で『[[コスモ・バビロニア建国戦争|コスモ・バビロニア建国戦争(F91)]]』を引き起こす。この戦いでは、サナリィの開発したフォーミュラ計画の最高級実験機であるF91が多大な戦果を挙げ、戦後に量産化が決定。数年後には地球連邦軍への次期主力機として配備されるまでに至った、と思いきや実際は高コスト過ぎる点や過剰性能とそれによる既存機体との連携運用の難しさ、機体性能を引き出し切れるパイロットの不足などから特務部隊の高級機として少数量産がされた程度であった。そんな中、モビルスーツは[[木星|木星圏]]においても新たに開発が行われる事になり、地球以上の高重力である木星の環境に耐えられる設計が求められた結果、これまでのモビルスーツよりも大型かつ大出力のスラスターを搭載したタイプが開発されていったのだが、強大な軍事力を得た木星圏で新たに『[[木星帝国]]』が興され、これが地球圏と木星圏の戦争である『[[木星戦役|木星戦役(クロスボーン)]]』にまで繋がった。だが、地球連邦軍の最新鋭主力機として量産された先述の機体は、高性能を追求し過ぎてしまったが故に、リミッターを設けてもパイロット達に扱いきれないピーキーな機体となってしまうという本末転倒な事態となってしまい、結局は木星帝国を相手に対した戦果は上げられずに終わった結果、高性能よりも安定した性能の機体が連邦軍の主力となっていった。
    
==== 小型モビルスーツの衰退 ====
 
==== 小型モビルスーツの衰退 ====
木星戦役から更に十数年後、それまでサイド国家主義であった[[スペースノイド]]の間では、コロニー単位の国家主義へと傾倒していく事になり、コロニー同士による対立が深刻化。所謂「宇宙戦国時代」へと突入し、その中でも最も力を持ったサイド2が「[[ザンスカール帝国]]」を名乗り、サナリィの生産工場や研究所を含む施設、人員を接収する形で独自にモビルスーツを開発。『[[ザンスカール戦争|ザンスカール戦争(V)]]』を引き起こした結果、ザンスカールのモビルスーツへの対抗として、再び小型・高性能のモビルスーツが求められる事になった。だが、肝心の抑止力であるはずの地球連邦軍はその衰退もあって宛てには出来ず、ザンスカールに独自抵抗する組織「[[リガ・ミリティア]]」が発動させた『[[Vガンダム|Vプロジェクト]]』によって、ザンスカールに対抗出来る小型・高性能の新型モビルスーツが開発される事となった。
+
木星戦役から更に十数年後、それまでサイド国家主義であった[[スペースノイド]]の間では、コロニー単位の国家主義へと傾倒していく事になり、コロニー同士による対立が深刻化。所謂「宇宙戦国時代」へと突入し、その中でも最も力を持ったサイド2が「[[ザンスカール帝国]]」を名乗り、サナリィの生産工場や研究所を含む施設、人員を接収する形で独自にモビルスーツを開発。『[[ザンスカール戦争|ザンスカール戦争(V)]]』を引き起こした結果、ザンスカールのモビルスーツへの対抗として、再び小型・高性能のモビルスーツが求められる事になった。だが、肝心の抑止力であるはずの地球連邦軍はその衰退もあってあてには出来ず、ザンスカールに独自抵抗する組織「[[リガ・ミリティア]]」が発動させた『[[Vガンダム|Vプロジェクト]]』によって、ザンスカールに対抗出来る小型・高性能の新型モビルスーツが開発される事となった。
   −
Vプロジェクトの機体が本格的に配備された後は、リガ・ミリティアとザンスカール双方で小型・高性能化したモビルスーツが運用され、また「ミノフスキー・フライト」による標準的飛行や、「ミノフスキー・コントロール」によるニュータイプ能力を持つ人間でなくても機械的なサイコミュの再現等も可能となっている。ただし、高性能の追及によって熱核融合炉の仕様変更でより高出力を得やすい構造に変更したが、耐久性にかなり問題のある機体となってしまい、被弾時の誘爆率が高まり、撃破時の爆発もより大きくなる様になった。また、ザンスカール戦争が終盤に差し掛かっていくと、モビルスーツは操縦性よりもひたすら性能のみを追求されるようになった結果、コストパフォーマンスはおろかメンテナンス性に関しても、以前の大型モビルスーツ以上に劣悪となってしまい、本来コストダウンやメンテナンス性の向上を目指したはずの小型・高性能モビルスーツの存在意義はザンスカール戦争の終結後には失われていく事になった。
+
Vプロジェクトの機体が本格的に配備された後は、リガ・ミリティアとザンスカール双方で小型・高性能化したモビルスーツが運用され、また「ミノフスキー・フライト」による標準的飛行や、「ミノフスキー・コントロール」によるニュータイプ能力を持つ人間でなくても機械的なサイコミュの再現等も可能となっている。また、ザンスカール戦争が終盤に差し掛かっていくと、モビルスーツは操縦性よりもひたすら性能のみを追求されるようになった結果、コストパフォーマンスはおろかメンテナンス性に関しても、以前の大型モビルスーツ以上に劣悪となってしまい、本来コストダウンやメンテナンス性の向上を目指したはずの小型・高性能モビルスーツの存在意義はザンスカール戦争の終結後には失われていく事になった。
    
