木連
木連(Mokuren)とは、『機動戦艦ナデシコ』の敵勢力。正式名称は「木星圏ガニメデ・カリスト・エウロパ及び他衛星小惑星国家間反地球共同連合体」である。地球側からは「木星軍」とも称されている。
概要
その名の通り木星に本拠地を持つが、人が居住しているのは木星圏の衛星や小惑星、その周りに浮かぶ市民船となっている。序盤は斥候である木星蜥蜴のみ登場し、木連の名は有人機の登場後に明らかになる。
歴史
その正体は、22世紀初頭に地球から独立しようとした月住民の一派で、火星からも追い出され、木星へと逃れた人々の子孫。地球側はその歴史を闇に葬り、追放された人々も全滅したと考えていた。しかし、彼らは木星圏で異星人の残したプラントを発見。それを元に命を長らえ独立国家を樹立。長い雌伏の時を経て、西暦2195年に地球との戦争を開始する。この事実を知ったナデシコクルーは単独で木連との和平交渉に赴くが、交渉は決裂してしまう。その後、戦争の発端である火星極冠遺跡をアキトらがボソンジャンプで宇宙の彼方へ追放することにより、なし崩し的に戦争は終結した。戦後は一応、地球と和解。地球連合軍にも多くの木連軍人が参加し、共存の道を歩むことになった。だが、3年後を舞台とした劇場版では、木連人が中心の組織「火星の後継者」が地球に対して武力蜂起する。
国家
政治体制は不明だが、軍事政権が挙国一致型の国家総動員体制を敷いているようである。最大の特徴は地球圏から持ち出せた唯一の娯楽である『熱血ロボ ゲキ・ガンガー3』を聖典として崇拝していることである。その影響は半端ではなく、ジンシリーズの機体はいずれもゲキ・ガンガーのメカを模しており、搭乗者のパイロットスーツも劇中のコスチュームと同一という徹底ぶりである。また、『ゲキ・ガンガー』の登場人物である国分寺ナナコを「理想の女性像」として傾倒する傾向もみられる。
規模の問題から国力の面では地球連合より圧倒的に劣る。しかし古代文明のプラントから得られたオーバーテクノロジー[1]と、それらを用いた大量の無人兵器を用いることで軍事的優位を保っている。反面、生身の戦闘要員は少ないため艦内作業の大半を小型虫型メカに任せている。また、地球と違い戦艦の艦長はあらゆる技能に優れた戦士が選ばれるものであり、艦長自身がジンシリーズに搭乗して出撃する場合も多い。
木連の軍人は武芸を嗜んでいるが、これは単なる精神的鍛練だけではなく、月の独立派が武装蜂起した22世紀初頭の宇宙戦闘が白兵戦により雌雄が決していたことに起因する白兵戦絶対主義の思想と、木連の人々の心の拠り所となった『ゲキ・ガンガー3』に見られる一種のヒロイズムが息づいているといえる。
木連では次元跳躍などに適応するための遺伝子改良を続けた結果女性の出生率が大きく低下しており、女性に対して男性は敬意を払うよう叩き込まれる。女性自体が稀少なため、厳格なように見えて女性に免疫がない人物も多く、白鳥九十九がその最たる例である。
登場作品
基本的に木連の正体が発覚する以前から地球圏の人間による他勢力と戦うことが多いスパロボでは、TV版として参戦しても比較的序盤の内から正体が発覚することもある。また、原作通り地球人を悪者呼ばわりしているが、SRW世界の地球側には「ティターンズ」や「ブルーコスモス」と言った非人道的な手段を平然と選択する軍組織が多数存在し、彼らの台頭で木連の祖先を追放した当時の政治体制より遥かに悪化した政府組織となっている場合があり、あながち否定できない。地球人類の組織で同盟を結べたのは似たような境遇のヴェイガンくらいなもので、地球への復讐のために地球侵略を狙う異星人と手を組むこともあった。
COMPACTシリーズ
- スーパーロボット大戦IMPACT
- 敵勢力の一つとして登場。
携帯機シリーズ
- スーパーロボット大戦A(PORTABLE)
- 敵勢力の一つとして登場。ディストーションフィールドが強力なのでHP以上に敵が堅い。唯一バリアを標準装備している敵勢力。
- スーパーロボット大戦R
