ジャン・ポール・ロッチナ

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ジャン・ポール・ロッチナは「ボトムズシリーズ」の登場人物。

ジャン・ポール・ロッチナ
外国語表記 Jean Paul Rochina
登場作品

ボトムズシリーズ

声優 銀河万丈
デザイン 塩山紀生
初登場SRW 第2次スーパーロボット大戦Z破界篇
SRWでの分類 NPC
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プロフィール
種族 人間(アストラギウス銀河出身)
性別
身長 190cm前後
髪色 ブロンド
瞳の色 グリーン
所属 ギルガメス連合メルキア軍バララント同盟軍汎銀河宗教結社マーティアル
軍階級 大尉(ギルガメス軍) → 大佐(バララント軍)
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概要

様々な勢力に所属しながら、キリコ・キュービィーを監視し続ける謎の男。ボトムズシリーズの狂言回しともいえる人物[1]である。

現状、キリコを敵に回して生き残った唯一の存在であるが、その後の残りの生涯を尽くキリコを追いかけ、探求することばかりに費やしている(本人曰く「キリコの毒がまわった」)。さらに、本編の数十年後を描いた『赫奕たる異端』においては、皺だらけの老人の風体となってなお、その毒に冒され続けていた(というか、むしろ悪化の一途を辿っている)。すなわち「生き残った」こと自体が、キリコを敵に回した報いであると考えられなくもない。

本編以前の物語である『装甲騎兵ボトムズ ペールゼン・ファイルズ』には、ロッチナに瓜二つの人物「コッタ・ルスケ」が登場している。劇中ではルスケがロッチナに改名することを示唆するに留まっており具体的な関連性には触れられていないが、DVD最終巻収録のインタビューによればスタッフは2人を同一人物として制作していたという。

登場作品と役柄

Zシリーズ

第2次スーパーロボット大戦Z破界篇
初登場作品。NPCで声は無し。キリコがペールゼンを打倒した後、何者かとコンタクトをとっている。
キャラクター事典ではルスケについても触れられている。
第2次スーパーロボット大戦Z再世篇
クメン編のシナリオにおいては原作と異なり、最後に僅かに顔見せする程度の出番に留まっている。クエント編のシナリオでの活躍は概ね原作通りで、最後はワイズマンの基地だけを自爆させた。
ちなみに本作ではアロウズに所属しているが、本人曰く本隊とは別管轄で行動しているとの事。
第3次スーパーロボット大戦Z時獄篇
前作に引き続き登場。ただし、原作では老化していた『赫奕たる異端』部分でもTV版時代の若いままである。
ちなみに『赫奕たる異端』基準の老人姿のグラフィックも没データとして存在する。
第3次スーパーロボット大戦Z天獄篇
前作に引き続き登場。こちらでも若いまま。出番は再現の終盤にワイズマンを追い詰める役を担当する。ほぼ味方サイドだが、キリコには当然ながら信用されていなかった。

単独作品

スーパーロボット大戦Operation Extend
第4章より登場だが、コッタ・ルスケの名を使わずロッチナとしてウォッカムの部下となっている。
スーパーロボット大戦T
バララント軍人の姿で登場。声優ネタで『ガン×ソード』との絡みもある。

人間関係

キリコ・キュービィー
所属陣営を変えながら、彼を監視し続ける。
ディーテル・ロイル・バッテンタイン
表向きの上司。
フェドク・ウォッカム
現在の名と経歴を得る前の上官。忠実な副官を演じていたがキリコの存在によって土壇場で裏切った。
ヨラン・ペールゼン
「キリコの毒」をロッチナに感染させた張本人。
ゴン・ヌー
クメン編終盤、クメン王国とメルキア政府が和睦を結んだ際に彼と接触、素体(フィアナ)の身柄の確保・引渡しを条件にメルキア軍への移籍を約束するが、これをクメン王国の意向を受けたバッテンタインの指示により反故にし、配下の傭兵もろとも抹殺する。
アルベルト・キリィ
同じくワイズマンの啓示を授かり仕える同志。また、ギルガメス軍所属時代からの顔見知りでもある。終盤ワイズマンの英知に目が眩んだキリィによって裏切られ、処刑されかける。しかし、ワイズマンにとっては両者共キリコを迎え入れるための手駒に過ぎなかった。
キーク・キャラダイン
外伝作品『機甲猟兵メロウリンク』に登場。直接の面識は無いが、ロッチナ更迭後の素体捜索の任を引き継いだ。
テイタニア・ダ・モンテ=ウェルズ
彼女の心の奥に潜むフィアナへの嫉妬を見抜き、指摘する。小説版『装甲騎兵ボトムズ 孤影再び』では彼女と行動を共にする。
ワイズマン
真の主(あるじ)。彼に代わってキリコを監視する「神の眼」の役割を果たす。クエント星消滅後も、その関係は続いている。

