スレードゲルミル(Sladegelmir / Thrudgelmir)

概要

グルンガスト参式が、自律型金属細胞『マシンセル』によって変化した姿。グルンガストと外見で分かる部分は、背中に装着されたドリルブーストナックルのみである。マシンセルによる損傷の自己修復機能を持ち、強固な装甲と高火力の搭載武器により高い戦闘力を誇る。分離は不可能だが、空中浮遊は可能。

本機最大の武器は『斬艦刀』と呼ばれる大剣。これは、変異したグルンガスト参式に装備されていた参式斬艦刀が、マシンセルによって形状変化したもの。スレードゲルミルのそれは、刀と言うより巨大な両刃の西洋剣に見える。肩の装飾部分が競り上がり、刀身を形成して雄叫びと共に突撃して敵を切り裂く。

フロントアーマーにディバイン・クルセイダーズDC)のエンブレムが装飾されているが、本機はDCの所属ではない。

名前の由来は北欧神話に登場する「力の叫びの巨人」、アウルゲルミルの子「スルードゲルミル」から。スパロボアンソロジーコミック作家でもある富士原昌幸氏がデザイン。参式の発展機である本機だが、当時参式は設定のみの存在であったため、デザインは新規に起こされたものである。「グルンガストだけど、グルンガストだと分からないように」という注文を受けていたとのこと。ちなみに、武器は当初からグルンガスト伝統の『ブーストナックル』と『剣』に決まっていたのだが、デザイナーの富士原氏はこのことをうっかり忘れていたらしい。その為、斬艦刀は最後の最後にデザインされている。

スーパーロボット大戦α外伝

アースクレイドルの内乱によって、グルンガスト参式が変貌してスレードゲルミルへと変化。パイロットのゼンガー・ゾンボルトメイガスの制御下に置かれてしまった。当初はメイガスの指示の元、プリベンターに敵対したが、アースクレイドル戦でゼンガーが本来の記憶を取り戻してプリベンターに加入する(ハードルート)。

OGシリーズ

シャドウミラーが入手したグルンガスト参式を本世界に持ち込み、マシンセルの力で変貌する。2人乗りの機能が残っているのか制御装置が2つある。パイロットはウォーダン・ユミル

登場作品と操縦者

αシリーズ

スーパーロボット大戦α外伝
初参戦作品。難易度・難でのみ自軍に加入。斬艦刀の強さはこの頃から健在で、敵の時は桁違いの耐久力と二つのみだが隙の無い武装でこちらを恐怖に陥れた。唯一の救いは回避が低い点。
味方になるとHPと射程が大幅に下がるが、他はそのまま、または強化され装甲は1800(マジンカイザーの装甲1350を大きく上回る)もあり、HPも大幅に下がったとは言え無改造で12000もあり、ゼンガーも援護を2まで覚えているため、壁役として便利な機体である。改造を加えるとネオ・グランゾンの縮退砲にも平気で耐える。斬艦刀の戦闘アニメーションは極めて秀逸(スレードゲルミルが咆哮するカットイン等)で、ゼンガー共々人気を高めたが、PSの処理能力を超えていたためによく処理落ちが発生した。
易ルートでの決戦シナリオでは、増援として出てくる前に勝利条件を満たすことが可能。ただしその後の展開は変わらない。

OGシリーズ

スーパーロボット大戦ORIGINAL GENERATION2
α外伝時と同様に耐久力、攻撃力とも非常に高い。ダイゼンガーのライバル機として立ちふさがる。本作からアーマーブレイカーが追加。登場ステージの全てで撤退条件があるため、下手をするとオウカ同様一度も落とせなかったりする。
スーパーロボット大戦ORIGINAL GENERATIONS
OG2シナリオに登場。本作から飛行能力はなくなった。新武装として、ウェポンブレイカー、ドリルインフェルノ、斬艦刀・星薙の太刀が追加された。なお37話ではGBA版では中立ユニットだった本機を操作できる。おまけにボス仕様なので撃墜される心配は全くない。なお「メイガスの門」では一騎打ちイベントがあるが、発生条件に関わるある「からくり」を知っていれば撃墜できる。スレードゲルミルのHPが60%を切るとユニットが回復なしのバージョンに変化し、一騎打ちが発生するのだが、HPは変化前から引き継ぐ。つまり、一撃必殺砲に援護を加え、61%の段階から大幅に削ればいいという仕掛けだ。ただし、削り過ぎて撃墜すると全回復で一騎打ちになるので注意。これはGBA版でも同じ。

