ロックオン・ストラトス (2代目)
ロックオン・ストラトス(2代目 / Lockon Stratos)
- 登場作品
- 機動戦士ガンダム00
- 劇場版 機動戦士ガンダム00 -A wakening of the Trailblazer- (未参戦)
- 声優:三木眞一郎
- 本名:ライル・ディランディ
- 種族:地球人(北欧ヨーロッパ・アイルランド出身)
- 性別:男
- 生年月日:西暦2283年3月3日
- 年齢:29歳(2nd)→31歳(劇場版)
- 血液型:B型
- 所属:ソレスタルビーイング / カタロン
- 称号:ガンダムマイスター
- キャラクターデザイン:高河ゆん(原案)、千葉道徳
ソレスタルビーイングに所属するガンダムマイスター。
初代ロックオン・ストラトスであるニール・ディランディの双子の弟である。
兄の援助もあり、AEUの商社に勤めながらも、裏では反連邦組織であるカタロンの構成員『ジーン1(ワン)』として活動していた。
ソレスタルビーイング復活の際に刹那から誘いを受け、ガンダムマイスター『ロックオン・ストラトス』として加入する。これにはCBの情報をカタロンに流出させるという目的もあったが、後に共同戦線を取ったため、結果としては橋渡しになっていた。
外見は兄と瓜二つであり、刹那以外のCBメンバーと初対面した際に彼らを驚愕させていた。一方、性格は兄と比べて飄々しながらも達観した所があり、表立って激昂することは少ない。また、喫煙者であり言葉遣いの語尾など細かい相違点もある。
本人は兄と比べられることをあまり気に入っておらず、このコンプレックスにより少年時代は親元を離れ寄宿舎に入っていた(これがきっかけでテロに巻き込まれずに済んでもいる)。その一方で、兄の口癖であった「狙い撃つぜ!」を真似し、小説版では自分の学費を援助してくれたニールのために、彼が自慢できる弟になりたいと思っているなど、兄への感情はコンプレックスと尊敬が入り混じった複雑なものになっている。イノベイターとの決着後は真の意味で、兄の使命とその名『ロックオン・ストラトス』を引き継ぎ、最期までソレスタルビーイングの一員として平和が訪れるまで戦うことを誓った。
劇中ではモビルスーツの適正こそ高いものの、経験が不足しているためか兄のような戦果を得られず、苛立つ場面も見られた。一方で、ニール同様に射撃を学んでいた時期があり、生身での射撃の実力は作中で飛びぬけている。兄の後を継いだために狙撃機に乗る事になったが、本当に得意としているのは早撃ちであり、あのサーシェス相手に、先に向こうが銃を構えている状態でありながら早撃ちで完全勝利した(マガジンZ版では銃を構えさせる間も与えず射殺した)と説明すればどれ程のものかが分かると思われる。
登場作品と役柄
Zシリーズ
- 第2次スーパーロボット大戦Z破界篇
- ニールのセリフで存在が示唆されるのみ。
- 第2次スーパーロボット大戦Z再世篇
- 初登場作品。能力値はニールには劣るものの、それでも十分に使っていける。特殊技能はやはりヒット&アウェイを最優先だろう。また原作通り当初は若干軽薄さが目立っており特にスナイパーとしてニールを尊敬していたミシェルから一方的に敵視されていたが最終的には和解。原作と違いフェルトとの確執についてはさすがにキスまではしなかったのでビンタはされていない(しかし自分の部屋に来ないかと誘っておりある意味原作よりもアレな事をしている。当然、シンやカレンから顰蹙を買った)。また今作では条件を満たせばアニューを助けることができるのでその点では救われている。尚、冷静に受け止めていた原作とは違い兄の仇であるサーシェスに対しては当初から怒りを露わにしている。
パイロットステータス設定の傾向
能力値
兄同様射撃・命中に優れる。全体的に高い能力を誇るが、破界篇のニールと比べるとさすがに負ける。
精神コマンド
特殊技能(特殊スキル)
固有エースボーナス
- 命中率+30%、クリティカル率+30%
- 要するに極の弱体化版。兄のエースボーナスは「クリティカル率+40%」だったので、見様によっては兄の上位互換と見ることも十分可能な内容である。防御に関してはケルディムにシールドビットがあるのである程度は問題ない。
パイロットBGM
- 「儚くも永久のカナシ」
