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+ | '''ロニ・ガーベイ'''は『[[機動戦士ガンダムUC]]』の登場人物。 | ||
== 概要 == | == 概要 == | ||
− | 資産家のマハディ・ガーベイの娘。[[モビルアーマー]]・[[シャンブロ]] | + | 資産家のマハディ・ガーベイの娘。'''原作小説版(および漫画版)とOVA版とでは、人物の設定が大いに異なる'''。 |
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+ | [[ジオン残党軍]]の一員として、[[モビルアーマー]]・[[シャンブロ]]の専属パイロットとして[[ダカール]]の襲撃作戦に参加する。 | ||
=== [[小説|原作小説版]] === | === [[小説|原作小説版]] === | ||
− | + | ダカールを訪れた[[バナージ・リンクス]]と[[スベロア・ジンネマン]]の案内役。聡明でシニカル、体制に極めて批判的で父の思想に共鳴するところが大きいものの、子供好きで心根の優しい面も持つ。 | |
− | + | シャンブロの守りの要であるリフレクター・ビットを、その[[ニュータイプ]]としての高い素養を生かして[[サイコミュ]]制御するパイロット。ラプラス・プログラム発動のため、父や兄たちと共にダカールの街を火の海に変えるが、阿鼻叫喚の地獄絵図をサイコミュで受信し続けたことで、父への服従に耐えきれなくなり、殺戮に酔いしれる父を止めようとして逆に射殺されてしまう。しかし、彼女の遺志がバナージを導き、コックピットと共にビームマグナムに撃たれシャンブロを止めさせた。この時、バナージはロニがシャンブロに搭乗していることには気づいていなかったのだが、[[インダストリアル7]]における[[ラプラスの箱]]防衛の際に、拡張した意思によってその事実を知った。 | |
− | + | 漫画版『バンデシネ』には小説版とほぼ同一の設定で登場。原作小説との相違としては、シャンブロに搭乗していることをバナージが知っている点がある他、死後に彼女の遺志がバナージを誘導してシャンブロの制御装置を撃ち抜かせている(当初はコックピットを撃ち抜かせようとしたが、バナージに説得され場所を変更した。コックピットは直後にビームマグナムを奪ったリディに撃ち抜かれている。)。 | |
=== [[OVA|OVA版]] === | === [[OVA|OVA版]] === | ||
− | + | 原作では聡明で復讐に対して内心否定的であったのだが、マハディを始めとする人物達が登場しなかった結果、普段は原作同様まともに見えても、内面に関しては原作とは一変して攻撃的感情や復讐心を内包しているという危うさを孕んだ人物として描かれ、割を食ってしまった部分がある。父の残した[[シャンブロ]]を完成させ、それに搭乗して戦う動機も[[地球連邦軍]]に両親を殺された復讐の為となっており、本来は複数の人間で運用されるシャンブロのコックピットも単独操縦機に設定が変更されている。なお、父・マハディは、連邦軍に投降も許されない形で死亡したとされているが、自らの殺戮行為を「父の遺志を継ぐ」と断じている点から、原作と同じく[[テロリスト|過激思想に取り付かれたジオニスト]]であった事もうかがえる。 | |
− | [[トリントン基地]]襲撃の際中に[[サイコミュ]] | + | [[トリントン基地]]襲撃の際中に[[サイコミュ]]が暴走。もはや復讐心からも大きくかけ離れた情念に取り付かれ、民間人も見境無く攻撃する無差別虐殺を行ってしまうが、[[バナージ・リンクス]]の必死の[[説得]]により一時は停止する。しかし、その直後に唯一の家族とも言える[[ヨンム・カークス]]の乗る[[ザクI・スナイパータイプ]]がトライスターによって撃墜され、カークスの死を察知したロニは再び暴走。デストロイモードとなった[[ユニコーンガンダム]]と対峙し、共にサイコ・フィールドを発生させ激突する。[[デルタプラス]]に乗ったユニコーンが迫り来るが、最後はバナージの呼びかけとカークスの思念によって正気を取り戻し、発射したメガ粒子砲をリフレクター・ビットで拡散させユニコーンへの直撃を避ける。しかし、ロニの悲しみを受け止めて撃つことが出来なかったバナージを見かねた[[リディ・マーセナス]]により、ユニコーンから強引に奪ったビーム・マグナムでシャンブロのコックピットを撃ち抜かれ、死亡する。 |
