ゼノサーガ

概要

OGサーガの開発元でもあるモノリスソフトが開発したRPG作品。『エピソードI[力への意志]』、『エピソードII[善悪の彼岸]』、『エピソードIII[ツァラトゥストラはかく語りき]』の三部作で、これらの他にもファンディスク『フリークス』や、I・IIを纏めてニンテンドーDSに移植した作品『I・II』、EpIを原作として2005年に放送されたTVアニメ『Xenosaga THE ANIMATION』などが存在する。

作品名 発売日
ゼノサーガ エピソードI[力への意志] 2002年2月28日
ゼノサーガ エピソードII[善悪の彼岸] 2004年6月24日
ゼノサーガ エピソードIII[ツァラトゥストラはかく語りき] 2006年7月6日

登場人物

本作は同じくOGサーガで初参戦した『NAMCO x CAPCOM』にNAMCOからの作品として参戦している為、KOS-MOSは『NAMCO x CAPCOM』の主人公である有栖零児小牟と顔見知りという設定となっている。

KOS-MOS(コスモス)
アンドロイドの類。開発はシオン・ウヅキ。
無限のフロンティア』ではネコ耳を思わせる装備があるが、これはファンディスクである『ゼノサーガフリークス』での設定。
M.O.M.O.(モモ)
百式汎観測レアリエン(後述)のプロトタイプ。その姿は製作者のヨアキム・ミズラヒ博士の娘をモデルとしている。
T-elos(テロス)
アスラ27式
ザコ敵。OGサーガにも登場している。
グノーシス

SRW未登場

シオン・ウヅキ
主人公。ヴェクター・インダストリー第一開発局所属の女性技術者。弱冠22歳にしてKOS-MOSの開発主任を任された才媛。祖父から教わった体術と後輩のミユキが開発したマルチウェポンを用い、グノーシス相手の白兵戦もこなす。担当声優は前田愛氏。
ジギー
接触小委員会所属の戦闘用サイボーグ。「ジギー」という名前は、サイボーグとしての型番である「ジグラット8」を基にモモに付けてもらったもの。サイボーグ故の圧倒的なパワーと腕のブレードを用いて戦う。担当声優は江原正士氏。
ケイオス
貨物船「エルザ」のクルー。名前以外の全てが謎に包まれた少年。気功のような体術を操り、グノーシスを素手で消滅させるなど不可思議な力を持つ。担当声優は保志総一朗氏。
Jr.
フルネームはガイナン・クーカイ・ジュニア。クーカイ・ファウンデーションの責任者ガイナン・クーカイの右腕を務める少年。非常に身軽で、実弾式の旧型銃(作中年代では骨董品レベル)を好んで使う。担当声優は川崎恵理子氏。
ジン・ウヅキ
シオンの実兄である剣士。温厚で礼儀正しい性格だが、戦いの場では冷徹な一面を垣間見せることもある。刀術の腕前は凄まじく、グノーシスだけでなくA.M.W.Sのような兵器でさえ一刀両断する。担当声優は田中秀幸氏。

登場メカ

本作は巨大ロボゲーでもあるが、機体は現状全てSRW未登場。作品解説のため記述する。

ゼノサーガ世界の巨大ロボットは全5種で、通常出回っているものは12m程度のA.M.W.S(Assault.Maneuver.Weapon.System)と5m程のA.G.W.S(Anti.Gnosis.Weapon.System)。A.M.W.Sをグノーシスに対抗すべく小型化し、虚数領域知覚センサーや転送型ジェネレイターを積んだものがA.G.W.Sとなる。A.M.W.Sの方が大型だが、こちらの方がコストと汎用性に優れている。

主役格の使うE.S(Ein.Sof)は15m程で、アニマの器と呼ばれる物体に外装をつけた数量限定の代物。物語のカギの一つであり、性能もそれに見合った圧倒的なものとなっている。この他にある別の思惑で製作されたオメガシリーズ、エルデカイザーと呼ばれる(ネタ枠に片足を突っ込んだ)スーパーロボットも存在する。

E.S.