装備・機能

武装・必殺武器

射撃兵装

アーマーブレイカー
敵の装甲値を低下させる特殊武器。OG2以降で装備。同名の換装武器とは別データ扱い。
ウェポンブレイカー
OGSで追加。敵の攻撃力を下げる特殊武器。こちらも、同名の換装武器とは別データ扱い。

格闘兵装

ブーストナックル
元が参式なので、当然持っている。単独武器としてはジ・インスペクターにおいて、アクセルとの一騎打ちに割り込む形でゼンガーの参式に対して使用。
ドリル・ブーストナックル
グルンガスト参式と同様の武器。ドリル・クラッシャーを装着したブーストナックルで敵のどてっ腹に大穴を空ける。OG2(GBA版)のみコンボ対応武器になっている。敵に到達するまでに二つのナックルがガツンガツンとぶつかり合い、最終的には形状すら分からなくなるほどの激しい動きが特徴的。ちなみにGBA版では命中すると、ナックルが突き抜けずにそのまま爆発する
ドリル・インフェルノ
富士原氏がデザイン中にイナズマのごとき天啓を受けて頭部に巨大ドリルを追加し、これを利用した頭突き攻撃を考案。それがドリル・インフェルノである。富士原氏も戦闘アニメの下書きまで作成していたのだが頭部のドリルごと没となってしまった(ドリルは頭部の角として残った)。しかし、富士原氏の漫画『鋼の救世主』にて頭突き攻撃が使用され、SRWでもOGSにて採用された。コクピットがある頭部を振り回すため、パイロットに負荷のかかる技らしく富士原氏の同人誌でウォーダンがきつい技だと言っており、ゼンガーにいたっては吐きそうになっていた。確かに、あれだけ前後に揺さぶればいかな人造人間・半機械人間でも無事では済まないだろう。

斬艦刀

参式斬艦刀が変化したもの。肩パーツが分離して持ち手部分を形成する。なお、実は設定上二振り存在する(両肩のパーツが二つとも斬艦刀になれるため)。「龍王逆襲」ではこの設定を活かし、ダイゼンガーに片方を投げ渡すシーンがある。 ちなみに仕舞う時は柄と刀身を解除し、パーツを手で持って戻す。

斬艦刀・電光石火
OG2のイベントで使用したダイゼンガーと同様の技。
斬艦刀・一文字斬り
斬艦刀使用時に叫び、敵を横一文字に引き裂く。OGsでは袈裟掛けに一刀両断する。ちなみにα外伝とGBA版では斬り方が違う。GBA版ではジャンプして頭上で一回転させてから振り抜いて切り裂くのだが、この演出のもととなったα外伝では、一度振りかぶったあとバットを振るように外側から薙ぎ払うようにして斬る。
斬艦刀・稲妻重力落とし
α外伝ではこれを使用。斬艦刀使用時に叫び、ジャンプして大空から落下速度で敵を叩き切る技。元ネタは「科学戦隊ダイナマン」のダイナロボの必殺技「科学剣・稲妻重力落とし」から。実際には一文字斬りと同じ技。

ちなみに、以上の技は「電光石火」がイベント、それ以外は「斬艦刀」表記で武器として実装されている。

斬艦刀究極奥義『一閃・星薙の太刀』
これのみ台詞演出ではなく単体の技。マシンセルを固定せずに放射して刀身を最大延長させ、突撃の勢いで振り回して横合いから集団ごと吹き飛ばす。アンソロジーコミック『鋼の救世主』で登場し、OGSで採用となった。『鋼の救世主』では並居るスーパーロボットたちが一斉に剣や盾で防いでなんとか受け止め、ウイングガンダムゼロカスタムのツインバスターライフルの2連射を受けて斬艦刀の刀身にひびが入り、最後はダンクーガの鉄拳によって粉砕される。なお、ゲームでは単に「星薙の太刀」表記の単体攻撃。

合体攻撃(コミック版のみ)

十文字竜巻斬艦刀・逸騎加勢
「龍王逆襲」で披露された竜巻斬艦刀の強化版で、未来世界から転移して来たスレードゲルミルを加えた大技。
斬艦刀・逸刀入魂
斬艦刀・仁刀逸閃
シャッフルバトラーにおけるダイゼンガーとの合体攻撃。前者は斬艦刀なし、後者はありの場合。一体どのような技なのか、相手が相手だけに内容が気になる所だ。

