バルザック・アシモフ

2015年4月12日 (日) 21:29時点における119.240.50.60 (トーク)による版 (名台詞を修正)

バルザック・アシモフ(Balzac Asimov)

宇宙の騎士テッカマンブレード

連合防衛軍少佐。従軍記者に扮してスペースナイツに潜入し、テッカマンブレードのデータを持ち帰る。その後、そのデータを基に作られたソルテッカマンのパイロットに自ら志願、中佐に昇進する。スラム街の孤児だった彼は、その生い立ち故に上昇志向が強く、ラダムと戦えるテッカマンブレードに強い対抗心を燃やしていた。しかし、連合軍主導のラダム反攻作戦オペレーションヘブンの際、テッカマンエビルに敗れ、行方不明となる。
負傷したバルザックは農場を営むリルルに助けられ、その弟リックとともに農夫として生活していた。権力に執着していた彼の心は、2人と生活するうちに人間らしさを取り戻していく。そして、テッカマンアックスを追っていたスペースナイツ一同と再会したバルサックは、ラダムに殺された孤児時代からの親友マルローの仇を討つため、愛する2人を守るため、スペースナイツと合流する。
合流後は、ソルテッカマン1号機改に搭乗し、Dボゥイの仲間として彼をサポートする。ラダムとの最終決戦にてテッカマンソードとともに大気圏に突入し、戦死。リルルとの間にはまだ生まれていない彼の子が、忘れ形見として遺された。

宇宙の騎士テッカマンブレードII

既に故人だが、地球連合軍ではその功績を称え、バルザック勲章が設けられている。

登場作品と役柄

携帯機シリーズ

スーパーロボット大戦J
ルート選択と条件を満たさなければ原作と同じく戦死してしまう。生存した場合はラダムとの最終決戦に勝利したDボゥイを救助する。連合軍時も後半の顔グラになっているが、従軍記者時の顔グラは用意されている。
スーパーロボット大戦W
今作では無条件で生き残る。序盤は原作同様に従軍記者に扮してヴェルターに潜入した後にエリート軍人として登場するが、バルザック隊敗退の責任を取って最前線に左遷されていた。その際リルルやリックと出会うが、原作とは異なり農夫ではなく軍人として出会っている模様。その後はラダムの襲撃にあった自分やリルルたちを助けてくれたDボゥイに恩返しすべく、雷牙博士の許で彼のサポート(バルザックいわく『追っかけ』)をするなど裏方で活動していたが、第2部中盤に正式に合流する。Dボゥイやフリーマンと同様に『ガオガイガー』のキャラクターと絡む場面が多く、前述の通り軍を離脱した後は雷牙博士の許で働いており、軍人時代には風龍雷龍の上官を務めていた。なお、本作ではバルザックの代わりにテッカマンソードと相打ちになる役目はバーナードが担っている。なお、連合軍時の顔グラが追加され、テッカマンでもないのに3つも顔グラが存在する事になった。…ただし、テッカマンチームにおいて、カットインが1つしかないのはバルザックだけだったりする。

