- 1990年~1991年に発売されたOVA作品。全6話、全3巻。
- 初参戦スパロボ:スーパーロボット大戦L(2010年)
概要
『戦え!! イクサー1』の続篇。
前作から数十年後の舞台においてイクサー1の妹であるイクサー3を新たな主人公に、ビッグゴールドの分身であるネオスゴールドの軍団との戦いが描かれる。前作のパートナーであった加納渚の孫である霞渚が、今作のパートナーを務める。
OVAがマニアックなものでなくなった時代背景を反映し、エログロな演出と殺伐としたイベントが目立った前作から打って変わって、今作は健康的なお色気と明るいノリが意識されている。巨大ロボットバトルよりも、等身大のアクションにウェイトを置いた作劇は前作と共通する。
サブキャラクターの多くは実力派や若手声優が担当しているが、主役のイクサー3には当時アイドル的に活躍していた女子プロレスラー・キューティー鈴木氏を抜擢した。この異色のキャスティングは話題にもなったが、後述するようなイクサー3のキャラクター性を考えたとしても、演技経験のない氏を主役に据える事は大いに疑問視された。作品としての評価は前述の不安要素が的中した事も影響し、芳しくない結果に終わった。 なお、ほぼ同時期に作られたが設定の異なるドラマCD版(タイトルも『冒険!! イクサー3』と微妙に異なる)、霞渚が主役となる続編『戦-少女イクセリオン』のサウンドノベル版では、イクサー3の声優は室井深雪(現:深雪さなえ。スパロボ参戦作では『超時空世紀オーガス』でモームを演じている)に交代している。
ちなみに敵ボスも「声優」を起用していない。ただしこちらは当時東映ヒーロー作品での演技で知名度を上げつつあった実力派女優で、今ではバラエティ番組でもおなじみの高畑淳子氏である。
ストーリー
前作から数十年。加納渚の孫である霞渚は防衛軍月面基地でファーストフードのデリバリーのアルバイトをしていた。そんなある日、地球全土にネオスゴールドの軍勢が宇宙から襲い掛かる。そして、渚がいる月の基地にも…。
渚は必死に逃げ回るが、ついに袋小路の格納庫まで追い詰められる。あわや大ピンチというときに突然、格納庫に響く笑い声。エイリアンの部隊長が「何者だ!?」と叫ぶとそこに現れたのは、一人の小さな女の子。そう、彼女こそイクサー3。かのイクサー1の妹である。
無邪気に笑いながらもすさまじい戦闘力でエイリアンを撃退したイクサー3。彼女が語ることには、渚は祖母と同じくイクサー3のパートナーとなる素質があるという。渚とイクサー3は地球に残された地球最後の希望。二人は基地に生き残った4名の仲間と共に、基地に残された宇宙戦艦クイーンフジでネオス軍の本拠地へと向けて冒険の旅に出発する。
登場人物
スパロボ毎の登場人物一覧については以下を参照して下さい。
- イクサー3
- 主人公。イクサー1が、地球侵略を企むネオス・ゴールドを阻止するべく自らの代役として地球に送り込んだ「妹」。脳天気で天真爛漫な性格は姉とは似ても似つかないが、戦士としての力は劣らない。
- 霞渚
- イクサー1のパートナー・加納渚の孫。17歳。イクサー3とはテレパシーで交信でき、無鉄砲なイクサー3のお守り役でもある。
- 静可愛
- 気弱な渚の親友であり、彼女と一緒に月面基地のファーストフードデリバリーでアルバイトしていた。17歳。
- 露野人
- 15歳。月面基地で銃火器関係のアルバイトをしていた。口が悪い皮肉屋で、渚に好意を抱いている。
- ロブ・温和
- クィーンフジのクルーで苗字のごとく温和な性格。25歳。
- キャンディ・バーツ
- 冷静沈着なクィーンフジの女性艦長。25歳。
- イクサー1
- サー・ヴァイオレットの後を継ぎクトゥルフの長となる。ビッグゴールドの邪悪な端末をすべて滅ぼすために戦い続けている。
- シスターグレイ
- イクサー1の側近であり、イクサー3の生みの親。
- ネオスゴールド
- ビッグゴールドの端末から生み出された機械生命体。冷酷非情であり、任務失敗した部下をも処刑するほど。
- アトロス
- ネオスゴールドが強奪した、イクサーたちのエネルギー源であるイクセリオ・エネルギーから創りだした戦士。しかし「もう一人のイクサー3」であるため、イクサー3同様に霞渚を慕ってしまうことに。
- イクサー2
- かつてのイクサー1の宿敵であり、イクサー3を倒すためにネオスゴールドが蘇生させたが、ネオスゴールドに対する忠誠心は無い。妹イクサー3の存在にその心境に微妙な変化が…
- ファイバー、インセクト (イクサー3)、ビグロ (イクサー3)、ゴーレム
- ネオスゴールドの部下であるネオス四天王。
登場メカ
スパロボ毎の登場メカ一覧については以下を参照して下さい。
- イクサーロボ (イクサー3)
- イクサー3の愛機。イクサー1のイクサーロボを改修・強化したものでカラーリングも変更されている。
- クィーンフジ
- 地球防衛軍・月面基地内のドックにて建造中だった宇宙戦艦。月面基地から脱出する際にイクサー3と渚らの母艦となる。
- エドグレート
- 地球防衛軍の最新鋭宇宙戦艦だったが、冒頭にてネオスゴールドの軍勢に消滅される。
- スーパーネオス
- ネオスゴールドが自ら生み出した分身と合体した姿。地球の中心核からエネルギーを強奪し、八本の腕から放つ強力なエネルギー波でイクサー3らを苦しめた。
楽曲
- オープニングテーマ
-
- 「-誓い- ICZER3 …君と」
- 作詞:甲斐健児、作曲・編曲:工藤崇、歌:吉野麻衣子
- 『L』で採用。
登場作と扱われ方
携帯機シリーズ
- スーパーロボット大戦L
- 初参戦作。ストーリーは『戦え!! イクサー1』に内包される形で再現されており、霞渚と加納渚はそれぞれ別世界の出身で、その関係は共通の先祖を持つという設定に変更され、敵ボスであるネオスゴールドも生みの親であるビッグゴールドが健在の為、彼女の忠実な配下として活動している。ネオス四天王はユニットアイコンこそあるが、イベントで撃破されるため直接は戦えず。原作の味方キャラクター達も登場こそするが、そのほとんどがちょい役で物語には深く関わる事は無く、原作再現の点に関しては半々といったところである。イクサーロボについては第20話では原作どおりイクサー1が搭乗するロボと同一の機体で、イクサー1とイクサー3が同時にロボに乗ることは出来ないが、第35話からはシスター・グレイがもう1機のイクサーロボを建造しておりイクサー1とイクサー3が同時にロボに乗ることが可能になる。
主要スタッフ
- 制作
- AIC
- 監督・キャラクターデザイン
- 平野俊弘
- 音楽
- 工藤崇