他作品との人間関係

ゼロ
第2次Z再世篇』中盤でキリコと接触するべく斑鳩に来訪し、ゼロも交えた三名で会談を行なう。その席上で自身が現在はアロウズの情報将校の座に就いている事と、真の目的であるキリコとイプシロンの決闘に関する要求を告げる。

名台詞

TVシリーズ

「どうかね。ふるさとの星へ帰る気分は」
キリコ「メルキアは、酷くやられたのか」
「ああ。人口の3/4が死んだよ。だからあと一人ぐらい死んでもどうってことはない。フフフ……」
第1話、味方の裏切りによって宇宙に放り出されたキリコを拾いメルキア星への帰還途中、独房に収容されているキリコとの監視カメラ越しの会話。
「結構です閣下。閣下のお望みどおり、わたくしを更迭してもらいましょう。閣下の、小さな野望達成に協力させていただきます。わたくしも、ギルガメスの組織だけではキリコを追いきれないと感じ始めていたところです。では」
第30話、バッテンタイン中将からキリコ追跡の任を解かれた際の台詞。
「そうだな、『神の国』から来た男……とでも思ってもらおうか」
第37話、バララント軍指揮官として再びキリコの前に現れたロッチナ。正体を訝しむキリコの問いに、こう返した。
「私は違う!」
第48話より。秘密結社に用済みとされ、処刑を待つ身のロッチナだったが、利害の一致したバニラ達と協力することで脱出。ワイズマンに導かれるキリコを追うが、道中で結社の兵士達に足止めされる。「キリィ閣下に急ぎの伝令がある」と誤魔化そうとするも、そこへ別の兵士と銃撃戦となったバニラ達が合流してしまい、まとめて脱走者として殺されそうになってこの台詞。自分だけは助かろうと足掻くが、元々処刑宣告を受けていたこともあり、彼の言葉を聞く兵士はいなかった。
「せっかくの権利を捨てて、卑しい道を選んだのは恐怖からだ! 支配することのあまりの大きな重さに、お前は怯えたのだ! 私があれほど望んだ力を、お前は殺したのだ! 私が異能者であったなら……私が異能者であったなら!」
最終回、キリコの「神殺し」を目の当たりにしたロッチナは、半ば錯乱状態になりながらキリコフィアナに呪詛の言葉をぶつける。この後ロッチナはクエント星の自爆システムを起動、星と運命を共にしたのだが……?

OVAシリーズ

※便宜上、『ペールゼン・ファイルズ』のコッタ・ルスケの台詞も記す。

ペールゼン・ファイルズ

ウォッカム「ル、ルスケ……」
ルスケ「その名前は……今後記録から消えるでしょう」
ウォッカムを射殺した際のコッタ・ルスケの台詞。キリコを追い続け、彼の探求に生涯を費やす男、ジャン・ポール・ロッチナが誕生した瞬間である。

赫奕たる異端

「奴について知った風な口を聞くなッ! 特にこのロッチナの前ではな!」
初登場時、テイタニアにキリコについて「思っていたほどの男ではなかった」と言われた際に。ある意味完全に風貌が変わってしまったロッチナの自己紹介の台詞とも言える。
『第3次Z時獄篇』では時間軸の都合上ワイズマンの一件からそれほど過ぎていない為、原作よりは多少語気が落ち着いている。
「では聞こう。お前は確信しているか、キリコは死んだと!」
「大規模宇宙プラントごとマナウラ星に落下したキリコが生き延びていると思うか?」というテイタニアの問いに対して。
「フフフフフ……お前もいよいよキリコの毒が回ってきたようだな」
キリコに惹かれてゆくテイタニアを評して。お前「も」と言っているあたり、ロッチナ自身自覚があることが伺える。
「フハハハハ……キヒヒヒヒ……キリコだ、奴に間違いない。奴は有害なバクテリアだ、猛毒を持つ細菌だ。アレギウムは二度と栄光に輝くことはない、奴の侵入を許した以上……。そこの若いの、解るかな? ククククク……」
何者かに連れ去られたフィアナがマーティアル教団の本拠地「アレギウム」にいる事を突き止めたキリコは、マナウラ星で知り合ったゴディバと共に殴り込みを掛ける。テイタニアがキリコ迎撃に向かう中、キリコの侵入を確信したロッチナは、居合わせたゴディバにキリコという人物と、彼に要らぬ手出しをしたらどうなるのかを解り易く例えている。この言葉どおり、マーティアル教団はその権威を大きく失墜させる事となる。
(フィアナ……お前こそが、『触れ得ざる者』だったのかも知れんな……)
最終話、フィアナの死を見届けた後に。
(しかし、キリコ復活の真の意味を理解した者はいるのだろうか? 愛する者を喪ってなお、渇き切ったこの世を流離わなければならないキリコのさだめとは? その問いの答えは誰も知らない。 いや、キリコ自身でさえも……)
最終話、キリコ復活の記述を書き終えた後、ロッチナは心中で答えなき自問をする。フィアナの死を見届けた際の様子といい、TV本編から30年以上経ったこの時代では、ロッチナもキリコの悲惨な境遇には同情の念を抱いていたようにも思える。この独白と共に『赫奕たる異端』は幕を閉じる。

