エメロードは『魔法騎士レイアース』の登場人物。
エメロード | |
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外国語表記 | Emeraude |
登場作品 | 魔法騎士レイアース |
声優 | 緒方恵美 |
デザイン |
CLAMP(原案) 石田敦子(TVアニメ) |
初登場SRW | スーパーロボット大戦T |
SRWでの分類 | パイロット |
プロフィール | |
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種族 | セフィーロ人 |
性別 | 女 |
外見年齢 | 幼女→成人女性程 |
髪色 | 金 |
髪型 | 足元まである波打つ長髪 |
瞳の色 | 青 |
役職 | 柱 |
概要
異世界セフィーロを祈りの力で支える姫。『柱』と呼ばれる、重要な役目を担っている。
東京から獅堂光、龍咲海、鳳凰寺風ら3人の少女を「魔法騎士」としてセフィーロへと召喚した。自身に仕える神官だったザガートに幽閉されており、光達は彼女とセフィーロを救うために旅に出る。
幼なげな外見に反して、実年齢はかなりのもの。クレフよりは年下らしい。
真相
セフィーロは「心が全てを決める世界」であり、その世界を支える『柱』に選ばれた者は一切の感情を抑制し、ただセフィーロの安定と万民の幸せだけを祈り続ける生涯を義務付けられる。
しかし、『柱』たる彼女はザガートを愛するようになり、彼1人の幸福を祈ってしまった(もっと言うと「ザガートが幸せなら、他はどうでもいい」と願った)ことでセフィーロのバランスが崩れたため、彼への想いを断ち切ろうと自ら幽閉されたのが真相であった。つまり、セフィーロの異変は全て彼女がザガートを愛したことに起因しているのである。
幽閉された状態でもセフィーロのために祈ることは可能だったが、どうしてもザガートへの想いを断ち切ることはできなかった。
崩壊へと進むセフィーロを前に、追い詰められたエメロードは最後の手段を選択する……それが、魔法騎士の召喚。
『柱』の交代は『柱』の死をもって行われる仕組みだが、『柱』となった者は自ら死ぬことを許されず、セフィーロの者も『柱』を傷つけることは出来ない。『柱』を殺すことができるのは、異世界から呼び出された魔法騎士のみ。つまり、魔法騎士の召喚は『柱』だけに許された自決用の魔法であり、魔法騎士とは柱の自殺を幇助する為の始末屋的な存在であった(当時はこの制度にかなりの批判が寄せられ『本当にこんなのってない』という声が大多数をしめていた)。
ところが、彼女の犠牲を許せず魔法騎士討伐に動いたザガートが最終的に魔法騎士に討たれてしまう。愛する者を殺された復讐心に囚われたエメロードは成熟した女性へと急成長を遂げ、魔神エメロードを召喚して魔法騎士に襲いかかる。さらに激しい憎悪からセフィーロの完全な崩壊と消滅を願う寸前まで至ってしまった。
事態を飲み込めず困惑する魔法騎士に、残留思念として残った彼女の一片の良心が全ての真実を伝え、自分を殺してセフィーロを救うよう求める。最期は彼女の『本当の願い』を知った魔法騎士の手で枷から解き放たれ、愛するザガートのもとへ旅立った。
しかし、何も知らずに彼女とその恋人を殺めてしまう結果となった魔法騎士は心に深い傷を負い[1]、セフィーロの危機も新たな局面を迎えてしまう。
登場作品と役柄
VXT三部作
- スーパーロボット大戦T
- 初登場作品。本作においても担当声優の演技は健在となっている(後述)。少女時は中断メッセージでボイスありで、敵対時もまた緒方氏による演技が光る。
パイロットステータス
能力値
回避はそこまでではないが、他が全体的に高水準。強力な技能ラインナップと相俟って、強敵との連戦で疲弊したプレイヤーを驚愕させてくる。
精神コマンド
特殊スキル
- T
- 3回行動、気力限界突破L3、極、サイズ差補正無視L3、闘争心L3、フルカウンター、プレッシャーL4
- とにかく攻撃に特化した構成。恐るべきは3回行動に加えて最大レベルのプレッシャー。これで無消費武器を振り回すのだからたまったものではない。