==== 余談 ====
 
==== 余談 ====
モビルスーツの核融合炉は原理上破壊しても核爆発を起こすことは無いのだが、ガンダムシリーズではしばしば大爆発を起こす場面が見られる。これは推進剤への引火爆発や『[[機動戦士ガンダムNT]]』でヘリウム3が高圧状態でミノフスキー粒子と結合し、臨界反応を起こすためと設定された。また、『NT』入場者特典のコラムペーパーによれば、サイドひとつを壊滅させる程の大爆発を起こすためには地球圏のミノフスキー粒子発生装置をかき集めても難しいと解説されている。U.C.110年以降の小型MSでは熱核融合炉の仕様が変更された影響でより高エネルギーの爆発が生じる様になっている。
+
モビルスーツに使用される熱核融合炉は一般的には「原理上破壊しても核爆発を起こすことは無い」とされるのだが、ガンダムシリーズではしばしば大爆発を起こす場面が見られる。これは推進剤への引火爆発や『[[機動戦士ガンダムNT]]』でヘリウム3が高圧状態でミノフスキー粒子と結合し、臨界反応を起こすためと設定された。また、『NT』入場者特典のコラムペーパーによれば、サイドひとつを壊滅させる程の大爆発を起こすためには地球圏のミノフスキー粒子発生装置(=熱核融合炉)全てをかき集めても難しいと解説されている。U.C.110年以降の小型MSでは熱核融合炉の仕様が変更された影響でより高エネルギーの爆発が生じる様になっている。
    
=== [[機動武闘伝Gガンダム|未来世紀]]におけるMS ===
 
=== [[機動武闘伝Gガンダム|未来世紀]]におけるMS ===
56行目: 56行目:  
[[リーオー|本格的な]][[トラゴス|量産型]][[エアリーズ|モビルスーツ]]の完成後は、[[ドクターJ|モビル]][[プロフェッサーG|スーツの]][[ドクトルS|開発]][[H教授|研究の]][[老師O|権威]][[ハワード|達]]が全員行方をくらました事も加わって、生産性向上とコストダウンのみが重点に置かれる形でモビルスーツの研究開発が行われ、性能に関しては一種の停滞期を迎えてしまっていた。しかし、コロニー側が送り込んできたそれまでのモビルスーツと比べても規格外な性能とガンダニュウム合金の装甲材質を持つモビルスーツ「ガンダム」の登場により、新規の高性能モビルスーツの必要性が証明される事になった。
 