- 2ndシーズンOP。
人間関係
- ニール・ディランディ
- 双子の兄で唯一の肉親。兄の後を引き継ぐ。
- 刹那・F・セイエイ
- 自身をCBへと導いた。なお、他のメンバーはライルの事を知らず、刹那だけ知っていたのは、ニールから事前に聞かされていたからという事が高河ゆん作画のコミカライズで描かれている。
- アレルヤ・ハプティズム
- 初対面時に驚愕していた。その後は特に絡みらしいものは見られず。
- ティエリア・アーデ
- 瓜二つの外見に驚愕しつつも、直後にニールとは別人として嫌悪感を露わにしたがその後の関係はそれほど険悪ではない。
- フェルト・グレイス
- 兄の事が好きだったトレミーのオペレーター。割り切れない彼女に自分と兄の違いを分からせるために唇を強引に奪う。当然ビンタをされて軽蔑されるが自身のコンプレックスであるニールと比較されることはライルにとっては屈辱以外の何物でもなかった。
- アリー・アル・サーシェス
- 両親、そして兄と妹の敵であるが当初サーシェスが仇と聞いても「過ぎたことだから」と言って冷静に受け止めていたが、第2次Z再世篇では最初から絶対に許せない敵として怒りを露にしている。最終決戦において引導を渡す。
- アニュー・リターナー
- トレミーのオペレーター。心を通わせ恋人同士になる。だが彼女の裏切りと死によって悲恋に終わる。第2次Z再世篇では彼女を救える展開が用意されている。
他作品との人間関係
- クロウ・ブルースト
- 破界篇で兄と親友のような関係だった男。再世篇では刹那同様、自分の存在を兄から聞かされていたためか他のZEXISメンバーと違って大して驚かず、最初からニールと必要以上に比較せず別人として接したため、すぐに打ち解け、苦労人仲間に引きずり込まれた。
- ミハエル・ブラン
- 当初はロックオンの称号を受け継いだライルを認めることが出来ず敵視していたが、後に和解。
- 青山圭一郎、デュオ・マックスウェル
- 再世篇での貧乏クジ同盟。青山とは何かと会話する場面が多い。ちなみに青山とは中の人が同じであり監督と創通制作も同じである。
- ゼロ
- 彼にロロを篭絡するために狙撃を依頼され、彼の肩口を射抜く。そのまま目的を達成するために行動し続ける彼を見て「タフな奴」と評する。スタミナの無さをネタにされることの多いゼロ(ルルーシュ)にとっては例外的な評価である。
- 紅月カレン
- フェルトの気持ちを逆撫でする態度を取った際に彼女から怒りを向けられる。
名台詞
本編
- 「そんなに似てるかな? 俺と兄さんは…」
「俺は兄さんじゃない」
「その反応、飽きたよ」 - 以上の台詞は全て兄と思われた際に発した台詞である。
- 「気付かせてやったんだ。比較されちゃたまらんだろ…!」
- 兄である先代ロックオンことニール。彼に好意を抱き、ライルに兄の面影を重ね合わせるフェルト。そんな彼女に対して、ライルは自分とニールとの違いをわからせる為に無理矢理唇を奪い、その後ビンタされてしまう。彼女が去った後、ハロに「フラレタ!フラレタ!」と言われた際にライルはこの台詞を言う。兄にコンプレックスを持っているライルにとって、ニールと比較されることは屈辱以外の何物でもなかった。
- ライル「…なぁ、ハロ。兄さんは戦うときに何か言ってたか?」
ハロ「狙イ撃ツゼ! 狙イ撃ツゼ!」
ライル「オーライ。ケルディムガンダム、ロックオン・ストラトス、狙い撃つぜぇ!」 - ハロからの情報を基に、兄と同じ口癖を使用。なお、「ぜ」の部分のイントネーションが微妙に異なっており、ライルの場合は上がる。
- 「これが…こいつがっ!人間のやることか!」
- カタロンの基地跡で、無抵抗の人間までも殺戮し続けるオートマトンを目の当たりにして。
- 「すべて過ぎたことだ、昔を悔やんでも仕方ねえ。…そうさ、俺達は過去じゃなく、未来のために戦うんだ」
- 刹那の過去を聞いた後で。ニールに比べると割り切り方は早いように見えるが、小説版にてライルは家族への愛着を持てず苦悩していた事を考えると、割り切ったのではなく、刹那が家族の仇と聞いても何とも思わなかっただけだったのかもしれない。
- 「ロックオン・ストラトス、その名の通り、狙い撃つぜ!!」
- メメントモリ攻略戦にて。この瞬間、ライルは成り行きで手に入れた『ロックオン・ストラトス』のコードネームを受け継ぐ決意を固めた。
