カラス

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カラスは『機動戦士クロスボーン・ガンダム』の登場人物。

カラス
外国語表記 KARRAS[1]
登場作品

ガンダムシリーズ

声優 茶風林
デザイン 長谷川裕一
初登場SRW 第2次スーパーロボット大戦α
SRWでの分類 パイロット
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プロフィール
本名 ディミアン・カラス
種族 地球人
性別
出身 木星
所属 木星帝国
役職 特殊工作員
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概要

トビア・アロナクスの留学生時代の恩師だったが、その正体は木星帝国の特殊工作員。

常に慇懃な教師体の物腰と裏腹に「強者こそが正義」という信念を持っており、それによって木星帝国に従う。その思考が適任であったのか、それともその任に着いたゆえの思考だったのかは判らないが、高能力者収集官としての地位も持っており、ギリ・ガデューカ・アスピス、カリスト兄弟はその教え子。

トビアの能力にもいち早く目を付けており、彼を自身の門下に招こうと幾度となく勧誘してきている。敵味方を問わず、最も早く、高く、トビアの能力を評価した人物かも知れない。

最終決戦では、MAノーティラスに搭乗して、自ら出撃。ニュータイプ部隊を指揮する中、再会したトビアのクロスボーン・ガンダムX3と交戦するも、自らの機体のワイヤー攻撃を掻い潜った彼の一撃を受けて敗北するが、カラス本人はむしろそれこそが望む結果であった。自らを完全に倒したトビアを「勝者」であると認めたカラスは、「敗者」の身でありながら悪あがきで彼を攻撃しようとした部下の量産型クァバーゼを撃破。最後まで自らの理想を貫く形で戦死した。

狂気を含んだ人間ではあるが、死の間際まで「強者こそが正義」という信念を貫いたり、敵になってなおトビアの才能に高い関心を持ち続け、ある意味信頼にも似た感情を見せるなど、中々インパクトのある悪役である。

原作本編以前からキンケドゥ・ナウとは丁々発止の間柄であった模様で、作中でも工作員らしい離れ業を披露しており、例えば生身で宇宙空間に投げ出されたにも関わらず、名台詞と共に生還している(クェスは生身で宇宙空間に飛び出た際に耳を押さえて目も閉じていたが、彼は回想場面にて宇宙空間で非常ハッチを開けて、コロニーに戻っている)。

『機動戦士クロスボーン・ガンダム LOVE&PIECE』(SRW未参戦)にて、フルネームが「ディミアン・カラス」と判明した。

登場作品と役柄

αシリーズ

第2次スーパーロボット大戦α
初登場作品。原作通りに登場。後半では敵としても登場。かなりの強敵。序盤ではエレバドに搭乗し、トビアジュピトリス9へと連れ去る。
第38話ではザムス・ギリに座乗し、最終決戦時は本人の高いニュータイプ能力や乗機ノーティラスの性能もあり手強い(ザムス・ギリに座乗している時も戦艦にあるまじき回避率を叩き出す)。

パイロットステータス

精神コマンド

第2次α
偵察かく乱集中鉄壁期待直撃

特殊技能

第2次α
ニュータイプL7、戦意高揚援護攻撃L3、援護防御L3、気力+(ダメージ)連携攻撃

小隊長能力

クリティカル率+20%
第2次α』で採用。

人間関係

クラックス・ドゥガチ
主君。思想がどうのではなく「強者だから」従っている。
トビア・アロナクス
物語冒頭、トビアは彼の生徒だった。後に正体が発覚して敵対するが、それでもなおトビアの秘めた強さをいち早く見抜いており、何度か自分のもとに下るよう勧誘している。
ギリ・ガデューカ・アスピス
死の旋風隊のリーダーで、教え子の一人。
カリスト兄弟(光のカリスト、影のカリスト)
鋼鉄の7人』における木星帝国総統。二人共教え子で、ギリ(No.2)を抑えた首席。
クォ・グレー
『ゴースト』に登場する「サーカス」の団長で、教え子の一人。『LOVE&PIECE』にもカラスと共に登場している。
アプリコット・スキーマ
『LOVE&PIECE』に登場する少女。若かりし頃のカラスが将来有望な人物だとして目を付けていた。