パイロットステータス設定の傾向

能力値

精神コマンド

JW
偵察集中闘志熱血不屈激励

特殊技能

J
斬り払い撃ち落とし底力L6援護攻撃L3援護防御L3
W
撃ち落としシールド防御底力L8援護攻撃L3支援要請L2指揮L2マルチコンボL3

人間関係

マルロー
孤児時代を共に過ごした親友であり、共に軍にスカウトされた仲。IQ180という高い知能を以ってソルテッカマンを開発した。バルザックと共に軍のトップに上り詰める事を夢見たが、ラダムの襲撃に遭い、フェルミオンエネルギーを自分の身と引き換えに守って死亡。最期に成り上がりの夢をバルザックに託した。
メイラー
孤児時代において、バルザック、マルローと共に窃盗団として飢えをしのいでいた仲であり、二人を軍に引き渡した張本人でもある。後に二人とスラム街の地下バー「Cats」で再会するものの、軍に売った裏切りのツケを払ってもらうと言わんばかりに、マルローに毒を盛られたウイスキーを飲まされ死亡する。
Dボゥイ
当初は軍の命令により彼を調査していたが、30分経つと暴走してしまうという欠陥が発覚すると、「出来損ないのヒーロー」「30分だけのヒーロー」「化け物」などと罵り、一方的にライバル視していたが、再会した後は和解し、過酷な運命に立ち向かうDボゥイの力になろうと尽力する。
ノアル・ベルース
合流後は彼とともにソルテッカマンでコンビを組み、Dボゥイをサポートした。
レビン
頭部が壊れたソルテッカマン1号機を改修してもらった。従軍記者として潜入していた頃から好意的な目で見られていた模様。
リルル
オペレーションヘブンの失敗後、命辛々逃げ延びたバルザックを介抱した女性。
リック
リルルの弟。バルザックを兄のように慕う彼は、栄光と野心に燃えていたその過去を知らず、彼をテッカマンブレードの仲間だと信じていた。旅立ちの際、バルザックにテンガロンハットを手渡されてそれを肌身離さず大事に被っていた。
相羽ミユキ
原作では殆ど絡まないが、Wでは彼女が生存している場合は雷牙博士の許で彼女の世話もしていたらしく、彼女からも信頼されていた。また、Dボゥイに心配をかけまいとする彼女から「自分が生きている事を黙っていて欲しい」と頼まれていた為、Dボゥイには彼女が生きている事を黙っていた。

他作品との人間関係

風龍雷龍
Wではエリートだった頃の部下。当初はバルザックの事に内心腹を立てている場面もあったが、バルザックが左遷された後に改心してノイ・ヴェルターに加わった際にはバルザックを見直す場面も(こき使われて不満も漏らしていたが)。その後も腐れ縁的関係となっている。
リード・ウェラー
Wでは彼が連合軍に所属していた頃は同僚だった。当時は彼から快く思われていなかったようである。
獅子王雷牙
Wでは連合軍を離脱した後の上司。
カズマ・アーディガン
従軍記者に扮してヴェルターに潜入していた際には彼のヴァルホークに乗せてもらう場面も。バルザックに利用された事に腹を立てており、彼が左遷されて過酷な目に遭っていた事を知った時は自業自得と思っていたが、彼の改心を知って見直している。
ホリス・ホライアン
第2部にてバルザックと再会した際、バルザックの改心のきっかけに女性(リルル)の存在がある事を見抜く。

