皆城乙姫

2015年7月12日 (日) 22:12時点における60.45.217.26 (トーク)による版

皆城乙姫(Tsubaki Minashiro)

母の胎内にいる時に母体がミールの暴走によって同化されるも、人工子宮に移され出生したフェストゥムと人間の融合独立固体。

物語開始時は、アルヴィス内部の「ワルキューレの岩戸」と呼ばれる場所にて休眠状態にあった。竜宮島に存在する人類側ミールに干渉することができるため、彼女をコアとして島の防衛システム「ブリュンヒルデ・システム」が作られている。

人類軍の竜宮島制圧の直前にワルキューレの岩戸から解放されて目覚める。その際に立上芹らと友人になり、自ら「生きる」ことを選択し、行動する。なお、芹達と同じクラスに転入するが、乙姫は芹達より年下である(これは乙姫本人が芹達と同クラスに転入する事を希望したため)。

人間でもありフェストゥムでもあるため、双方を公平な視点で見る達観したような感覚を持ち、親友の芹と里奈以外は名前を呼び捨てにする。

フェストゥムとの戦闘時はノルン(無人戦闘機)を操って手助けをしており、また島での戦闘を通して島のミールに「生」や「死」、「悲しみ」を教えるため、戦闘を常に肉眼で見ていた。

蒼穹作戦の直前に人間としての生存活動の限界が訪れてしまい、島との最後の同化により親しい人たちとの別れを迎える際、ひたすら抱きとめてくれた千鶴の温かさに、亡き母を感じ取った乙姫は「私もこんな風に皆のお母さんになればいいんだ」と決意して、ワルキューレの岩戸の中で、島のミールと一体化し、消えていったのであった…

前日談の『RIGHT OF LEFT』(SRW未参戦)では島のコアとして何度か大人たちの話題に上がるほか、総士が彼女に語りかけるシーンがあった。

HEAVEN AND EARTH』では意識体として存在しており、コアの代替となった芹と再会を果たすが、第二次蒼穹作戦の終了と共にコアが成長期を乗り越えたことで完全に消滅してしまった。しかしそれは次世代となる新たな命の誕生も意味していた。

登場作品

携帯機シリーズ

スーパーロボット大戦K
初登場作品。スパロボの性質上、ファフナー勢が島から離れていてもノルンで援護してくれる。
スーパーロボット大戦UX
原作通り、物語中盤頃に目覚める。その立ち位置から、超然とした態度で竜宮島が舞台となる度に様々なキャラクターと絡みを見せる事となった。ことUXではメインテーマとなる「生と死」「命」に対する理解と姿勢は、彼女とフェストゥムの間柄にも密接に関係するため、オリジナル勢との関わりも深く、アーニーとサヤ、ジンとアユルの再会の場に置いても大きな役割を果たす。特にサヤとは出会ってからエンディングまで大きな影響を与えている事が伺える。
しかし何と言っても目玉となるクロスオーバーは、ノルンシステムさながらにガンダムを動かした事だろうか。

人間関係

皆城総士
兄。呼び方は「総士」と呼び捨てであり、兄である以前に竜宮島の住人として等しく扱い、愛すべき存在と考えていることがある。尤も、総士に「私達、とうとう本当の兄妹になれなかったね」とも言っており、妹として総士に接する事が出来なかった事には思うところがあったようである。
皆城公蔵
父親。目覚めた頃には既に死亡しており、直接対面することはなかった。
立上芹
目覚めたばかりで森を彷徨っていた時に偶然出会った「初めての友達」。覚醒直後に彼女と交わした会話が乙姫の人間としての価値観の構成に強く影響を与えている。
西尾里奈
乙姫が中学校に転校してきたことで芹とともにクラスメートとなり、乙姫の二番目の友達となる。
乙姫は芹と里奈のみは呼び捨てではなく「ちゃん」付けで呼ぶため、この二人は乙姫にとっての「人間」としての象徴である。
堂馬広登
クラスメート。芹・里奈に比べると絡みは少なめ。
『UX』では彼も芹や里奈と共に乙姫の最後の同化に立ち会った。
遠見千鶴
彼女をワルキューレの岩戸に入れて管理していた研究者。乙姫はそれを恨みには思っていないどころか、むしろ「人生をくれた」と感謝し、母のように慕っている。
真壁史彦
アルヴィス司令という立場から、度々会話を交わす。最後の同化にも立ち会った。
春日井甲洋
同化後の彼をあえてICUから脱走させた。

他作品との人間関係

ガンダムシリーズ

シン・アスカ
『UX』にて仲間の危機に戦うことを選んだ彼に修復されたデスティニーガンダムを届ける。
アスラン・ザラ
『UX』では人類軍の襲撃の時に彼に助けられる。その際、名前を明かした彼の次の選択に期待した。
刹那・F・セイエイ
『UX』で中盤、ELSとの対話に失敗して昏睡状態に陥った彼とクロッシングを行い、かつて散った彼の戦友と共に、彼の覚醒を促した。

