怒りのドクトリン | |
---|---|
外国語表記 | Doctrine of Rage |
登場作品 | |
声優 | 石塚運昇 |
デザイン | 大籠之仁 |
種族 | 御使い |
性別 | 男 |
年齢 | 1億2000万は超えている |
髪型 | スキンヘッド |
所属 | 御使い |
概要
御使いの一人にして、怒りを司るモノ。機械で出来たモノクルの様なものを右目につけた老人の姿をしている。
全ての行為を責務と捉え、「怒り」を以ってそれを行う。歪んだ進化を進む種に怒りを持っている。自らを並行宇宙の管理者であるとし、理を乱すものには厳然たる態度で臨む。本人はこれを苦行と考えているため、喜びを以って罰を下すアドヴェントとは相容れず、彼を追放した経緯がある。現在はアドヴェントに代わって、実質的なリーダー格を務めている。
1億2000万年の大崩壊から逃れるために至高神ソルを再臨させようと企み、シュロウガに無限輪廻を組み込み、アサキム・ドーウィンに全スフィアの収集を命じた。
惑星エス・テランにおける決戦で楽しみのテンプティと共にプロディキウムに搭乗、かつてインベーダーをバアルと位置づけたのと同様に自分達に刃向かう地球人をバアルとして抹殺しようとするが、真化融合を果たした彼らの前に敗北。逆に自分達こそが「真のバアル」だと断じられ、その事に激昂するも、数多の銀河を自分達の身勝手な理屈で破壊してきた行為こそが消滅しようとする力を自覚なく強めてしまった事を指摘され動揺する。
それでも認められずに悪足掻きをするが、ゼロのギアスに更に追い詰められていた所を、本性を表したアドヴェントの生贄になる事をテンプティ共々強要されてしまい、最期はそのまま至高神Zを生み出す為の生贄として吸収され消滅。
御使いは嘘や争いを超えた永遠の存在だと信じ切っていた彼だったが、その姿勢が仇となり見下していた地球人に力や言葉で敗北した挙句、それを証明するも同然の形で同じ御使いであるアドヴェントに騙されて消滅に追いやられると言う、自分達の今までの全てを根底から覆された末の最期を遂げる事となってしまった。
登場作品と役柄
Zシリーズ
- 第3次スーパーロボット大戦Z天獄篇
- 51話にて楽しみのテンプティと共にDVE付きで登場。61話でプロディキウムに乗り込んで直接対決となる。
- そもそもがロクでもない御使いの中でも、特にわかりやすく頑迷な人物として描写されている。パイロットとしてはさすがに強力だが、底力がないのでいくら殴っても気力の分以上には硬くならず、さらに「消滅しようとする力」サイドなのでバサラの歌が効く。ヘリオース撃墜時に動ける味方を残しておき、出現したターンで袋叩きにして落としてしまうのがベター。
パイロットステータス設定の傾向
能力値
全能力が高い強敵。技量に至っては初期値200と他を大幅に引き離している。
精神コマンド
特殊技能(特殊スキル)
- 第3次Z天獄篇
- 超能力L9、ガード、プレッシャーL4、戦意高揚、精神耐性、気力+ボーナス、気力限界突破、3回行動
- さすがのラインナップだが「底力」がないので、プレッシャーの分以上には硬くならない。とはいえ気力が上がればガードと気力限界突破によって更に固くなるので注意。本人の能力が高い分、プレッシャーの無効化も中々厳しい。
固有エースボーナス
- 気力130以上で、1度だけ「熱血」と「かく乱」がかかる
- 天獄篇で採用。ハードだとこれを持って現れる。ただ、「熱血」は「ひらめき」で対処可能、「かく乱」はプロディキウムが鈍重なのであまり意味がない。
- 「熱血」はドクトリンの「怒り」による裁きを、「かく乱」はテンプティの「楽しみ」によるその場の引っ掻き廻しを意味しているという事か?
パイロットBGM
- 「天より遣われし者」
- 御使いの専用曲。文法的には「天より遣わされし者」が正しい。
人間関係
- 喜びのアドヴェント
- 同胞。1万2000年前に追放したが、至高神再誕に必要なヘリオースを持つアドヴェントの帰還を認めた。しかし、当人は追放されたことを今に至るまで根に持っており、最後には彼に至高神Zを生み出す生贄として吸収された。
- また、御使いには同胞を手にかけるという概念がなければそれ以前に嘘をつくというのもあり得ないとされている為、サクリファイやアサキムを取り込んだ彼のついた嘘を鵜呑みにしてしまい、掌で踊らされた挙句に無理矢理吸収されてしまった。
- 哀しみのサクリファイ
- 同胞。御使いの意見に反したため次元牢に閉じ込める[1]が、彼女がZ-BLUEを敵と定めた後、次元牢からの解放を許した。
- 楽しみのテンプティ
- 同胞。実質彼女とコンビで行動しているが、テンプティは好奇心の赴くままに遊びまわるため、実質ドクトリンが一人で動いている。
- アサキム・ドーウィン
- 彼にすべてのスフィアの収集を命じた。アサキムにとっては、自分を無限獄に堕とした張本人。
- 次元将ヴィルダーク
- 彼にサイデリアルの統率者として、スフィアの収集を命じていた。その裏で御使いに対する反抗を企てていたことも、彼が反抗心を源とする「立ち上がる射手」のリアクターであったことから察していた。
版権作品との人間関係
名(迷)台詞
戦闘中
- 「あの男…! 日輪の輝きを胸に秘めているか!」
- 万丈からの被弾時。後半は「カムヒア!ダイターン3」の引用。
- 「これが…! 地球のサラリーマンと呼ばれし者の力か!」
- 赤木からの被弾時。「地球のサラリーマン」とさも大仰そうに言っているのが、笑いを誘う。
- そもそも御使いも元は地球人だったはずなのだが、その時の記憶はどこに行ってしまったのであろうか?