== 登場作品と役柄 == | == 登場作品と役柄 == | ||
− | + | 現状はいずれもOVA準拠での設定。また生存フラグこそ用意されるものの、仲間になったことは一度もない。 | |
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− | ; | + | ;{{参戦作品 (人物)|第3次スーパーロボット大戦Z時獄篇}} |
:初登場作品。担当声優の伊瀬茉莉也氏は当作品でスパロボ初参加。ガランシェール内部では原作小説を彷彿とさせるバナージとの会話イベントが用意されている。 | :初登場作品。担当声優の伊瀬茉莉也氏は当作品でスパロボ初参加。ガランシェール内部では原作小説を彷彿とさせるバナージとの会話イベントが用意されている。 | ||
:シナリオマップにて、暴走イベントが発生すると、顔グラフィック及び戦闘台詞が変化。変化後の戦闘では伊瀬女史の熱演が光る。暴走イベント後、'''バナージで撃墜すると生き残る'''。また、生き残っても味方パイロットにはならないものの、彼女の生存が[[隠し要素/第3次Z|IFルートへのフラグの1つ]]となっている。 | :シナリオマップにて、暴走イベントが発生すると、顔グラフィック及び戦闘台詞が変化。変化後の戦闘では伊瀬女史の熱演が光る。暴走イベント後、'''バナージで撃墜すると生き残る'''。また、生き残っても味方パイロットにはならないものの、彼女の生存が[[隠し要素/第3次Z|IFルートへのフラグの1つ]]となっている。 | ||
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:中盤分岐のELS移送ルートで登場。トリントン基地での戦いの敗北後ゼハートに救われ、[[ヴェイガン]]と共にロストロウラン攻撃に参加する。そして二度目のバナージとの対峙の末、最後は自爆作戦を放棄しバナージ達を巻き込まないため独り自爆するという結末を迎える(ちなみにこのシナリオのタイトルは「ロストロウランに散る」ではあるが、[[シャナルア・マレン|原作で散るはずだった人物が延命する]]ため、結果的にこの立ち位置を担っている)。 | :中盤分岐のELS移送ルートで登場。トリントン基地での戦いの敗北後ゼハートに救われ、[[ヴェイガン]]と共にロストロウラン攻撃に参加する。そして二度目のバナージとの対峙の末、最後は自爆作戦を放棄しバナージ達を巻き込まないため独り自爆するという結末を迎える(ちなみにこのシナリオのタイトルは「ロストロウランに散る」ではあるが、[[シャナルア・マレン|原作で散るはずだった人物が延命する]]ため、結果的にこの立ち位置を担っている)。 | ||
− | :[[隠し要素/BX|隠し要素]]の条件を満たせば生存する。生存した場合はヴェイガンに回収され、[[ゼハート・ガレット|ゼハート]]の計らいでセカンドムーンに迎えられ、三度ほどシナリオに顔を出す。エンディングでは地球に降りており、[[地球防衛組]]ら子供達と一緒にいる場面が描かれる。 | + | :[[隠し要素/BX#ロニ・ガーベイ|隠し要素]]の条件を満たせば生存する。生存した場合はヴェイガンに回収され、[[ゼハート・ガレット|ゼハート]]の計らいでセカンドムーンに迎えられ、三度ほどシナリオに顔を出す。エンディングでは地球に降りており、[[地球防衛組]]ら子供達と一緒にいる場面が描かれる。 |
− | :[[ | + | :[[ダウンロードコンテンツ|キャンペーンマップ]]「悪の華」では味方として使用できる。また、同シナリオでは[[ジェリル・クチビ]]とのいがみ合いの末ニュータイプ能力が暴走し、自身の憎しみのみを反映したコピー体が敵として出現するトンデモ展開が。 |