E.S.ディナ
シオン・ウヅキとKOS-MOSが乗り込むE.S.。ヴェクター製。白銀のカラーリングと天使然としたデザインの美しい機体。母艦を必要としない長大な航続距離と単体でのワープ機能を有している。高速機動戦闘を得意とするが、多数のビーム兵器で火力にも優れる。
E.S.ゼブルン
モモとジギーが乗り込むE.S.。ヴェクター製。薄いピンク色のカラーリングに、どこか妖精か魔法少女を思わせるデザインの可愛らしい機体。多数の遠隔攻撃端末「エアッド」(ガンダムシリーズで言うところのファンネル)を搭載しており、これによる支援やオールレンジ攻撃を得意とする。エアッドの制御は百式観測機としての能力を持つモモ以外には不可能で、実質彼女の専用機となっている。
E.S.アシェル
ケイオスとJr.が乗り込むE.S.。ヴェクター製。青系統のカラーリングで、主人公側で使われるE.S.の中では比較的デザインの尖りが控えめ。基本的には遠近万能の陸戦機だが、その最大の特徴は専用装備の換装次第でありとあらゆる局面に対応可能な汎用性の高さにある。
E.S.ルベン
ジン・ウヅキが乗り込むE.S.。ヴェクター製。深緑系統のカラーリングからして無骨さを特徴とするサムライ然とした機体で、大きめのサイドスカートアーマーには東洋龍の絵が大きく描かれている。二振りの実体剣を主兵装とする接近戦・機動力特化、その反面恐るべき紙装甲と、ジンらしい玄人好みが極まったカスタマイズが施されている。マーグリスのE.S.レビとの熾烈な剣劇は見ものである。
E.S.レビ
マーグリスが乗り込むE.S.。外装はオルムス製のため、主人公側のE.S.よりも異質な意匠を有している。黒一色のカラーリングにオレンジ色のラインが紋様を描くように走っている。元々は遠近両用の万能機として設計されていたが、剣術の達人であるマーグリスの意向により、一振りの長刀を主兵装とする接近戦特化の機体に改修し直された。
E.S.イサカル
ペレグリーが乗り込むE.S.。オルムス製。女性的なフォルムに、騎士然とした意匠の機体。まるで人の手のような形状をした左肩のフレシキブルシールドを最大の特徴とする。フレシキブルシールドの指にあたる部分は遠隔攻撃端末「エアッド」として分離・展開が可能で、これを用いた遠距離・対集団戦能力に優れる。機動力も高く、重力下での空戦能力はオルムス製E.S.でも最強を誇る。
E.S.ガド
リヒャルトが乗り込むE.S.。オルムス製。A.M.W.SパイラムをE.S.として発展させた機体で、外見もほぼ一緒。細身で機動力に優れ、それに見合わず戦艦クラスの大火力を有する砲撃戦用機となっている。反面、装甲が薄いため、対照的な性質を有するE.S.ヨセフとの連携が運用の前提となっている。
E.S.ヨセフ
ヘルマンが乗り込むE.S.。オルムス製。A.M.W.SスキュータムをE.S.として発展させた機体で、外見もほぼ一緒。重装甲かつパワーに優れ、手に持ったメイスによる接近戦を得意とする。装甲の薄いE.S.ガドの補助及び護衛を主な役目としており、常に離れることなくツーマンセルで行動している。
E.S.ダン
黒のテスタメントが乗り込むE.S.。本体である細身の人型機に可変式の巨大なシールドユニットが付属した漆黒の機体。本体・シールドユニット共に様々な火器が搭載されて火力が高く、黒のテスタメントの能力で空間歪曲シールドを常に装甲表面に展開しているため、防御力も並外れている。更には巨体に見合わず巡航形態での機動力も高いと、攻防ともに全く隙がない。
E.S.ナフタリ
青のテスタメントが乗り込むE.S.。蜘蛛のような多脚を有する青色の機体。砲撃船に特化した重武装・大火力の機体で、非常に高い殲滅力を有している反面、機動力に劣っている。長距離移動の際には巡航形態に変形して空を飛ぶ。
E.S.シメオン
白のテスタメントが乗り込むE.S.。E.S.の中でも最も人型からかけ離れた意匠を有する白色の機体。E.S.ディナ同様高速機動戦闘を得意とし、遠距離から近距離まで戦局を選ばない豊富な武装を備えている。更にはディナにはない遠隔攻撃端末「エアッド」も完備しており、単純な攻撃能力ならばE.S.でも随一の性能を誇っている。
E.S.ユダ
赤のテスタメントが乗り込むE.S.。スマートかつ飾り気の少ないすっきりとしたフォルムを有する赤色の機体。二振りのナイフと機動力を活かした接近戦を得意とするが、このナイフによる攻撃は虚数領域から物理法則を書き換えて行われるものであるため、実数領域(現実世界)では如何なるバリア・重装甲を以てしても防ぐことは不可能な絶対破壊の効果を有している。