他作品との人間関係

ギャリソン時田
第2次α』にてトビアを殺そうとしたところを彼に阻止された。

名台詞

「もっともあと2、3秒おくれれば 目玉が飛び出してしまうところでしたけどねぇ!」
第5話より。上述の、ほぼ普段着姿で宇宙空間に放り出されながら見事生還しており、トビア達と再会した時の台詞。ワイヤー1本で危地を脱していたらしい。
「やれやれ…… MSなどというものはね しょせん機械です ねらいどころで どうにでもなるのですよ!」
第12話より、ペズ・バタラの手に(気絶させてさらったベルナデットと一緒に)握られながら余裕綽々、手を爆砕して脱出し、続けざまに手榴弾1つでMS本体までも行動不能にする離れ業を見せる。これも真空の宇宙空間での事なのだが、ベルナデットやパイロットスーツ共々無傷の様子が一層凄まじい。さらに、コックピットを開けて脱出したトビアを銃撃して、トビアも連れ去った。
この件はトビアにも影響を与えたようで、後に生身でX2と戦う羽目になった際にX2の手をマシンガンで乱射してバルーンダミーを誤作動させてカメラアイを塞ぎ、操縦していたローズマリーがコックピットを開けたところで彼女をコックピットから蹴り落としている。
「勝ちたまえよトビア君 生きのびたまえ! 君をもう一度私の生徒にしてあげましょう! この世はね! トビア君! 強き者だけが生きのこりすべてを手にする権利があるのです! 弱き者は淘汰されてしかるべきなのです 私が木星帝国に力を貸すのは木星こそが地球圏を支配するにふさわしい力を持っていると考えるからです…」
第13話より、自分の考えを語った後に、トビアを激励したうえで勧誘する。純然たる敵であるにも関わらず、こうも馴れ馴れしいキャラクターも珍しい。トビアも呆気にとられたのか、敵意すら忘れて困惑していた。
結果的に上記の方法でトビアは見事に生き残り、X2を奪い逃亡するトビアを眺めながら「ますます私の生徒にしたくなった」とさらに評価を上げることになった。
「違うな! われわれは木星人なのだよ! 地球人がそう呼ぶようにっ!」
「違う惑星の生き物なのだよ! すでに! SF映画に出てくる異星人のようにね!」
第26話より、最終決戦時にトビアから「あんた達だって人間じゃないか!」と言われた際に返した言葉。
後述するように、『第2次α』では若干アレンジを加えた台詞になっている。
「み 見事ですよ! トビア君! ははは それでよい! それでよいのだ!」
上記のやり取りの後、激昂したトビアに自身の部隊を壊滅させられ、ノーティラスのワイヤー攻撃も紙一重で完璧に回避された上、機体に致命傷を与えられてしまった際の台詞。
この一撃を持って自身の敗北を受け入れた様で、彼がトビアに送る称賛の言葉はまるで教え子の成長を喜ぶ教師の趣すら感じさせる。トビアもこの言葉には困惑を覚えており、思わず「先生」と反応してしまっている。
「ばかものーっ!!」
「敗者のぶんざいで 勝者のゆくてをはばむでないわーっ」
最期の瞬間、上記の直後に背後からトビアを狙おうとしていた部下を自らの手で始末して。「強いものこそが正しい」という彼の信念に殉じた死に様だった。

スパロボシリーズの名台詞

「ガンダムなど、狙い所でどうにでもなるのですよ」
対ガンダム用の特殊戦闘台詞。上述の生身でMSを破壊したシーンが元だと思われる。
第2次α』でF91をトビアに譲っていると、この台詞とともに当該シーンを再現することになる。
「私を疑っていただと? …ただの老いぼれではないな?」
『第2次α』クスハ編第14話「その闇の名は木星」orアラド編第7話「宇宙海賊クロスボーン・バンガード」より。以前から自分のことを疑っていたことをギャリソンから聞かされた際の台詞。ギャリソンも「それはお互い様ですな」と返している。
「違うな! 我々は木星人なのだ! 地球人がそう呼ぶように!」
「違う惑星の生き物なのだよ! すでに! 異星人と同じようにね!」
『第2次α』でのDVEαシリーズでは数多くの異星人が存在しているので、原作と異なり「SF映画に出てくる」のくだりがカットされている。
「君達は勝者なのだ…! 勝者は勝者らしく敗れた私を乗り越えていくがいい…!」
『第2次α』における最期の台詞。原作と違って部下も登場しないため、やや穏やかな印象。トビア達αナンバーズを強者と認めたカラスは宇宙の闇へと消えたのだった。

余談

  • サイボーグという案もあったが、サイボーグを大量投入するとモビルスーツで戦う「ガンダム」の世界を維持できなくなるとの懸念から、曖昧なままにされた[2]
  • 『機動戦士クロスボーン・ガンダム ゴースト』のキゾ中将の家庭教師を務めていたことを含め、『クロスボーン』シリーズの主人公・ライバル・続編ラスボスのことごとくが彼の指導を受けていたことになり、その影響力は非常に大きい。
  • 『機動戦士クロスボーン・ガンダム LOVE&PIECE』では若かりし頃のカラスを描いたエピソードが収録されたことで、悪役から主役への大抜擢が果たされる。
    • 同作で判明したフルネームを考慮すると、ネーミング元はのカラスではなく、映画『エクソシスト』に登場する神父「デミアン・カラス」ではないかと推測されている。

搭乗機体

ノーティラス
木星帝国が開発したモビルアーマーで、カラスの乗機。既に旧式と化してはいるが、カラスの高い技量によってトビアを苦戦させている。
モナーム
『機動戦士クロスボーン・ガンダム LOVE&PIECE』にて若かりし頃に搭乗していたノーティラスの原型機。

SRWでの搭乗機体

ザムス・ギリ
第2次α』で搭乗。

脚注 

  1. 機動戦士クロスボーン・ガンダム LOVE&PIECE 第一巻
  2. 『オタクの遺伝子 長谷川裕一・SFまんがの世界』132頁。

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