ダグザ・マックール

ダグザ・マックール (Daguza Mackle)

連邦宇宙軍特殊作戦群「エコーズ(ECOAS)」の920隊司令(隊長)。「ラプラスの箱」のネオ・ジオン残党「袖付き」への譲渡阻止および奪取の命令を受け、ネェル・アーガマに乗艦する。

エコーズはネオ・ジオン残党の摘発・掃討を任務としていることから通称マンハンター(人狩り)と呼ばれ、その性質から秘密主義で知られており、時には汚れ仕事を行うこともあったようである。そういった組織で部隊を率いているだけあり、自己を「連邦の歯車」と自認し、冷徹な態度で任務遂行を最優先する。しかし、個人としての良心を完全に失っているわけではなかった。

成り行きで「ラプラスの箱」を巡る策略に巻き込まれ、ユニコーンガンダムのパイロットになってしまったバナージに対して、過酷にも「責任」を突き付ける。
しかし、ネェル・アーガマ単艦でのパラオ攻略指令に艦長のオットーを含めたクルーから不満が噴出する中、ダグザはこれを捕虜となったバナージの救出作戦であるとオットーに意見するなど、自らもまた「責任」を果たそうとしていた。このパラオ攻略戦では増援に来た他の部隊を含め、多くのエコーズ隊員が戦死した。

旧首相官邸ラプラスの残骸における調査では、ユニコーンに搭乗する事を拒むバナージに、またも「責任」を突き付け、目の前の困難から逃げだそうとしていると厳しく当たる。しかしこの言葉の裏には、後でコンロイに語ったように「自分に息子でもいたらとうに味わっていた」感情が秘められていた。
結局、調査時にはバナージとともにユニコーンに同乗。そこで「連邦の歯車」の立場から、連邦政府とラプラスの箱の存在意義をバナージに語る。

調査中に襲撃してきたシナンジュに対してバナージにNT-Dを使用させようとダグザはユニコーンから降り、彼に全力で戦わせようとする。そこでNT-Dを恐れるバナージに、ダグザが気づいたNT-Dのもう一つの意味と人の心の大切さを語った。
その後、ユニコーンを援護する為にバズーカ片手に生身でシナンジュに挑む。そして死を覚悟したのかバナージに希望を託し敬礼した直後、シナンジュのビームアックスに焼かれ、命を落とす。

登場作品と役柄

Zシリーズ

第3次スーパーロボット大戦Z時獄篇
初登場作品。第40話(宇宙ルート)で死亡するが、条件次第では生存する。

パイロットステータス設定の傾向

能力

凄腕の軍人らしく技量に優れる。また、モビルスーツ乗りにも関わらずスーパー系に迫る防御を誇るが、成長タイプが「射撃型・回避」のため最終的には伸び悩む。養成で高めつつ「ガード」と「援護防御」で盾役として運用するのがベター。

精神コマンド

第3次Z時獄篇
必中不屈狙撃激励突撃

特殊技能(特殊スキル)

第3次Z時獄篇
底力L5、援護攻撃L2、Bセーブ

固有エースボーナス

第3次Z時獄篇
所属チームの被ダメージ0.8倍、命中+20%
つまり、自分と相方に常時「ガード」がかかる。ダグザ自身の能力はサブ向きなので、ロトに乗せ続けるならロジャー赤木シンジなど、陸戦型のスーパー系パイロットと組ませるのがいいだろう。

人間関係

コンロイ・ハーゲンセン
エコーズ920隊の副司令。ダグザ戦死後は隊を引き継ぐ。
バナージ・リンクス
最初はマンハンターらしく冷徹な軍人として彼に接するも、最後には希望を託す存在と見るようになる。
オードリー・バーン
ネェル・アーガマの面々の中で一番最初に彼女の正体を見破ったのがダグザだった。主にネオ・ジオンの残党狩りを任務としていたからであろう。ただし『時獄篇』ではストーリーの都合上、なかったことになっている。
アルベルト・ビスト
アナハイム・エレクトロニクスの重役。「ラプラスの箱」に関して連邦と利害が一致するマーサ・ビスト・カーバイン(アルベルトの叔母)がエコーズ本部を動かした経緯から、マーサの代理人としてダグザたちに指示を出す。

他作品の人間関係

スーパー系

竹尾ワッ太
パラオ攻略戦でダグザが人質救出を口にした際に、意外だと、子供らしく素直な感想を述べた。

バンプレストオリジナル

AG
パラオ攻略戦後、皮肉を口にするが、軽く受け流す。

名台詞

ラプラスの箱には連邦を覆す何かが隠されていると言われている。それがネオ・ジオンの手に渡り、より多くの人の命を奪う結果を招いてしまった時、君は何と言って死者や遺族たちに詫びるつもりだ!?」
OVA版第2巻より。シナンジュの脅威の前にネェル・アーガマが撃沈の危機にさらされた際、オードリーミネバ)を人質にとって対抗したダグザに「箱なんて渡してしまえばいい」と言うバナージに対して。
「頼んでいるつもりはない」
OVA版第3巻より。首相官邸ラプラスの残骸における調査の際にユニコーンに搭乗することを嫌がるバナージにあっさりと言い放つ。
「個人の力では変えられないし、変えようとする気すら起こさせない。どんな組織でも起こることだ。が、かといって、維持存続の本能に呑み込まれた歯車を、悪と断ずることもできない」
「歯車」が語る連邦体制の現実。
「ジオン根絶のための、殺戮マシーンなどではない。それとは違う何かが、このユニコーンには組み込まれている。それを制御するのはたぶん……生身の心だ。それがラプラスプログラムの正体なのかもしれん。乗り手の心を試しながら、箱へと導く道標。こいつを作った奴は、とんだ食わせ物らしいな」
ダグザが気づいたNT-Dの隠された意義を語り、バナージの不安を解きほぐそうとする。
「歯車には、歯車の意地がある。お前もお前の役割を果たせ」
バナージ「俺の……」
「ここが知っている……自分で自分を決められるたった一つの部品だ。無くすなよ!」
ユニコーンから降りてバナージと別れる際、人の心の意味を語る。
「意地でも、借りでもない。自分の心に従っただけだ。歯車にも生まれるのだな、望みというものが……」
シナンジュに挑む直前の独白。
「おまえは私の希望……託したぞ、バナージ!」
バナージがサイコフレームを通して受信した、ダグザの遺志。

スパロボシリーズの名台詞

「エコーズの作戦は、時と場所を選ばん。俺達はあらゆる任務を遂行するために集められたプロフェッショナルだ」
「もっとも、このZ-BLUEの連中を見ると、操縦だけは自信をなくすがな」
パラオ急襲で脱出してきたバナージと合流した際に。原作と比べて明らかに豊富な戦力を有しているZ-BLUEにいれば、こういう気持ちにもなるということか。
「そうだな…。だが、一時と言えど、今は喜びにひたるのも悪くない」
ネオ・ジオン側の抵抗の少なさを感じて今後を警戒しながらも、パラオから無事にバナージが帰還したのを喜び合う未成年のクルーたちをアムロとともに見守る。