スーパー系

ウェンディ・ギャレット
Kでは友人になる。
マシュー・デントンライカ・クルセイド
『UX』にて乙姫の最後の同化に立ち会う。デントンの立ち位置は原作での史彦の立ち位置と同一である。また、乙姫はライカの「正体」についても把握しているような言動を彼女に語っている。
エンネア
『UX』では彼女の素性を知っているようなそぶりを見せた。

バンプレストオリジナル

サヤ・クルーガー
彼女の素性に感づいており、しばしば自身の存在意義と命の問いかけを行う。それによりサヤは自らを見出していく。本編中のシナリオテキストからは、アーニー曰くサヤを「始まりの場所」のその先へと導く存在とするなら、そのサヤへ「始まりの場所」へと導いたのが乙姫であったことが読み取れる。

名台詞

「生まれた…。 まだ現れただけ、コアを生まれ変わらせるのはこれからだよ…一騎」
第15話にて、人類軍に占領された竜宮島にいて。まるで、マークザインが変容することを予見したかのように…
「初めての痛み…そのコアが私を私として目覚めさせたように、あなたが総士を総士にした」
「大事な傷、自分である証。総士はね、一騎に感謝してるんだよ」
総士の左目を失明させたことで彼から恨んでるのではないか、自分がいなくなることを望んでいるのだろうかと自己否定に陥った一騎の許に現れて。
「なぜ、総士を傷つけたの? 私が思い出させてあげる。本当の事を…」
上の直後、一騎に自分自身の過去の記憶を映し出した。それは…
「最初はみんな一つだった。大きくて深い場所…そこから出てくる事で、みんなバラバラになった」
「自分が自分に、人が人に、そうして言葉が生まれた…」
「全てが一つ、他人が居ない世界、そこに帰りたいと思う気持ちさえ、新しい発見」
「だって自分がどこにも居なければ、帰りたいと思う事さえ無いもの」
「沢山の触れ合いがそうして生まれた。今の私たちにとっては、傷つけあう事さえ可能性に満ちている」
芹「あの…それって何かのおとぎ話?」
「うん。この宇宙と私たちのおとぎ話」
「神様が私たちにくれた、嬉しくて悲しい…私たちだけの物語」
第15話にて。ここから読み解けば、フェストゥムは異種の生命体を同化という形で一つになろうとしている。
「同化現象も選択の一つだけど、それ以外に道はあるよ」
「私たちの身体には、帰り道と一緒に…これから進む道も記されている」
「あなたはどちらを選ぶ?一騎」
「あなたは…そこに居る? それとも、居なくなりたい?」
彼女は一騎に自分自身への存在を問いかけ、それを受けた彼は「総士ともう一度、話がしたい」と意思を示した。次の瞬間…
「千鶴、ありがとう。でも大丈夫…おかえり」
第16話にて、プレアデス型のフェストゥムが迫る中、千鶴は逃げるように案じた。しかしそれに動ずることなく呟く。そして、は帰ってきた…
「やめて……人は、憎しみばかりじゃないのよ! お願い、わかってぇぇぇーっ!!」
第23話にて、狩谷由紀恵との同化で「憎しみ」を理解してしまったフェストゥムによって島が蹂躙され、悲しみの絶叫を上げる。
「怖い…怖いよぉ」
「ここにいたい、ここにいたいよおっ…」
寿命を迎えミールと再同化する段階に至って、ついに一人の人間として、少女として当然のわがままを吐露する。そんな彼女を千鶴は優しく抱きしめるのであった。

スパロボシリーズの名台詞

K

「ねえ、総士。自分の考えや価値観だけで物事を判断するのはよくない…ここは竜宮島じゃないんだよ。周りをもっと見て、よく考えて…総士の考えも正しいけど、それが全てじゃないよ…」
「ヴァンは仲間達から信頼されてる。総士だってヴァンを信頼できるよ」
第22話「コンフュージョン・カーニバル」より。剣児ヴァンへの不信感と愚痴を漏らす総士を諌めて。

UX

「ごめんね、アスラン。おぶってもらっちゃって…」
第25話「生命-めざめ-」から。「歩くのに慣れていない」と後に乙姫のフォローが入るのだが、ファフナー視聴者からすれば非常事態、ある作品をプレイしたユーザーから「このアスランも有害か!」とネタにされてしまう。
「あたし、行かなくちゃ…」
第25話「生命-めざめ-」より。芹をシェルターに残し、乙姫はアスランと共に戦いを見届ける……という原作再現シーンの台詞なのだが、さりげなくこの台詞と同時に「Separation[Pf]」(TVサイズでの歌い出しが「あたし行かなくちゃ」)が流れる。なお、原作でのこのシーンで言った台詞は「あたし、行かなきゃ」である。
「大丈夫、運命はあなたの味方だよ…」
「それが、あなたの選んだ答え…。あなたが望んだ…運命の翼!」
同じく「生命-めざめ-」より。危機に晒される一騎を救うため、損傷したインパルスガンダムを何とか動かそうとするシンに、乙姫はこの言葉と共にシンの今必要とする力、デスティニーガンダムを届ける。
この時のデスティニーは無人であり、ノルンシステムと同様に動いている、つまり乙姫自身が操縦している様子。