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| これ以降、様々な国でマキナが造られるようになったが、その頭脳である電脳は非常に高性能であり、自律意志を限定的ながら持っていた。そのため、完全な意志を持って反乱を起こさないよう、前述の原則が設定された。それ以後、ナノマシン技術は本来の目的である医療用に使われ、戦争そのものもマキナによる代理戦争へと変わっていった。だが、これによって人類は完全ではないが「不老不死」を得てしまい、その結果生物としての人間たる所以を忘れ、現状に甘んじて未来を想像しなくなっていった。これにより「想像力を失った」人類は、ファクターとなっていた一部を残し、自殺によって本編の660年前に絶滅した(この自殺に至るシステムは「自滅スイッチ」と呼ばれる)。この生き残ったファクター達が、浩一や森次など現在の人間の祖先にあたる(マキナの総数からして、天児、久嵩や宗美、絵美以外にもかなり多くのファクターが存在していたと思われる)。 | | これ以降、様々な国でマキナが造られるようになったが、その頭脳である電脳は非常に高性能であり、自律意志を限定的ながら持っていた。そのため、完全な意志を持って反乱を起こさないよう、前述の原則が設定された。それ以後、ナノマシン技術は本来の目的である医療用に使われ、戦争そのものもマキナによる代理戦争へと変わっていった。だが、これによって人類は完全ではないが「不老不死」を得てしまい、その結果生物としての人間たる所以を忘れ、現状に甘んじて未来を想像しなくなっていった。これにより「想像力を失った」人類は、ファクターとなっていた一部を残し、自殺によって本編の660年前に絶滅した(この自殺に至るシステムは「自滅スイッチ」と呼ばれる)。この生き残ったファクター達が、浩一や森次など現在の人間の祖先にあたる(マキナの総数からして、天児、久嵩や宗美、絵美以外にもかなり多くのファクターが存在していたと思われる)。 |
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− | だが、残されたマキナ達は、存在を維持するための原則が人間の存在を前提としていたため、人類絶滅を目の当たりにして絶望。自分達が存在するために主を必要とした彼らは、自分達の中からそれを生み出すべく、殺し合いを始めた。これは、互いに殺し合う中で死の概念とそれに対する恐怖を認識し、それを起点に想像力を得て人間になろうとしたための行為。これによって想像力を得たマキナは「'''ヒトマキナ'''」と呼称される。
| + | だが、残されたマキナ達は、存在を維持するための原則が人間の存在を前提としていたため、人類絶滅を目の当たりにして絶望。自分達が存在するために主を必要とした彼らは、自分達の中からそれを生み出すべく、殺し合いを始めた。これは、互いに殺し合う中で死の概念とそれに対する恐怖を認識し、それを起点に想像力を得て人間になろうとしたための行為。これによって想像力を得たとされるマキナは「'''ヒトマキナ'''」と呼称される。 |
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| なお、大量に存在するヴァーダントや洞窟の奥に埋まっていたペインキラーといったものがあるのに、加藤が何故正確なマキナの残数を把握していたのかは不明。 | | なお、大量に存在するヴァーダントや洞窟の奥に埋まっていたペインキラーといったものがあるのに、加藤が何故正確なマキナの残数を把握していたのかは不明。 |
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| === ヒトマキナ === | | === ヒトマキナ === |
− | 原作漫画版に登場する、死を認識し、その中で想像力を得ることで「'''人間になったマキナ'''」のこと。当然のように自意識と感情、そして想像力を備え、人語を解する。ただし、会話は通常のヒトマキナは出来ず、「主」と呼ばれる[[デウスエクスマキナ]]以外では、地上にいた通称「お爺ちゃん」と呼ばれる人間型、離反してJUDAについた大場真紀梓が可能となっている。<br/>但し飽くまで会話が出来ないと言うだけで、通信やデータのやり取りによるコミュニケーションは勿論可能である。 | + | 原作漫画版に登場する、死を認識し、その中で想像力を得ることで「'''人間になったとされるマキナ'''」のこと。当然のように自意識と感情、そして想像力を備え、人語を解する。ただし、会話は通常のヒトマキナは出来ず、「主」と呼ばれる[[デウスエクスマキナ]]以外では、特使として現れた通称「お爺ちゃん」と呼ばれる人間型、離反してJUDAについた大場真来梓が可能となっている。<br/>但し飽くまで会話が出来ないと言うだけで、通信やデータのやり取りによるコミュニケーションは勿論可能である。 |