名台詞

従軍カメラマン時

「へぇ~…これが今噂の、スペースナイツ基地ねぇ…」
初登場時、従軍カメラマンを装ってスペースナイツ基地の入口前でハンディカメラのシャッターを押しながら。この後、警備員に注意されるが気にもせずにシャッターを押し続け、ストロボの閃光を利用して油断させた後基地内に潜入する。
「ヒュウッ! 興奮しない興奮しない。折角の可愛い顔が台無しだよ?」
ミリィ「やぁだ、可愛いだなんて…」
レビン「やぁだ、可愛いだなんて…」
「え?」
格納庫内にて、思わぬ侵入者であるバルザックに警戒するミリィに対して。彼の言葉にミリィだけでなくレビンにまで反応されてしまい、あっけに取られてしまうのだった。
「バルザック・アシモフ。UPF通信所属の従軍カメラマンだ。今をときめくスペースナイツの取材ってワケさ」
司令室で自己紹介する際に。この場面の前に、不審者だと思われた本田に自身の説明を行った模様。
「おーっと、何と言おうとついていくよ。俺にはジャーナリストとして、スペースナイツを取材する義務があるんでね」
ノアルにただの従軍カメラマンを連れて行くわけにはいかない、とフリーマンに異議を唱える際に。
「噂じゃ、記憶をなくしてるって話だが…ホントの所、どうなんですか?」
テッカマンブレードことDボゥイに対する質問。
「ほーっ! 綺麗な顔して、こりゃなんと手厳しい!」
上の台詞の後、アキに「最近の従軍カメラマンって、芸能レポーターまがいの事までやるわけですか?」と質問を阻まれた後で。
「おー、こわ。わかりました…フリーマン司令官」
フリーマンに、「一定限度内の撮影は認めるが任務遂行の邪魔になる行為は一切認めない」と忠告された後で。大げさに肩をすくめた後、帽子を深くかぶり真意を悟られないようにする。しかし、フリーマンは彼の鋭い眼光を見逃さなかった。
「どうしてだ? どうしてお前さん以外テッカマンになれないんだ? 何か特別なモンでもあんのかい? そもそも、テッカマンって何だ? ラダムの兵器じゃないのか? それを地球人であるお前さんが変身できる…その辺詳しく聞かせてくんないかなぁ? テッカマンのお兄さん?」
ブルーアース号の格納庫内でペガスをカメラに収めた後、バルザックはDボゥイにテッカマンとは何か、と問い詰める。
「へっ、気の短い野郎だな。ま、嫌われついでに聞いちまうが、お前さん本当に記憶をなくしてんのか? 何か大切なこと、隠してんじゃ…?」
上の質問に対し、Dボゥイは「俺はなぁ…人に詮索されるのが大嫌いなんだ! そんなに知りたきゃ自分で調べるんだな! 自分自身の手で!」と回答を拒否するが、それに気圧されずにバルザックは更なる問いかけをする。最後の台詞にDボゥイは彼から視線をそらしてしまう…。
「どけっ! 別回線に切り替えるんだ!」
第8話にて、ラダムに寄生されたオービタルリングのプログラムロック解除作業の最中、ブレードとラダム獣の交戦の影響でメイン回路が損傷、無差別砲撃のプログラムが発動してしまう。プログラム解除コードを探すアキだが、全く見つからずもたついてしまう。見るに見かねたバルザックは、自ら手を出して従軍記者と思えぬほどのスピードで入力、プログラムを停止させるのだった。
「…記者さ。ただの足し算の得意な、ね」
記者とは思えぬ手際のよさでプログラムを停止させたバルザック。一同はその行為に感謝するものの、ノアルに一体何者なのか、と問われた際、彼はこう切り返した。
「はい。予想を遥かに上回るパワーです。はい…わかりました。調査を続けます」
「さて! これからゆっくりと、テッカマンの秘密を探らせてもらうかな。フッフッフ…」
第8話ラスト、秘匿回線で防衛軍に報告しながら。上段の台詞の後、通信回線を切ったバルザックはスペースナイツとテッカマンブレードの調査続行にいそしむとするか、と不敵に微笑むのだった。
「ふう~…あいつが男とは、どうしても思えんなあ」
第9話、司令室に向かうレビンの仕草と言動に困惑しながら。
「オッケ! 俺の記事が出回りゃあ、レビンちゃんはたちまち巷のアイドルだ!」
第10話、対話も可能なペガスを撮影しながら、ペガスを設計したのは自分よ、自慢するレビンに対して。演技とはいえ、なかなかのお世辞である。
「俺に言わせりゃ、お前さんは自分の境遇に酔ってるだけだぜ。違うかい? 『自分しかラダムと戦えない』って言う、運命にな!」
第16話、ひとりテックシステムの暴走と肉親との戦いに苦悩するDボゥイに対して。
「失敬、少し興奮しちまったようだ。いいのかい? またラダムが来たみたいだぜ?」
「ま、せいぜい頑張ってくれや。30分だけのヒーローさんよ!」
偽の兵器情報を流したラダムが出現する報を聞き、ブルーアース号に向かうDボゥイへの皮肉。
「へっ…ラダムの奴ら、どうやらうまい事食らいついてくれたらしいな…」
上の台詞の後、バルザックは空に目をやり、この台詞とともに羽を休めた3匹のハゲタカが舞い上がるのを確認する。果たしてここでのハゲタカとは、偽の情報にむらがるラダムか、ラダムを狩ろうとするDボゥイか、それともバルザックか…?
「ここは…!? 大正解だな、こりゃ…」
並み居る迎撃システムを潜り抜け、フリーマンのシークレットルームに入り込んだバルザック。そこで彼が見たものは数多くのテッカマンを模した強化戦闘服だった。
「何から何まで、お見通しだったということか。食えない人だぜ、あんた。軍にも情報網を持ってたって訳か。さて、俺をどうする? 告発するか? それとも軍相手の取引に使うかい?」
人造テッカマンの製作工房で、フリーマンに銃を突きつけられて。
「ば…馬鹿な! 何が望みだ!? 金か!? それとも軍での地位か!? 地球人類全てのため、とかいう安っぽいヒューマニズムってやつか? いや、違うな。あんたはそんな甘い男じゃない!」
フリーマンからテッカマンの分析データのコピーを手渡され、困惑するバルザック。任務と栄光が全ての軍の行動原理が染み付いたバルザックにとって、フリーマンの行動は不可解なものであった。
(厚意はありがたく貰っておく、フリーマン。だがな、俺はあんたの掌の上で踊る様なタマじゃないぜ。忘れるなよ、この礼は近い内に、必ず返してやる…!)
「あばよ、スペースナイツ。今度会う時は、戦場でだな!」
第16話ラスト、不本意な形でテッカマンの分析データを得たバルザックはこのモノローグと共にジープを走らせ、サングラスをかけてスペースナイツ基地を後にする。彼が去るのと同時に上空からDボゥイを乗せてブルーアース号が帰還しようとしていた。テックシステムの暴走に怯えかけるDボゥイと栄光と野心に燃えるバルザック、二つの感情がすれ違っていく…。

