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== 概要 ==
 
== 概要 ==
第二部・アセム編より登場。[[ヴェイガン]]に所属する軍人の一人であり、長い銀髪と褐色肌が特徴の美青年。『MEMORY OF EDEN』では事実上の[[主人公]]となる。
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第二部・アセム編より登場。[[ヴェイガン]]に所属する軍人の一人であり、長い銀髪と褐色肌が特徴の美青年。スペシャルエディション[[OVA]]『機動戦士ガンダムAGE MEMORY OF EDEN』(以下、『MOE』と表記)では事実上の[[主人公]]<ref>『MOE』後編のエンディングロール(キャスト欄)では、本編の[[主人公]]であるアセム・アスノに代わって、ゼハート・ガレットがトップに位置している。</ref><ref name="Boss">『MOE』では[[ゼラ・ギンス]]が未登場のままで終幕するので、ゼハート・ガレットが当作品の[[ラストボス]]の役割を担う。</ref>となる。
    
=== 来歴 ===
 
=== 来歴 ===
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==== キオ編・三世代編 ====
 
==== キオ編・三世代編 ====
推定実年齢55歳前後。コールドスリープから目覚めた後、新たな専用機[[ギラーガ]]を駆りオリバーノーツを強襲。その際、[[民間人]]への被害を一切躊躇しないなど非情な面が描かれている。キオと対峙して、それを非難された際に「戦争はゲームではない」と切り返した。
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推定実年齢55歳前後。コールドスリープから目覚めた後、新たな専用機[[ギラーガ]]を駆りオリバーノーツを強襲。その際、[[民間人]]への被害を一切躊躇しないなど非情な面が描かれている。キオと対峙して、それを非難された際に「戦争は[[コンピュータゲーム|ゲーム]]ではない」と切り返した。
    
ルナベースでは[[アローン・シモンズ]]と共謀して乗っ取りに成功したが、アスノ家を筆頭とした奪還作戦にてジラードが戦死したのと、セリックによる降伏勧告を受けたのを機に全軍撤退を余儀なくされる。その際アセムから聞かされたプロジェクト・エデンの真意を帰還後にイゼルカントに問い詰めたところ、その全てを明かされた上でヴェイガンの全権を委ねられることになる。その真意である「宇宙規模の戦争による人間の選別と、それに伴うエデンの実現」にはさすがに衝撃を受けていた(有体に言えば引いていた)が、マーズレイで既に瀕死のイゼルカントへの同情、さらに知らずとはいえそのために死んでいった仲間達の意志やこれまでの人生を否定することが出来ず、引き受けることになった。
 
ルナベースでは[[アローン・シモンズ]]と共謀して乗っ取りに成功したが、アスノ家を筆頭とした奪還作戦にてジラードが戦死したのと、セリックによる降伏勧告を受けたのを機に全軍撤退を余儀なくされる。その際アセムから聞かされたプロジェクト・エデンの真意を帰還後にイゼルカントに問い詰めたところ、その全てを明かされた上でヴェイガンの全権を委ねられることになる。その真意である「宇宙規模の戦争による人間の選別と、それに伴うエデンの実現」にはさすがに衝撃を受けていた(有体に言えば引いていた)が、マーズレイで既に瀕死のイゼルカントへの同情、さらに知らずとはいえそのために死んでいった仲間達の意志やこれまでの人生を否定することが出来ず、引き受けることになった。
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フラムを犠牲にしたにも関わらず何の結果も得られなかったことに怒りと焦りを抱いたゼハートは再びレギルスで出撃、アセムと激突する。しかし、デシルを始めとする死者達の幻影と嘲笑、さらに背負ったものと現在の状況に対するプレッシャーでレギルスの力を全く引き出すことが出来ず、たったの55秒で無力化。最後の最後で人らしい生き方を掴んだアセムが羨ましかったと語り、爆発から逃すためにダークハウンドを蹴り飛ばす。そして、彼にとっての「エデン」であるアセムやロマリーと過ごした日々を思い返しながら、レギルスの爆発に消えていった。
 