- 一方で防御面は底力やガードを持たず脆め(プレッシャーはあるが)。それを補う為かフルカウンター持ち。幸いこれはダイレクトアタックで剥がせる。
エースボーナス
人間関係
- 獅堂光、龍咲海、鳳凰寺風
- 彼女達3人を召喚し、度々助けていた。第一章ラストでは彼女達への殺意と復讐に身を染めてしまうが、最終的には『本当の願い』を叶えてもらう形で討たれる。
- モコナ
- ザガートの手に渡らないようにクレフに託した。原作漫画版ではモコナの正体を唯一知っている。
- ザガート
- 神官にして想い人。彼への想いを隠し通そうとしたが気付かれてしまい、相思相愛となったことが全ての発端になった。
- セフィーロの崩壊と引き換えに自分への愛を貫こうとする彼を否定する。
- クレフ
- 生まれた頃から成長を見守られており、ザガートへの想いも知られていた。
- フェリオ
- 弟。アニメでは彼の頼みで彼自身の記憶を封じていた。彼が城を離れる前にお守りとして、魔法で通信できるオーブ(原作では彼がピアスの様に身につけているリング)を贈っている。
- ランティス
- かつての親衛隊長で想い人の弟。
- ラファーガ
- 現在の親衛隊長。ザガートに洗脳されてしまう。
- イノーバ
- ザガートへ贈った精獣。ザガートとの関係も知っていた。
- イーグル・ビジョン
- 担当声優が同じ。ザガートを愛したためにセフィーロに滅びを招く『柱』として死を選んだエメロードに対し、彼は滅びゆくオートザムを救うために『柱』を志願した。アニメ版の彼はザガートと声優が同じランティスを救って命を落とし、原作漫画版の彼は自分ごとセフィーロを永遠に眠らせようとしてエメロードの死を後悔した光たちに救われている。
- 原作漫画版・TVアニメ版では特に面識は無いが、OVA版では大きな繋がりがある。
名台詞
- 「お願い……この世界を救って……」
「伝説の魔法騎士たちよ!」 - 物語冒頭での魔法騎士召喚の言葉。この台詞で「レイアース」の物語が始まる。
- 決して一言も「私を助けて」「ザガートを倒して」とは言っていないのがポイント。
- 「……ザガートを殺したのは あなた達ね……」
- 「私の愛するザガートを殺したのは あなた達ね!!」
- 「許さない!!」
- エメロード姫と対面した魔法騎士の3人が「魔神でザガートを倒した」と告げた直後のセリフ。対面直後は、まだ柱としての心が残っていたエメロードは泣き顔ながら冷静だったが、表情が徐々に曇り、魔法騎士への怨言を吐き捨てると同時に魔神を召喚(創造)し、激しい憎悪と明確な殺意をもって魔法騎士に襲い掛かる。
- 「これは……!! ザガートの剣……」
- 「ザガートのこの剣で……殺してやる! 魔法騎士!!」
- 魔神を駆り城の外へ出た直後、ザガートの剣を発見し愛おしそうに頬ずりをして。ザガートの形見は彼女の憎しみを更に駆り立てる。
- 「ザガート…… やっと あなただけのものに……」
- 合体魔神レイアースに止めをされて。初めて愛する人だけを思っていられる事実に満足げに
- 「ありがとう…… 魔法騎士……」
- 柱の重責から解放され、迎えに来たザガートと抱き合いながら。魔法騎士に感謝の気持ちを伝え天へと旅立った。
- 「伝説の魔法騎士を召喚します」
- 「私は、あの人をザガートを愛してしまった」
- 「例え、皆が私を許してくれても私は自分が許せない。皆が不幸になると解っていて自分だけ幸せになれない」
- 「私の我が儘に付き合わせてしまう魔法騎士にごめんなさいと伝えて……」
- 魔法騎士召喚前夜のクレフとのやり取り、クレフからは「一人の人間なのだから自分だけの幸せを願っても誰もあなたを責める事は出来ない」と猛反対されるが、使命感の強い彼女は自ら水牢へと降りて行った。
- 一見責任感と使命感の強さが表れているセリフであるが、漫画版では散っていた彼女の心の内が創造主であるモコナの言葉を通じてそれとなく示唆されており、「セフィーロの民を愛していたが、信じてはいなかったのではないか」と語られている。
スパロボシリーズの名台詞
戦闘台詞
- 「愛する者を失う痛み…! お前ならわかるはずだ!」
