バーニングPT
バーニングPT(Burning PT)とは、『OGシリーズ』に登場するコンピュータゲーム。
概要
新西暦186年2月に稼働を開始したアーケードゲームで、全国大会が開催されるほどの人気を博している。内容はロボットを操縦して行う対戦アクション。マルチプレイヤーにも対応しており、1000人単位で同時にプレイする事も可能だという。『スーパーロボット大戦OG ディバイン・ウォーズ』ではゲームセンターに置かれる筺体のようなサイズでの描写がなされている。また、Gコンと呼ばれる携帯型の端末で使用するロボットの武器を交換などが出来る。パーソナルデータを保存し、対戦に使用することも可能。非常に優秀な成績を収めた場合、その人物の個人情報を入力することで無料でゲームをすることができるようになる。母が入院中で裕福とは言えないリュウセイ・ダテが優勝を狙える所まで来たのはこのシステムによる所が大きい。
このゲームは元々、ゲーム開発に抜きん出た才能を発揮していたロバート・H・オオミヤ(ゲーム内ではROBと言う名義を使っている)を中心に軍主導で開発されたものであり、その真の目的は「念動力の素質を持つ者を発見する」という点にある。このゲームのプレイ中に特定のテレキネシス波が検出されるかどうかを調べることで念動力保有者の選別が可能であり、海浜幕張で開かれた大会の裏で進められた調査において、リュウセイ・ダテおよびリョウト・ヒカワにその素質があることが判明、リュウセイが軍に入隊するきっかけとなった。
また、このゲームの操縦系統は基本的にパーソナルトルーパーと同様に設定されており(コクピットシステム、及び基本OSも「TC-OS」と同等)、初めてゲシュペンストに搭乗したリュウセイも「操作がゲームと同じだ」と驚いていた。ゲームで優秀な実力を発揮できる者であれば、パーソナルトルーパーの優秀なパイロットとなる可能性も高い。この為、大会の優勝者であるテンザン・ナカジマはディバイン・クルセイダーズにスカウトされることになり、リュウセイと同じくパイロットとしての道を歩むこととなった。
ただし、スカウトされる者は、潜在的な素質を持っているとはいえ元々「人よりゲームが得意な一般人」であるに過ぎず、軍人としての教育を受けているわけではないため、戦争に参加していることへの認識が希薄な場合が多いようである。実際、軍に入りたての頃のリュウセイ及びテンザン、ディアブロに乗った直後のミオは戦闘時にもゲーム感覚が抜けきっておらず、しばしば独断専行なども行ったため、所属部隊からは問題児扱いされていた。リュウセイの場合は幾多の戦いや出会いを経て戦争の現実を身を以て知る事ができた為に、ミオの場合は初陣で敵パイロットを殺害してしまった事にショックを受けた為に、考えを改めて成長することができたが、一方のテンザンは二度の死を経てもゲーム感覚での戦闘という呪縛から逃れられることは出来なかった。
OGシリーズ作中ではリュウセイとラトゥーニの件を除き現職の連邦軍隊員がバーニングPTをプレイする描写が無いためなんとも言えないが、特に鋼龍戦隊の隊員がプレイした場合間違いなくハイレベルにも程がある対戦となりゲームとしてのバーニングPT界隈で騒然となるであろう。それを示す例として、『スーパーロボット大戦α』ではミリア・ファリーナ・ジーナスがバーニングPTで車弁慶、浪花十三、ボスらと一般プレイヤーを20人抜きしている。
2013年にリリースされた『スーパーロボット大戦OG INFINITE BATTLE』は本ゲームが本格的にフィーチャーされた内容となっている。また、『スーパーロボット大戦X-Ω』においても本ゲームをテーマとした期間限定イベント「激闘のバーニングPT!」が開催されている。
関連人物
- イングラム・プリスケン
- 念動力の素質を持つ者を発見するためにバーニングPTの利用を計画した張本人。
- ロバート・H・オオミヤ
- バーニングPTの開発者。
- リュウセイ・ダテ
- 大会の準優勝者(GBA版初代OGでは、テンザンが大会参加を辞退していたため、優勝)。ナイフやリボルバーなどの武器を好んで用い、機動力を活かした接近戦主体のスタイルを得意とした。実力も上位ランカーだった模様。
- イングラムの思惑により、偶然を装ってSRXチームへと引き込まれた。ゲーム感覚が抜けていなかった頃はライから辛辣な評価をされていたものの、幾多の戦いの中で戦争の現実を目の当たりにし、徐々に成長を遂げていく。
- バーニングPTでの使用機体はKomet SS(ディバイン・ウォーズ第1話より)。形式番号PTM-SS01-b、全高18.5m、重量52.5t。