フラムを犠牲にしたにも関わらず何の結果も得られなかったことに怒りと焦りを抱いたゼハートは再びレギルスで出撃、アセムと激突する。しかし、デシルを始めとする死者達の幻影と嘲笑、さらに背負ったものと現在の状況に対するプレッシャーでレギルスの力を全く引き出すことが出来ず、たったの55秒で無力化。最後の最後で人らしい生き方を掴んだアセムが羨ましかったと語り、爆発から逃すためにダークハウンドを蹴り飛ばす。そして、彼にとっての「エデン」であるアセムやロマリーと過ごした日々を思い返しながら、レギルスの爆発に消えていった。
   −
OVA『MEMORY OF EDEN』では、プロジェクト・エデンを実行することが即ち「'''同胞の犠牲を無駄にしないために同胞の犠牲を無駄にする'''」という矛盾であることに気づき、しかしそれをやめることも引き返すことも出来なくなって追い詰められていく過程が描かれている。さらに最終決戦前の連邦との戦いでは敵のモビルスーツを次々と撃破しながらも次第に精神が壊れ始め、イゼルカント曰くの「真のXラウンダー」='''理性なき野獣'''へと目覚めていく様子が克明に描写されている。
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OVA『MOE』では、プロジェクト・エデンを実行する事が即ち「'''同胞の犠牲を無駄にしないために同胞の犠牲を無駄にする'''」という矛盾であることに気付き、しかしそれをやめる事も引き返すことも出来なくなって追い詰められていく過程が描かれている。さらに最終決戦前の連邦との戦いでは敵のモビルスーツを次々と撃破しながらも次第に精神が壊れ始め、イゼルカント曰くの「真のXラウンダー」='''理性なき野獣'''へと目覚めていく様子が克明に描写されている。
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また、アセムとの最終決戦もTV版のような一方的なものではなく、両者とも傷付きながらも感情をぶつけ合う激しいものとなっている。
 
また、アセムとの最終決戦もTV版のような一方的なものではなく、両者とも傷付きながらも感情をぶつけ合う激しいものとなっている。
   −
=== 評価 ===
+
=== キャラクターの総評 ===
その生き様は言うなれば、道を間違えたアセム、家族や友人に恵まれなかったフリットという彼らの「もしも」の姿とも言い換えることが出来る。全てを一人で背負い込み、それを分かち合える家族や友が誰もいなかったゼハートには頼れるものは自分以外になく、さらに「ゼハート・ガレット」という個人と向き合ってくれるのが実質、敵となったアセム以外にいなかったのも大きい。ヴェイガンの絶対的指導者であるイゼルカントから全てを受け継いだ男、有数のXラウンダー、エデンの住民の代表たるゼハートには、陰ながら支えようとする者達は多くいたものの、正面から諌め、あるいは共に歩いてくれる者は誰もおらず、フラムですら表面的には「上官と部下」の関係で留まっていた。結局のところ、ゼハートにとって本当に必要だったのは「ヴェイガンの未来」という重荷を分かち合える仲間であり、一人で背負えるはずのないものを無理に一人で背負ってしまったのが一番の不幸だったと言える。
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ゼハートの生き様は言うなれば、'''道を間違えたアセム、家族や友人に恵まれなかったフリットという彼等の「もしも」の姿'''とも言い換える事が出来る。全てを一人で背負い込み、それを分かち合える家族や友が誰もいなかったゼハートには頼れるものは自分以外になく、さらに「ゼハート・ガレット」という個人と向き合ってくれるのが実質、敵となったアセム以外にいなかったのも大きい。ヴェイガンの絶対的指導者であるイゼルカントから全てを受け継いだ男、有数のXラウンダー、エデンの住民の代表たるゼハートには、陰ながら支えようとする者達は多くいたものの、正面から諌め、あるいは共に歩いてくれる者は誰もおらず、フラムですら表面的には「上官と部下」の関係で留まっていた。結局のところ、ゼハートにとって本当に必要だったのは「ヴェイガンの未来」という重荷を分かち合える仲間であり、一人で背負えるはずのないものを無理に一人で背負ってしまったのが一番の不幸だったと言える。
   −
その表れか、軍人としては確かに有能なものの指揮官としては疑問符がつき、事実彼が担当した作戦は、作中描かれた限り'''ほとんど失敗している'''(根底にある他者への思いやりや部下に慕われるカリスマ性から人の上に立つ資質が無いという訳ではないし、メタ的に言えば作戦が成功するとAGEシステムが失われるなどしてバッドエンド一直線という見方もある)。更には最高クラスのXラウンダーであり、優れたパイロットでもあったゼハートが精神の平衡を保てなかった事が原因で殆ど力を発揮できず、心の強さこそが最も重要なスーパーパイロットとなったアセムに圧倒される、というかなり皮肉な敗北をしてしまった。
+
その表れか、軍人としては確かに有能なものの指揮官としては疑問符が付き、事実ゼハートが担当した作戦は、作中描かれた限り'''ほとんど失敗している'''<ref>根底にある他者への思いやりや部下に慕われるカリスマ性から、ゼハートが人の上に立つ資質が無いという訳ではないし、メタ的に言えば「作戦が成功すると、AGEシステムが失われる等してバッドエンド一直線」という見方もある。</ref>。更には最高クラスのXラウンダーであり、優れたパイロットでもあったゼハートが精神の平衡を保てなかった事が原因で殆ど力を発揮できず、心の強さこそが最も重要なスーパーパイロットとなったアセムに圧倒される、というかなり皮肉な敗北をしてしまった。
    
