エステバリス

2015年9月24日 (木) 20:15時点における121.106.121.71 (トーク)による版

エステバリス(Aestivalis)

ネルガル重工が開発した機動兵器。

重力波ビームによるエネルギー供給によって動力炉を必要とせず、特殊樹脂の装甲で機体の小型・軽量化を実現している。操縦はパイロットのイメージを直接機体に反映するIFS管制方式を採用し、特にパイロット経験の無い者でも思った通りに動かすことが可能。運用上母艦の存在を前提としており、敵味方の識別などの管制を母艦のコンピューターに依存している部分もある。アサルトピット(コクピットブロック)を中心としてフレーム換装方式が採用されており、各種多様なフレームを装備することが可能。

エステバリス単機でディストーションフィールドを展開することが可能なので、装甲の薄さはそちらで補っている。

本項では、初期型のナデシコ艦載機の『エステバリス』について記載する。エステバリスカスタムスーパーエステバリスといった後継機や下記の各フレームについては、個別記事を参照されたし。

名の由来は種子植物ナツザキフクジュソウの英名「エステバリス」から取られている。

フレーム

エステバリス・陸戦フレーム
脚部にはローラーダッシュ機構を備える。反重力推進機関は取り除かれているがその分軽量化に成功しており(なんと1t以下)、バッテリー搭載量も多く単体稼働時間が一番長い。
エステバリス・空戦フレーム
飛行可能な大気圏内用のフレーム。
エステバリス・0G戦フレーム
無重力域に対応したフレームだが、原作では火星や地球でも使用され、それなりに万能な機体。
エステバリス・砲戦フレーム
別名『重機動フレーム』。砲戦仕様で近接攻撃は出来ない。
エステバリス・月面フレーム
月面用。アサルトピットを頭部ごと内部に収納するので、この機体だけ誰の機体で換装しても見た目が一緒。単機火力は最も高い。相転移エンジンを搭載しているので重力波ビームに対応しておらず、エステにしては18mと言う大型の機体である。

機体

アキト機
テンカワ・アキトの専用機で、カラーリングはマゼンタ。主人公機であるが、メタ的にも設定的にも特別な主役補正などは無く、機体性能は他と同じになっている。劇場版では追加アーマー「ブラックサレナ」を装着して登場。同時に強化もされていたが、機体の許容範囲を超えたスペックを引き出す設計だった為、ブラックサレナが強制パージされたアキトのエステバリスはアイカメラからオイルが爛れ出るなどボロボロの状態であった。なお、スパロボではこの劇場版のアキト機がエステバリスカスタム名義で登場している作品も存在する(「カスタムされたエステバリス」なのは間違っていないが)。
原作第1話にてガイがデッキでポーズを決めようとして転けた際に乗っていたのがこの機体だった事から判るように、元々はガイの機体となる予定だった。よってこの機体で臨時出撃したアキトはガイに「俺のゲキガンガー返せよな!」と怒られる事に。
最終回ではミスマル・ユリカがIFSを注入し、本機に搭乗して勝手に出撃した。IMPACTではこれが再現され、終盤ではユリカがナデシコからこちら(とガイ機にも)に乗り換え可能になる。
ガイ機
ダイゴウジ・ガイの専用機で、空戦フレーム標準のアサルトピットでカラーリングは熱血漢な彼らしくない青。ガイ曰く俺のゲキガンガー。原作ではガイが早々に死亡してしまったが、スパロボではフラグ次第、もしくは無条件で生き残ることが多いため使用する事が可能。ゲームでは格闘の高いガイに合わせて格闘武器が威力高めに調整されている。またアキト機との合体攻撃が存在しており、アキトの一軍入りがガイの存在にかかっている作品もある。この合体攻撃は原作の劇中劇熱血ロボ ゲキ・ガンガー3』の一場面をモチーフとしたもので、原作では未使用のスパロボ独自のもの。
原作ではガイの死後にジュンが使用した事も。アキト機同様、IMPACTではジュンが本機(とアキト機にも)に乗り換えが可能。
アカツキ機
アカツキ・ナガレの専用機で、カラーリングは紫。アサルトピットに独自のカスタムが施されており、他の機体よりも性能が少し高い。また専用のフレームである「アカツキカスタム」が存在しており、これが後年のスーパーエステバリス開発の原型となっている。ゲーム内ではアカツキカスタムは0Gフレームとして扱われている(原作でも0Gフレームをベースとしたフレーム)。またゲームでは合体攻撃が存在しなかったり、イベントで離脱してしまったりする事が多く、エステバリスの中では毎回真っ先に二軍落ちの最有力候補となる不遇の機体。『BX』にて、ようやく今までの不遇な扱いから改善された。
リョーコ機
スバル・リョーコの専用機で、カラーリングは赤。他のエステバリスとは異なり、頭部に強化センサーの役割を果たす指揮官用のアンテナが取り付けられているのが特徴。ガイ機同様、格闘戦用のチューンが施されているが、射撃もこなす。(リョーコの特技のひとつは射撃)また、ヒカル機、イズミ機との合体攻撃も存在する。
ヒカル機
アマノ・ヒカルの専用機で、カラーリングは黄色。標準的でクセの少ない能力を持つ。パイロットのヒカルの強運技能や精神コマンド幸運」の存在ゆえ、トドメ役を任される事が多い。
イズミ機
マキ・イズミの専用機で、カラーリングは緑。射撃が得意なイズミに合わせた射撃戦用のチューンが施されており、格闘武器よりも射撃武器が強く、射程も長い。