オメガシリーズ

プロトオメガ
オメガ・ウーニェンルシタース
『ゼノギアス』に登場した「ヴェルトール」に酷似した機体。
オメガ・イド
『ゼノギアス』に登場した「ヴェルトール・イド」に酷似した機体。
オメガ・レース・ノワエ
オメガ・メテンプシューコーシス
『ゼノギアス』のラスボス「デウス」に酷似した機体。

その他

エルデカイザー
ハクシーヌ・ホワイトが造り上げた四身合体のスーパーロボット。ネタ枠だったが、後に設定がストーリーの本筋にも正式に組み入れられた。
エルデカイザー烈
ホワイトハカセが造り上げたエルデカイザーの発展型。
ブラックエルデカイザー
ホワイトのライバル・ブラックハカセがエルデカイザーに対抗して造り上げた漆黒のエルデカイザー。
エルデカイザー∑
ブラックハカセが最後の心血を注いで造り上げた最強最後のエルデカイザー。
エルザ
デュランダル
クーカイ・ファウンデーションの母艦である全長4000mの巨大戦艦。その名の通り、巨大な剣のような船体が特徴。
ツァラトゥストラ


用語

レアリエン
合成人間。平たく言うと分子工学によるホムンクルスのようなもの。人間とは完全に区別して扱われており、星団連邦軍の戦闘用レアリエンは強制制御の上での自爆コマンドといった非人道的なシステムさえ実装されている。星団連邦政府関係者からも「使い捨て」と明言された事もあるなど肩身の狭い存在だが、連邦内では広く普及している事もあり、軍用と特殊環境型以外のレアリエンは基本的人権の付与されており、人々との共存が図られている。
その中で、グノーシスを固着する「ヒルベルト・エフェクト」を展開できるタイプを百式汎観測レアリエンと呼び、昨今のグノーシス問題もあって重宝されているが、プロトタイプの影響もあり生産タイプや試作型キルシュヴァッサーも含めて幼女型というある意味とんでもない設計がなされている。
サイボーグ
機械化人間。本作の「サイボーグ」とは、専ら生前生身の人間だった者を改造した個体を示す。しかし、高度な再生医療や自律兵器、上記のレアリエンのような存在を創造可能なほどの技術力がある作中世界では、見た目の問題もあって旧式技術の産物として扱われており、ほぼ廃れている。現在では、兵器として有用性のある戦闘用サイボーグが少数運用される程度に留まっている。
希望すれば肉体の死後に完全サイボーグとして生まれ変わることも可能だが、戸籍上の死亡扱いは変わらないため、その人権は大きく制限されてしまうこととなる。作中では戦闘用サイボーグのジギーが該当し、半ば兵器として扱われる待遇を受けている。
ライフリサイクル法
サイボーグ技術最盛期の時代に枯渇しつつあった人的資源の有効な再利用名目で、T.C.4590年に法案として議会に提出され、翌91年に異例とも言える速度で可決。法令化した。
しかし、法の解釈の範囲が拡大され、産業界の思惑もあり、人そのもののクローン化や遺伝子や脳神経系の改変といった、それまでタブーとされていた領域にまで踏み込んだ結果、様々な人造生命体なども生み出された。しかし、それら生体兵器の暴走などもあり、幾つかの紛争や社会混乱の元凶となった。
T.C.4754年に完全撤廃され、この悪法は実に160年以上に渡り施行された。ジギーやU-TIC機関のアンドリュー中佐はこの悪法の被害者とも言うべき存在で、特にアンドリューは死んでいった仲間たちが羨ましかったと思うほどに追い詰められていた。
事象変移機関ゾハル
ゼノシリーズの設定の中枢に位置する、正体不明の何か。過去に地球で発見された謎物質に制御ユニットを搭載したもの。
「能動主体(システム利用者)が希望する、億に一つでも発生しうる可能性事象の発生確率を100%にする」という機能を持つ。なお、事象変移に必要なエネルギーはその事象に行き着くのに必要だったはずのエネルギーを使用する。リンクする素質さえあれば距離は無関係。
すなわち、実質ノーコストで使用者の望む通りに現在・未来を捻じ曲げるというとんでもない代物。ゼノギアスでは魔法使用のメカニズムでもある。
なお、KOS-MOSらが搭乗するE.S.(アイン・ソフの略。神なるものという意味を持つ)はゾハルとリンクして無尽蔵にエネルギーを引き出せる「アニマの器」を搭載している。
星団連邦
作中の人類を統括する連邦制の星間国家。50万もの植民惑星から構成され、非常に広大な領域を支配下に置いている。しかし、巨大過ぎる組織では内部抗争や対立が激しく、一枚岩には程遠く、U-TIC機関の関係者が連邦ゲタルヤ方面軍を掌握していたり、後述の第二ミルチア政府とクーカイ・ファンデーションの特権を疎む自治政府など多数に渡る。
U-TIC機関
正式名称「Unknown Territory Interventing and Creation」で、-不可知領域への干渉及びその創造-機関を意味する。
ミルチア紛争を引き起こし、現在でも暗躍を続ける巨大武装組織で、星団連邦に匹敵する戦力を持つ。主に敵対勢力と描写される。
ヴェクター・インダストリー
日用製品から兵器まで、多種多様な事業を多数の植民惑星を股に掛けて取り仕切っている星間規模の超巨大コングロマリット。巨大なコロニーが丸ごと本社施設となっている。シオン・ウヅキが社員として務め、KOS-MOSや主人公らが用いるE.S.もここで開発されたものである。
グノーシス
「巡礼船団」とも表記される正体不明の宇宙生物群。グノーシスを参照。。

