カイラスギリー(Kailash Geary)
『機動戦士Vガンダム』に登場したザンスカール帝国が衛星軌道上に設置したビーム砲。
巨大な2つの丸い粒子加速装置と、それに挟まれるような位置にある垂直に長く伸びた砲身からなる「ビッグキャノン」と呼ばれるビーム砲と、それをコントロールする「スクイード」2隻で構成されている。発射されるビームは地球を衛星軌道から狙い打つ強力な威力をもち、これにより地球を恫喝するのである。
原作中ではタシロ・ヴァゴ指揮の下で建造中であり、艦船5隻からなる相当数の兵力を配備することで防御を固め、連邦の「バグレ隊」を退けていた。そのためリガ・ミリティアは正攻法では攻略できないと判断し、破壊より建造を止めることを主とした作戦を展開した。ザンスカール帝国が電力供給に利用したマイクロウェーブ装置「ハイランド」のマイクロ波により兵員の動きを封じ、更に敵旗艦のスクイード1番艦に対してはリモコン操作によるガウンランドの自爆特攻によるカモフラージュにより、リーンホースによってスクイードを拿捕。ザンスカール軍は手も足も出せずに撤退。カイラスギリーはリガ・ミリティアの所有となった。その後の建造作業はリガ・ミリティアが引き継いで完成させ、ザンスカール帝国に集結した帝国の総主力であるムッターマ・ズカン艦隊に向けて発射、多大な損害を与えた。
巨大な砲身と二つの粒子加速器という外観は露骨なまでに男性器を連想させるデザインであり、「女性」「母性」といった要素が強く打ち出されている『機動戦士Vガンダム』において一際異彩を放っている。なおカイラスギリーとはヒンドゥー教の用語の伝説の山、ヒラヤマ山脈に位置する「カイラス山」から取られた名前。