幻影篇

(モンテ=ウェルズめ、お前の胸の内はこのワシにも見通すことができる。”神の子”の養育者として、地に墜ちた教団の権威を再び高らしめようというのか。だが……)
「神の子」を手中に収めるべく美辞麗句を以ってワイズマンに取り入ろうとする法皇モンテ=ウェルズの姿を、物陰から伺いながらの独白。
ロッチナにしてみれば、モンテ=ウェルズの野望が絶対に叶わない事が解っているだけに、権力にしがみ付き続ける彼の姿がさぞかし滑稽に映ったことだろう。
「神はサイコロを振らず。強かだ」
キリコが復活したワイズマンの「『神の子』を自分の元で育てる」という意向に反抗して再び殺したことに対して。嫉妬と憎悪に駆られて錯乱したTV版とは対照的に、ワイズマンがキリコの「他者による支配を徹底的に拒む」人格を利用して「(たとえ自分が殺されることになっても)キリコが絶対に神の子を守る行動を取るよう仕向ける」ようにしたという彼の真意を見抜き、不敵な笑みを浮かべて見届けている。
「花……紛うことなき花! クエント三千年の終焉が生み出した異能の花だ。しかし、この私は……。この先も見届けねばなるまい」
最後の台詞。全てが終わり、ワイズマンは完全に滅びた。「神の眼」としての役目から解き放たれたロッチナだが、「キリコの毒」に全身を侵された彼に、「キリコの監視を止める」という選択肢は存在しなかった。これからもロッチナはキリコを追い続ける。己の全てを懸けて。

迷台詞

「そう、新作が作られ続けるのは、何もガン○ムだけではないということだ。いずれまた、お目にかかる事もあろうさ……」
『野望のルーツ』の予告編にて、スタッフのお遊びでやらかした内輪ネタ。そちらの大物悪役声優ネタの可能性も。ちなみにロッチナは『野望のルーツ』には出ていない(故に「またお目にかかる事も~」となる)。

スパロボシリーズの名台詞

第3次Z時獄篇

「奴に手を出した者は、必ずこうなる」
「それは奴個人の仕業ではない。キリコによって少しだけ歪められた運命は、やがて全てを巻き込んで崩壊する」
「キリコ・キュービィー……奴こそは全てを飲み込む炎の最初の火花だ」
ミスリルルート第39話「触れ得ざる者」のエンドデモで。
「君も薄々とは気づいているだろう。新たな時代がもうすぐ始まることを」
「そう、神の世紀だ」
同シナリオのエンドデモにて、ゼロとの通信。キリコの存在に囚われ、今なお暗躍を続けるワイズマンの目・ロッチナ。彼は、ワイズマンは、何を知っているのか……。

第3次Z天獄篇

(キリコ・キュービィー。奴はアストラギウス銀河の……いや、この宇宙における最大の謎のひとつだ。アストラギウスの神、ワイズマン……銀河3000年の歴史に君臨した存在を以ってしても奴は支配し得なかった。キリコを語る言葉は少なくない。生まれながらのPS、異能生存体、触れ得ざる者……そのどれもが奴であり、そうでないと言える)
第38話「幻影」冒頭にて。『幻影篇』OPの銀河万丈氏によるナレーションそのままである。
「ワイズマン…。果たして、あなたは運命を司る存在でしょうか?」
同シナリオより。「運命さえも支配する存在」と豪語するワイズマンに対して。
「その力は想像を絶するもの…。確かに神と呼ぶに相応しい…ですが、あなたもキリコに取り込まれたのです。私と同様に」
「確かにフィアナの生命を救ったのは、あなただ。だが、その行動を決定づけたのは、キリコの存在だ。そして、あなたはキリコに接触するために野心家のモンテ=ウェルズに目をつけ、マーティアルを動かした。つまり、あなたの運命はキリコという存在に動かされているのです」
同シナリオより。アストラギウスの民ごと自身を地球へと転移させたワイズマンの力を認めつつも、キリコを利用した時点で既にワイズマンとキリコの主従関係が逆転している事実を指摘した。
「私は公正な第三者だ。肩入れも敵対もする事なく、キリコ・キュービィーの行き先を見届けるだけだよ」
同シナリオクリア後に、ある意味キリコの側についたことをテイタニアから驚かれて。
本人はあくまで中立を主張しているが、傍から見ると「キリコの毒」がまわったことがプラス方向に働いた結果と言えよう。
「やはり、そうか」
「ここで私を頼るようではキリコ・キュービィーではないしな」
Z-BLUEとして戦い続けることを決めたキリコに対し、フィアナを預かることを申し出たものの断られて。ロッチナ当人もキリコが乗るとは思っていなかったらしい。

脚注

  1. ボトムズシリーズのナレーション担当は彼と同じ銀河万丈氏であり、「『ボトムズシリーズ』はロッチナが語るキリコの物語」と解釈することもできる