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| 殺し合いを経て想像力を得た個体は、その後全てのマキナを破壊しようと孤独に戦っていた天児&ラインバレルと戦い、次々と破壊されて行った。その後、詳細な理由は不明だが「世界をやり直す」作業に着手。この時具体的に何をどうしてどこがどうなったのかは全く以って不明だが、「やり直された」世界は文明を持って始まり、その後正常に運行されて行った。ただ、最初の基準となった時代がいつ頃かは不明。少なくとも太平洋戦争よりかなり前の時代であるコトは確かである。 | | 殺し合いを経て想像力を得た個体は、その後全てのマキナを破壊しようと孤独に戦っていた天児&ラインバレルと戦い、次々と破壊されて行った。その後、詳細な理由は不明だが「世界をやり直す」作業に着手。この時具体的に何をどうしてどこがどうなったのかは全く以って不明だが、「やり直された」世界は文明を持って始まり、その後正常に運行されて行った。ただ、最初の基準となった時代がいつ頃かは不明。少なくとも太平洋戦争よりかなり前の時代であるコトは確かである。 |
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| 劇中に登場した中で真の意味で「死への恐怖とそれへの対抗たる想像力」を持つと言えるのは上記の会話可能な三体に加え、一人同胞を裏切り暗躍していたジュダ、後に覚醒してしまったディスィーブと、それほど多くない。それ以外の多くのヒトマキナは、人間に危害を加えられないマキナの原則こそ越えているものの、感情らしい反応を見せず、自爆同然の戦い方を平然と行うなど、死の恐怖と想像力を持っている様には見えない行動をとっており、何故こんな差が生まれているのかは現在の所不明である。 | | 劇中に登場した中で真の意味で「死への恐怖とそれへの対抗たる想像力」を持つと言えるのは上記の会話可能な三体に加え、一人同胞を裏切り暗躍していたジュダ、後に覚醒してしまったディスィーブと、それほど多くない。それ以外の多くのヒトマキナは、人間に危害を加えられないマキナの原則こそ越えているものの、感情らしい反応を見せず、自爆同然の戦い方を平然と行うなど、死の恐怖と想像力を持っている様には見えない行動をとっており、何故こんな差が生まれているのかは現在の所不明である。 |
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− | マキナはあくまで機械であり、人間の存在を前提とする原則を満たすためにヒトになろうとした……森次曰く「マキナの中から主を造り出そうとした」という経緯を鑑みると、「主」を得たことでその意志に従っているだけ、と見ることが出来る。「主」たるデウスとヒトマキナ達の関係はファクターと通常のマキナのそれと同様であるため、ヒトマキナ達が「無人の状態で人に危害を加えてはならない」という原則に縛られていないのは'''デウスという「主(ファクター)」を得ている'''からだと考えられる。これが正しい場合、加藤機関や旧特務室が戦っているのは、正確には「ヒトマキナ一派」となる。 | + | マキナはあくまで機械であり、人間の存在を前提とする原則を満たすためにヒトになろうとした……森次曰く「マキナの中から主を造り出そうとした」という経緯を鑑みると、「主」を得たことでその意志に従っているだけ、と見ることが出来る。「主」たるデウスとヒトマキナ達の関係はファクターと通常のマキナのそれと同様であるため、ヒトマキナ達が「無人の状態で人に危害を加えてはならない」という原則に縛られていないのは'''デウスという「主(ファクター)」を得ている'''からだと考えられる。これが正しい場合、加藤機関や旧特務室が戦っているのは、正確には「ヒトマキナ一派」となる。また、真来梓は加藤機関の奇襲作戦から193日後、街頭ビジョンで地上攻撃を行うヒトマキナを見て「こんなコトをするなんて聞いてない」と口にしており、彼女に与えられた指令である「人間を救うために、人間を見てその方法を考えろ」という事項からしても、ヒトマキナの内部も一枚岩ではないらしい。 |