連合軍時

「ヘーイ、オペレーターの彼女っ! ヒゲのない俺って、なかなかイカすだろ?」
第17話より。従軍カメラマンとしての潜入任務を終えたバルザックは、伸ばしていたヒゲを剃った後、掛け軸の絵に隠された監視カメラに気付き、画面越しからこの台詞を言う。この時、オペレーターは女性だったが、男性だったらどうなってたのだろうか…?
バルザック「偶然とはいえ、こんな近くに俺達の故郷があるとはねえ…ここまで臭ってくるようだぜ。懐かしいスラムの臭いがよ!」
マルロー「…そうさ。私も研究が思うように進まない時には、いつもここにやってきて、あのスラムを眺める。すると、スラムの臭いが蘇って反吐が出そうになる。また研究に没頭できるって寸法さ」
バルザック「フン、世界中がラダムのものになっても、あのスラムだけは残しておいて欲しいもんだな」
共にラダム樹に覆われたニューヨークのスラム街を見やる際のやりとり。もっとも、二人の脳裏をよぎるのは、その街に漂うような掃き溜めの臭いと同じ、耐え難い忌々しい記憶でしかないのだが、そこで過ごした地獄のような日々が彼らを突き動かす根源となっている。
マルロー「フェルミオン砲発射の衝撃にも、特に異常はない。想像以上にいい出来だ…」
バルザック「そうとも、マルロー。さすがにお前が作っただけはある」
第18話、ラダム獣との交戦終了後のやりとり。自ら設計したソルテッカマン1号機の性能に感嘆するマルローをバルザックは下段の台詞で褒め称える。二人の強い信頼関係が感じられるやりとりである。
「フッ…やあ、しばらくぶりだな。スペースナイツのボーイズ・アンド・ガールズ。もっとも、今はガールは一人だけか?」
第18話、ソルテッカマン1号機のハッチから姿を曝け出し、スペースナイツに再会した時に。最初、何者なのか困惑したスペースナイツだったが、彼が両手でカメラを作り、シャッターを切る仕草でバルザックである事を理解するのだった。
「ヒゲがない俺も、なかなかだろ?」
上記の台詞の後、かつて従軍カメラマンだったバルザックに驚くスペースナイツに対して。
この後、スペースナイツが警戒するものの、レビンの場合は「見違えちゃったわね…!」と素直に感嘆してしまうのだった。
「へっ、ぬいぐるみとはご挨拶だな。フフフ…今はそっちの方が、ただのぬいぐるみだぜ!」
ノアルに「なんであんたがそんなぬいぐるみに入ってんだ?」と問われた際、バルザックはこの台詞と共に暴走の危険に怯えていたブレードに辛らつな言葉を投げつける。
「『ラダムと戦えるのは俺だけだ』と粋がってたのは、誰だっけかな? どうだ、ブレード? 感想は? たった今、目の前でこの俺がラダムを倒したんだぜ?」
「もはや役立たずのお前などは必要ない。30分で化け物になるばかりか、仲間の危機も救えない。また暴れ出さないうちに、さっさとDボゥイに戻ったらどうだ? ええ? 化け物さんよぉ!!」
ソルテッカマンの戦闘力に酔いしれていたバルザックは、Dボゥイにこの台詞を一方的に投げ付けていく。最後の「化け物」という言葉は、テックシステム暴走の恐怖に怯えていた彼の心に、更なる追い討ちをかけることになる。
バルザック「マルロー、素晴らしいじゃないか。あの掃き溜めのようなニューヨークのスラムを這いずり回ってた俺達が、ありとあらゆる地位と名誉を手に入れることができるんだ」
マルロー「ああ…」
バルザック「このソルテッカマンで…! 貴様にこの気持ちがわかるか? Dボゥイ…!」
上記の言葉に返す事もなくブレードはペガスの方へと向き歩む。その様にいい気味だと嘲笑するバルザックはマルローにそれくらいにしておけ、と右肩を叩かれ、この台詞と共にソルテッカマン1号機の姿にただ感嘆する。やがて二人に訪れるであろう、栄光と共に。
マルロー「フフフフ…これで科学技術長官も夢ではなくなった…」
バルザック「うむ…!」
マルロー「人生最良の日だ…!」
バルザック「まだまだ…これからは、毎日がそうさ。フフフ…!」
コルベットの通信の後で。自らソルテッカマン操縦者第1号となり、中佐へと昇進したバルザック。
IQ180の知能をもってソルテッカマンを開発し、フェルミオン研究施設の責任者となるマルロー。
