ソレスタルビーイング(Celestial Being)
『機動戦士ガンダム00』に登場する私設武装組織。略称は『CB』。日本語に訳すと「天上人」のような意味合いとなる。
イオリア・シュヘンベルグが「人類から紛争を根絶すること」を目的に設立した。西暦2307年、紛争根絶のためガンダムによる全世界への武力介入を開始する。
CBが行う「紛争根絶」の方法はかなり乱暴なものであり、紛争が起こっている戦場に武力による介入を行使し、その戦場にいる全ての軍隊が撤退するまで破壊活動を行う、というもの。また、紛争を幇助している企業や国に対しても、研究施設や工場施設の爆破などの破壊活動を行う。世界中の殆どの国家からははた迷惑なテロ組織として扱われている。一般市民からの印象としては、このようなやり方について賛否両論となっておりCB支持派と反対派に分かれている(彼らの破壊活動はときとして民間人を巻き込む結果になることもあるほか、ネーナ・トリニティのように民間人の虐殺を嬉々として行う者もCBには存在する)。グラハム・エーカーの感想は「存在自体が矛盾している」とのこと。なお、作中世界ではCBの活動により実際に紛争の発生率は一時的には減っている。 CBの技術力は200年先を行っているといわれ、その技術力の結晶である機動兵器「ガンダム」4機を主戦力とし、それだけで大国にも匹敵する軍事力を持つ。所属するメンバーには守秘義務があるため、他のメンバーの過去を知らない者も多い。
1stシーズン終盤でプトレマイオスの撃沈に伴い、世間からは壊滅したと思われていたが、実際はフェレシュテ(後述)を始め下部組織やサポートメンバーなども多く、水面下で活動再開に向けていたとも言える。
西暦2312年、2ndシーズンにおいて刹那との合流を機に、再び彼らの戦いが始まる事となる。なお、2ndにおけるソレスタルビーイングの目的は、苛烈な弾圧を行う地球連邦軍独立治安維持部隊アロウズを叩くこと。最終的に、反連邦組織カタロンや、カティ・マネキン率いる連邦軍クーデター派と協力してアロウズを解体に追いやることに成功した。
劇場版の舞台となる西暦2314年には、地球連邦政府の宥和政策を考慮して、ガンダムを使わない極秘裏の武力介入を続けている。一方、CBに対する世間の感情は軟化しているようで、地球連邦政府の新政権の宣伝も兼ねたプロパガンダ作品である映画「ソレスタルビーイング」が制作されている。
その本来の目的―――イオリア以外は誰一人として知らなかったが―――は、いずれ来る「異種」との対話に向け、人類の意識を一つにするための「仮想敵」であった(その意味ではディバイン・クルセイダーズと似ている)。その一方、「対話」の先駆けとなるファースト・イノベイターは、覚醒の鍵となるGN粒子に強く触れるガンダムマイスターから出るとも予測されていた。
登場作品
- 第2次スーパーロボット大戦Z破界篇
- 初登場作品。原作との世界観の違いを反映してか、割と序盤から他組織の協力を受け入れたり、組織の加入を志願してきたクロウを疑いつつも「戦力は多いほうがいい」と採用したりと、原作に比べて幾分協力的な印象がある。また「武力による紛争の介入」についても、物語の序盤の内に異星人が襲来するような状況になったため、「この状況での武力介入は人類の存亡に関わる」と一時中断する事になる(空気を読まない面々もいたが)。
- 第2次スーパーロボット大戦Z再世篇
- 『2nd』の設定込みで参戦。行動目的が「武力介入」から「OZやアロウズの打倒」に変わり、より協力的になった。序盤からヒイロ達コロニーのガンダム、カミーユやシン達OZからの離反者を受け入れるなど、大体のガンダム系のキャラが属するZEXISの中核組織の一つとなっている。
- スーパーロボット大戦UX
- 『劇場版』の設定で参戦。Zシリーズと同様、やはり異星生命体等の脅威に晒されている為か、既にドラゴンズハイヴと同盟関係にあるのを始め、JUDAやUXとも協力して活動していた。エピローグにてアレルヤとマリー以外のメンバーはマネキン夫妻やキラ、(生存している場合は)グラハム、アンドレイと共にソレスタルビーイング号でELSの母星に旅立つ。
人物
提唱者
- イオリア・シュヘンベルグ
- ソレスタルビーイングの創設者。西暦2307年に全世界に対して「武力による戦争の根絶」を(ビデオメッセージで)宣言する。
ガンダムマイスター
- 刹那・F・セイエイ
- ガンダムエクシア、ダブルオーガンダム(ダブルオーライザー)、ダブルオークアンタのマイスター。自らが「戦争を止めるモノ=ガンダム」になることを目指している。
- 少年兵の出身で、サーシェス率いるテロ組織KPSAのメンバーあった。本名ソラン・イブラヒム。
- ロックオン・ストラトス
- ガンダムデュナメスのマイスター。超一流のスナイパーであり、マイスターのまとめ役。何かと貧乏クジを引きがち。本名ニール・ディランディ。