[[リーオー|本格的な]][[トラゴス|量産型]][[エアリーズ|モビルスーツ]]の完成後は、[[ドクターJ|モビル]][[プロフェッサーG|スーツの]][[ドクトルS|開発]][[H教授|研究の]][[老師O|権威]][[ハワード|達]]が全員行方をくらました事も加わって、生産性向上とコストダウンのみが重点に置かれる形でモビルスーツの研究開発が行われ、性能に関しては一種の停滞期を迎えてしまっていた。しかし、コロニー側が送り込んできたそれまでのモビルスーツと比べても規格外な性能とガンダニュウム合金の装甲材質を持つモビルスーツ「ガンダム」の登場により、新規の高性能モビルスーツの必要性が証明される事になった。
   −
しかし、新型モビルスーツの開発が進む中、「その性能を完全に使いこなすだけの技量を持ったパイロットを養成するのが非常に困難」という問題とぶつかる事になってしまう。事実、ガンダムのパイロット達も、機体の性能を完全に発揮させる為に特殊な戦闘訓練を積んだ者やモビルスーツでの実戦経験が豊富な者ばかりとなっており、更には新型モビルスーツに登場する予定のパイロット達も破壊工作等によって失われてしまい、この問題の解決策として、ロームフェラ財団の技師である[[ツバロフ]]によってパイロットを除外して無人稼働を前提で運用するモビルスーツである「[[モビルドール]]」が開発された。モビルドールの圧倒的性能によって、一時はガンダムタイプのモビルスーツですらも太刀打ち出来ない状況となっていたが、プログラムで稼働するが故の弱点を抱えていたモビルドールは次第に戦いの中で問題点を露呈させていき、その力は過度に利用していたデルマイユ派の[[OZ]]や[[ホワイトファング]]は戦略的な失敗をする形で敗戦する事になった。
+
しかし、新型モビルスーツの開発が進む中、「その性能を完全に使いこなすだけの技量を持ったパイロットを養成するのが非常に困難」という問題とぶつかる事になってしまう。事実、ガンダムのパイロット達も、機体の性能を完全に発揮させる為に特殊な戦闘訓練を積んだ者やモビルスーツでの実戦経験が豊富な者ばかりとなっており、更には新型モビルスーツに登場する予定のパイロット達も破壊工作等によって失われてしまい、この問題の解決策として、ロームフェラ財団の技師である[[ツバロフ]]によってパイロットを除外した無人自律型モビルスーツである「[[モビルドール]]」が開発された。モビルドールの圧倒的性能によって、一時はガンダムタイプのモビルスーツですらも太刀打ち出来ない状況となっていたが、プログラムで稼働するが故の弱点を抱えていたモビルドールは次第に戦いの中で問題点を露呈させていき、その力は過度に利用していたデルマイユ派の[[OZ]]や[[ホワイトファング]]は戦略的な失敗をする形で敗戦する事になった。
    
イヴ・ウォーの終戦から約1年後には、再び有人操縦のモビルスーツが主力となり、モビルドールは拠点防衛システムの代替品としてしか利用されなくなった。
 
イヴ・ウォーの終戦から約1年後には、再び有人操縦のモビルスーツが主力となり、モビルドールは拠点防衛システムの代替品としてしか利用されなくなった。
67行目: 67行目:  
ただし、荒廃した世界設定から、個人でモビルスーツを持っている「モビルスーツ乗り」と呼ばれる者達が数多く存在している。
 
ただし、荒廃した世界設定から、個人でモビルスーツを持っている「モビルスーツ乗り」と呼ばれる者達が数多く存在している。
   −
また、「[[Gビット|ビットモビルスーツ]]」と呼ばれる無人機も存在しており、[[ニュータイプ (X)|ニュータイプ]]能力者がフラッシュシステムによって[[オールレンジ攻撃|遠隔操作]]を行うというもの。
+
また、「[[Gビット|ビットモビルスーツ]]」と呼ばれるMS型攻撃端末も存在している。
    
=== [[∀ガンダム (TV)|正暦]]におけるMS ===
 
=== [[∀ガンダム (TV)|正暦]]におけるMS ===
117行目: 117行目:  
:MSの標準的な近接白兵武装。
 
:MSの標準的な近接白兵武装。
 
;[[ビームシールド]]
 
;[[ビームシールド]]
:従来の実体シールドより高い防御力を誇るシールド。
+
:従来の実体シールドより高い防御力を誇るビームで構成されたシールド。
 
;[[ファンネル]]
 
