デビルマン (原作漫画版)

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デビルマン』は、永井豪作の漫画作品。

デビルマン
(原作漫画版)
外国語表記 DEVIL MAN
著者 永井豪
掲載誌 週刊少年マガジン
出版社 講談社
小学館[1]
レーベル 講談社コミックス
ビッグコミックススペシャル[2]
発表期間 1972年25号 - 1973年27号
話数 全53話
巻数 全5巻+新デビルマン全1巻
初登場SRW スーパーロボット大戦DD
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概要

永井豪の『魔王ダンテ』をテレビ向けに改編した変身ヒーローものとして企画され、TVアニメ版と同時に展開、『週刊少年マガジン』にて連載された作品。ちなみに、連載開始は1972年6月と『マジンガーZ』(漫画版は1972年10月、TVアニメ版は同年12月)より早く、2019年現在参戦作の中で最古参の作品となった。

原典となった『魔王ダンテ』の原作者である永井豪が描いた漫画版という事で「原作漫画版」と呼ばれる事は多く、SRWでも「原作漫画版」名義になっているが、「同じ基本設定から生まれた別々の作品」と永井が述べている通り、アニメ・漫画ともにそれぞれがオリジナルストーリーであり、どちらがどちらの原作というわけではない(『マジンガーZ』や『ゲッターロボ』と同じケース)。

企画通りダークファンタジー要素を持ちながらも変身ヒーローものとしての趣が強かったアニメ版に比べると、漫画版は読者の年齢の高さもあって永井の目指すホラー的な表現を追求された。結果『魔王ダンテ』を上回るほどのバイオレンスな描写、救いのない展開の連続と非常に永井豪テイストの強い作品で、本作に影響を受けたという漫画家・クリエイター・著名人も多く輩出している日本漫画界史上に残る伝説的な名作である。

永井豪の自伝的フィクション漫画『激マン!』では、執筆当時の状況やセルフリメイクが描かれている。

なお、TVアニメ版は「コンパチヒーローシリーズ」に出演している。

登場人物

スパロボ毎の登場人物一覧については以下を参照して下さい。

主要人物

不動明 / デビルマン
本作の主人公。デーモン族の勇者「アモン」と合体した事でデビルマンとなった青年。臆病な性格だったがデビルマンとなってからは勇猛果敢かつ好戦的な性格へと変貌する。
飛鳥了
明の親友であり、実質的なもう一人の主人公。考古学者であった父の研究によりデーモンの存在を知り、明にデーモンの存在を教え、共にデビルマンになろうとする。
牧村美樹
ヒロイン。明のガールフレンドであり明が戦う最大の動機。デビルマンになった明を受け入れ、混沌としていく世情の中でも気丈に振る舞う。

人間たち

牧村耕三、牧村亜樹子
美樹と健作の両親。明を実子のように接している。
牧村健作
美樹の弟。愛称は「タレちゃん」。
ミーコ
知らずのうちにデビルマンとなってしまった不良少女。
サッちゃん
明が引っ越す前に近所に住んでいた少女。
ススム
健作の友達である少年。名前は永井氏のホラー読み切り『ススムちゃん大ショック』より。
雷沼教授
ノーベル生物学賞を受賞した教授。彼の誤った研究と発表が悪魔特捜隊を設立させてしまう。本作屈指の悪魔の心を持った人間の代表格。

デーモン

テキスク
最初に明と了に襲い掛かったデーモンの一人。
シレーヌ
頭に巨大な羽根を持つ女性のデーモン。
ゲルマー
水を操る能力を持つデーモン。
アグウェル
シレーヌの部下のデーモン。
カイム
シレーヌを愛するデーモン。
イーダー
人間社会に潜伏し、人を襲っていたデーモン。
ジンメン
亀のような姿のデーモン。その甲羅には食べた人間の顔が浮かぶ。本作におけるトラウマ要素の一つ。
サイコジェニー
巨大な顔を持ち精神攻撃を得意とするデーモン。
魔将軍ザン
百の魔将軍の一人。
悪魔王ゼノン
デーモン族の王。
大魔神サタン
デーモン族を滅ぼそうとした創造神に反旗を翻しデーモン族を守った、デーモン族にとっての

用語

デーモン
太古の昔、地球を支配していた悪魔の一族。他の生物との合体能力を有し、自らを強力な肉体に作り変えて弱肉強食の争いを行っていた。
氷河期の到来によって氷の中に閉じ込められていたが、復活してしまう。
デビルマン
デーモンに合体されながらも自我を保っている悪魔の体と人の心を併せ持つ人間の事。当初は明一人だけだったが、物語後半にデーモン族が無差別合体作戦を行った事により一定確率で生まれるようになった。無論、合体後に人間の自我が消えてしまった場合はデーモンとなる。
悪魔特捜隊
デーモンの存在が一般に知られるようになった際、日本政府が結成した特殊警察隊。中世の「魔女狩り」よろしく冤罪からの拷問など何でもありである