両者は互いに与えられた功績を喜び、固い握手を交わす。そして、これからは更なる栄光の道を歩めるだろうと、不敵に微笑むのだった。しかし…。
「許せぇっ!! マルロォォォォッ!!」
「うおおおおおおおおっ!!」
ラダム獣の思わぬ襲撃にマルローは窮地に陥る。フェルミオン砲による射撃戦に特化したソルテッカマンはブレードのように近接戦用の装備が施されていないのだ。フェルミオンケースを投げながらマルローは自分ごとラダムを撃て、と叫ぶ。そして彼はラダム獣の爪に捕えられ、深い傷を負ってしまう。バルザックはこの台詞と共にラダム獣に向けフェルミオン砲を発射する。トリガーと共に放たれた光弾と共に、二人の記憶が走馬灯のように駆け抜けていく…。
バルザック「マルロー…マルロー…!」
マルロー「フェ…フェルミオンは…?」
バルザック「安心しろ…無事だ…!」
マルロー「よ、よかった…こ、これで、二階級特進だ…ちょ、長官だぜ…! わ、私の分まで…け、権力と、名誉を…!」
バルザック「ああ…! 必ず成り上がってみせる…必ず!!」
マルロー「……」
バルザック「マルロー!? マルロォォォォッ……! う、ううっ……マルロォォォッ!!!」
マルロー死亡時のやりとり。ラダム獣は退けたものの、志半ばでマルローは命を散らす。共に栄光を分かち合えるはずだった友の死に、バルザックはただ号泣するのだった。
「Dボゥイ!戦場で恐怖に勝つ事のできない者は、ただのクズだ! 俺はお前に勝ったぞ! お前はもうただの、化け物だ!!」
「これから先、俺の邪魔をするな!! 化け物さんよぉっ!!」
マルローの死後、Dボゥイに対して。唯一心を許せる友を失ったバルザックは、悲しみと怒りと共にDボゥイにこの言葉をぶつけていく。「ただの化け物」、これに対し激しく首を振り否定する様に構わずバルザックは下段の台詞を言い放つと、Dボゥイは我を忘れ彼に向かって突進していく…。
「へっ、痛めつけられてきた地球人の大逆襲…全人類の夢がかかった戦いってか?」
「新しい英雄伝説誕生には、うってつけだぜ!そうと決まれば…!」
(地球最強の力…たっぷりと見せてやるぜ…へっ!)
第19話、第二次ラダム反抗作戦・オペレーションヘブンの先遣部隊の指揮官としてバルザックは軌道エレベーター内で獅子奮迅の活躍を見せ付ける。今は亡き友・マルローの忘れ形見とも言えるソルテッカマン1号機を自らの手足のように操り、ラダム獣を蹴散らしながら彼は不敵に微笑む。
「フッ、俺に輝かしい未来を与えてくれるとなれば、その醜い姿も愛しく見えるぜ!」
フェルミオン弾の装填を確認した後、バイザー越しから足元に群がるラダム獣の屍を見ながら。この後、思わぬ相手がバルザックら先遣部隊の前に襲い掛かる。
「テッカマンエビル…とうとう出てきやがったな!」
(名前を上げるには、格好の獲物だぜ…!)
歩兵部隊を文字通り血祭りに上げていくテッカマンエビルを前に、バルザックは照準機越しから闘志と野心を燃やしていく。
「慌てなさんなって! 一撃必殺、今すぐあの世に送ってやるぜ!」
「例えテッカマンエビルと言えども、こいつを全部撃ち込めば!」
歩兵部隊がエビルに蹂躙されていく中、バルザックはフェルミオン砲の照準をエビルに向ける。この時ターゲットサイトのモニターには、エビルの横に「KUSOYAROU」と表記されていた。
「うぅ…ぐはっ…」
「ぐっ…死んで…たまるか! こんな…こんなところでぇ! うおわっ!」
「こんな…こんなところで…死んでたまるか……この……俺が! ぐっ、ううっ…うう…!」
第20話冒頭より。オペレーションヘブンはテッカマンエビルの出現により失敗に終わった。エビルの戦闘力とボルテッカに圧倒され、装甲の剥がれた状態となったバルザックは廃墟と化した軌道エレベータ内で身を引きずらせながら地上に降りていく。
(俺は…死ぬのか…? こんな、こんな所で…!?)
(フッ…ま、こんなもんだよな。なあ? マルロー…)
第33話回想シーンより。軌道エレベータから帰還するものの、防衛軍の救援すら来ない荒野をさ迷うバルザック。スラム街ではなく荒野の屍と化すか、と己の運命に自嘲げに微笑み、彼は志を共にした親友の名を呟く。だが、ここで運命のいたずらが…。

