マーサ・ビスト・カーバイン

マーサ・ビスト・カーバイン

サイアム・ビストのもう1人の孫であり、カーディアスの妹。アルベルトバナージの叔母にあたる。

アナハイム・エレクトロニクスの創業者一族であるカーバイン家に嫁いだ。小説版では社長夫人とも呼ばれている。妖艶な美貌を持ち、政治家的な気質と才覚を多分に擁した人物であり、利用できるものはなんでも利用する。特に政治的手腕においては、兄・カーディアスをも凌ぐ女傑。アナハイムの拠点である月に腰を据えていることから、「月の女帝」と呼ばれるほどの権勢を奮っている。

ラプラスの箱については、財団とアナハイムと連邦の関係の現状維持を望んでおり、「箱」の開放阻止に奔走する。インダストリアル7の襲撃も彼女の差し金であり、アルベルトをネェル・アーガマへ送り込んだ黒幕。物語終盤、ネェル・アーガマ部隊への妨害やユニコーンの2号機バンシィによる実力行使を行い「箱」の奪取を目論むがバナージやその仲間たちの奮戦により失敗。最終手段として氷室の存在している施設、航宙戦艦メガラニカをコロニーレーザー「グリプス2」で消滅させて「箱」の流出を妨害しようとするも、その場に居合わせたロンド・ベル司令ブライト・ノアにより身柄を拘束される。

嘗てサイアムに父親(サイアムにとっては次男)が謀殺されたことに衝撃を受け、以後「男社会」に対して激しい憎悪を抱くようになる。だがその行動は過激で、インダストリアル7への武力介入を始め、「再調整」されたマリーダ(女)がジオン残党(男)を殺していく様をオードリーに見せつけ、その上で(生物としての)女性上位の理論を嬉々として彼女に語る。自分達『女』が主導する世界に社会を変革しようと、自分と同じ強く気品ある女性であるミネバに共闘を持ちかけたこともある。だがそのオードリーからは、彼女の気質は男そのものと静かに、そして激しく拒絶される。

登場作品と役柄

Zシリーズ

第3次スーパーロボット大戦Z時獄篇
初登場作品。クロノ保守派の一員として「箱」の開放阻止に動いている。
第3次スーパーロボット大戦Z天獄篇
引き続き登場。時獄篇と同様にクロノ保守派として暗躍しているが、原作の様な政治手腕の発揮されるシーンがほぼ無く、ほとんど新地球皇国サイデリアルに対して真っ先に地球を売った裏切り者と言うべき小物臭い部分が目立った。

携帯機シリーズ

スーパーロボット大戦BX
今作では「箱」の開示を阻止すべく、連邦軍はおろかGAILなどにも干渉し原作よりも暗躍の度合いが増加。第3次Zよりも存在感が大きくなっている。
その暗躍ぶりは前作人類軍を想起させるが、彼らと違い彼女は政治的手腕も巧みなためなかなか尻尾を掴ませず、連邦軍の改革派にとっては「獅子身中の虫」。

人間関係

カーディアス・ビスト
兄。「箱」を解放すべく袖付きに箱を渡そうとした彼を謀殺、彼の死後に当主代行としてビスト財団を指揮する。
サイアム・ビスト
祖父でビスト財団創設者。マーサの男社会嫌いの性格を形成した原因でもある。
アルベルト・ビスト
甥。マーサの命を受け行動しており、彼女からは表裏両方の仕事を任されている事からそれなりに信頼されている。
天獄篇』では自己保身のためにしか動かない彼女に見切りをつけてZ-BLUEの支援に回り、『BX』ではマーサの悪事を告発した。
バナージ・リンクス
もう一人の甥。「箱」解放を防ぐため、彼と彼の乗るユニコーンガンダムを確保しようと暗躍する。
オードリー・バーン
彼女に共闘を持ちかけるも拒絶された。
ローナン・マーセナス
ダカールの惨劇の黒幕に仕立てるというマーサの恫喝に屈し、ミネバの引き渡しに応じてしまう。
ブライト・ノア
episode7にて、彼に数々の不正の証拠を掴まれ逮捕された。

他作品との人間関係

フリット・アスノ
BXでは政敵。己の私利私欲の為に連邦軍を私物化し利用する彼女を「女狐」と呼んで忌み嫌っている。のみならず彼女は戦力増強の為、AGEシステムとガンダムAGE-3の奪取も企てていた。
フレデリック・アルグレアス
BXではフリットと立場を同じくする彼とも政治的に対立。彼女が裏で手を回していた事もあって一時は連邦軍総司令の座を奪うが、終盤でアルベルトの告発もあって逆に追い落とされる。
アローン・シモンズ
BXでは彼と結託する。
ジラード・スプリガン
BXでは彼女の乗るガルダの救援に向かうが、他者の命を私利私欲の為に利用する彼女に対し内心嫌悪感を抱いており、逆に彼女の救援要請を逆手にとってブライティクスに加勢しマリーダの救出に協力する。
ミスマル・コウイチロウカティ・マネキン
BXではフリットと同じ改革派であるため対立。

名台詞

スパロボシリーズの名台詞

「ゼントラーディとの間に起こった星間戦争の事を忘れたわけではないでしょ?」
「あの島は異星人の巣窟だった。それらが人類に対して牙を剥いたのなら、火種が炎となる前に消すのは当たり前よ」
BX』第36話「光る島」より。オウストラル島への核攻撃を支持した後の台詞。
先に火種を作ったのは人類側であり、説得力が皆無である