ザイデル・ラッソ
概要
宇宙革命軍総統。ニュータイプを中心に据えたニュータイプ主義を宇宙革命軍の思想とし、地球のオールドタイプを徹底的に見下している。
しかし、ザイデルにとってニュータイプ主義は自らの権力独占と選民思想の正当化の為のお題目に過ぎず、本当の意味でのニュータイプの力を理解していなければ、興味すら示していなかった。それどころか、かつてニュータイプであったランスロー・ダーウェルを飾り物的な英雄にしたり、本物のニュータイプ能力者であるティファ・アディールが現れた際には、彼女が地球出身のニュータイプであるという理由から、むしろ異質な存在であるかのように危険視し、排除しようとまで考えており、ランスローや腹心であったニコラの反感や失望を買っている。
15年前に失敗に終わった地球の攻略を再び実行せんと、コロニーレーザーで地球を撃つ「ダリア作戦」を発動するも、ガロード・ラン達によってティファを奪還された上に、ガンダムダブルエックスでコロニーレーザーを破壊されてしまうという、無残な失敗に終わった。その後、二コラから地球との和平を提案されるも、なおも地球への攻撃を諦めようとしないザイデルは、彼を反逆者として処刑。この結果、かえってランスローの失望を買い、彼が宇宙革命軍を離反する決定的な要因を作ってしまった。
切り札であったコロニーレーザーを失ってしまったザイデルは地球圏の覇権を握る鍵とされる「D.O.M.E.」に接触して、自らがニュータイプになろうと目論むが、「D.O.M.E.」からは、射出されたGビットによる抵抗で拒絶され、同じくを目指す新連邦軍との間で戦闘状態となり、激戦を繰り広げる。その後、「D.O.M.E.」への潜入に成功しても、政敵となるフィクス・ブラッドマンと醜い言い争いを繰り広げ、「D.O.M.E.」からも、ニュータイプ主義に陥っている限り、スペースノイドに未来はないと突き放された。
「D.O.M.E.」が機能を停止するに及んで、なおもニュータイプ主義にこだわり戦闘を続行しようとしたが、最後はその醜態からフロスト兄弟の怒りを買い、ガンダムヴァサーゴとガンダムアシュタロンのサテライトランチャーによって乗艦ごと消滅させられた。
登場作品と役柄
Zシリーズ
- スーパーロボット大戦Z
- 政敵のブラッドマンがSRWに初登場したため、原作での醜い言い争いも、その最期もしっかり再現されている。
携帯機シリーズ
- スーパーロボット大戦R
- ネオ・ジオンに所属している。シナリオ「戦士、再び…」でサダラーンに乗る。この作品では死亡せず、デキム共々地球で裁きを受けることとなった。なお、原作での政敵であるブラッドマンは登場していない。
パイロットステータス設定の傾向
特殊技能(特殊スキル)
人間関係
- ランスロー・ダーウェル
- 15年前の戦いの時からの部下であるニュータイプの男性。ニュータイプの力を失った彼を前大戦の英雄として祭り上げているが、自らの横暴な振る舞いが原因で最終的には決別される。
- ガロード・ラン
- 自らの考案したダリア作戦を彼によって潰された。その後は特に絡みはないが、『Z』ではニュータイプの意味を本当に理解しているのかと、面と向かって非難される。
- ジャミル・ニート
- 15年前の戦争で、敵として戦った。
- フィクス・ブラッドマン
- 政敵で、新地球連邦の代表。しかし、同じ穴のムジナであり、権力欲の権化同士で醜く言い争った。
- また、『Z』では、15年前の大戦から、自分の元にランスロー以外でニュータイプに覚醒した者がいないという事実を突き付けられた。
- フロスト兄弟(シャギア・フロスト&オルバ・フロスト)
- ブラッドマンと共に戦闘を続行した事で彼らの怒りの買い、サテライトランチャーで殺害された。
- D.O.M.E.
- 妄信して止まないファースト・ニュータイプ。彼に対してだけは崇拝の念を抱いていたようだが、彼からも自分のニュータイプ主義を否定されてしまう。
他作品との人間関係
ガンダムシリーズ
ザイデルは他のガンダムシリーズのニュータイプ達が自分のニュータイプ主義を理解しない事に憤りを感じているが、本人達から見ればザイデルのニュータイプ主義は鬱陶しい事この上ないようである。
宇宙世紀ガンダムシリーズ
- アムロ・レイ
- 『R』では、ニュータイプが自分が思っている程器用ではないと、指摘される。
- シャア・アズナブル(クワトロ・バジーナ)
- 『R』では「ニュータイプがスペースノイドの為に戦う存在」という考えを否定され、ニュータイプを選民思想に利用している事実も指摘された。
- カミーユ・ビダン
- 『R』では「魂をニュータイプという言葉で縛られている」と評される。
- 『Z』では、「ニュータイプであるかはどうかは関係ないが、その考えを認めてはならない」とやはり否定されている。
- ハマーン・カーン
- 『R』ではネオ・ジオンの同僚だが、ニュータイプが何であるかは自分が決めるとまで言いだす傲慢な物言いから、本気で呆れられている。
- 『Z』では、アプリリウス同盟軍として、同盟を結んでいるが、ifルートでは彼女から「ニュータイプの意味を履き違えている男」と見限られる。
- ジュドー・アーシタ
- 『R』では、醜悪なまでにニュータイプに固執する彼に「鬱陶しい存在」と断じられる。
- プルツー
- 『R』では部下。彼女がジュドーによって説得されたため彼女が乗っていたサイコガンダムMk-IIを爆破する。辛くもプルツーは無事だった。
アナザーガンダムシリーズ
- ドモン・カッシュ
- 『R』では、月のマイクロウェーブ送信施設でラウンドナイツに遭遇した際に、彼らに銃を向けるも彼に持っていた銃を取り上げられてしまう。
- トロワ・バートン
- 『R』では、途中までは仲間だったが、いざオペレーション・メテオを発動しようとした矢先に裏切られ怒りを露わにした。
名台詞
- 「謀ったな新連邦軍、主砲回答! 目標敵旗艦!」
「……オールドタイプ共めッ!」
オペレータ「超エネルギー体接近ッ!」
「えッ!! ぬわぁあああああッ!!」 - 月面マイクロウェーブ基地から出港し、停戦したはずの戦闘が再開されているのを新連邦の策略だと邪推し、新連邦軍旗艦アマネセルへ砲塔を向けた直後にフロスト兄弟のサテライトキャノンで沈められてしまう。
- 最後まで敵をオールドタイプと罵っており、D.O.M.E.から真実を述べられても自らが利用してきた「ニュータイプ主義」から脱却することはなかった。
スパロボシリーズの名台詞
- 「我々が人類を統治する事でニュータイプは目覚める!そのためには地球に巣食う俗物どもを打倒し…」
- 『Z』終盤において、ブラッドマンから15年前の大戦以来、ランスローしかニュータイプがいないという事実を突き付けられた際の反論。直後にジャミルから「黙れ!」と一喝される。