33話以降

バルザック「久しぶりだな。スペースナイツの、ボーイズ・アンド・ガールズ。そして、Dボゥイ…」
Dボゥイ「バ、バルザック…!?」
バルザック「こんな辺鄙(へんぴ)な所で再会するなんて、運命の出会いってヤツかな?」
ノアル「貴様ぁ…よくも抜け抜けと!!」
バルザック「腹減ってないか?リルルの飯は、ちょっとイケるぜ。行くぞ、リック」
第33話、リルルとリックの住む農場でスペースナイツと三度再会する時に。テンガロンハットを被り、西部開拓時代の農夫のごとく、世捨て人として暮らすバルザックは、野心とDボゥイへの敵愾心に燃えていた頃とはまったく異なっていた。
「ご覧の通り、無事だったってだけじゃ、駄目なのかな?」
食卓にてアキに「オペレーションヘブンの後、一体どうしてたの?」と問われてはぐらかす際に。
「以前の俺は、権力と名誉を手に入れるために戦い続ける、野獣みたいなもんだった。だが、その求めていたものが、すべて砂上の楼閣だと気付いた時、俺の手の中には何一つ残っちゃいなかった。何一つ…」
第33話、リックが寝静まった後、リルルの皿洗いを手伝いながら。この台詞の後、バルザックはひとり荒野をさ迷っていた過去を回想する…。
「俺は…いつの間にか泣いていた。すべてを赤く染め上げた、夕陽の中で…自分でもわからない感情の渦が、まるで堰を切ったかのように、俺は立ち尽くし、泣き続けた」
「この雄大な自然の中で、大地に鍬(くわ)を下ろす度に、俺は人間としての心を取り戻していった。俺はリックとお前を守っている。これまでも…そして、これからもずっとだ!」
リルルの農場で目を覚ましたバルザックは家の戸を開ける。目の前に広がった麦畑は美しく、幼い頃過ごした掃き溜めのようなスラムの街並みや野心と栄光と陰謀が渦巻いていた防衛軍しか知らない彼の心を洗い流すようなものであった。栄光、野心、すべてを失った男は、安息の地を得て、過去から足を洗い人間として生きようと決意するのだった。しかし…。
「マルロー……」
「マルロー、俺達が求めていたものって、何だったんだろうな? 何もかもなくしちまった今、やっとわかったような気がするぜ。マルロー…お前との約束、果たせねえや。わかってくれるよな…? 今の俺には、守るべきものがあるんだ。守るべきものが…守る…ぐうっ!!」
「戦いたい!! 戦ってラダムを倒したいんだ!! お前を殺しちまったラダムを!!」
スペースナイツ、そしてリルルが眠る中、バルザックは朽ちたソルテッカマン1号機の前で親友であるDr.マルローを想う。足を洗おうと決意した、といえども苦楽を共にした友を殺したラダムへの怒りと憎しみは消えず、その行き場のない拳を愛機の装甲へと叩きつける。偶然ながらも、その様を目の当たりにしたDボゥイはラダムの本拠地がにある事と行くためには敵テッカマンのクリスタルが必要だと、重要な情報を彼に伝えるが…。
「さぁて、やるか! 今日は暑くなりそうだぜ!」
グリーンランド号が去ろうとする中、リルルに真意を悟られないようにバルザックはわざとらしい様で鍬をかつぎ、いつものように畑仕事にいそしむふりをする。しかし、そこにラダム獣とテッカマンアックスが襲い掛かる。
「甘いぜ、ノアル! まだ使いこなせてないのかよ!」
「ソルテッカマンにはなぁ、こういう使い方もあるんだぜ!!」
リルルの後押しを受け、バルザックは再び戦場に戻る事を決意、中破したソルテッカマン1号機を纏いスペースナイツを援護する。
「そう怒るなよ。何度も地獄を潜り抜けた勲章だぜ、それは」