- 「アニュー…愛してるぜ?」
- 恋人となった後,出撃時にアニューに言った一言。彼は狙撃だけでなく早撃ちも旨かった。
- 「撃てよ…狙い撃てよ。俺は何のためにここにいる…? 何のために、カタロンに…ソレスタルビーイングに…?」
「うわぁぁぁぁっ!!」
「何て情けねぇ男だ、ライル・ディランディ! 俺の覚悟はこんなもんか…?こんなぁぁぁっ!!」 - イノベイターに目覚めたアニューは、リヴァイブと共にプトレマイオス2から離脱、ライルはアニューらが乗る離脱艇に照準を向け狙い撃とうとする。しかし、『ロックオン・ストラトス』としてではない自分を受け入れてくれたアニューへの思い出がそれを許さなかった。結局、離脱艇を逃してしまったライルは、非情になりきれない己への怒りをコックピットにぶつけることしかできなかった。
- 「かっこつけんなよ、ガキが」
- 次に出撃する時はトリガーを引きアニューを狙い撃つ、と強がるライル。そのやせ我慢に対し、「もしもの時は俺が引く。その時は恨めばいい」と諌める刹那に向けた台詞。
- 「お前をもう一度俺の女にする。嫌とは言わせねぇ! 欲しいもんは奪う、例えお前が…イノベイターだとしても! アニュー、戻ってこい…アニュー!!」
- ガッデスを駆り敵として対峙したアニューに対して、ライルはこの言葉と共にトランザムを発動させ、力づくでアニューへの説得を試みる。しかし…
- 「あいつは戻ろうとしていた! イノベイターではなく、人間として…俺たちの元に!!貴様のせいでぇぇぇっ!! 貴様の…うう…あぁ…アニュー…うわぁぁぁぁぁっ!!」
- リボンズの介入によりアニューは自らの意志に関係なくライルを殺そうとするが、彼を守ろうとした刹那の攻撃で彼女は命を散らす。量子空間でアニューと最期の会話を交わしたライルは、帰還後ブリッジで一方的に刹那を責めていく。ライルの拳と行き場をなくした悲しみを、ただ一身に受け止める刹那の耳に響くものは愛する者を失った男の慟哭、そして…。
なお、第2次Z再世篇では条件によりアニューは生存する事ができるので、満たすとこの台詞は発生しない。 - 「兄さん……」
- アニューを殺さざるを得なかった刹那。その背中越しからライルは銃を向け狙い撃とうとするが、「もしもの時は~」と言っていた刹那の心情や、同じガンダムマイスターだった兄が望まないだろうという思いから、彼は銃口を下げる。
- 「アニュー、俺はやるぜ…ケルディム、ロックオン・ストラトス!狙い撃つ!!」
- アロウズとの最終決戦時における出撃台詞。
- 「ぶっ潰す!」
「兄さんのことは責められないな…こいつだけは許せねぇ!」 - 家族の…そして兄の仇であるサーシェスへの激哮。死んだ家族のために泣く事ができず、家族を愛していないのではないかと内心コンプレックスを抱えていたライルにとって、それは確かに自分は家族を愛していたという証にもなった。
書籍
- 「アニュー…俺はやるぜ!俺は生き抜く!戦い抜く!俺とオマエが出会ったことが…運命が…間違いじゃなかったという証のために!!この先…何があろうとも!」
- 田口央斗版(講談社・刊)で、CB号に突入した際の独白。強固な意志に溢れている。直後、眼前に現れたのは…
- 「貴様!!狙い撃つ!!!」
- 上記の直後、現れたのは家族の仇であるサーシェスだった。彼からアニューのことをダシにした挑発をされ、激昂する。ちなみに雑誌掲載時では「狙い撃つ!」の所が「ぶっ潰す!」になっていた。
- 「俺は兄さんを責められねェな!世界の変革より私怨とはね!」
「…でも…お前と出会ったおかげで戦う意味を…大切なことを…見つけられたよ。アニュー…」 - 田口版でサーシェスを討った際の台詞。私怨を優先させた兄のことは言えないと自嘲するも、その心は復讐ではなく未来にむけて戦う決意に満ちていた。なお原作とは異なりサーシェスを銃を構えさせる間も与えず即射殺している。
- 「勝つさ!!勝たなきゃならねーんだよ!人類(俺ら)のためにも!!アニューのためにもな!!」
- 田口版での決戦で、リヴァイヴと対峙して。機体はボロボロでも、絶対に負けられない思いがあった。
- 「……おれはな、狙撃じゃなくて、実は早撃ちが得意なんだ……」
