カギ爪の男(The Claw Man)

カギ爪の男の集団の長である老人。本名はクー・クライング・クルー

集団のメンバーからは同志と呼ばれ、その名の通りに右腕がカギ爪状の義手となっている。

ヴァンにとっては婚約者エレナを殺した仇であり、レイにとっても妻であるシノの仇である。

元はマザー(地球)の人間で、マザーが崩壊した際にエンドレス・イリュージョンへと逃れたが、内部の争いに巻き込まれて仲間と右腕を失う。その絶望から争いのない世界を作るという夢をもち、「幸せの時」なる計画によって、自らの意識を全人類に植え付けようとバースデイに乗り込む。ちなみにオリジナル7のメンバーをほとんど一人で見つけた。

作中における悪役でありながら徹底して温厚な性格で、ほとんど怒りの感情を見せたことがなく(ごくまれに、怒りに似た表情を見せたことがある)、ウェンディをして悪い人には見えないと言わせたほど。だが、深く信頼している新生オリジナル7が次々と死亡しながらも悲しみや怒りの感情を見せず、部下が造反した際には、改めて理解し合おうと抱擁して「うっかり」殺害してしまったり、自分が人を殺しても「その人は自分の心の中で生き続けるのだからそれでいいのだ」と(相手への挑発や、自身の逃避の意味ではなく)本気で考えているなど、常人には理解しがたい常軌を逸した一面を持つ。というのもカギ爪の計画が成功すれば、死んだ人間も全て再構成されて生き返るため、自らの命も含め、今ある命に頓着していないからである。趣味は家庭菜園。身体能力も高く、一人で旧オリジナル7を倒すほどである。

実際には負の感情を失くしてしまったわけではないのだが、過去の出来事でのショックからそのような感情が自覚できなくなってしまったという理由がある。彼自身には悪意は無く、善意だけで行動しており、それ故に彼の善の部分にのみ触れた人間の多くは彼とその理想に心酔することになる。 しかし前述の通り、無自覚に殺人を犯した上、自分に都合のよい理屈で正当化を行ったり、謝罪や悲嘆にくれてみせる一方で殺した相手を忘れている。さらに人の意思を無視した。「幸せの時」を推し進めるために多くの不幸の種をばらまくなど、結局のところ、自分の理想のために他人を顧みないで行動する極度のエゴイストであるといえる。

実は死期が迫っている。E.I.での初めての友である医者の手により百年単位の延命治療を受けたが、それによる副作用のため。

余談だが、ドラマCDのパラレルワールドではヴァンと普通に仲が良い姿も見られる。

登場作品と役柄

スーパーロボット大戦K
基本的に原作通りに、自らの夢を実現するために行動する。その特殊な人間性から、オリジナルの敵にも「食えない奴」と言われる。

パイロットステータス設定の傾向

能力値

射撃・防御に優れる。バースデイには射撃武器がないので意味はないが、それに次ぐ格闘から繰り出されるG-ER流体が恐ろしい。おまけに最初の内は時間制限があるため、速攻をかけねばならないのがさらに厄介。

特殊技能(特殊スキル)

カウンター サイズ差補正無視 気力限界突破 指揮L4 底力L8 アタックコンボL3
対応武器がないのでコンボは無意味だが、あとは十全に発揮される。人間性からは考えられない攻撃的なラインナップだが、自覚できないだけでしっかり怒ってはいるので当然か。それよりも、指揮で強化されたミハエルとファサリナの方が問題かもしれない。

人間関係

ヴァン
ヴァンにとっては婚約者エレナを殺した仇であり、彼から激しく憎まれるが、最後は彼をバカ代表と評して自らの同志に加えようとした。
レイ・ラングレン
ヴァンと同様に憎まれる事になる。
ウィリアム・ウィル・ウー
実子。彼から延命の為の血を貰っており、それ自体には感謝しているものの、自分の実子としての情愛はほとんど無く、それどころか彼が妻を殺してしまった事にさえ、興味を抱いていない。彼がヴァンとの戦いで死亡しても、怒りや悲しみの感情を特に見せていない。小説では彼の母の命日には毎年、居城を訪れている。
ミハエル・ギャレット
彼の持つ能力に目をつけ、誘拐し仲間に引き込む。同志の一人として信頼している。
ウェンディ・ギャレット
作中後半にてひょんな事から彼女とデートする事になり、ミハエルを強引に連れ出した事を謝罪していたりした。彼女もまた同志に誘ったが、拒否される事になる。カギ爪の男自身はその決断を認めていたが、後に彼女はカギ爪の男の本質を見抜き、痛烈な批判をすることになる。

他作品との人間関係

ヴェリニー
協力者。カギ爪の男自身は彼女の協力に心から感謝していたが…。
ガズム
ヴェリニーの言伝を受け、「幸せの時」を阻止しようとする。

名台詞

「私と一緒に、夢を見ませんか?」
気にいった人間を組織に勧誘する時の決まり文句。
「夢が私を殺させない」
自らの命が危機に陥り、生き残った際に言う台詞。夢の実現まで自分は死なないという何の根拠もない思い込みであるが、必ず夢を実現するという強靭な意志、絶対の自信の表れと言える。
「ウェンディさん、私と…デートしませんか?」
ウェンディをデートに誘った時の台詞でウェンディの初めてのデートである。
「あらぁ」
・ラングレンレイに銃を向けられた時につぶやくように言った。何かが欠如している感がある。
「デートなら海が良いですよ」
ファサリナに言った台詞でミハエルとの関係に気付いていた。ちなみに『ガン×ソードさん』でカルメンが集めた情報の中にも「デートしたい場所は海」とあった。
「そうか、わかりました! 君はつまり、バカなんだ!」
ヴァンを自身の計画に欠けていた因子「バカ代表」として扱った際に、嬉々として言い放った言葉。
「すごい! 新しいお友達がいっぱいです!」
エルドラメンバープリシラに言った台詞。
「ヴァン君、私はあなたを、愛していま…」
他の仲間たちを倒して計画を破綻させ、更にバースデイまでも両断して自分を追い詰めてきたヴァンに向かって言った彼の最期の言葉。本心で言ったと思われるが、言い終わる前にヴァンによって横一閃に両断される。結局、全てを愛して何も憎むことのない彼の態度は、何も愛していないのと同じことだったのかもしれない。

迷台詞

「すいません、私ドジっ子なもんで」
ドラマCDの迷台詞。ヴァンジョー(銀河万丈)のお腹に穴を開ける。
「童貞とはこの世界で一番清らかなものです。数多の欲望に打ち勝ち信念を貫いた勇気ある人なのですよ。」
「ええ、とてもとてもイカス男のことなのですよ。」
ドラマCDの迷台詞。プリシラの「童貞って何?」との質問にこう答える。