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| ちなみに、ヒトマキナの定義は「死を認識したマキナ」であるため、裏を返すと'''JUDAや加藤機関のマキナも、何らかの拍子に死を認識するとヒトマキナになってしまう'''ということである。そうなってしまった場合、マキナ自身の意志がファクターからのコントロールよりも優先されるようになってしまう。とはいえ、最期までファクターと共に人類の側に着いたジュダが居た様に、ヒトマキナと化してしまう事が人類の敵となる事に直結するわけではないのだが。 | | ちなみに、ヒトマキナの定義は「死を認識したマキナ」であるため、裏を返すと'''JUDAや加藤機関のマキナも、何らかの拍子に死を認識するとヒトマキナになってしまう'''ということである。そうなってしまった場合、マキナ自身の意志がファクターからのコントロールよりも優先されるようになってしまう。とはいえ、最期までファクターと共に人類の側に着いたジュダが居た様に、ヒトマキナと化してしまう事が人類の敵となる事に直結するわけではないのだが。 |
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− | 例外は想像力の根源となり得る電脳を持たず、意志の全てをファクターに依存するラインバレル。但し、逆説的に言えばファクター自身がラインバレルの頭脳であるという事であり、ラインバレルに搭乗するのは後述の大場真来梓とラヴバレルの関係と同じ…つまり'''戦闘用外骨格'''を纏っている事と等しく、マキナの頭脳が独立した意志を持っていると言う見方をすれば、最もヒトマキナから遠い機体ありながら、その在り方は最もヒトマキナに近いと方言える。 | + | 例外は想像力の根源となり得る電脳を持たず、意志の全てをファクターに依存するラインバレル。但し、逆説的に言えばファクター自身がラインバレルの頭脳であるという事であり、ラインバレルに搭乗するのは後述の大場真来梓とラヴバレルの関係と同じ…つまり'''戦闘用外骨格'''を纏っている事と等しく、マキナの頭脳が独立した意志を持っていると言う見方をすれば、最もヒトマキナから遠い機体でありながら、その在り方は最もヒトマキナに近いと方言える。 |
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| この意味では、どちらかというとファクター自身がマキナとなっていた[[ラインバレル・アマガツ]]はヒトマキナの亜種とも言える。逆に、浩一を真のファクターとした現状のラインバレルは、ヒトマキナからもっとも遠い存在、「主」に付き従うマキナ本来の姿とも言える。 | | この意味では、どちらかというとファクター自身がマキナとなっていた[[ラインバレル・アマガツ]]はヒトマキナの亜種とも言える。逆に、浩一を真のファクターとした現状のラインバレルは、ヒトマキナからもっとも遠い存在、「主」に付き従うマキナ本来の姿とも言える。 |
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| ;[[ジュダ]] | | ;[[ジュダ]] |
| :[[JUDA]]本社の中枢であり、七支刀を武器とした接近戦を行う。ファクターは[[石神邦生]]。ただのマキナではなく「ヒトマキナ」の一人。邂逅時に名乗った名前は正確には「ユダ」であり、「ヒトマキナの裏切り者」という意味。「人類を救うための方法」とその実行プロセスを石神に伝え、最期は転送フィールドでヒトマキナに特攻をかけて消滅した。 | | :[[JUDA]]本社の中枢であり、七支刀を武器とした接近戦を行う。ファクターは[[石神邦生]]。ただのマキナではなく「ヒトマキナ」の一人。邂逅時に名乗った名前は正確には「ユダ」であり、「ヒトマキナの裏切り者」という意味。「人類を救うための方法」とその実行プロセスを石神に伝え、最期は転送フィールドでヒトマキナに特攻をかけて消滅した。 |