== 登場作品と役柄 ==
 
== 登場作品と役柄 ==
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=== [[ヴェイガン]] ===
 
=== [[ヴェイガン]] ===
 
;[[GUNDAM:デシル・ガレット|デシル・ガレット]](SRW未登場)
 
;[[GUNDAM:デシル・ガレット|デシル・ガレット]](SRW未登場)
:実兄だが、彼の苛烈な[[性格]]も相まってか仲は良くない。自身が地球攻撃の司令官に抜擢されたときは強い嫉妬を向けられていた。最終的には見殺しにしたが、その事に少なからず罪悪感を覚えていた。
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:実兄だが、彼の苛烈な[[性格]]も相まってか仲は良くない。自身が地球攻撃の司令官に抜擢された時は強い嫉妬を向けられていた。最終的には見殺しにしたが、その事に少なからず罪悪感を覚えていた。
:小説版では、かつて[[ユリン・ルシェル|民間人の少女]]を利用した卑劣な作戦をとった彼を明確に軽蔑しており、最終的にはヴェイガンの要塞を地球に落下させようとするという凶行に奔った彼をアセムと一時的に共闘して阻止している。
+
:[[小説|小説版]]では、かつて[[ユリン・ルシェル|民間人の少女]]を利用した卑劣な作戦をとった彼を明確に軽蔑しており、最終的にはヴェイガンの要塞を地球に落下させようとするという凶行に奔った彼をアセムと一時的に共闘して阻止している。
 +
:『MOE』では、ゼハートの[[夢]]の中に何度も登場し、辛辣な言葉で彼を苦しめている。一方で、ゼハートが目を背けている物を的確に指摘する事も。
 
;[[GUNDAM:メデル・ザント|メデル・ザント]](SRW未登場)
 
;[[GUNDAM:メデル・ザント|メデル・ザント]](SRW未登場)
 
:アセム編での副司令。元々は総司令官だったが、ゼハートにその座を譲る。ゼハートの下に就いた後も一切含むことなく献身的に彼を支えている。
 
:アセム編での副司令。元々は総司令官だったが、ゼハートにその座を譲る。ゼハートの下に就いた後も一切含むことなく献身的に彼を支えている。
 
;[[GUNDAM:ダズ・ローデン|ダズ・ローデン]](SRW未登場)
 
;[[GUNDAM:ダズ・ローデン|ダズ・ローデン]](SRW未登場)
 
:アセム編での補佐官。コロニー「トルディア」へゼハートと共に潜入していた。
 
:アセム編での補佐官。コロニー「トルディア」へゼハートと共に潜入していた。
 +
:『MOE』では、潜伏先のトルディアで学園生活を送るゼハートに対して父親のように接している。また、ゼハート自身はアセム達にダズの事を「おじさん」と紹介している。
 
;[[GUNDAM:ドール・フロスト|ドール・フロスト]](SRW未登場)
 
;[[GUNDAM:ドール・フロスト|ドール・フロスト]](SRW未登場)
 
:アセム編での部下マジシャンズ8のリーダー。コロニー「ノートラム」攻防戦終盤で、大気圏に落ちたゼハートを庇い、戦死。
 
:アセム編での部下マジシャンズ8のリーダー。コロニー「ノートラム」攻防戦終盤で、大気圏に落ちたゼハートを庇い、戦死。
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:幼少期より彼を信奉していた。アセムとの交流もあってか、三世代編では懐疑的に見るようにもなったが、最終的に彼の後継者となった。
 