- 「なぜだ!? 我らの想定した以上の力がスフィアにあるのか!?」
- リアクターからの被弾時。ここからすると、どうもドクトリンの把握している「スフィアの力」はサイデリアルのレベル止まりであり、ヒビキ達のように「反作用を超越して覚醒した力」は想定していなかった様子。
- 「お前は痛みを感じないのか、傷だらけの獅子!?」
- ランドからの被弾時。痛みに耐えてこその「傷だらけの獅子」である事を知らないのであろうか。
インターミッション
- ドクトリン「いずれ彼らは進化からシンカに至る…だが、太陽の輝きは許されない」
テンプティ「じゃあ、どうすんの?」
ドクトリン「決まっている。あの世界の地球人は抹消だ。それが我々の務めなのだ」 - 天獄篇第50話「星の向こうに」のエンドデモでのテンプティとの会話。天獄篇予告では最後の〆に使われていたが、ネタバレを防ぐため背景は黒い太陽ではなく蒼の地球になっていた。
- ドクトリン「我らは至高神に仕え、全ての並行世界の父にして、兄である存在…」
テンプティ「要するに全ての生物の…ううん、全ての存在の頂点に立つ者だよ」 - 第51話で現れた際の宣言。テンプティ共々DVE。
- この短い台詞が御使いの独善と傲慢を端的に表しているといえる。
- 「我らは御使い…神に仕えし者。神とは、至高神をおいて他ならない」
- 御使いの基本スタンス。自らの神を崇め、その力を行使する者という意味らしい。
- だが、その至高神ソルは御使い自身がオリジン・ローを制御するために生み出した人造の神である為、結局のところ盛大な自己陶酔に過ぎない。
- ドクトリン「誤るな、始原の特異点よ。私は強い怒りの下、これを責務として行っている」
テンプティ「テンプティは楽しいからだけどね」
アドヴェント「確かに行為を見れば、破壊ではあるが、それは宇宙全体を救済するためには必要な事だ。それを下した喜びを私は感じる」 - メイオール銀河破壊の後のコメント。ドクトリンは怒りを以って審判を下し、テンプティはそれ自体を楽しみ、アドヴェントはそれによる宇宙の救済を喜ぶ(そして、恐らくサクリファイは破壊された銀河を哀しむ)。本来複雑に絡み合って存在する感情を分割したがゆえのメンタリティの歪みがここに垣間見られる。
- 「バアルめ!カオス・コスモスに入り込んだだけでなく、我等のエス・テランまで汚すとは!」
「消滅しようとする力のしもべたる果てなき破壊の化身……。それを消滅させた汝達こそが、真のバアル! いや……それは汝達だけではない!この1億2000万年の間に宇宙はバアルのはびこる悪しき世界となった!」 - 第61話「黒い太陽」における台詞。宇宙怪獣を消滅させた地球人類こそがバアルと断じ、プロディキウムで裁きを下しにかかる。
- のだが、暴論どころか屁理屈にすらなっていないこじつけである。これは、そもそもバアルという概念を作り出したのが御使いであるのが理由。
- 「メガデウス…ザ・ビッグ…我等から逃れた者達が楽園を守るために用意した力…」
「そして、あの街は我々との戦いを境に過去と未来を捨て去った」 - ロジャーとの戦闘前会話。パラダイムシティの真実、そしてロジャーのメモリーに存在する炎の記憶がここで明かされた。
- 「何故だ、アドヴェント! 我等は嘘も争いも超えた永遠の存在ではなかったのか!」
- 同上。本性を現したアドヴェントに追いつめられた際の台詞。
- アドヴェントが同じ御使いであるサクリファイを取り込み、更に自分達を騙していた上に同様に消そうとしている事実を前に、彼の中の御使いとしての全てが崩壊していく。
- 「い、嫌だああああああっ!!」
- 断末魔。頑なに自分達が絶対者だと信じていた彼に訪れたのは、今まで自分達を否定してきた者達の言葉を証明するも同然の、裏切りと消滅という終焉だった。
搭乗機体・関連機体
余談
- ドクトリン(Doctrine)は英語で「教義」を意味する。さしずめ「怒りの教義」といったところか。
脚注
- ↑ 殺さないのは、上述のとおり手にかけるという概念が存在しないため。