;[[ファンネル]]
:[[サイコミュ|思念により]][[オールレンジ攻撃|無線誘導]]を行える小型射撃端末群。
+
:[[サイコミュ|思念により]][[オールレンジ攻撃|無線誘導]]を行える小型攻撃端末群。
    
=== 宇宙世紀 ===
 
=== 宇宙世紀 ===
131行目: 131行目:  
::装甲材に[[ガンダリウム合金|ガンダリウムγ]]を使用し、後述のムーバブル・フレームとビーム兵器や全天周囲モニターやリニアシートを導入したMS。第1世代よりも整備性、生産性、拡張性に優れ、更に人間に近い動きと柔軟性、運動性能を実現している。宇宙世紀0080年代後半に登場し、以後主力となった。グリプス戦役後半以降の量産機はほとんどがこの区分に該当する。なお、先駆けとも言える[[ガンダムMk-II]]はガンダリウムγを採用しておらず、厳密には本区分には該当しないため「第1.5世代モビルスーツ」と分類される事もある。
 
::装甲材に[[ガンダリウム合金|ガンダリウムγ]]を使用し、後述のムーバブル・フレームとビーム兵器や全天周囲モニターやリニアシートを導入したMS。第1世代よりも整備性、生産性、拡張性に優れ、更に人間に近い動きと柔軟性、運動性能を実現している。宇宙世紀0080年代後半に登場し、以後主力となった。グリプス戦役後半以降の量産機はほとんどがこの区分に該当する。なお、先駆けとも言える[[ガンダムMk-II]]はガンダリウムγを採用しておらず、厳密には本区分には該当しないため「第1.5世代モビルスーツ」と分類される事もある。
 
:;第3世代モビルスーツ
 
:;第3世代モビルスーツ
::後述の可変モビルスーツのこと。第2世代MSに可変機構(MA形態への変形システム)が加わった。MS・MA形態の使い分けによる機動力と速力、汎用性の高さを最大の長所とする。しかし、構造が複雑で耐久性や生産性に難があり、扱いも難しいため主力にはなれなかった。
+
::後述の可変モビルスーツのこと。第2世代MSに可変機構(別形態への変形システム)が加わった。人型・可変形態の使い分けによる機動力と速力、汎用性の高さを最大の長所とする。しかし、構造が複雑で耐久性や生産性に難があり、扱いも難しいため主力にはなれなかった。
 
:;第4世代モビルスーツ
 
:;第4世代モビルスーツ
 
::大型化による高性能化を追求した[[ニュータイプ]]専用の重MS。高火力・高機動・重装甲を全て兼ね備えた非常に高い性能を誇るが、ニュータイプ専用ということも相俟って、扱えるパイロットがごく少数に限られる極めて偏った区分となってしまった。主力にはなれなかったがMS開発に与えた影響は大きく、他世代の区分にも重MSが数多く開発され、機体の大型化に拍車をかける一因となった。
 
::大型化による高性能化を追求した[[ニュータイプ]]専用の重MS。高火力・高機動・重装甲を全て兼ね備えた非常に高い性能を誇るが、ニュータイプ専用ということも相俟って、扱えるパイロットがごく少数に限られる極めて偏った区分となってしまった。主力にはなれなかったがMS開発に与えた影響は大きく、他世代の区分にも重MSが数多く開発され、機体の大型化に拍車をかける一因となった。
137行目: 137行目:  
::宇宙世紀0105年頃に登場し、完全な単独飛行能力を獲得したモビルスーツ。[[ミノフスキークラフト]]を小型化して標準搭載しており、従来のサブフライトシステムやMA形態による飛行を遥かに凌ぐ機動力と安定性を実現しているが、その分、機体は更に大型化しており、生産コストも非常に高い。しかし、間もなく第2期MSの時代になって開発が中止されたため、該当する機体はごく僅かしかない。
 
::宇宙世紀0105年頃に登場し、完全な単独飛行能力を獲得したモビルスーツ。[[ミノフスキークラフト]]を小型化して標準搭載しており、従来のサブフライトシステムやMA形態による飛行を遥かに凌ぐ機動力と安定性を実現しているが、その分、機体は更に大型化しており、生産コストも非常に高い。しかし、間もなく第2期MSの時代になって開発が中止されたため、該当する機体はごく僅かしかない。
 