:幼少期より彼を信奉していた。アセムとの交流もあってか、三世代編では懐疑的に見るようにもなったが、最終的に彼の後継者となった。
 
:小説版では「プロジェクト・エデン」の真相を知った事で、表向きは彼の後継者として振舞いながらも、彼の計画に叛旗を翻す。
 
:小説版では「プロジェクト・エデン」の真相を知った事で、表向きは彼の後継者として振舞いながらも、彼の計画に叛旗を翻す。
:『BX』においても彼への懐疑がアニメ版よりやや強くなっており、「プロジェクト・エデン」に本心では反対していた。そのため決戦直前で法術士ニューに、イゼルカントの処遇についてある命令を下す。フラグが成立した場合、彼から「お前の目指したものこそが真のエデン」と伝えられ、ようやく重荷から解放されることに。
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:『BX』においても彼への懐疑がアニメ版よりやや強くなっており、「プロジェクト・エデン」に本心では反対していた。そのため決戦直前で法術士ニューに、イゼルカントの処遇についてある命令を下す。
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:[[隠し要素/BX|フラグ]]が成立した場合、彼から「お前の目指したものこそが真のエデン」と伝えられ、ようやく重荷から解放される事に。
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;[[ゼラ・ギンス]]
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:主君イゼルカントの[[クローン]]人間で、ゼハートと同じくイゼルカントの後継者候補として想定されていた人物<ref name="Boss" />。
    
== 他作品との人間関係 ==
 
== 他作品との人間関係 ==
 
;[[法術士ニュー]]
 
;[[法術士ニュー]]
:『[[スーパーロボット大戦BX|BX]]』では異世界からの来訪者であり、プロジェクト・エデンを引き継いだゼハートの参謀役となる。彼を信頼し、[[ブライティクス]]と地球連邦軍との最終決戦の際には彼に[[暗殺|ある密命]]を与える。参戦フラグを満たした場合、間一髪のところを彼の転移魔法に救われる。エンディングでは人知れずスダ・ドアカワールドに帰ろうとしていた彼をフラムやレイルと共に見送る。
+
:『[[スーパーロボット大戦BX|BX]]』では異世界からの来訪者であり、プロジェクト・エデンを引き継いだゼハートの参謀役となる。彼を信頼し、[[ブライティクス]]と地球連邦軍との最終決戦の際には彼に[[暗殺|ある密命]]を与える。
 +
:参戦フラグを満たした場合、間一髪のところを彼の転移魔法に救われる。エンディングでは人知れずスダ・ドアカワールドに帰ろうとしていた彼をフラムやレイルと共に見送る。
 
;[[ロニ・ガーベイ]]、ジオン残党軍
 
;[[ロニ・ガーベイ]]、ジオン残党軍
:『BX』では[[ブライティクス]]に敗北した彼女たちを救い、ロストロウラン攻略作戦へ参加させる。なお、同道しない兵士については途中で降ろす配慮も見せている。ロニの生存フラグが成立した場合、彼女をセカンドムーンに保護する。
+
:『BX』では[[ブライティクス]]に敗北した彼女たちを救い、ロストロウラン攻略作戦へ参加させる。なお、同道しない兵士については途中で降ろす配慮も見せている。
 +
:ロニの生存フラグが成立した場合、彼女をセカンドムーンに保護する。
 
;[[白鳥九十九]]、[[月臣元一朗]]、[[タカスギ・サブロウタ|高杉三郎太]]、[[秋山源八郎]]
 
;[[白鳥九十九]]、[[月臣元一朗]]、[[タカスギ・サブロウタ|高杉三郎太]]、[[秋山源八郎]]
 
:『BX』では[[木連|同盟組織]]の将である彼らと何度も共同戦線をとる。
 
:『BX』では[[木連|同盟組織]]の将である彼らと何度も共同戦線をとる。
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:『BX』ではオリバーノーツでの戦いで彼女達を一蹴するが、彼女達の決死の反撃もあって撤退に追い込まれる結果に。
 
:『BX』ではオリバーノーツでの戦いで彼女達を一蹴するが、彼女達の決死の反撃もあって撤退に追い込まれる結果に。
 
;[[ティエリア・アーデ]]
 
;[[ティエリア・アーデ]]
:同じく神谷氏が演じるガンダムキャラ。BXでは特殊台詞がある。
+
:同じく[[声優:神谷浩史|神谷浩史]]氏が演じるガンダムキャラ。『BX』では[[特殊戦闘台詞]]がある。
    
== 名台詞 ==
 
== 名台詞 ==
 
=== アセム編 ===
 
=== アセム編 ===
   −
;「アセム、お前とは、あのまま友達でいられたかもしれない。だが、俺には戦士として背負うものがある。譲ることの出来ない、戦う理由がある。」
+
;「アセム、お前とは、あのまま友達でいられたかもしれない。だが、俺には戦士として背負うものがある。譲る事の出来ない、戦う理由がある。」
;「お前にはあるのか?それ程の覚悟が!俺だと知ってお前は撃てるのか!?」
+
;「お前にはあるのか? それ程の覚悟が! 俺だと知ってお前は撃てるのか!?」
 