- ドモン・カッシュ、獅子王凱、キャプテンハーロック、アムロ・レイ、キリコ・キュービィーらとの特殊戦闘台詞。
- 「魔神め…! 私を殺しに来たか!」
- マジンガーZ・グレートマジンガーへ発する特殊戦闘台詞。
- マジンガーとセフィーロの『柱』に隠された関係を匂わせる一言となっているが、後にこの一言が『T』本編の伏線となって行くことをプレイ当初でなかなか読めずにいたユーザーはさぞ多かったことだろう。
- 「お前ならば、私の気持ちもわかろう…!」
- 対スパイク・スピーゲル、テンカワ・アキト、ヴァンの特殊戦闘台詞。当人達の過去を読み取っていることが窺える。
搭乗機体
余談
- 名前の由来は、三菱自動車が1992年から1996年まで販売していた「三菱・エメロード」から。
- 演じる緒方恵美は、そのキャリアで碇シンジ役など男性(少年や青年)役、女性でも中性的な役を演じる機会が多く、エメロードは類を見ない「お淑やかなお姫様」というキャラクターである。なお、このキャスティングはアニメスタッフからのオファーによるものである(後述)。
- 緒方自身当時エメロードの役作りに苦労したことを回想し、海役の吉田小南美氏やフェリオ役の山崎たくみ氏に弄られていたという。曰く「助けてとか言ってるが、お前を助けられるヤツはいない!!」との事。
- また2014年に行われたインタビューTV放送から20年「魔法騎士レイアース」椎名へきる&緒方恵美インタビュー-前編- 2019年4月14日閲覧。によると、当時所属していた事務所でオファーの連絡を受けたマネージャーが「は?」「もう一度言ってください」「うちの緒方に姫の役を?」と信じられない様子で電話で聞き返していて、事務所中がザワッとしていた事から、周囲も含めたその驚き具合が伺える[2]。
- 第1話放送当日も事務所のテレビの前で一同が待機して視聴し、「本当に緒方恵美さんが(エメロード姫の役を)やってるの…?」という空気が漂っていた、また原作者のCLAMPや監督の平野俊弘らの話によれば、「なかよし」読者向け試写会で流した第1話でのEDで配役のテロップが流れた瞬間、会場にいる視聴者は驚きのあまり大絶叫したとの事。勿論、緒方がエメロードを演じる事を想像だにしなかった意味と、「聴いただけで緒方恵美が本当に演じているのかわからない程の女声」だった為。
- また、アニメ誌のインタビューで緒方はエメロードの声で「これが地声なんです」とインタビュアーを魅了したエピソードも有る。
- 実は、漫画版では「エメロードがその気にさえなれば『柱』制度を廃止してザガートと結ばれる事は可能だった」という事実が明らかにされている。この点については新たな柱となった光からは「本当にセフィーロと人々を愛していたんだと思う」と好意的に解釈されているが、逆に創造主であるモコナからは(柱となった光が創造主が望んでいた答えに行き着いたこともあり)「エメロード姫は『セフィーロ』を、そして、みんなを愛していた。しかし、信じてはいなかったのかもしれない。姫は生命をかけて愛するもの達を守ろうとしたが、自らの重責を分かち合い、ともに歩こうとはしなかった」と評されている。
- こういった経緯も有ってか、ファンからはエメロードは「悲劇のヒロインにして物語の元凶」という複雑な評価が根付いている。
- 光・海・風たち魔法騎士以外で唯一関連玩具が存在し、なりきりアイテムとしてエメロードのティアラが商品化されている(ただし実際のエメロードのティアラの色は緑と青だが、玩具は緑と赤を基調にしている)。
脚注
- ↑ エメロードの死と同時に召喚魔法が解けて帰還した彼女たちは悲嘆のあまり泣き明かしている。光は拳を握りしめるあまり無意識に爪で拳を傷つけ、さらにアニメでは自罰感情からもう一人の自分を生み出したり、長らくランティスへの想いを受け入れられなかった。海は『ボスキャラにも深い事情があるかもしれない』『向こうから見れば、私のほうが悪なのかもしれない』とRPGを遊ぶことができなくなっていた。
- ↑ なお同インタビューでは、「(自分は)高校生以上の男子役を演じた初の女性声優」とも話している。