- 読み:ふしぎのうみのナディア
- 1990年4月13日 ~ 1991年4月12日放映(NHK総合)全39話
- 初参戦スパロボ:スーパーロボット大戦X(2018年)
概要
SF小説『海底二万里』と『神秘の島』を原案としたSFテレビアニメ。後に『新世紀エヴァンゲリオン』の制作に関わる庵野秀明氏が総監督、貞本義行氏がキャラクターデザインを担当している。
舞台は19世紀末(西暦1889年)で、主なメカニックは潜水艦や戦艦などだが、登場する兵器の一部は現代の技術レベルを上回るオーバーテクノロジーを有する。
他のガイナックス作品と同様に様々なアニメ・特撮作品のオマージュ要素が盛り込まれている。
ストーリー
西暦1889年。フランスのパリで開かれた万国博覧会にやってきた少年のジャン・ロック・ラルティーグは、万能戦車の「グラタン」に乗るグランディス一味から狙われた少女のナディアと出会う。ナディアを助けたジャンは、旅の途中で謎の潜水艦ノーチラス号に遭遇し、秘密組織ネオアトランティスとの争いに巻き込まれていく。
登場人物
スパロボ毎の登場人物一覧については以下を参照して下さい。
主要人物
- ナディア
- 主人公。宝石「ブルーウォーター」を持つ褐色肌の少女。
- ジャン・ロック・ラルティーグ
- 発明好きなフランス人の少年。ナディアと出会い運命が変わる。
- マリー・エン・カールスバーグ
- ジャンやナディアたちと行動を共にする4歳の少女。
- キング
- ナディアやマリーのお供である白ライオンの子供。
グランディス一味
- グランディス・グランバァ
- ナディアのブルーウォーターを狙う赤髪の美女。
- サンソン
- グランディスの部下。良い兄貴分で、怪力の持ち主。
- ハンソン
- グランディスの部下。サンソンの相方で、機械に詳しい。
ノーチラス号乗員
- ネモ
- ノーチラス号を指揮する壮年の男性。自身を「船長」とクルーに呼ばせている。
- メディナ・ラ・ルゲンシウス・エレクトラ
- ノーチラス号の副長である褐色肌の美女。
- エーコー・ウィラン
- ノーチラス号の測的長。レーダーとソナーを担当。
- 機関長
- ノーチラス号の機関長。白髪の老人。
- 操舵長
- ノーチラス号の操舵長。筋肉質な男性。
- 航海長
- ノーチラス号の航海長。インド風の男性。
- 水準操作員
- ノーチラス号の水準操作員。長髪の男性。
- イコリーナ・エッチーノ
- ノーチラス号の看護婦。ファンクラブが存在する。
- デンギル・エッチーノ
- ノーチラス号の医師。イコリーナの祖父。
- フェイト
- ノーチラス号の機関員。ジャンと親しくなる。
ネオアトランティス
- ガーゴイル
- ネオアトランティスの首領。性格は尊大で冷酷。
- ネオ皇帝
- ネオアトランティスの皇帝。
- ネオアトラン兵士
- ネオアトランティスの兵士。
その他
- エアトン・グレナバン
- ナディアやジャンが出会った海洋生物学者。
- メイビル
- アメリカ軍の新鋭戦艦の艦長。
- イリオン
- 人語を理解する巨大なクジラ。
登場メカ
スパロボ毎の登場メカ一覧については以下を参照して下さい。
- ノーチラス号
- ネモを船長とする万能潜水艦。ジャンやナディアたちが乗り込む。
- N-ノーチラス号
- 空中・宇宙での運用が可能な幻の発掘戦艦。元は古代人の宇宙船。
- グランディスタンク
- 通称「グラタン」。グランディス一味が乗り込む万能戦車で6つの変形モードを持つ。
- 人間タンク
- ネオアトランティスの人型万能工作機械。
- カラッパ3号
- ネオアトランティスの森林伐採用ロボット。
- ガーフィッシュ
- ネオアトランティスの主力潜水艦。改良型のガーフィッシュIIも存在。
- カルカロドン
- ネオアトランティスの大型高速飛行船。砲塔や機雷を搭載する。
- 空中戦艦
- ネオアトランティスの大型空中戦艦。合計2隻が建造された。
- レッドノア
- ネオアトランティスの切り札となる超大型円盤。
用語
- ブルーウォーター
- ナディアがペンダントにしている青色の宝石。
- ネオアトランティス
- 世界的な秘密結社。メンバーは仮面で顔を隠している。
- バベルの塔
- ネオアトランティスが作り上げた反射衛星砲兵器。
- しもべの星
- バベルの塔が発射したレーザーを反射する人工衛星。
- マハル島
- マリーが住む小島。ネオアトランティスの支部がある。
- リンカーン島、ひょうたん島
- ナディアやジャンたちが遭難時に生活していた二つの島。
- タルテソス王国
- 過去に存在したアフリカの国家。現在は滅亡している。
楽曲
- 「ブルーウォーター」
- OPテーマ。『X』限定版にて原曲を収録。
- 「Yes, I Will」
- EDテーマ。『X』限定版にて原曲を収録。
- 「マーメイド・メモリー」
- 挿入歌。
- 「Neo Atlantis」
- 劇中BGM。『X』限定版にて原曲を収録。