- 劇場版設定の序盤では、新地球連邦の友好国として登場。
- TV版設定の過去編では、敵勢力の一つとして登場。劇場版が先ということもあり、木星蜥蜴が人類であると序盤で認知される。
- スーパーロボット大戦J
- グラドス軍と同盟を結んでいる。ちなみに草壁はラウ・ル・クルーゼにかぐらづきごと撃墜されてしまい、劇場版へのフラグが折られた形となった。
- スーパーロボット大戦W
- 今回は自軍が熱血クーデターに居合わせることになり、しかもそのタイミングでガルラ大帝国が木連に攻撃を仕掛けてきたため、木連兵は「悪い異星人から地球を守る」と奮起、その勢いで地球と和解する。ただし、草壁配下の面々はしっかり「火星の後継者」になる。
- スーパーロボット大戦BX
- ヴェイガンと同盟を結んでいる。今回は「木星軍」と呼ばれる事が多く、「木連」の呼称はあまり出てこない。
VXT三部作
- スーパーロボット大戦V
- 劇場版設定。イオリア・シュヘンベルグは火星を追われ木星に流れた者達に協力しており、スメラギはソレスタルビーイングと木連を親戚と例えた。
- スーパーロボット大戦T
- 劇場版設定。木星帝国とは別の組織として存在している。
単独作品
- スーパーロボット大戦MX
- 劇場版設定ゆえ、地球連邦の友好国として登場。
- スーパーロボット大戦Card Chronicle
- 本作では火星に移民した地球人がブルーコスモスによって追われていたという設定。インベーダーの脅威を自軍に救ってもらったことで和平の意志が芽生えた。
人物
- 白鳥九十九
- 木連軍人の一人。最初に地球人と接触した人。ゲキ・ガンガーやハルカ・ミナトとの触れ合いを通じて地球人も自分達と変わらないと知り、和平のために行動を起こすが、味方によって暗殺されてしまう。
- SRWではガイと同じく生存フラグが用意されている。
- 白鳥ユキナ
- 九十九の妹。兄が地球人に騙されたと思い込み、単身ナデシコに潜入したが、和平路線に賛同することに。劇場版では地球に移住し、ミナトと共に暮らしている。
- 月臣元一朗
- 九十九の親友。草壁の命令により九十九を銃殺してしまうが、後にクーデターを起こして草壁を追放。以降は行方不明となる。
- 高杉三郎太
- 秋山の部下。後にタカスギ・サブロウタとしてナデシコBの副長となる。
- 秋山源八郎
- 木連の軍人。豪快な性格。後に地球連合軍に所属。
- 草壁春樹
- 木連の実質的指導者。階級は中将。TV版と劇場版、両方の黒幕。
- 北辰
- 草壁配下の暗殺者。蜥蜴戦争時も木連に所属していた。
- 木連兵
- 木連の一般兵士。
スパロボシリーズの関連人物・組織
- シャドウミラー
- 『A』では彼らに利用される形となったが、和平派の勢力が強くなったことで「利用できない」として手を引くことに。
- デュミナス / フロスト兄弟
- 『R』では彼女とその一派に利用される。
- グラドス軍
- 『J』では結託。
- ジョージ・グレン
- 『W』では木星探査時に偶然接触し、『ゲキ・ガンガー』を木連に齎す。
- ザフト
- 『J』では最終的にクルーゼに見限られ、草壁が殺害される。『W』では上述の件もあり、非公式の同盟関係を結んでいた。
- ファーラ姫
- 『W』では理想的なお姫様として名有りキャラから一般兵まで人気を博し、和解の一因となる。
- ヴェイガン
- 『BX』では結託。余談だが、共に似たような経緯と組織構造を持つ。ただしこちらは『ゲキ・ガンガー3』のようなアニメを聖典とするようなノリではないが。
- バジュラ
- 『BX』にて、ヴェイガンと共に戦力として利用する。
- イオリア・シュヘンベルグ
- 『V』では協力者。
木連の使用する兵器
「ジンシリーズ」は当該項目を参照。
無人兵器
木連の使用する無人兵器を指して「木星蜥蜴」と呼称する事もある。呼称は全て地球側のもの。
SRW未登場
- コバッタ
- ハンショウ
- オケラ
- カナブン
- ヤドカリ
- 多砲塔戦車
- タイガー戦車(ティーガーⅠ)
- 戦艦ヤンマ