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+ | :[[世界観/V#宇宙世紀世界|宇宙世紀世界]]ルート第31話において原作通りに[[シャンブロ]]に乗るが、その時点では撃破されても行方不明となる。そして、宇宙ルート第38話で[[α・アジール]]に乗って再登場し、ジオンの兵として決着を付けるために再びバナージや[[ハサウェイ・ノア|ハサウェイ]]と相対する。また、無条件で生存するが、仲間にはならない(代わりに条件を満たせばα・アジールを入手できる)。 | ||
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− | :[[ | + | :2章Part9にて登場するエネミーユニット。シャンブロに搭乗。 |
+ | :本作では[[Hi-νガンダム|ハイパー・メガ・バズーカ・ランチャー]]のお披露目で防御を減衰→初合流となる[[ガンダムヘビーアームズカスタム]]が現れて攻撃→[[覚醒人1号]]が[[アムロ・レイ|アムロ]]の入れ知恵で高分子ゲルを生成しパイロットを守りつつ撃墜、というクロスオーバーの連発で生存。その後は連邦軍に捕虜として引き渡される。 | ||
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== 人間関係 == | == 人間関係 == | ||
;マハディ・ガーベイ | ;マハディ・ガーベイ | ||
− | : | + | :父。ムスリムの伝統を穢した白人社会に深い憎しみを抱いている。ダカール襲撃時には長年の怨嗟が暴走。多数の民間人が留まるホテルを破壊する等の凶行に走り、殺戮を止めようとしたロニまで射殺した。 |
− | :OVA版ではジオンの残党をまとめ上げた資産家という設定に変更されており、地球連邦軍による残党狩りによって既に殺害されているため、本人は登場しない。 | + | :OVA版ではジオンの残党をまとめ上げた資産家という設定に変更されており、地球連邦軍による残党狩りによって既に殺害されているため、本人は登場しない。 |
;アッバス・ガーベイ、ワリード・ガーベイ | ;アッバス・ガーベイ、ワリード・ガーベイ | ||
:腹違いの兄達。OVA版には登場しない。漫画版では既に死亡している設定。 | :腹違いの兄達。OVA版には登場しない。漫画版では既に死亡している設定。 | ||
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:OVA版では上司。ロニには我が娘のように接している。原作小説版では特に接点はない。 | :OVA版では上司。ロニには我が娘のように接している。原作小説版では特に接点はない。 | ||
;[[フル・フロンタル]] | ;[[フル・フロンタル]] | ||
− | : | + | :ジオン残党軍の協力相手。OVA版ではロニ等を陽動として利用する。 |
;[[バナージ・リンクス]] | ;[[バナージ・リンクス]] | ||
:原作小説版では真っ直ぐな感性に共鳴し、互いに好意を寄せあう。OVA版では二人が顔を合わせたのは出撃前のわずかな時間ではあるが、バナージはロニを救おうと尽力した。 | :原作小説版では真っ直ぐな感性に共鳴し、互いに好意を寄せあう。OVA版では二人が顔を合わせたのは出撃前のわずかな時間ではあるが、バナージはロニを救おうと尽力した。 | ||
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**原作小説ではロニが[[バナージ・リンクス|バナージ]](と[[スベロア・ジンネマン|ジンネマン]])対して、[[地球連邦政府]]首都・[[ダカール]]を観光気味に案内しながら、そこに所在する'''「宇宙世紀憲章の碑文のレプリカ」'''を見に行くというシーンが存在するのだが、OVA版では(尺の都合で)ダカール観光ごとカットされている。 | **原作小説ではロニが[[バナージ・リンクス|バナージ]](と[[スベロア・ジンネマン|ジンネマン]])対して、[[地球連邦政府]]首都・[[ダカール]]を観光気味に案内しながら、そこに所在する'''「宇宙世紀憲章の碑文のレプリカ」'''を見に行くというシーンが存在するのだが、OVA版では(尺の都合で)ダカール観光ごとカットされている。 | ||