;第2期モビルスーツ
 
;第2期モビルスーツ
:大型モビルスーツの維持・管理コストの増大が問題となり、宇宙世紀0120年代から普及した15m級基準のMS。機能を全て縮小し、高性能化を目指した設計。新型動力源の採用により、出力面でも従来の第1期モビルスーツを凌ぐ。本区分の特徴の一つである機体の小型化は以前から進められていたが、従来機のままでは性能向上との両立が図れなかったため、新しいタイプの機体の開発が必要になったという経緯がある。しかし、結局モビルスーツの小型化を最初に考案した地球連邦軍はこの区分の機体を主力MSとして実用化することは出来ず、敵勢力がそれを実現するという皮肉な事態になっており、『F91』の時代以降の苦戦に繋がっている。
+
:大型モビルスーツの維持・管理コストの増大が問題となり、宇宙世紀0110年代から普及した15m級基準のMS。機能を全て縮小し、高性能化を目指した設計。新型動力源の採用により、出力面でも従来の第1期モビルスーツを凌ぐ。本区分の特徴の一つである機体の小型化は以前から進められていたが、従来機のままでは性能向上との両立が図れなかったため、新しいタイプの機体の開発が必要になったという経緯がある。しかし、結局モビルスーツの小型化を最初に考案したサナリィはその秘匿主義や技術パテント収益などに拘った結果この区分の機体を主力MSとして実用化することは出来ず、敵勢力がそれを実現するという皮肉な事態になっており、『F91』の時代以降の苦戦に繋がっている。
 
;モノコック構造
 
;モノコック構造
 
:モビルスーツ用語と言う訳ではないが、第一世代のMSを特徴付ける用語としてここに記載する。
 
:モビルスーツ用語と言う訳ではないが、第一世代のMSを特徴付ける用語としてここに記載する。
148行目: 148行目:  
:宇宙世紀0080年代に実用化。アームと電磁機構でシートを浮かせた状態にする事で衝撃などを吸収しやすくした機構。全天周囲モニターと脱出ポットを合わせ、操縦を快適にさせた。一部の作品で[[強化パーツ]]になっている。
 
:宇宙世紀0080年代に実用化。アームと電磁機構でシートを浮かせた状態にする事で衝撃などを吸収しやすくした機構。全天周囲モニターと脱出ポットを合わせ、操縦を快適にさせた。一部の作品で[[強化パーツ]]になっている。
 
;[[可変モビルスーツ]]
 
;[[可変モビルスーツ]]
:宇宙世紀0080年代に実用化した可逆変形式MS。人型から特定の形態に変形して特定のフィールドで高速移動する。
+
:宇宙世紀0080年代に実用化した可逆変形式MS。人型から特定の形態<ref>SRWシリーズなどではゲームシステムなどの関係上十把一絡げで「MA形態」と分類呼称しているが実際は作品や機体種系列毎に異なるので注意</ref>に変形して特定のフィールドで高速移動する。
 
;サブフライトシステム
 
;サブフライトシステム
 
:「重力下では単なる陸戦兵器の域を出ない」「航空兵器等に比して活動可能範囲が狭い」というMSの問題点を解消すべく、MSに飛行能力や航続距離を付加するために開発された支援兵器の総称。略称はSFS。一年戦争期に運用されたドダイYS重爆撃機などのMS補佐用途に端を発しグリプス戦争期に定義確立された物でMSを乗せたまま安定して飛行可能な優れたペイロードを有する。ほとんどは全翼機をベースとする。
 
:「重力下では単なる陸戦兵器の域を出ない」「航空兵器等に比して活動可能範囲が狭い」というMSの問題点を解消すべく、MSに飛行能力や航続距離を付加するために開発された支援兵器の総称。略称はSFS。一年戦争期に運用されたドダイYS重爆撃機などのMS補佐用途に端を発しグリプス戦争期に定義確立された物でMSを乗せたまま安定して飛行可能な優れたペイロードを有する。ほとんどは全翼機をベースとする。
匿名利用者