アンチスパイラル

2014年4月17日 (木) 03:54時点における49.101.136.220 (トーク)による版

アンチスパイラル(Anti Spiral)

螺旋力を持つ生物を滅ぼそうとする謎の存在。螺旋力の増大によっておこる宇宙の滅亡『スパイラルネメシス』を防ぐための行動をとっているが、詳細は不明。全宇宙においても特に強い螺旋力を持つシモンを敵視しており、彼を「螺旋の男」と呼んで警戒している。

その正体は、スパイラルネメシスの危機に気付き、己の進化を封印し、同時に他の螺旋族を統制する事でスパイラルネメシスを永遠に封じ込めようとした「当時最も進化していた螺旋族」である。
1000年前の銀河大戦で螺旋族を破った後、螺旋族とその末裔達への監視システム・殲滅システムを宇宙全域に配置する。地球の場合、月に監視及び殲滅システムが設けられており、更に地球上にはその端末が、人類の目の届かない様々な形で配置されていた。螺旋族はこのシステムからの滅びを免れるため、螺旋力の増大を抑えて地下で細々と暮らすことを余儀なくされる。 現在の地球でこの事実を知っていたのは、かつて銀河大戦において戦っていたロージェノムのみであり、彼が地下に人間を押し込めていたのはこのためであった。

人前に見せる姿は人に近い形でありながら、肉体、表情はおろか光すらも感じさせない虚無的な姿を形成している。最終的にはより深い絶望を与えるために、同等の姿で対象を粉砕するという手段を取っている。

その力は時間空間を超越し、多次元に影響を及ぼす。また、時間軸の分岐によって発生する多元宇宙を、認識した瞬間に実体化させ、その宇宙と入れ替える事で無限の可能性に精神を閉じこめる「多元宇宙迷宮」という能力を持つ。これは知的生命体に対して絶対的な力を誇っていた。更に自らの力で宇宙を生み出し、なおかつそれら全てを操る力を持つため、ロージェノムはその存在を「宇宙そのもの」と説明した。

登場作品と役柄

Zシリーズ

第2次スーパーロボット大戦Z再世篇
螺厳編最終局面から一足先に登場。インベーダーと並ぶ人類の天敵バアルの一角を担っており、原作通りムガンの軍団と陰月ことカテドラル・ラゼンガンの落下攻撃で地球を絶体絶命の危機に追い込む。CVは原作同様上川氏で、津嘉山正種氏に続く大物の登場。相変わらずの熱演を魅せるが本作では本領を発揮しておらず(大体3割くらい)原作で乗って(?)いたグランゼボーマではなく、オリジナルガンメンのアンチ・グレンラガンによる挨拶代わりの前哨戦となっている。決着はつかずに終わっているので次回作に期待しよう。なお、人類殲滅システムの起動条件は人口100億人になっており、なぜこんな非現実的な数に設定したかは不明(周辺コロニーなども含めてもせいぜい80億が限界らしい。多元世界という設定を生かした伏線である可能性も高い)。登場する勢力の中では初登場がぶっちぎりで遅い。

パイロットステータス設定の傾向

能力値

全体的に高い能力を持つが、防御が低い。そのため、強化が十分ならグレンラガンだけで対応できる。

精神コマンド

メッセンジャーと監視システムで見張り、段階を踏んでシステムを起動し、最後は自らの全力をもって粉砕し、心の芯を挫く。

第2次Z再世篇
偵察てかげん直感直撃気迫

特殊技能(特殊スキル)

超能力L9、カウンターL8、戦意高揚気力限界突破
第2次Z再世篇でのラインナップ。数こそ少ないが強力な技能が揃っている。のだが、登場ステージでは味方の気力最大、アンチスパイラルは100スタート。さらにアンチ・グレンラガンのHPが50000強しかないので、真価を見る前に終わることも。もっとも、「螺厳篇」の最終決戦が再現されていたなら、こんなものでは絶対に済まなかったはずだが。出自が出自ゆえか螺旋力はなし。

固有エースボーナス

戦闘した相手の気力-5
第2次Z再世篇でのもの。殴っただけ気力が下がる厄介なボーナス。なのだが、登場ステージは最初から気力MAXで始まるので、正直効果は薄い。

人間関係

シモン
「螺旋の男」と呼んで敵視している。宿命の相手。
ニア・テッペリン
自身の"メッセンジャー"であったが、シモンと触れ合ったことでその存在は"イレギュラー"へと変じた。
ロージェノム
かつて戦った相手の一人。因縁の相手。

