春日井甲洋(Koyo Kasugai)
- 登場作品:蒼穹のファフナー
- 声優 / 俳優:入野自由(アニメシリーズ) / 大音智海(舞台版)
- 種族:地球人(日本人)→スレイヴ型フェストゥム
- 性別:男
- 所属:竜宮島・アルヴィス
- 年齢:15歳
- 生年月日:2131年05月07日
- 星座:牡牛座
- 身長:172cm
- 体重:64kg
- 血液型:A型
- 好きな物:犬、釣り、友達
翔子と同じく、アルベリヒド機関の保管遺伝子より誕生して春日井夫妻の養子となった少年。しかし翔子とは違い、両親からは冷たく接され、内心で道具のように思われ、疎まれている。
性格は穏やかで心優しく、想いを寄せる翔子の為に一騎との橋渡しになった事もあったが、翔子の戦死を境に「もっとお前達がしっかりしていれば!」という逆恨みにも近い感情で一騎や総士に憤りをぶつけるようになる。
マークフィアーの搭乗者となり、真矢と溝口を助ける為に、危険を顧みずに水中に潜行し救出には成功するが、フェストゥムの接触によって中枢神経を同化されて昏睡状態に陥り、カプセルの中で眠りにつく。なお、総士はそれを「自業自得だ」と一蹴した(ただし、それは自己犠牲を良しとしない彼の仲間を思う気持ちの表れである)。
その後物語後半で目を覚まし、心神喪失状態で彷徨うものの、一騎達との接触を経てスレイヴ型のフェストゥムとして同化能力を消した上で覚醒。最終的に蒼穹作戦のために竜宮島を離れる一騎達の為に人としての自分を捨て、完全にフェストゥムと化した姿となってミョルニアと共に島を護った。蒼穹作戦の後、ワームホールに取りこまれた一騎と総士を救出した。
小説版では、基本的な性格はアニメ版に準拠するが、ファフナー搭乗時に同化された味方を冷静に処理する性格になる事から、「味方殺しの甲洋」と呼ばれている。また、天才症候群の為に驚異的な記憶力を持ち、他人の言動や仕草を思い出しては疑心暗鬼に囚われる様も描かれている。なお、アニメ版では天才症候群の兆候についての描かれ方は希薄である。
劇場版では島の危機に際し、自身をコアとすることでマークフィアーを無人のまま起動し、かつての自身のように同化の危機に陥っていたマークツェーン、マークドライを救出、物言わぬ姿ではながら「春日井甲洋」として帰ってきた。その後の第二次蒼穹作戦にも参加、マークニヒトの猛攻で窮地に陥った仲間を助けるべく特攻し、同化によって止めようとするも反撃で機体は大破してしまう。直後、ワームスフィアーの攻撃を受けるが、画面上ではマークフィアーの残骸でコアが隠れており、安否をぼかすような描写のままになっている。
登場作品と役柄
携帯機シリーズ
- スーパーロボット大戦K
- スポット参戦になるが、フラグを立てれば自軍に復帰する。能力はそこそこ高く、精神コマンドに恵まれている。愛機マークフィアーも補給装置があるので便利。スレイヴ型になる件が完全に端折られているのが残念。なお、顔グラは通常時・ファフナー搭乗時・同化時・フェストゥム時と実に4種類も用意されている。
- スーパーロボット大戦UX
- 今作では原作再現が増えたため、一騎達とのぶつかり合いやスレイヴ型への変化に関してもしっかりと描かれている。その分、救済措置が無くなったためにパイロットとしては若干割を食ってしまっており、ルートによって正規加入はするもののその分岐中に離脱シナリオがあるため、ヨーロッパルートだとスポット参戦のみ、アメリカルートでも4話、日本ルートでは2話(参入した次のシナリオで離脱)とかなり短い(その埋め合わせなのか、ツメスパやキャンペーンマップでの出番が多い)。
- また本作のファフナー勢は人間相手の戦いに苦悩する場面が多々あるのだが、ルートによっては初出撃が対人戦になってしまう甲洋はそれが顕著。特にヨーロッパルートではジンの部下の無残な最期を目の当たりにして激しい動揺を見せることになる。
- 第三部では「春日井甲洋」としての登場は最終話のみになるものの、原作通り愛機のコアに同化して「マークフィアー」名義で第2次蒼穹作戦に駆けつけ、そのまま正式参戦してくれる。しっかり読心能力を持っているため、かなりの命中・回避力を発揮する。また当然ながら終始無言ではあるものの、援護時にはしっかり名前を呼んでもらえる。
- なお、ELSとの最終決戦にも参戦し、読心能力がしっかり効くので刹那達よりも早くELSの目的に気付いた可能性がある。甲洋もこの時ばかりは物言えぬ姿になった事を悔しがったに違いない。
パイロットステータスの傾向
能力値
精神コマンド
特殊技能(特殊スキル)
パイロットBGM
- 「ナイトヘーレ開門」
- ファフナー系汎用。
人間関係
- 春日井正浩、春日井諒子
- 甲洋の里親。しかし、彼らは甲洋を「自分達が島にいるための道具」としか見ておらず、日頃から冷たく扱っていた(諒子は正浩に比べれば、道具とはいえ甲洋にある程度の情があったが)実は新国連のスパイであり、アルヴィスの情報を新国連にリークしていた。
- 甲洋がパイロット候補になった途端に態度を豹変させるが、甲洋が同化し戦線離脱した際には憎々しげに「役にも立てずこの有様か。ハズレが大ハズレだったという事だ」と言い放った。最後は同化で昏睡状態に陥っている甲洋を殺害しようとした(甲洋が「生きている」と次の里子を預かれないため)件諸共スパイであったことが露見し、史彦に「お前達に人の親になる資格はない!!」と断ぜられ、島から追放されるという末路を迎えた。