;「お前のような優しい奴は戦うべきじゃない…!」
 
;「お前のような優しい奴は戦うべきじゃない…!」
:第18話より。卒業式の日に、アセムに正体を明かしての発言。これから戦いになれば友達同士でも戦わなければならず、ゼハートなりにも彼を説得する。
+
:第18話より。卒業式の日に、アセムに正体を明かしての発言。これから戦いになれば友達同士でも戦わなければならず、ゼハートなりにも彼を[[説得]]する。
 
:アセムの優しさを知っているからこその言葉だったが…。
 
:アセムの優しさを知っているからこその言葉だったが…。
 
;「これが、[[Xラウンダー]]の力だ。お前が戦いに向かないのは甘さだけじゃない。」
 
;「これが、[[Xラウンダー]]の力だ。お前が戦いに向かないのは甘さだけじゃない。」
 
;「アセム…''二度と俺の前に現れるな…。''」
 
;「アセム…''二度と俺の前に現れるな…。''」
:第20話にてアセムのガンダムAGE-2を圧倒し、こう言い残して去って行った。力の違いを見せつけてでもアセムを戦いから遠ざけようとする友としてのせめてもの情けだったが、皮肉にもこれがアセムの苦悩の始まりになってしまう。
+
:第20話にてアセムのガンダムAGE-2を圧倒し、こう言い残して去って行った。
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:力の違いを見せつけてでもアセムを戦いから遠ざけようとする友としてのせめてもの情けだったが、皮肉にもこれがアセムの苦悩の始まりになってしまう。
    
=== キオ編 ===
 
=== キオ編 ===
 
;「ガンダム…またもや私の前に立ちはだかるのか」
 
;「ガンダム…またもや私の前に立ちはだかるのか」
 
:第29話より。オリバーノーツ襲撃時に、[[ガンダムAGE-3]]と対峙して。ちなみに、[[フル・フロンタル|「赤い彗星の再来」と呼ばれる男]]もまた、ゼハートと同様の趣旨の発言をしている。
 
:第29話より。オリバーノーツ襲撃時に、[[ガンダムAGE-3]]と対峙して。ちなみに、[[フル・フロンタル|「赤い彗星の再来」と呼ばれる男]]もまた、ゼハートと同様の趣旨の発言をしている。
;「スパイは人類が戦争を覚えた時代から存在している。それをとやかく言われる筋合いは無い……戦争はゲームではないのだよ、坊や!!」
+
;「スパイは人類が戦争を覚えた時代から存在している。それをとやかく言われる筋合いは無い……戦争は[[コンピュータゲーム|ゲーム]]ではないのだよ、坊や!!」
 
:第33話より。ロストロウラン基地で[[キオ・アスノ|キオ]]と対峙した時の言葉。[[シャナルア・マレン|シャナルア]]の弱みに付け込んで[[スパイ]]に仕立て上げた事を糾弾されたが、ゼハートはこの言葉で逆に切り返した。
 
:第33話より。ロストロウラン基地で[[キオ・アスノ|キオ]]と対峙した時の言葉。[[シャナルア・マレン|シャナルア]]の弱みに付け込んで[[スパイ]]に仕立て上げた事を糾弾されたが、ゼハートはこの言葉で逆に切り返した。
 
:かつて、戦争を自分本位のゲームとしか見ていなかった兄・デシルとは真逆の考えで戦争を捉えている事が伺える。
 
:かつて、戦争を自分本位のゲームとしか見ていなかった兄・デシルとは真逆の考えで戦争を捉えている事が伺える。
    
=== 三世代編 ===
 
=== 三世代編 ===
;「私はもう後へなど退けない! 私に残された道は、エデンに続く道のみだ!」
+
;「私はもう後へなど退けない! 私に残された道は、エデンに続く道のみだ!」
 
:
 