- リョウト・ヒカワ
- 大会の上位入賞者。順位は不明だが、優秀な成績を収めたと思われる。パイロットとしての素質を見出されてディバイン・クルセイダーズ(以下、DC)に引き込まれるが、後に念動力の素質を保有していることが明らかとなる。末端の一兵士にすぎなかった彼を実はビアンが注目していた事から、ビアンは彼の力を既に見抜いていたと推測される(尚、本人はビアンに目をかけられていた事は知らなかったようである)。『OGMD』の中断メッセージではアキミと対戦していたが、やり込んでいた頃の腕前は健在である。リョウトはテンザンと勝負して一度も勝てなかった。
- テンザン・ナカジマ
- 大会の優勝者。重装甲・高火力の機体で相手を完膚無きまでに粉砕する戦術を好み、そのプレイスキルの高さは全国的にも知られるほどのトップランカーだった。
- 念動力こそ無いものの優秀な操縦技術を持ち、DCへとスカウトされた。が、ゲーム感覚が最後まで抜けなかった為に悲惨な末路を辿る事に。
- バーニングPTでの使用機体はOcherous-Ausfuhrun(ディバイン・ウォーズ第1話より)。形式番号PTH-3L02、全高25.7m、重量132.3t。
- ミオ・サスガ
- 第2次OGにてバーニングPTプレイヤーであった(大会に出るほどかは不明)。彼女もまた、ゲーム感覚が抜けていなかったが、訓練なしの初出撃で敵パイロットを殺してしまうという上記の3名の誰よりも強烈な体験をした事ですぐに考えを改める事になった(リュウセイの初戦は無人機であり、リョウトやテンザンは不明だがある程度の訓練の後に実戦に入ったはずである)。
- ラトゥーニ・スゥボータ
- 普段バーニングPTをしているわけではないが、リュウセイとのデートで対戦した際は勝ち越して全国大会準優勝者のリュウセイを少し落ち込ませた。
- クスハ・ミズハ
- リュウセイの幼馴染であり、彼が大会に出場していた際にも行動を共にしていた。その後、イングラムによって念動力の素質を見出され、看護兵という役職を経てパイロットになった。彼女曰く、バーニングPTは「(成績優秀者は無料でプレイできる点を評して)すっごい太っ腹なゲーム」。
- トウマ・カノウ
- プレイヤーかどうかは不明だが、過去に幕張で行われた全国大会の会場にてグッズ販売のバイトをしていたことがある。
- サキト・アサギ
- バーニングPT経験者であった為、PTと同じ操縦方法を採用したレイブレードを訓練無しで動かした。ゲームのほうの腕前は不明。
- マクシミリアン・ジーナス
ミリア・ファリーナ・ジーナス - αにおいては、ミリアがマイクローン化するフラグを満たした場合、二人の馴れ初めはバーニングPTの対戦である。なお、ミリアの腕前は前述の通りだが、マックスも凄まじい実力を見せてミリアに勝利しており、リュウセイがレベルの高さに感嘆していた。
- ケンイチロウ・モリデラ
- 大会の上位入賞者。名前のみ登場。『OG1』のイングラムとケンゾウの会話で判明。順位は不明だが、リョウトと同様好成績を収めたと思われる。
関連用語
余談
- 海外では、『FPS(ファースト・パーソン・シューティング)』というジャンルに属するある特定のゲームにおいて、好成績プレイヤーには本当に軍からスカウトがかかることがあるとの噂もあり、プロモーションや新兵募集を兼ねて軍主導で開発されたゲームも現実に存在する(例:『America's Army』)。戦闘機や戦車を一人称視点で操作するゲームで優秀なプレイヤーならば遠隔操縦においても優秀な人材となるのではないか、という考えが遠隔操縦の実用化に伴い持ち出されるようになり、実践されるケースもあると言われている。
- これらのジャンルのゲームはシミュレータとして訓練に採用されているケースもある。
- ただし、言うまでもなくゲームと実際の戦闘は全くの別物であり、それによる精神的な負荷の差が問題になるとされている。更に、生身の兵士とするには身体能力等も考慮せねばならず、いくらゲーム中の成績がよくても実際に兵士を作り上げる訓練に参加させた所で一兵士として完成するのかは疑問である。
- また、リュウセイのように大会での賞金獲得を目的とするゲームプレイヤーはプロゲーマーと呼ばれ、あまり日本では馴染みがないが海外ではコンピュータゲームにとどまらないジャンルにプロゲーマーが存在する。日本では様々な要因でプロゲーマーが育ちにくいが、いくつか海外の大会に出場するチームがあるなど皆無ではない。
- 寺田プロデューサーも「今OG1の設定をリブートするならバーニングPTをeスポーツに絡めると親和性が高くなるのではないか」と語っている。