− | ;ロストバレル | + | ;[[ロストバレル]] |
| :シャングリラ内部に死蔵されていた11体目にして「最後のマキナ」。最も初期に作られた最初の大型マキナであり、ラインバレルやヴァーダントなど、全てのマキナの原型。意匠は左二つ巴、ファクターは[[沢渡拓郎]]。ビームの刀を武器に戦う。 | | :シャングリラ内部に死蔵されていた11体目にして「最後のマキナ」。最も初期に作られた最初の大型マキナであり、ラインバレルやヴァーダントなど、全てのマキナの原型。意匠は左二つ巴、ファクターは[[沢渡拓郎]]。ビームの刀を武器に戦う。 |
| ;[[新型迅雷]] | | ;[[新型迅雷]] |
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| ==== ヒトマキナ ==== | | ==== ヒトマキナ ==== |
| ;「お爺ちゃん」 | | ;「お爺ちゃん」 |
− | :地上にいたヒトマキナの一体。リンカーンを模した姿をしている。真来梓に対し、「人間を救うにはどうすればいいか、人間を見て考えなさい」と言いつけている。 | + | :地上にいたヒトマキナの一体。リンカーンの姿をしている。真来梓に対し、「人間を救うにはどうすればいいか、人間を見て考えなさい」と言いつけている。 |
| ;大場 真来梓(おおば まきし) | | ;大場 真来梓(おおば まきし) |
− | :哨戒偵察型ヒトマキナの一体で、青い髪を持った少女型。1999年の大晦日から地球に派遣されていた。「お爺ちゃん」の言いつけに従い、人類を救うために人間の観察を続けていたが、その途中で森次に一目惚れしてヒトマキナを離反、JUDAについてしまった。 | + | :哨戒偵察型ヒトマキナの一体で、青い髪を持った少女型。1999年の大晦日から地球に派遣されていた。「お爺ちゃん」の言いつけに従い、人類を救うために人間の観察を続けており、ヒトマキナの侵攻に際して「正義の味方」として戦うことを決意。その後は加藤機関との同調を拒みつつ(ちなみにテレビの情報を真に受けて彼らを悪者だと思っていた)独自に戦っていたが、通信で目にした森次に一目惚れしてあっさり方針転換、機関についてしまった。 |
| :;ラヴバレル | | :;ラヴバレル |
| ::真来梓が戦闘に使用する改造ヒトマキナ。ただし電脳は真来梓自身であるため、ラヴバレル自体は意志を持たない。また名前に「バレル」とついているが、天児の設計した「バレルシリーズ」の模倣とも言える存在であり、正確にシリーズに属する機体ではない。 | | ::真来梓が戦闘に使用する改造ヒトマキナ。ただし電脳は真来梓自身であるため、ラヴバレル自体は意志を持たない。また名前に「バレル」とついているが、天児の設計した「バレルシリーズ」の模倣とも言える存在であり、正確にシリーズに属する機体ではない。 |
139行目: |
139行目: |
| :最初に登場したヒトマキナ。巨大な赤ん坊の姿をしている。 | | :最初に登場したヒトマキナ。巨大な赤ん坊の姿をしている。 |
| ;ヒトマキナ乙型 | | ;ヒトマキナ乙型 |
− | : | + | :ヒトマキナの基本型。天児の構想していた「次世代量産型マキナ」の技術をヒトマキナ達が発展させたもので、頭部に円盤を持つ。ラヴバレルもこの機体を基本としている。また、全体フォルムはどちらかというとアルマに近い。 |
| ;ヒトマキナ甲型 | | ;ヒトマキナ甲型 |
− | : | + | :通称「トライポッド」。 |
| ;[[量産型ヴァーダント]] | | ;[[量産型ヴァーダント]] |
| :ヒトマキナになったヴァーダント達。角のないタイプも存在。 | | :ヒトマキナになったヴァーダント達。角のないタイプも存在。 |
| ;[[デウスエクスマキナ]] | | ;[[デウスエクスマキナ]] |
− | :ヒトマキナの「主」。通常のマキナに対するファクターに相当する存在であり、明確な個我と心を持つ。 | + | :ヒトマキナの「主」。通常のマキナに対するファクターに相当する存在であり、明確な個我と心を持つ。ちなみに21巻の時点では真来梓が「デウス」という名前を口にしたのみ。 |
| === アニメ版 === | | === アニメ版 === |
| ;アダマント | | ;アダマント |