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;(私は…一体何をやっているのだ……!? 一体何を!?)<br />「わかっている! 何としてもガンダムは落とす! この戦いに勝利してみせるッ!」
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;(私は…一体何をやっているのだ……!? 一体何を!?)<br />「わかっている! 何としてもガンダムは落とす! この戦いに勝利してみせるッ!」
:味方を犠牲にしてまでもガンダムを落とせず、これまでに死んでいったヴェイガンの者達がゼハートを嘲笑する、という幻覚を見て。既にいない者たちに衝き動かされるように、ゼハートは再びレギルスに乗り込む。OVAでは「死者の手が無数に生えてきてゼハートを引きずり込もうとする」という幻覚を見ていたが、どちらの描写も追い詰められていたゼハートに追い討ちをかけるには十分すぎた。
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:味方を犠牲にしてまでもガンダムを落とせず、これまでに死んでいったヴェイガンの者達がゼハートを嘲笑する、という幻覚を見て。既にいない者達に衝き動かされるように、ゼハートは再びレギルスに乗り込む。
:『BX』においては前者は撃墜時、後者はアレンジした上で対ガンダムの特殊戦闘台詞に採用されている。
+
:'''『MOE』では「死者の手が無数に生えてきてゼハートを引きずり込もうとする」という幻覚を見ている'''が、どちらの描写も追い詰められていたゼハートに追い討ちをかけるには十分すぎた。
;「全てが……こぼれ落ちていく……! どうして掴めないんだ……!!」
+
:『BX』においては前者は撃墜時、後者はアレンジした上で対ガンダムの[[特殊戦闘台詞]]に採用されている。
:フラムを囮にしてディグマゼノン砲でガンダムを殲滅する、という作戦が失敗に終わり、愕然と呟く。エデンのために大きすぎる犠牲を払いながら、彼は結局何もつかめなかった。
+
;「全てが……こぼれ落ちていく……! どうして掴めないんだ……!!」
:『BX』では第41話での撃墜セリフに採用されている。
+
:[[フラム・ナラ|フラム]]を囮にしてディグマゼノン砲でガンダムを殲滅する、という作戦が失敗に終わり、愕然と呟く。エデンのために大きすぎる犠牲を払いながら、彼は結局何もつかめなかった。
;「必ずやり遂げねばならないのだ…! 人の感情など、とうに捨てている!」
+
:『BX』では第41話での撃墜時の台詞に採用されている。
:アセムと対峙して。イゼルカントのエデンは手段と思想にこそ問題があるものの「'''人が人らしく生きられる世界を取り戻す'''」ことが目的であり、アセムの言うとおり人の感情を捨てた時点で大義として成立しなくなっている。プレッシャーに潰されつつあるゼハートにはそれすらもわからず、ただエデンのためという妄執にも似た使命感がヴェイガンの白いガンダムを駆る。
+
;「必ずやり遂げねばならないのだ…! 人の感情など、とうに捨てている!」
;「おおおおおおっ!! ガァァンダムゥゥゥッ!!」
+
:アセムと対峙して。イゼルカントが提唱するプロジェクト・エデンは、手段と思想にこそ問題があるものの「'''人が人らしく生きられる世界を取り戻す'''」事が目的であった。アセムの言う通り、ゼハートが人の感情を捨てた時点で大義として成立しなくなっている。
:AGE-FXに斬りかかった際の叫び。BXでも採用されているが、なぜかイベント戦闘でシドに攻撃した際の台詞になっている。
+
:しかし、[[プレッシャー]]に潰されつつあるゼハートにはそれすらもわからず、ただエデンのためという妄執にも似た使命感がヴェイガンの白いガンダムを駆る。
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;「おおおおおおっ!! ガァァンダムゥゥゥッ!!」
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:AGE-FXに斬りかかった際の叫び。『BX』でも採用されているが、何故かイベント戦闘で[[シド]]に攻撃した際の台詞になっている。
 
;「やっと……俺に追いついたな…。大したものだ…」
 
;「やっと……俺に追いついたな…。大したものだ…」
:AGE-2ダークハウンドに敗北して。Xラウンダーではないうえに、かつてあらゆる意味で戦士として自らの足元にも及ばなかったアセムが徐々に戦士として成長していき、そして自らに追いつき、追い越したことに敵ながら感慨深げだった。
+
:AGE-2ダークハウンドに敗北して。Xラウンダーではない上に、かつてあらゆる意味で戦士として自らの足元にも及ばなかったアセムが徐々に戦士として成長していき、そして自らに追いつき、追い越した事に敵ながら感慨深げだった。
 
;「やり遂げたかったんだ……イゼルカント様のなさろうとした事を……私達の夢を……でなければ、私は何のために生きたのか…わからないんだ」<br />「お前たちと過ごしたMSクラブでの毎日……あの時、私は満たされていた…。お前は力を持った私に嫉妬していたのだろう…しかし、本当は俺もお前が羨ましかったんだ…」<br />「俺も愛する人と子を作り…お前のように生きたかった…」
 