特殊能力

HP回復(大)
マシンセルにより、機体が自動再生する。しかし、OG2ではダイゼンガーとの決闘時に2つの制御装置を攻撃され、機能不全に陥った。
EN回復(大)
OG2ではダイゼンガーとの決闘時に2つの制御装置を攻撃され、機能不全に陥った。

GBA版OG2のみ

気力系無効
「スピリットテイカー」「スピリットドレイン」を無効化。「脱力」のないGBA版ではかなり厄介な能力。
ブレイカー系無効
「アーマーブレイカー」「ウェポンブレイカー」を無効。まともにやり合う気がなければ問題はないが。

OGsのみ

マインドブロック
「気力低下」「SP吸収」を無効。
ロボットブロック
「装甲低下」「攻撃力低下」「運動性低下」「命中率低下」を無効。GBA版よりさらに固くなっている。

移動タイプ

標準で飛行可能。OGsでは飛行不可能。

サイズ

機体フル改造時のカスタムボーナス

全武器攻撃力+200
OGシリーズで設定上のみ存在する。

機体BGM

「THE GATE OF MAGUS」
スレードゲルミルのテーマ。日本語訳はずばり「メイガスの門」。OGsではスレードゲルミルとウォーダンのみの専用曲に。

対決・名場面など

大地の守護神
シナリオ「大地の守護神」にてダンテを斬艦刀で一蹴した。ゲーム初登場の場面であり、異常に高い性能と武装の高い攻撃力でプレイヤーを恐怖に陥れた。このゼンガーは周回プレイでも撃墜する事が非常に困難。
プリベンター
α外伝ゲーム終盤、アースクレイドルのメイガスを守る為、鬼神と化したゼンガーの猛攻にプリベンターの面々は苦戦を強いられ、何とかゼンガーを倒す事に成功するが、マシンセルの驚異的な修復能力のせいで撃墜する事は出来なかった。だが、ゼンガーは記憶を取り戻し、メイガスの暴走を止めるべく一行に協力した。
矛盾再び
OG2(OGs)でも因縁ともいうべき巨大な剣と巨大な盾の対決が再び起きる。ウォーダンが繰り出すスレードゲルミルの一太刀をタスクが駆るジガンスクード・ドゥロが受け止め、引き分けの形に。またしても矛と盾は雌雄を決する事はできなかった。
斬艦刀対斬艦刀
OG2では寺田Pにより、メイガスの門におけるダイゼンガー対スレードゲルミルの決闘が組まれた。実はOG2以前に雑誌においてダイゼンガーとスレードゲルミルのフィギュアを使った斬艦刀対決のジオラマが作られた事もある。
メイガスの剣
崩れ行くアースクレイドルにて、脱出を図るイーグレット・フェフの機体をスレードゲルミルで押さえつけるウォーダン。マシンセルはとうに機能を止め、ボロボロの状態でウルズの攻撃を受け続け、しかし決して離しはしない。その最期は、抵抗を続けるフェフの機体を、後ろに控える量産型ベルゲルミルごと斬艦刀で一刀両断して爆散すると言う壮絶なものであった。

関連機体

グルンガスト参式
本機の元となった機体。OG2では、ゼンガーの参式とウォーダンのスレードゲルミルが交戦する場面がある。ちなみに今の所、スレードゲルミルは指パッチンで両断されてはいない。
ベルゲルミル
量産型ヒュッケバインMk-IIが、スレードゲルミルのようにマシンセルによって変貌した機体。
アウルゲルミル
アンセスターのスレードゲルミルの母体。この機体が消滅すると機能不全を起こす。
ジガンスクード・ドゥロ
過去にグルンガスト零式の零式斬艦刀と真っ向勝負を繰り広げた際に引き分けに持ち込んだ経歴がある機体。スレードゲルミルと遭遇した際はドゥロに強化改修されていた為、斬艦刀こそ破損しなかったものの、ウォーダンの力量をもってしても一刀両断はできなかった。
スヴァイサー
無限のフロンティアEXCEED スーパーロボット大戦OGサーガに登場。小型化されたスレードゲルミルと言った外見をしており、設定上躯体そのものに魂が宿っている。ただし使用武器は本家と異なり、自己修復機能もなくなっている。

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