- ロックオン・ストラトス (2代目)
- ケルディムガンダム、ガンダムサバーニャのマイスター。先代ロックオンの双子の弟。元はカタロンの構成員であり、2nd序盤で刹那のスカウトを受けて参加。本名ライル・ディランディ。
- アレルヤ・ハプティズム
- ガンダムキュリオス、アリオスガンダム、ガンダムハルートのマイスター。究極の兵士「超兵」の実験体の一人。マイスターの中では温厚で厭戦的な性格だが、裏の人格「ハレルヤ」は凶暴で好戦的。設定上「00」世界の最強パイロット。
- ティエリア・アーデ
- ガンダムヴァーチェ(ガンダムナドレ)、セラヴィーガンダム(セラフィムガンダム)、ラファエルガンダムのマイスター。トレミーチームで唯一ヴェーダにアクセスする権限を持つ。正体はイノベイドの一人。
プトレマイオスクルー
- スメラギ・李・ノリエガ
- プトレマイオス艦長。チームの戦闘指揮を執る戦術予報士。本名リーサ・クジョウ。
- フェルト・グレイス
- オペレーター。両親もCBの一員だが、本編以前のとある事件で亡くなっている。
- クリスティナ・シエラ
- オペレーター。
- リヒテンダール・ツエーリ
- 操舵手。
- ラッセ・アイオン
- 砲撃士。予備マイスターを兼任しており、2nd終盤では0ガンダムで戦場に出たことも。
- イアン・ヴァスティ
- メカニック。ガンダムやトレミーの整備を一手に受け持つ凄腕。
- ミレイナ・ヴァスティ
- 2ndで登場した、クリスの後任のオペレーター。イアンとリンダの娘。
- アニュー・リターナー
- 2ndで加入したリヒティの後任の操舵手。正体はティエリアと同じイノベイドの一人。
サポートメンバー
- 王留美(ワン・リューミン)
- ソレスタルビーイングのエージェント。名門資産家の一面を生かして、プトレマイオスチームに情報や資金を提供している。しかし、2ndでは独自の行動を取る。
- 紅龍(ホンロン)
- ソレスタルビーイングのエージェントにして留美のボディガード。
- リンダ・ヴァスティ
- サポートメンバーの一人。イアンの妻だが、あまりの若さに実際に見たメンバーたちは驚愕していた。
同行者
監視者
- アレハンドロ・コーナー
- 国連の親善大使。リボンズという従者がいる。1st終盤にて、コーナー一族の悲願である計画への介入を実行に移す。
- ラグナ・ハーヴェイ
- リニアトレイン公社の総裁。アレハンドロに協力するのだが……
関連組織
- チームトリニティ
- セカンドチーム。本来イオリアの計画には存在せず、アレハンドロの私兵の色が強い。プトレマイオスチームと比較して行動が過激である。
- フェレシュテ
- 『機動戦士ガンダム00外伝』(未参戦)に登場するサポート組織。CBを影から支援する組織が必要と言うメンバーの提案をヴェーダが承認して生まれた組織であるため、CBメンバー側は一部の人物にしか存在は知らされていない。
- なお、その一員であったフォン・スパークは、本編の時間軸における1st最終回の裏側で自身の目的のために独自に行動し、その結果ファーストシーズンの軍事バランスにトドメを刺し、連邦にセカンドシーズンで主に出てくる組織を発足させる原因を作ってしまった(詳しくはヴェーダ参照)。
スパロボでの協力者
- クロウ・ブルースト
- ルート次第でCBの捕虜となり、その後協力することに。クロウとしては協力を申し出たのは仕事を遂行するための方便でもあったが、CBの理念に少なからず共感を覚えているのも嘘ではないようだ。
- チームD(ドラゴンズハイヴ)
- 表面的な目的は正反対だが、第2次ZではCBを「負けている方」としてCBに協力する。CBの理念に関しては「肯定も否定もしない」という立場を取っている。
- UXでは詳細は明かされないが、UX結成前の葵達がムーンWILLと戦っていた頃から共闘関係にあった模様。
- ゲッターチーム
- 早乙女博士の「世界を破壊しろ」という命令により、CBに協力する。CBの理念に関しては割と肯定的。竜馬曰く「世界を相手にした喧嘩」。
- アンノウン・エクストライカーズ
- プトレマイオス2改を活動の本拠にしている。
- クライン派
- UXでは詳細は明かされないが、キラがゲーム中初対面の刹那を呼び捨てにしている場面があるため、共闘関係にあった可能性がある。
関連する用語
- GNドライヴ
- ソレスタルビーイングのガンダムの動力機関。通称「太陽炉」。1st終盤では、その技術が外部に漏れてしまう。
- プトレマイオス、プトレマイオス2、プトレマイオス2改
- ソレスタルビーイング(プトレマイオスチーム)の母艦。通称「トレミー」。
- 映画「ソレスタルビーイング」
- 私設武装組織ソレスタルビーイングの活躍を描いた劇中劇。ただし、真実とは全く異なっている。