サードインパクト
サードインパクトとは、『新世紀エヴァンゲリオン』に登場する現象。
概要 編集
(第3~第17)使徒がアダムと接触することで起こるとされる事象。発生は人類の滅亡を意味し、これを防ぐことが表向きNERVの使命とされていた。 実際はゼーレや碇ゲンドウが計画していた人類補完計画の要でもあり、各々異なる形でのサードインパクト発生を目論んでいた。
具体的な事象としては、地球規模のアンチA.T.フィールドを展開し、個体生命を維持するA.T.フィールドを消失させて地球上の生命をLCLに戻しリセットすること。 アンチA.T.フィールド自体はS2機関の解放によっても展開されるが、地球規模で展開できるのは完全な状態となった生命の祖のみ。 使徒側は自身と融合したアダム、人類側ではアダムとリリスが「禁断の融合」を果たした存在がこれにあたる。
旧劇場版においてこの現象が発生し、全人類はLCLに還元、魂は融合体へと取り込まれてしまった。これを持って人類補完計画は成功を収めたかに見えたが、ヨリシロとなったシンジがこの融合を拒絶した事で、その意図を汲んだレイ(リリス)が自壊を選択。その死によってアンチA.T.フィールドが消失した事で、人々の魂はまた分裂する事となった。
一般的にこのエンディングは、シンジとアスカ以外の人類が死滅したバッドエンドと考えられているが、劇中のユイやレイの発言から、この後人々が自分の形を思い描く事ができれば(自我を取り戻す事が出来れば)、初号機に吸収されたシンジの様に元の体を取り戻せる可能性が高いと考えられる。よって、世界が崩壊してしまった事には違いはないが、幾分かの希望も残されていると捉えることも可能ではある。 また、この際に光となっている魂の幾らかは宇宙へと広がっていこうとしている描写もあり、漫画『ゲッターロボ號』のクライマックスに登場した「生命の種子」理論を思わせる。
ニア・サードインパクト 編集
『ヱヴァンゲリヲン新劇場版』で発生した、サードインパクトの未遂となる現象。作中では「ニアサー」とも略されている。新劇場版『Q』および『シン』では、これが起こった後の世界観を舞台としている。
EVA初号機が第10の使徒とEVA零号機、綾波レイを吸収した事で発生したサードインパクトは、EVA Mark.06によって投擲されたカシウスの槍によって未然に防がれた。しかし、それによって引き起こされた災厄によって「コア化」と呼ばれる現象が各地に発生し、人類もその大半が「エヴァンゲリオンインフィニティ」と呼ばれる存在に強制進化させられた。
コア化した大地はL結界によって普通の人間は防護服が無ければ活動出来ず(エヴァのパイロットはその限りではない)、生き残った人類は封印柱と呼ばれるシステムでコア化していない大地を保護しつつヴィレとその下部組織クレーディトの支援を受けて生活を送っている。
関連用語編集
余談編集
- NINTENDO64用ゲーム『新世紀エヴァンゲリオン』(旧バンダイ)のセーブデータ初期化の名称がこれである。
- 人間の液体化の元ネタはSF小説『ブラッドミュージック』がモチーフとみられる。
- ちなみに『LIVE A LIVE』でも生物の液体化という同じネタは登場する(人間以外も液体化している)が、モチーフが同じと推測されるだけで『エヴァンゲリオン』との関連性はない。さらに言えばあちらのスーパーファミコン版の発売は『エヴァンゲリオン』放送開始前年の1994年である。
- 稀に誤解されることがあるが、劇中でエヴァ量産機によって引き起こされた大爆発が「サードインパクト」に当たるものではない。この大爆発は、ジオフロント(黒き月)を表出させるために執られた手段であり、サードインパクトを始めるための過程の一部に過ぎない。大爆発が起きる直前の伊吹マヤの台詞からこのような誤解が生じるようであり、過去にはガイナックス公式監修の書籍でもこの誤解に基づく解説が掲載されていたことがあった。