登場作と扱われ方

単独作品

スーパーロボット大戦DD
初参戦作品。本作の参戦により、これまで『マジンガーZ』が持っていた最古参戦作品が更新されることになった。
戦艦やアンドロイドといった「ロボットアニメなのか?」という作品群の参戦が増えた中現れた、もう言い訳の出来ないレベルでロボットが登場しない作品。しかも、シレーヌのように全裸の女性が何人も登場するので、どのように表現するのか注目されていた[3]。とはいえ、スパロボの元ネタとして知られる『マジンガーZ vs デビルマン』をはじめ、『CBキャラ 永井豪ワールド』等の派生作品では、『マジンガーZ』や『ゲッターロボ』といったロボットとの共演が多く描かれてはいる。
キャスティングは原作漫画版を映像化したOVA版準拠となっている他、規制に合わせたキャラデザインの変更も行われている。
また、悪魔の名前を冠しているガンダムが登場する『機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ』と共演する。

関連作品

バトルドッジボールII
TVアニメ版名義での参戦だが、デザインは漫画版となっている。

余談

  • コミックスへの収録や文庫版など改訂版が出るたびに作画に加筆修正を繰り返している事でも有名。そのため版によっては連載時の絵柄と改訂版時の絵柄が混在したものが見られている。
    • 番外編である『新デビルマン』を本編ストーリーに組み込んでいるものも見られている。
  • 『激マン!』によると、当初はより過激な描写を取り入れる予定だったが編集部など周囲の人物から度々ストップがかかり、作者も渋々ながら自重するようになったという経緯が描かれている。
  • 本作の後、世界は再構成され、『バイオレンスジャック』や『デビルマンレディー(原作漫画版)』に繋がる事になる(正確には本編終了後のある人物の行動の結果パラレルワールド化している)。
    • また『デビルマンレディー(原作漫画版)』では、『デビルマン(原作漫画版)』自体がコミックとして存在しており、明自身がその存在を知る場面が存在する。
  • 本作発表後、原作漫画版世界観とストーリーを映像化した作品も多く出ている。
    • 1987年には本作の序盤を映像化したOVAが発売され、1990年には続編『妖鳥シレーヌ編』が発売。最終巻の発表も予定されていたが、実際には発売されず打ち切りとなった。しかし、後に完結編として原作最終章である『アーマゲドン編』を収録したドラマCD『デビルマン伝説』が発売された。
    • 2004年に実写映画化された『デビルマン』が公開されたが、ストーリーの改悪と不整合、主演俳優の演技の拙さ、不自然な描写の多さ、特撮やアクションと演出の質の低さ、当人達ですら意味不明なエキストラの起用諸々の問題点から激しい批判を浴びてしまう。
      • 実写映画版は現在でも尚、実写化の反面教師として語り草になっており、実写化作品の駄作や迷作を評価する目安として「デビルマン基準」と呼称される事から、その悪評価ぶりが伺い知れる。一方で映画オリジナルのラストシーンに関しては一定の評価がある。
    • 2014年には永井豪氏の直筆の新作『デビルマンサーガ』が連載開始、現在連載中。原作漫画版の設定をなぞりつつも現代向けにアレンジされた設定が特徴で、デーモンが意思を持った鎧「デーモンアーマー」として登場し、デーモンアーマーとして『獣神サンダーライガー』がデビルマン・ライガーとして登場するなどファンサービス豊富な新たな展開を見せている。
      • デビルマン・ライガーの名称自体は、『デビルマンレディー(原作漫画版)』で先に使われている。
    • 2018年には、永井豪画業50周年記念として『劇場版 マジンガーZ / INFINITY』や『Cutie Honey Universe』と共にWebアニメ『DEVILMAN crybaby』が制作、公開された。スマートフォン、SNS、動画配信やフリースタイルラップなどといった現代に合わせた時代背景やエピソードの時系列等が一部改変されているが、基本的には原作漫画版を再現している。
    • 一方でアニメ版デビルマンの設定を基にした作品はマジンガーZ対デビルマン等ごく少数しか存在しない。しかし主題歌である「デビルマンのうた」はデビルマンという作品の代名詞の一つとなっており、上述の『DEVILMAN crybaby』は原作漫画版準拠のシナリオでありながら本曲のアレンジ版が挿入歌として採用されている。
  • 上述のように、『魔王ダンテ』を改編した作品で、登場人物や登場組織等に共通性が存在する。
    • 後日談の一つである『デビルマンレディー(原作漫画版)』では更に掘り進んだ設定になっており、『魔王ダンテ』の登場人物も登場している。

脚注

  1. 画業50周年愛蔵版コミックス及び連載当時の状態を復刻再現した『デビルマン-THE FIRST-』のみ。
  2. 画業50周年愛蔵版コミックスのみ。
  3. サタンに至っては、とある身体特徴を原作のまま描写するのは完全にアウトである。

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