シンクロン原理とは、『J9シリーズ』に登場する架空の原理。
概要編集
凄腕メカニックであるドク・エドモンが発見した、この宇宙の質量やエネルギーを多元宇宙に保存したり、取り出したりする事により、その投影像である物体のサイズを自在に変更する事を可能にするという原理。シンクロンシステムとも呼ばれる。
『銀河旋風ブライガー』の作中では「多元宇宙論に質量保存の法則を適用したもの」と説明されているが、「多元宇宙を利用して質量保存の法則を回避するもの」と考えた方が、表現方法としては適切だと思われる。より簡単に説明するならば、「変形・合体すると何故か元よりもデカくなる」を可能にする技術であり、ロボットアニメのお約束を設定として落とし込んだものである。
当然ながら、並行して存在する別の宇宙から質量を転送するために膨大なエネルギーを要し、ブライガーはこの原理を応用した物質増大プラズマシステムという機構が搭載されている。そのエネルギーもただ高出力であればいいというわけではなく、同時に繊細な制御も必要とされるため、使い方を誤れば「惑星程度なら軽くふっとばす」とも言われる膨大なエネルギーが漏出する。実際、作中ではドク・エドモンからこの技術を盗んだ輩が自らのメカに搭載し悪事を働いていたものの、巨大化・縮小を行う度に凄まじい余波を伴い、近くを航行する宇宙船に危険を及ぼしていた。
これ以外にも、量産型バクシンガーが大破・爆発した際にはその爆風だけで敵艦隊をまるごと壊滅させるという描写もあり、夢のようなテクノロジーである一方、使い方を誤れば非常に危険な代物として描かれている。ドク・エドモンはこの危険性や悪用の可能性を考慮してか、シンクロン原理を門外不出の技術としていた。
最初にこの原理が搭載されたブライガーには消費エネルギーの軽減、あるいは多段変形の妨げとなるのを嫌ってか、内蔵武器の類がほとんど存在せず、 必要に応じて多元宇宙から転送する武器やブライキャリアから射出される外部兵装を用いていた。変形に関しても「基地でエネルギーを溜めた状態から24時間以内」という制限時間があるとされる。
一方、それから600年後に製造されたバクシンガーでは、シンクロン原理の運用が進化したのか、または多段変形機構がオミットされた為に余裕があったのか、様々な武装が内蔵されており、制限時間に関しても言及されていない。
なお、『銀河烈風バクシンガー』より更に200年後の物語である『銀河疾風サスライガー』の時代になると、何故かシンクロン原理を組み込んだロボットはほとんど使われなくなっている。主人公機であるサスライガーにすらも搭載されておらず(スパロボではJ9III号に変形するとサイズがMからLに変わる。これは機関車形態であるJ9III号にはロボット形態には無い客車が付いているからだと思われる)、唯一シンクロン原理を搭載していると言及されたのはタランチュラ・シンジケートに配備されている戦闘メカだけである。