スパロボシリーズにおいて

エステバリスは月面フレームを除いてサイズS、そしてゲームのシステムにより差異はあるが、敵からの攻撃は当たりにくいが当たった時の被ダメージはやや高く、こちらからの攻撃ダメージはやや低くなる、と言うのが基本傾向。その為、使い勝手はEN消費型の常時発生バリアであるディストーションフィールドの強度と、低めの攻撃力を補える合体攻撃の性能に依存する部分が強く、それらを最大限活かす為にどの作品でも隣接して運用するのが定石となっている。

登場作品

COMPACTシリーズ

スーパーロボット大戦IMPACT
マップ中に換装可能になった。一度換装するとそれまでのフレームに戻れないが、母艦に搭載すれば外したフレームに戻って出撃できる。71話「白熱の終章」では、初期出撃のエステバリス隊を中心にして敵を減らさないと本隊が来ない。そのため一軍で使う気がなくてもある程度改造しておかないとクリアが困難になってしまう。陸戦フレームも使用可能になったがディストーションパンチや合体攻撃は使用不能であり、他フレームに比べると旨みは少ない。

携帯機シリーズ

スーパーロボット大戦A
初登場作品。重力波アンテナ、ディストーションフィールド、ユニット換装といくつもの独自システムを引っ提げて参戦。Sサイズではあるが運動性はリアル系にしては低めに設定され、さほど避けられない。よって歴代で最高の性能を持つディストーションフィールドが防御面での頼みの綱となる。しかし中盤に武装追加するものの、パワーアップイベントがないので、低い運動性が災いし、高火力のビーム兵器装備のMSが主力のネオ・ジオン軍が出てくる辺りから色々と辛くなってくる。
パーツスロットが3なので、V-UP系パーツを装備すればかなり性能を底上げが出来る。
武器はシステム上個別強化な上に換装で武器のラインナップが変わる関係もあり、0G戦と空戦で使用出来てかつ合体攻撃に使用するラピッドライフルとディストーションパンチを改造しておくのが無難な選択。
なおフレームは出撃時に選択する。本作では陸戦フレームには換装出来ず、またミノフスキークラフトを装備しても0G戦フレームは地上マップでは出撃出来ない(換装先の候補に挙がってこない)。アカツキ機以外は合体攻撃を持ち、重力波アンテナの恩恵の元ならば合体攻撃を連発する事も可能。その為にガイを生存させるプレイヤーもいたのではないだろうか。
なお各フレームの性能は全機体で同一ではなく、原作の設定を踏まえてか各パイロット毎に武器の威力や序列、射程、P属性の有無等で差別化が行われており、同じフレームを使っていてもパイロットによって使い勝手が異なってくる(特に同作で唯一ラピッドライフルがP属性のリョーコ機は影響が大きい)。
アキト用陸戦フレームがパッケージを飾る機体群に含まれているが、この機体は1ステージ限定のイベント専用機でありプレイヤーが一切使用できないにも関わらずパッケージにいる形になっている。
スーパーロボット大戦A PORTABLE
武装が一括改造に変更になったうえに、月面フレームも改造をそれぞれ引き継ぐ仕様に変更されたので各フレームが使い分けしやすくなった。他にも武装の必要気力の低下、フィールドランサーにバリア貫通の付加など、リメイクされるにあたり燃費の悪くなったスーパー系に比べると相対的にかなり扱いやすくなった。反面、運動性がR・Jのように高くなくAのままで、被弾に注意する必要がある。
スーパーロボット大戦R
Aに比べてディストーションフィールドは大幅に弱体化したが、運動性は非常に高くなり、回避重視のユニットとなった。本作ではインターミッション換装する。終盤でエステバリスカスタム及びスーパーエステバリス(ガイ機のみ)に変更されると換装は出来なくなる。