他作品との人間関係

アポロニアス流竜馬ゼウスバジュラ
かつて敵対していた者達。

名台詞

上川氏の熱演も相まって、発言時のテンションが物凄いことになっている。

「母星に、肉体と進化の可能性を封印した、この醜き姿こそ我々の決意の印! 螺旋の力に溺れる愚か者達よ…貴様らにそれだけの覚悟があるのか? 元は同族だった者を倒し、我が身の進化を閉じ込め、この宇宙を守ろうとする我々の覚悟に、敵う道理があるか!?」
最終決戦で天元突破グレンラガンに、そしてシモンらに叩きつけた叫び。
「ない!! 否!! 否否否否否否否否否否!! 断じて、否ぁあああああああああああっ!!!」
「決意もなく、覚悟もなく、道理もなく、己の欲望のままに螺旋力を使い、その力に溺れる…それが螺旋族の限界! だからこそ、滅びなければならないのだ!!」
上記の台詞の後、天元突破グレンラガンにラッシュをかけながらこの台詞でシモンらを、そして螺旋族を真っ向から否定する。螺巌篇では更に天元突破グレンラガンを片っ端から解体するというとんでもないシーンが追加されている。
「我々にねじ伏せられるだけの存在が、何を言う!!」
「インフィニティィィィィ!! ビッグバン!! ストォォォォォムッ!!」
「永劫に続く宇宙創世の業火に焼かれ、DNAの一片まで完全消滅するがいい!!」
手近にある二つの銀河を手にし、圧縮させて放つ超絶技・インフィニティビックバンストーム。アンチスパイラルはこの技と台詞と共に、天元突破グレンラガンごとシモンらの信念を、そしてシモンらの住む地球を消滅させんと試みる。
「面白い……ッ! ならば!」
「反螺旋ッ! ギガァッ! ドリルゥッ! ブレイクゥゥゥ―――ッッ!!」
劇場版最終局面。超天元突破グレンラガンの咆哮に負けじと、反螺旋ギガドリルブレイクで応戦する。上川氏の熱い叫びが印象に残り、シモンに負けじと吠えるところが元螺旋戦士である名残か。
「ぬぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅ―――――ッッ!!」
劇場版。生身でぶつかり合うシモンとアンチスパイラル。戦いは終わりに差し掛かり、シモンは決して折れることのない鋼の意思と共に最後の一撃を放つ。そしてアンチスパイラルは叫びと共に、最後の一撃を受けた――。ちなみにスパロボでは撃破台詞として採用。
「ならばこの宇宙、必ず守れよ……」
死闘の末、アンチスパイラルは分離による分離(俗称「マトリョーシカアタック」)を経たラガンの攻撃、そして明日を信じる大グレン団とシモンらの意志に敗れ去る。消滅する寸前、彼はシモンに未来を託すのだった。

スパロボシリーズの名台詞

「螺旋生命体……その闇雲な進化は全銀河の脅威だ」
「お前達の存在を許すわけにはいかない。その消去は私の使命だ」
「螺旋の男よ。お前とお前の仲間たちはスパイラルネメシスを引き起こす」
「その存在を見逃すわけにはいかない」
「愚かな……自らの存在が全銀河を滅ぼすとも知らずに……」
初戦闘、およびシモンとの戦闘前会話。「彼ら」が警戒しているのは正確に言うと「螺旋力による進化」なのだが、その理由は……。
「あらゆるものを犠牲にする覚悟が、お前達にあるか!」
開始台詞の一つ。アンチスパイラルそのものの背景にも触れた台詞。
「お前達はここで私を倒して、希望を手に入れたつもりなのだろう」
「だがそれは、さらなる絶望の扉を開けたにすぎないのだ」
「…………いいだろう。螺旋の男よ、いつの日かまた会おう」
「それまでかりそめの平穏を楽しむことだ。もっとも、既に絶望はお前達の背後まで忍び寄っているがな……」
撃墜後。ニアも取り戻し、シモン達はこれで終わったと思っているが、この戦いは所詮、この先に待つ並行次元規模の死闘の前哨戦に過ぎない…。

搭乗機体・関連機体

グランゼボーマ
原作での決戦時に操っていた存在。名付け親はロシウ。劇場版では更に「超グランゼボーマ」という超天元突破グレンラガンと同サイズまで巨大化した状態が登場する。
名前は「グレンラガンを絶対的絶望で滅亡させようとする究極的宇宙魔人(レンッタイテキゼツボウデメツボウサセヨウトスルキュウキョクテキウチュウジン)」の略。
超グランゼボーマ
「螺巌篇」に登場。
アンチ・グレンラガン
再世篇で登場したオリジナルガンメン。何故グレンラガンと同じ姿なのかは「同じ姿で叩き伏せて絶望を味あわせる」アンチスパイラルの思想を踏まえたからか。

余談

  • デザインのイメージは「簡略化して描いた『ウルトラマン』」。別名「宇宙マン」。特徴的な口の形もウルトラマンの造形を元にしたためだが(ただしうろ覚えだった)、そのことを知らない声優たちは「何でこいつは常にヨダレを垂らしているんだ?」と思っていたらしい。
    • なお、常にチラついている体のデザインの中には、ガイナックス社屋近所で撮影した写真なども混ざっているらしい。
  • アンチスパイラルを演じた上川隆也氏はガイナックス作品の大ファンであり、インタビューでガイナックス作品に参加できたことは純粋に嬉しいと語った一方で、アンチスパイラル役を演じるに当たり製作スタッフから資料と台本を送られたことで後の展開を知ってしまったことには「実は……ものすごく後悔しているんですよ」と吐露している。
    • 演技の方はというと主役陣を喰いかねない白熱っぷりで、グレンラガンを締めくくる最終ボスに相応しい演技を魅せてくれた。視聴者からも喝采を浴び、それを受けて劇場版では更に凄まじくなった熱い演技をもって、シモン達と激闘を繰り広げた。
    • ちなみに、カミナ役の小西克幸氏は後に、ロージェノム役の池田氏と上川氏を「上手すぎて俺達の仕事がなくなる」と評していた。