概要
シャングリラ第三艦橋に封印されていた11体目のマキナ。城崎天児の手によって世界で初めて完成した大型マキナであり、全てのマキナのベースとなった存在。正式な名称は存在せず、ラインバレルの存在が確認された後に久嵩によって「ロストバレル」と通称されている。
外見は漆黒のラインバレルと言った印象だが、肩部などはプロトタイプやヴァーダントに近く、頭部のデザインはラインバレルに近くはあるが、顎が張り出しているなど若干アンバランスな造りになっている。
基本スペックはラインバレルと同等であるが、「マキナ殺し」として開発された同型機とは異なり、修復力・攻撃力はあくまで通常のマキナの域を出ず、オーバーライドも使用不可能。しかし、試作一号機であるがゆえ実験的な部分もかなり多く持っており、一部の性能は浩一そのものとなった現状のラインバレルをも凌ぐ。 主な武装は両脇にマウントされたビームソード。これはエグゼキューターの原型となった装備である。その本体であるテールスタビライザーには、開発元と思しき「ムラマツエンジニアリング」というローマ字表記が確認できる。 また、人型のマキナ(ヒトマキナ除く)でありながら単独で飛行可能で[1]、20巻のイラストに北欧まで辿り着いている光景がある。
経緯は不明ながらシャングリラの第三艦橋に在るハンガーにファクター不在のまま死蔵されていた。これは、真のオーバーライドのトリガーである「全マキナへのファクター生成」を防ぐための手段である。
加藤機関が本格的に動き始めて以降、「マキナ狩り」以降に残ったマキナは久嵩のシャングリラ、当時はまだ「やり直された」世界に転移していなかったラインバレル、富士樹海に転送されたヴァーダント、石神が持ち出した2機、島根の黄泉平坂に眠っていたペインキラー、加藤機関が所有していたプリテンダーとアパレシオンとマサキのグラン・ネイドル、石神のジュダ、阿戸炉村に座していた宗美のタリスマン、そしてこのロストバレルの12機となっていた。この内プリテンダーは「想像力喪失を防ぐ」ための一環としてキリヤマ重工に譲渡され英治がファクターとなったため、ファクター不在のマキナはロストバレルのみとなっていた。
このため、久嵩はロストバレルを破壊するコトも出来ず[2]、シャングリラに封印するしか出来なかった。しかし、後に石神の策によって沢渡をファクターとして起動、ヒトマキナ襲来時に戦線を離脱して消息を絶った。
3年後を描いた最終章では、東欧を拠点とする地下組織の戦力となっており、沢渡を訪ねた[3]美海を殺害、ペインキラーの随伴機を奪取している[4]。 そして、デウスエクスマキナ攻略のためオーバーライドを行おうとしたラインバレルの背後にいきなり現れ、不意打ちを食らわせた。
しかし、浩一が完全に人を捨てて「正義の味方」となったことを確認したことで第四の原則が有効となったことで、他のマキナ共々ファクターの意志を無視してラインバレルの指揮下に入った。
その後シャングリラに回収され、月面決戦にて華型ヒトマキナを撃墜すべく出撃。他の無人アルマ部隊が全滅する中、満身創痍となりながら中枢まで斬り込み、電脳の破壊に成功。華型の爆発に巻き込まれ、沢渡ともども消滅した。
登場作品と操縦者
携帯機シリーズ
- スーパーロボット大戦UX
- ユニットアイコンのみの登場。このため登場するマキナでは唯一戦うコトが出来ない。しかも、原作と違いデウス戦が決着するため、それに伴いこの機体も割を食う形で以後登場しなくなる。
- エンディングでは新型サイコギア隊と海動&真上、さらには加藤機関の面々にまで追われている。
単独作品
- スーパーロボット大戦Card Chronicle
- ユニットとして登場。実質的な初登場作品。
装備・機能
武装・必殺武器
- ビームソード
- 確認されている唯一の武器。両脇にある柄は単なる出力機であり、テールスタビライザーが本体である。そのためテールスタビライザーと有線で接続されている。
特殊能力
- オーバードライブ
- ラインバレルのオーバーライド同様高速で移動することが出来るが、本機の周囲に転送フィールドを周囲に纏うことも出き、あらゆる攻撃を無効にする。
- 自機のシステムの奥深くに城崎天児によって何重にも鍵をかけて封印されていたが、沢渡が何らかの手によってその封印を解いた。
- ラインバレルのオーバーライドと異なり、常時転送フィールドを展開できるがテールスタビライザーにシステムが集約されているため大きく破損すると使用することすらできなくなる欠点もある。