- 角川スニーカー文庫版(角川書店・刊)での台詞。ライルが早撃ちが得意と明言した台詞だが、言ったのは鈍感なアニューの唇を奪う場面である。
- 「許さねえ…天や神が許してもキサマだけは生かしちゃおけねえ!!」
- 大森倖三版(角川書店・刊)で、サーシェスの素性を知り、怒りの銃口を向ける。
- 「天がキサマを許さなかったようだな…」
- 同じく、大森版で、自滅同然に散ったサーシェスの最後を見届けて。
迷台詞
- 「黙れ、ちょりす!」
- ドラマCD『COOPERATION-2312』にて。一々メタ発言をかます刹那に対し、一々この言葉で諌めていた。
- 「言ってねぇよ!」
- これもドラマCD『COOPERATION-2312』にて。自分の正体をぶっちゃけてしまった武士仮面に対してこうツッコんだ。
スパロボシリーズの名台詞
- 「ケルディム、目標を狙い撃つ!」
- スナイパーライフル使用時の台詞の一つ。なのだが、実は専用台詞が出るとスキップされる。
- 「何だよ、そりゃ!」
- リ・ブラスタ初登場時のCDSの内容に対しての率直なツッコミ。まさにその通りだから困る。
- 「礼を言わせてくれ、刹那。いくら感謝しても足りないがな」
- 「白き牙」でアニューの救出フラグが成立するとこの台詞に変わる。
- 「悪いな。キャッシュに変えられなくてよ」
- そしてその喜び様を「100万Gの笑顔」と評したクロウへの冗談。
- 「……戦うぜ」
「俺は戦う。カタロンでも、ソレスタルビーイングでも、ZEXISでもなく、俺の意思で。アニューの心を操ろうとしたイノベイターとな」
(やるぜ、兄さん……この世界のために俺も狙い撃つさ) - 「明日へのあがき」で刹那に対して。原作ではこの後立ち去る刹那を撃とうとして出来なかったが、こちらでは自分なりの「理由」を見つけ出し、世界の歪みを「狙い撃つ」ために戦うことを決める。
- 「…兄さん…!俺は…ずっとあんたの影を追っていたかもしれない…!」
「だがよ!そんな俺にも戦う理由が出来たんだよ!」 - 「明日へのあがき」でルーク・アダモンPとの戦闘前台詞。ライルが追っていた兄の幻影に苦しめられる中、それを振り払ったのは、想い人の存在だった。
- ロックオン「愛してるぜ、アニュー!」
アニュー「ラ、ライル…!」
ロックオン「俺は俺とアニューのために戦う!その邪魔は誰にもさせねえ!」 - ルーク・アダモンPと交戦した後の台詞。愛するものを守る為に、その照準を兄へのコンプレックスを利用した人造次元獣へと「狙い撃つ」。なお、アニューが死亡した場合は(上記の台詞も含めて)そのやりとりが異なっている。
- クロウ「ノーミュージック・ノーライフ……いい音楽を楽しもうぜ、ロックオン」
ロックオン「ノーマネー・ノーライフ。そういう無駄遣いをしてちゃ、いつまで経っても借金は返せないぜ」 - 「トライアングラー」でのクロウとのやり取り。ビール片手にランカ・リーのライブを楽しむクロウに対し、痛烈な切り返しで現実に引き戻した。
- 「あばよ、戦争屋。もうあんたの戦いも潮時だったんだよ」
「もうすぐあんたみたいな人間には居場所のない世の中になるんだからな」 - 終盤でサーシェスに引導を渡した後のマップ会話にて。家族の仇たる戦争屋を仲間と共に葬り、GNスナイパーライフルの銃口が次なる標的を狙う。
- 「弾が当たれば、人間だろうとイノベイターだろうと死ぬんだよ」
「お前らが、どれだけ自分の事を特別だと思っていようとな……」 - リヴァイヴの最期を見て。戦場の真理を現した至言であるが、実は同じようなことを言った人がもっと前にいたりする。
搭乗機体
- ケルディムガンダム
- 2ndでの搭乗機。
- ガンダムサバーニャ
- 劇場版での搭乗機。早撃ちの得意なライルに合わせた仕様。
余談
初代ロックオンである兄・ニールと区別をつけるためか、ファンからはニールは『ロックオン』と呼称、ライルの場合は本名のままで呼称されることが多く、声優である三木眞一郎氏が第四回声優アワードで助演男優賞を授賞した際にも「ロックオンとライルの二役を演じた」と称されたことがある。また、角川スニーカー文庫版では地の文でニールの呼び方が終始『ロックオン』として呼ばれているのに対し、ライルはその時々の本人のスタンスで『ライル』および『ロックオン』と分けて呼称されている。