第34話、グリーンランド号の格納庫内で頭部を失い所々装甲の剥がれたソルテッカマン1号機の姿をレビンに「まったく、よくもこんなに傷だらけにしてくれたわね。畑のカカシ代わりにしてたんじゃないの?」と皮肉を言われた際に。この後、修復&強化するレビンの手腕にも感服するのだがカメラマンとして潜入していた時代から気に入られていたのか、「お礼のキスならいいのよ」と言われてドン引きしてしまうのだった…。
「人に聞くな。自慢じゃないが、俺は方向音痴なんだ」
ジープがラダム樹の湿地帯にはまり、走行不能状態に陥る。1分1秒も惜しむ間もないDボゥイは走り去った後、ノアルに「どっちに行った?」と問われ、バルザックはこの台詞を言う。
「ぺガスが動けねえなら、こっちから行くまでさ! 行くぜえええっ!!」
テッカマンアックスお抱えのラダム樹の吐き出した樹液はペガスを拘束し、Dボゥイのテックセットを阻ませる。窮地に陥ったDボゥイを抱え、バルザックはこの台詞と共にソルテッカマン1号機改を走らせる。防衛軍時代からは予想もつかないサポートにこちらも驚かされる。
「そうだそうだ、もっと寄って来い…! くらえぇぇぇっ!!」
第37話、自ら囮となりノアルをグリーンランド号に急がせるバルザック。群がるラダム獣を限界まで近接させ、拡散フェルミオン砲をお見舞いする。
「さあ、ショータイムといこうぜ。ノアル!」
第39話、アラスカに建造された新スペースナイツ基地に群がるラダム獣を前に、ノアルに向けて。Dボゥイの「ブラスター化が完了するまで1時間、それまで死守できるか」の正念場に彼は挑む。
「これが進化したテッカマンのパワーかよ…」
ブラスター化を果たし、テッカマンランスを跡形もなく消滅させたブラスターテッカマンブレードの力をノアルと共に見やりながら。
「そいつは、シビアな話だ。ラダムにしてみれば、こんな物ガラクタ同然だもんな」
第41話、昏睡状態のDボゥイを医者が診断し身体の組織崩壊が見られなかった事を知った後、格納庫内でノアルと共にソルテッカマンを見やりながら。オペレーションヘブンでテッカマンエビルに完膚なきまでに敗北したバルザックからすれば、苦々しい体験であろう。
「Dボゥイ、止めても無駄なようだから止めはせんが、その代わりアキのために、『Dボゥイ』という言葉だけは忘れるな」
「お前は確かに『相羽タカヤ』さ。だがな、アキ達は『Dボゥイ』って名前のお前と戦ってきたんだ。『Dボゥイ』って名前のお前とな。今のお前にとっちゃ、どうでもいい言葉かもしれない。だがアキにとっては、自分とお前を繋ぐ大事な言葉なんだ。それだけは、覚えとくんだな」
「ま、女捨ててここに来た俺の台詞じゃねえけどよ! じゃあな!」
第42話、フリーマンの制止を振り切り再びテックセットしようとするDボゥイに本田とレビンは戸惑うが、偶然通りがかったバルザックがDボゥイと二人にするように頼む。その後、バルザックはブラスター化による記憶障害で『Dボゥイ』というニックネームを忘れかけている彼にこの台詞で激励、アキとの繋がりを忘れるな、と言うのだった。最後の台詞はリルルという女と出会わなかったらこうも言えなかっただろう、という照れ隠しの表れか。
「俺は惚れてもいねえ女と心中する趣味はねえよ。だがブレードとブルーアス号は人類に残された最後の希望だ。それだけは守ってみせるぜ!」
月のラダム基地を目指すブルーアース号に襲い掛かるテッカマンソードを迎え撃ちに行くに際して。
この時、彼は肌身離さず持っていたはずの恋人とその弟と共に写った写真を機内に残していた。それが意味するものとは……。
「けっ! しつこい女は…嫌いだぜぇ!」
ソルテッカマン二号機を駆り、テッカマンソードとブルーアース機上で相対して。干渉スペクトル砲をソードに撃ち込み、テックセット解除を狙うが、ソードの執念は干渉スペクトルの影響を上回り…
「リルル…元気でな…」
バルザック、テッカマンソードを道連れに逝く。愛する者への別離の言葉と共に…。