;「やり遂げたかったんだ……イゼルカント様のなさろうとした事を……私達の夢を……でなければ、私は何のために生きたのか…わからないんだ」<br />「お前たちと過ごしたMSクラブでの毎日……あの時、私は満たされていた…。お前は力を持った私に嫉妬していたのだろう…しかし、本当は俺もお前が羨ましかったんだ…」<br />「俺も愛する人と子を作り…お前のように生きたかった…」
:アセムに敗北し、ようやく明かした本音。ゼハートにとってのエデンとは戦いの先にあるものではなく、アセムやロマリーと共に過ごしたあの日々だった。途中からはヴェイガン軍人としての一人称「私」ではなくいち個人としての一人称「俺」を使っている。
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:アセムに敗北し、ようやく明かした本音。ゼハートにとってのエデンとは戦いの先にあるものではなく、アセムやロマリーと共に過ごしたあの日々だった。
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:途中からはヴェイガン軍人としての一人称「私」ではなくいち個人としての一人称「俺」を使っている。
 
;「ありがとう、アセム…」
 
;「ありがとう、アセム…」
:TVアニメ版・OVA版共通の最期の台詞。この直後に、[[ガンダムAGE-2ダークハウンド|ダークハウンド]]を[[ガンダムレギルス|レギルス]]の爆発に巻き込まないように蹴り飛ばし、アンカーもビームキャノンで焼き払い、宇宙に散った。
+
:TVアニメ版・[[OVA]]『MOE』共通の最期の台詞。
 +
:この直後に、[[ガンダムAGE-2ダークハウンド|ダークハウンド]]を[[ガンダムレギルス|レギルス]]の爆発に巻き込まないように蹴り飛ばし、アンカーもビームキャノンで焼き払い、[[宇宙]]に散った。
    
=== MEMORY OF EDEN ===
 
=== MEMORY OF EDEN ===
 
;「''俺は前に進むしか……ないのだぁぁぁ!!''」
 
;「''俺は前に進むしか……ないのだぁぁぁ!!''」
:アセムの「人が人である為のエデンではなかったのか!?」という言葉に対して『MOE』ではこう切り返した。TV版と違いイゼルカントの真意を知り間違った理想だったと悟ったゼハートだったが、後述の本音の通り犠牲になった同志達の為にも最早後戻りは出来なかった…。
+
:アセムの「人が人である為のエデンではなかったのか!?」という言葉に対して[[OVA]]『MOE』ではこう切り返した。
 +
:TV版と異なり、イゼルカントの真意を知り、間違った理想だったと悟ったゼハートだったが、後述の本音の通り犠牲になった同志達の為にも最早後戻りは出来なかった…。
 
;「プロジェクト・エデンの真の目的は私だって既に知っている…それが私の望まぬ未来であったことも…」<br />「イゼルカント様の望んだ世界は確かに私の願った世界ではなかった…だが、それを認めてしまったら今までの戦いで死んでいった者たちはどうなる…? 彼らが命をかけてエデンを求めた思いはどうなる…? それを無為にすることはできない…」
 
;「プロジェクト・エデンの真の目的は私だって既に知っている…それが私の望まぬ未来であったことも…」<br />「イゼルカント様の望んだ世界は確かに私の願った世界ではなかった…だが、それを認めてしまったら今までの戦いで死んでいった者たちはどうなる…? 彼らが命をかけてエデンを求めた思いはどうなる…? それを無為にすることはできない…」
 
:『MOE』におけるアセムに対しての本音。戦いで死んでいった者たちへ報いるためにとプロジェクト・エデンを敢行していた事を語る。その方針は[[フリット・アスノ|親友の父親]]と通ずるものがあった。
 
:『MOE』におけるアセムに対しての本音。戦いで死んでいった者たちへ報いるためにとプロジェクト・エデンを敢行していた事を語る。その方針は[[フリット・アスノ|親友の父親]]と通ずるものがあった。
183行目: 197行目:  
;「ファーデーンで戯れたせいで、AGEシステムを入手する機会を逸した兄上のお言葉、肝に銘じておきます」
 
;「ファーデーンで戯れたせいで、AGEシステムを入手する機会を逸した兄上のお言葉、肝に銘じておきます」
 
:小説版第3巻にて、コールドスリープから目覚めたデシルに対して皮肉を飛ばす。
 
:小説版第3巻にて、コールドスリープから目覚めたデシルに対して皮肉を飛ばす。
;「アセム! お前はこんなところで何をやっているんだ! お前は父親をやっていなければダメじゃないか! アセムゥゥゥゥ!」
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;「アセム! お前はこんなところで何をやっているんだ! お前は父親をやっていなければダメじゃないか! アセムゥゥゥゥ!」
:小説版4巻より。戦死したと思っていたアセムが生きていて、その上息子であるキオと交戦しているのを見て感情を爆発させ、立場も作戦内容も全て忘れて敵陣へ単独で突撃。
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:小説版第4巻より。戦死したと思っていたアセムが生きていて、その上息子であるキオと交戦しているのを見て感情を爆発させ、立場も作戦内容も全て忘れて敵陣へ単独で突撃。
 