登場作と扱われ方
単独作品
- スーパーロボット大戦X
- 初参戦作品。『スーパーロボット大戦V』の『宇宙戦艦ヤマト2199』に続く、「人型兵器が登場しない」作品として参戦した。
- なお、寺田Pによれば本作では「ノーチラス号は戦闘できる地形が限られるため登場せず、N-ノーチラス号からの参戦となる」との発表があった。
各話リスト
話数 | サブタイトル | 登場メカ | 備考 | 再現スパロボ |
---|---|---|---|---|
第1回 | エッフェル塔の少女 | グランディスタンク | ||
第2回 | 小さな逃亡者 | |||
第3回 | 謎の大海獣 | |||
第4回 | 万能潜水艦ノーチラス号 | ノーチラス号 | ||
第5回 | マリーの島 | |||
第6回 | 孤島の要塞 | |||
第7回 | バベルの塔 | |||
第8回 | ナディア救出作戦 | |||
第9回 | ネモの秘密 | |||
第10回 | グラタンの活躍 | |||
第11回 | ノーチラス号の新入生 | |||
第12回 | グランディスの初恋 | |||
第13回 | 走れ!マリー | カラッパ3号 | ||
第14回 | ディニクチスの谷 | |||
第15回 | ノーチラス最大の危機 | |||
第16回 | 消えた大陸の秘密 | |||
第17回 | ジャンの新発明 | |||
第18回 | ノーチラス対ノーチラス号 | |||
第19回 | ネモの親友 | |||
第20回 | ジャンの失敗 | |||
第21回 | さよなら…ノーチラス号 | |||
第22回 | 裏切りのエレクトラ | |||
第23回 | 小さな漂流者 | |||
第24回 | リンカーン島 | |||
第25回 | はじめてのキス | |||
第26回 | ひとりぼっちのキング | |||
第27回 | 魔女のいる島 | |||
第28回 | 流され島 | |||
第29回 | キング対キング | |||
第30回 | 地底の迷路 | |||
第31回 | さらば、レッドノア | |||
第32回 | ナディアの初恋…? | |||
第33回 | キング救助作戦 | |||
第34回 | いとしのナディア♥ | 半総集編 | ||
第35回 | ブルー・ウォーターの秘密 | |||
第36回 | 万能戦艦Ν-ノーチラス号 | N-ノーチラス号 | ||
第37回 | ネオ皇帝 | |||
第38回 | 宇宙(そら)へ… | |||
第39回 | 星を継ぐ者… |
スタッフ
- 原作
- ジュール・ヴェルヌ『海底二万マイル』(原案)
- 製作・著作
- NHK(プロデュース)
- 東宝(同上)
- グループ・タック(アニメーション制作)
- ガイナックス(同上)
※実制作においては上記のグループ・タックはほとんど関与せず、ガイナックスが大半を担当した。
- 監督
- 庵野秀明(総監督)
- 樋口真嗣(第23話~第39話)
- シリーズ構成
- 大川久男
- キャラクターデザイン
- 貞本義行
- 音楽
- 鷺巣詩郎
余談
- アニメ作品において、登場人物たちが孤島に漂着し本筋と離れたエピソードを展開する「島編」という用語の由来となった作品の1つとされる(黒歴史の項も参照)。
- アニメ監督の宮崎駿氏が、NHKで放送するために準備していたTVアニメ企画『海底世界一周』が本作のベースとなっている。TVアニメは実現せず、宮崎氏はこのアイデアを元に『天空の城ラピュタ』を制作したという。一方でNHKに残っていた企画案がガイナックスに持ち込まれ、本作が誕生した。この経緯のため、基本設定や第1話の展開などに『ラピュタ』と類似した部分が見られる。
- 『新世紀エヴァンゲリオン』は、初期構想では本作と同一世界観を描いた続編作品となる予定だったとされる。
- 本作のBGMのいくつかが『新世紀エヴァンゲリオン』及び『ヱヴァンゲリヲン新劇場版』に流用・アレンジされている。
- TVシリーズの放送終了から約3ヶ月後に後日談にあたる劇場版が公開されたが、TVシリーズからの続投キャラはナディア、ジャン、グランディス一味のみ(その他のキャラはTVシリーズから流用された回想シーンでのみ登場)で、TVシリーズにおいて残された伏線も殆どが放棄された内容となっている。またTVシリーズとは逆にガイナックスは制作途中で実質降板しており、グループ・タックがその大半を手掛けた。
- 寺田Pによれば『スーパーロボット大戦X』に於ける本作の音声収録はバンダイに赴いた際、『超合金魂GX-80 万能戦艦 N-ノーチラス号』の話を聞き、既に模型にSEを入れる段階まで開発が進んでいたが、「スパロボの収録で同時に声を録ろう」ということになったことが『生スパロボチャンネル』内で語られている。
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