スパロボシリーズの名台詞

「ヒゲがない俺もなかなかだろ?」
Jにて、「血を分けた悪魔(後編)」での初登場時の台詞。Jでは連合兵時代のグラフィックが用意されていないため、ヒゲを剃っただけで日焼けした後期の顔つきになってしまう。
「お前らの部隊はネルガルの奴らも含めうさんくさい奴ばかりだが、こいつらは最重要監視対象だ。わかってるだろうがどいつもこいつも敵の奴だからな。お前さんたちの報告だけで信用しろってのが無理ってもんだろうよ」
「血を分けた悪魔」にてキラエイジの調査も任務の一つと明かした後に続けて。自軍部隊のお約束について皮肉ったセリフともとれる。
「…遅えよ、お前ら…。男二人連れを…いつまで放っときやがる」
Jにて、ラダムとの最終決戦の後、Dボゥイとともに仲間に発見された時の台詞。
「やれやれ…ガキのうちは、ガキらしい遊びをしとかないと、ヒネた大人になっちまうぜ……」
「俺やあのDボゥイみたいにな」
Wの第1部、まだ身分を偽って潜入中だったころ、カズマの意外にも大人びている一面を目にして、見かねた上の一言。子供のころ、生きるのに追われてガキらしい遊びをするどころではなかったバルザックらしい言葉である
「おいおい…お前達の隊長は俺じゃないのかよ」
Wの第2部中盤にてゼクスノインノイ・ヴェルターに合流した際、風龍雷龍が今なおゼクスを「ウインド隊長」と慕う反応を見ての一言。かつては「隊長」と呼び慕ってくれた元部下二人の「浮気」に、思わず寂しそうに呟く。その姿には、元上官としての一抹の哀愁も漂う。
「自分が生きていることを知ればDボゥイは自分を守るために戦い、また無茶をする事になる…」
「無鉄砲な兄のために健気にも自分の思いを押しとめたってわけさ」
Wの第53話シナリオ前でのセリフ。ミユキが自分が生きていたことを隠し続けていた理由がバルザックの口から語られた。
「ま…GGGもいっしょって事で俺は隊長として風龍と雷龍をシゴいてやるとするかな」
WのEDより。スペースナイツGGGの両組織の中心メンバーが木星圏・土星圏へと旅立つことになり、同行を決めたバルザックも、Dボゥイを激励しつつ、自らも「隊長」としての抱負を語る。…もっとも、二人との「隊長と部下」の関係はバルザックが一方的に言っているだけらしいのだが。何にせよ、バルザックと風龍雷龍兄弟の腐れ縁はまだまだ続きそうである。