:自分が望んでも手に入れることのできなかった家族を持ちながら、それを捨てたアセムを殴ってやろうとしたのだが、ゼハートのこの行動で敵も味方もすべて混乱し、結果AGE-3の鹵獲につながった。
 
:自分が望んでも手に入れることのできなかった家族を持ちながら、それを捨てたアセムを殴ってやろうとしたのだが、ゼハートのこの行動で敵も味方もすべて混乱し、結果AGE-3の鹵獲につながった。
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== 迷台詞 ==
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;(私の任務は諜報活動を行う潜入工作員だ。極力目立たないように振る舞わねばならない)<br>(…なのだが。なぜ皆、私の方を見ている!)
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:OVA『MOE』より。ゼハートはアセムが通う[[スペースコロニー]]「トルディア」内の高校への転校(潜入)後、クラスの女子生徒達からの熱い視線を浴びてしまって。
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:潜入工作員の自覚を持つゼハートは慎重な言動を心掛けていたのだが、彼自身が美形だった事がアダとなり、肝心の任務が果たせなくなってしまっていた。基本的に真面目な人物であるゼハートの数少ないコミカルな場面。
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:なお、程無くゼハートは[[ロマリー・アスノ|ロマリー]]と[[アセム・アスノ|アセム]]の誘いでモビルスーツクラブへ入部し、一学生として学園生活を送る事となる。
    
== スパロボシリーズの名台詞 ==
 
== スパロボシリーズの名台詞 ==
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;[[ガンダムレギルス]]
 
;[[ガンダムレギルス]]
 
:三世代編後半より、イゼルカントから受け継ぎ搭乗。
 
:三世代編後半より、イゼルカントから受け継ぎ搭乗。
:『MEMORY OF EDEN』では、赤く塗り替えた。
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:[[OVA]]『MOE』では、赤く塗り替えた。
 
;ファ・メナス
 
;ファ・メナス
 
:かつての主力艦ファ・ボーゼの同型艦で、アセム編での座乗艦となる巨大母艦。ゼハートのパーソナルカラーである赤に染められている。SRW未登場。
 
:かつての主力艦ファ・ボーゼの同型艦で、アセム編での座乗艦となる巨大母艦。ゼハートのパーソナルカラーである赤に染められている。SRW未登場。
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*機体の赤いカラーリングや[[モビルスーツ]]搭乗時の[[仮面キャラ|仮面]]とそのデザイン等からも明白であるが、ゼハート・ガレットは[[シャア・アズナブル]]のオマージュキャラでもある。
 
*機体の赤いカラーリングや[[モビルスーツ]]搭乗時の[[仮面キャラ|仮面]]とそのデザイン等からも明白であるが、ゼハート・ガレットは[[シャア・アズナブル]]のオマージュキャラでもある。
 
**ただし、ゼハートが着用する仮面は正体を隠すためではなく、自身の[[Xラウンダー]]能力を安定させるための制御デバイスである。そのため、ゼハートのXラウンダー能力についていけるガンダムレギルス受領後は外している。
 
**ただし、ゼハートが着用する仮面は正体を隠すためではなく、自身の[[Xラウンダー]]能力を安定させるための制御デバイスである。そのため、ゼハートのXラウンダー能力についていけるガンダムレギルス受領後は外している。
*キオ編以降の[[漫画|コミカライズ]]にあたる『クライマックスヒーロー』では[[ヴェイガンギア・シド]]が登場しないため、当作品におけるラスボスとなっており、キオとの絡みも濃く描かれている。
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*スペシャルエディション[[OVA]]『機動戦士ガンダムAGE MEMORY OF EDEN』で描かれた学生時代の『ピーター・パン』の[[劇中劇|劇]]では、ゼハートがピーター・パン役を演じている。
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**これは後年、ゼハートがコールドスリープをする事によって、外見が青少年期のままになっている事を暗示した場面であると考えられる。
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*先述のOVA『MOE』およびキオ編以降の[[漫画|コミカライズ]]にあたる『機動戦士ガンダムAGE ~クライマックスヒーロー~』では[[ヴェイガンギア・シド]]が登場しないため、ゼハートが当作品における[[ラストボス|ラスボス]]となっており、[[キオ・アスノ|キオ]]との絡みも濃く描かれている。
    
== 商品情報 ==
 
== 商品情報 ==
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