登場作と扱われ方

ストーリー再現などの本格参戦はまだ成されていない。『無限のフロンティア スーパーロボット大戦OGサーガ』にてKOS-MOSとT-elosが、『無限のフロンティアEXCEED スーパーロボット大戦OGサーガ』で同2名に加えてM.O.M.Oがゲスト参戦するにとどまっている。KOS-MOSの武装やT-elosの登場などから、『OGサーガ』への参戦にあたっては『エピソードIII』の設定がメインになっていると思われる。また『無限のフロンティアEXCEED』ではとある必殺技がシナリオ上で大活躍する。

本作は20m級巨大ロボットも登場する作品なのだが、『OGサーガ』には巨大ロボットは登場しない(せいぜい3m級の通常スパロボで言うSSサイズ)ので、KOS-MOS単体で最後まで戦う。そのため、いわゆる一般的な「スパロボ参戦作品」とは一線を画す存在であり、等寸大のキャラクターが活躍する『OGサーガ』におけるゲスト参戦作品としての趣が強い。

余談

ゼノサーガの物語は本来、1998年に旧スクウェアから発売されたゲーム『ゼノギアス』から始まるゼノシリーズの一つとなる予定であったが、続編制作の許可が下りず、この時の反発などから開発チームが旧スクウェアを離れモノリスソフトを起業したため、権利上の問題もあってゼノギアスとは作品同士設定の繋がりはない(ただし、一部固有名詞など彷彿とさせる設定は多く、コアなファンであれば気付く要素が含まれる)。

  • これは『ゼノギアス』の初期構想であるエピソード1の世界観と設定を流用した事による名残(と一種のファンサービス)である。
  • 2010年に任天堂から発売された『ゼノブレイド』、2015年にリリースされた『ゼノブレイドクロス』、2017年にリリースされた『ゼノブレイド2』も同様である。
  • なお、「ゼノシリーズ」という呼称は発売会社がそれぞれ違うため公式では一切使用されていない、いわゆる俗語・俗称である。
    • 『PROJECT X ZONE 2:BRAVE NEW WORLD』にて、初めて『ゼノサーガ』と『ゼノブレイド』のキャラクターが共演する事となった。
    • 『ゼノブレイド2』ではKOS-MOSがデザインアレンジを施され「KOS-MOS Re;」名義で登場する。

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