- 追放後の彼らの消息ははっきりしていないが、島民の噂話によれば、まともに生きては行けないだろうとのこと。スパイを必要としていた人類軍に拾われていなければ、おそらくどこかで死亡したかフェストゥムに同化されたかの二つしかない。音沙汰がないということは少なくとも人類軍には拾われていないのだろう。
- Kでは名前のみ登場し、UXでは存在すら語られない。
- ショコラ
- 甲洋が両親に内緒で飼っていた犬。名前は翔子をもじったもの。養父母に内緒で飼っていたが、バレてしまった後、父親から猛反対されて、家に置けなくなってしまう。その後は羽佐間家で飼われることに。SRW未登場。
- 真壁一騎
- (一方的な)恋敵。
- 羽佐間翔子
- 想いを寄せていたが死別。彼女の死が甲洋の心に大きな傷を残し、自らを失うことに繋がる。
- だが、UXでは条件を満たしていると生きていた彼女と再会し……
- 皆城総士
- 真壁史彦
- カノン・メンフィス
- 翔子の服を着た彼女の言葉によりスレイヴ型のフェストゥムとして覚醒する。
- 遠見千鶴
- 島の子供達が戦いに駆り出されていることに心を痛めており、甲洋が同化した直後に彼をハズレ呼ばわりした春日井夫妻に憤慨していた。その後に昏睡状態になっていた甲洋を殺そうとした春日井夫妻を阻止した。
他作品との人間関係
- カガリ・ユラ・アスハ
- 直接の絡みは無いが、フェストゥムの攻撃で甲洋が同化したことで総士が憤りを見せた際、同化する直前に避難民を助けた甲洋を擁護していた。
- シン・アスカ
- UXでの頼れる先輩。翔子が散華したことで荒れていたところを、かつて同じ経験した彼に咎められる。
- 孔明リ・ガズィ、スカーレット・ヒビキ、陸遜ゼータプラス、ダミアン、司馬懿サザビー、リュクス・サコミズ
- UXでは真矢や溝口と共にもう一つの竜宮島へ調査に向かった彼ら(ルートによって2人1組となっている)の救出に向かう。
- チャム・ファウ
- アメリカルートにて、翔子の死を思い出して荒れる甲洋を「地上で死んだ人の魂はバイストン・ウェルで生まれ変わる」と慰めた。当の甲洋は気休めとしか捉えていなかったようで、チャムの言葉を「そんなこと」と言うのだが、翔子の生存フラグを満たしていた場合本当にそうなってしまう。
名台詞
- 「俺は絶対に、仲間を見捨てるようなことはしないからな。絶対に!」
- 一騎と総士が翔子を見捨てたと思った彼は、彼らを責めると共に言い放つ。非難はやり場のない怒りをぶつけたものだったがこの決意は本物で、後に自身の危険も省みず真矢と溝口を救出。その結果人としての体は失うも、その信念を失うことは無く、最終話ではかつてこの台詞を言い放った一騎と総士を救出し、劇場版でも仲間たちの危機を救ってみせる。
- 「遠見……誰だ? 思い出せない…なんでだろう…」
「これが、同化されるって事なのか……何も感じない……悲しい事があったはずなのに……そう、翔子が……」
「翔子…? 誰だったっけ……?」 - 同化される間際の独り言(UXでは2行目からDVE)。記憶も、感情も失い、そして己をも失っていく。それが、同化なのだ。
- だが……。
- 「翔子……翔子は、もう…いない……! 翔子は! うああああああっ!!」
- 目の前にいる少女が翔子ではないこと、そして翔子がいなくなったことを改めて理解した。このことがきっかけで甲洋はスレイブ型として覚醒する。
- 「みん…な……ありがとう…」
「さようなら……!」 - この言葉を最後に彼は島を守るため、人としての姿を捨てた。
スパロボシリーズの名台詞
- (翔子が喜んでくれるなら、俺はいいさ…)
- UXの中断メッセージにて、翔子の「一騎君をいっぱい使ってクリアして欲しい」というリクエストの元にスパロボ攻略を手伝いながら。
- 尤も、翔子の生存条件のヒントなので甲洋にとっても悪い話ではなかったりするのだが。
- 「俺たちだけが知らなかったのさ。島のことも、島の外の世界のことも…」
「何も知らされないまま、竜宮島を楽園だと思い込んで…!」
「それでも、生きてさえいればこうやって知ることができる!」
「なのに…なのに翔子は!」 - UX第14話(アメリカルート)シナリオデモにて覇道邸の中庭を歩きながら。しかし、条件を満すと翔子も一騎達とは違う形で島の外の世界のことを体験することになるとは誰も予想出来なかったであろう……
- 「…!?」
「そんな…翔…子…どう…して…?」
「帰って…きた…?翔…子…が…」
「………」
「帰り…たい…」
「翔子も…みんなも一緒だった…あの場所に…!」
「…うっ…うわぁぁぁぁぁぁーッ!」
「一騎…翔子が…くっ、うぅぅ…」
「うわぁぁ…翔子ぉぉぉーっ…!」 - UX第29話シナリオエンドデモにて(翔子生存時)。いなくなったはずの翔子が島に帰ってきたこと、彼女の説得が引き金となり甲洋はスレイブ型のフェストゥムとして覚醒した……
- 「そして、覚えていてくれ。 俺たちが、ここにいたことを」
- UX最終話エンドデモにて、UXを元の世界に帰す際に。
余談
原作で春日井夫妻は「楽園」という喫茶店を経営していたが、甲洋の境遇を考えると何とも皮肉な店名である。OP曲タイトルとも関係がある。