なお、携帯機での前作であるAでは同じフレームでもパイロットによって細かい性能差が存在したが、今回はフレーム単位での性能は全て同一化された。以後の携帯機シリーズでも同様。また、Aと同様、陸戦フレームには換装が出来ない。本作では砲戦フレームの120mmキャノン砲は高威力・長射程・低燃費・気力無制限という利点を持つ。
スーパーロボット大戦J
携帯機では初めて陸戦フレームが使用出来るようになった。そしてこれまで同一機体内で同じモーションであった戦闘アニメが一部の武装で機体ごとに個別のモーションを取るようになった。月面フレームもすべてのエステバリスに同時に装着させられる。そして砲戦フレーム月面フレームにも合体攻撃が追加された。
スーパーロボット大戦W
最初からフィールドランサーが装着した状態で1部で活躍。2部からはアカツキ機以外は全機エステバリスカスタムになる(ただし、アキト機は他のカスタムと性能が違う)。換装の必要はなくなるが全体的に武装が減る(特に格闘コンボ武器と切り払い、単独でのバリア貫通武器が無くなる)ので、使い勝手に関してはエステバリスの方が上。ちなみにアカツキ機はライフルしかないエステバリスIIになってしまう
スーパーロボット大戦BX
ガイが死亡しているため今回運用できるのは5機。アキト機に関しては最初からいるアカツキ機との合体攻撃が用意されたため使い勝手はむしろ上昇している。一方で三人娘の合体攻撃は格闘に一本化。サイズSのおかげで換装を間違わなければ命中・回避率も優秀で、対応する地形相手にはかなり強い。ついでに、重力波ビームの範囲から出ても余計にENが減ることもないため、離れても数ターンは戦える。
今作においては(エステバリスに限ったことではないが)合体攻撃の地形適応がオールSなので、序盤から万単位のダメージを叩き出す重要なダメージソースとなる。反面搭載換装が不可能になり、砲戦及び月面フレームからはP兵器が消滅するなど弱体化した部分もあるが、総じて優秀なユニット。
パワーアップしないのが難点だが、十分終盤まで戦える。逆にいえば、最初からクライマックス仕様ともいえる。さらに、ボーナスランク3で各フレームに対応した「地形適応S」が追加されるので、地上マップであれば陸戦と空戦を組ませれば合体攻撃抜きでも結構な攻撃力を発揮する。合体攻撃に必要な人数も2人と3人なので、チーム分けにも影響なし(3人娘は別の地形適応Sのユニットと組ませる必要あり)。

関連機体

Xエステバリス
グラビティ・ブラストが撃てる(グラビティ・ブラストしか武装のない)エステバリス。失敗作で終わった為にパイロットは決まっていない。
デビルエステバリス
バッタにコンピューターを乗っ取られたエステバリス。
量産型エステバリス
アカツキカスタムのデータを基にした量産機。
エステバリスII
劇場版時代での量産機。
エステバリスカスタム
エステバリスIIのカスタマイズ機。
スーパーエステバリス
劇場版でのサブロウタ機。スーパーロボット大戦Rではガイ機も存在する。
ブラックサレナ
劇場版のアキト機に施された強化パーツ装着形態。高機動型も存在する。
エグザバイト
漫画版『遊撃宇宙戦艦ナデシコ』における後継機。見た目は「0Gフレーム」そのもの。アキト機の頭部パーツはガイ機のものを流用している。
こちらではアニメ版と設定も展開も殆ど異なり、操縦方法はIFSの発展形であるリアクトシステムである。
リアクトシステムとは言うなれば身体の神経回路を電子変換して機体に直結させる事で機体を自分の体の様に扱うことが出来るものである。
一時的に失明状態になったアキトはこのシステムを利用して機体のカメラから視力を得ていた。ラストではアキトユリカと共に戦いを終結させる為、草薙剣を振るう。

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