ラースエイレム

2013年5月14日 (火) 08:42時点におけるGyouza (トーク | 投稿記録)による版

ラースエイレム(Larseilam)

スーパーロボット大戦Jの敵組織「フューリー」の使う時間兵器。範囲内の時間経過を完全停止させる「ステイシス・フィールド」を展開することで、内部に存在するターゲットを「停止」させてしまうという反則じみた性能を持つ。この機構はラフトクランズにのみ搭載されており、その他の機体にはない。フィールド内で動くには、フューリー製の機体であるか、後述のアンチシステムを搭載するかの二択である。

発動シーケンスの詳細は不明だが、サイトロンの推論を踏まえるとこのようなものだと思われる。

  • 範囲内にいるターゲットをロック・オンする
  • 周囲の空間に存在するサイトロンを捕捉・収集する
  • エクストラクターの出力を限界まで上げ、フィールドを展開
  • 高濃度のサイトロンをフィールド内のターゲット目がけて打ち込み、未来へと向かう時間の粒子にぶつけて相殺、時間経過を一時的に停止させる

これは、初めて使用された「闇の胎動」において、木連の兵器を停止させたフィールドが展開されている時に主人公達が現れた場面でわかる。バッタは完全に停止していたが、豹馬やムウがそのことを訝しんでいるため、後から入って来た機体は止められないことが読み取れる。つまり、このシステムはフィールドを展開した上で、その中に存在するターゲットの時間のみを止めるものである、ということがわかる。

これを使う事は、敵の抵抗力を完全に奪うことと同義であるため、フューリーは大概の作戦をこの力で完遂している。ただし、システムが使えない状態になると、自身の操縦技術が卓越していたアル=ヴァンはともかく、ジュア=ム率いる部隊は特務分艦隊に必ず負けていた。なお、「ステイシス」とはフューリーの言葉で「停止」を意味する。

騎士の一人であったエ=セルダ・シューンはフューリーの地球侵攻を前に、「ラースエイレムがある以上、地球側に勝ち目はない」と考え、極秘裏にアンチシステム「ラースエイレムキャンセラー」を開発。その後、これを搭載した機体(主人公機選択でどんな機体かが決まる)をカティアテニアメルアの3人に託し、地球へと逃がした。その後、この機体は彼の息子である統夜、あるいは元地球連合の軍人であるカルヴィナの手へ渡り、フューリーとの戦いの根幹をなす事となる。

このキャンセラーは、搭載している機体をステイシス・フィールドの影響から完全に守る他、ラースエイレムと同じ要領で駆動するとフィールド自体を消滅させ、ラースエイレム自体にも極度の負荷をかけてシステムを止めてしまう。アンチフィールドを発生させるのではなく、展開されるフィールドを伝ってシステム搭載機をピンポイントで狙い撃つ仕組みになっている。

フューリー製の機体は、たとえ従士の機体でもラースエイレムの影響を受けないため、40億年前の内戦では決定打にならなかったことは想像に難くない。おそらくは騎士の個々の技量が勝敗を決したのであろう。ジュア=ムのように戦いの経験が浅い戦闘要員が見られるのは、内乱の敗戦でベテランの大半が戦死していたためかもしれない。

なお、このシステムで停止したものは攻撃で破壊できるため、恐らく版権作品でいうとロロ・ランペルージの使う絶対停止のギアス(漫画版+アニメ版)に近いものであると思われる。

同様に時間を停止させ、フューリーの民達を眠らせている「ステイシス・ベッド」はこれの発展型であり、サイトロンが供給される限り外部からの干渉は一切受けない。

ちなみに、1か所「ラースレイエム」と誤表記されていた。

登場作品

スーパーロボット大戦J
敵のラフトクランズがイベントで使用。特殊能力としては使ってこない。もし使われたらえらいことに。

関連する用語

フューリー
ラフトクランズ
アシュアリー・クロイツェル

メモ

  • その反則っぷりと類似性から「ザ・ワールド」と呼ぶファンもいる。
  • 限定空間内の事象を制御するという点では、クロスゲート・パラダイム・システムに近いものがある(CPSは完全にコントロールするものだが)。
  • 時の流れからエネルギーを得る時流エンジンはラースエイレムの影響を受けるとどうなるのか、とファンの間で取り沙汰される事がある。時間経過が完全に止まるためエンジンは停止すると思われるが、それ以前にエクサランス自体がパイロットごと止まるだろう。
  • 元ネタはSF作家ラリイ・ニーヴンの「リングワールド」シリーズに登場するテクノロジー「スレイヴァー式停滞(ステイシス)フィールド」であろう。作中では発動すれば内部のものを完全に保護でき、仮に反物質と遭遇しても対消滅すら無視できるという特性を持つ。絶対に壊れないという性質を利用して究極の安全装置として使用されたり、極細のワイヤーをフィールドで包むことで絶大な切れ味を持たせたクジン人の自在剣(ヴァリアブル・ソード)などが登場している。