***実は、カットされた一見何てことないシーンは、物語の核心に迫る重要な物体「[[ラプラスの箱]]」の中身に対する重大な[[伏線]]であり、バナージ達作品内の人間にとって「宇宙世紀憲章の碑文のレプリカ」とは何てことない誰でも内容を知っている代物であるが、当然ながら'''視聴者は知らない'''。従って、本来ならばこの場面で内容を見せておく必要があった。 | ***実は、カットされた一見何てことないシーンは、物語の核心に迫る重要な物体「[[ラプラスの箱]]」の中身に対する重大な[[伏線]]であり、バナージ達作品内の人間にとって「宇宙世紀憲章の碑文のレプリカ」とは何てことない誰でも内容を知っている代物であるが、当然ながら'''視聴者は知らない'''。従って、本来ならばこの場面で内容を見せておく必要があった。 | ||
− | ***当たり前だが、上記のシーンがカットされたことの影響は大きかった。実際、OVA版第7巻で「ラプラスの箱」の中身が判明した際に、[[オードリー・バーン|オードリー]] | + | ***当たり前だが、上記のシーンがカットされたことの影響は大きかった。実際、OVA版第7巻で「ラプラスの箱」の中身が判明した際に、[[オードリー・バーン|オードリー]]がいきなり出てきた謎の碑文(実際は、OVA版第1巻にちらりと映っているが、内容を読み上げられたりもしなければ、自力で確認できるほど長く画面に写ったりもしない)に対して「私達の知っているものと違う」と驚愕されても、OVA版だけしか知らない視聴者にとっては「私達(視聴者)はそれ自体知らないよ」と話の内容に付いて行きにくかったという声もある。 |
*スタッフの対談によると「(小説版の)父親の怨念と本心ではそれを拒否したいロニのキャラクターを統合した結果」がOVA版のロニだとのこと。シナリオで彼女の死亡は確定していたが、バナージにはこれ以上人殺しをさせたくない…という話し合いの結果、[[リディ・マーセナス|リディ]]が闇堕ちの前振りとして殺害役に選ばれることになった。 | *スタッフの対談によると「(小説版の)父親の怨念と本心ではそれを拒否したいロニのキャラクターを統合した結果」がOVA版のロニだとのこと。シナリオで彼女の死亡は確定していたが、バナージにはこれ以上人殺しをさせたくない…という話し合いの結果、[[リディ・マーセナス|リディ]]が闇堕ちの前振りとして殺害役に選ばれることになった。 | ||
+ | **監督の古橋はロニの生存を提案したそうだが、原作者の福井は「どんな理由があろうと彼女が虐殺行為を働いたのは事実だから、生存するのはおかしい」と反論される一幕もあったそうな<ref>ちなみにガンダムシリーズでは富野監督が、やらかしまくった[[カテジナ・ルース|カテジナ]]をあえて生かすことで『死よりも重い罰』としたと「やらかしたから生かしておけない」という福井氏の発言とは対局に位置する発言をしていたりする(殺さずにおいて救済するにはああいう扱いにするしかなかったとも言っている)。</ref>。 | ||
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+ | == 脚注 == | ||
+ | <references/> | ||
== 資料リンク == | == 資料リンク == |
2024年10月18日 (金) 00:41時点における最新版
ロニ・ガーベイは『機動戦士ガンダムUC』の登場人物。
ロニ・ガーベイ | |
---|---|
外国語表記 | Loni Garvey[1] |
登場作品 | |
声優 | 伊瀬茉莉也 |
デザイン |
安彦良和(原案) 高橋久美子(アニメ版) |
初登場SRW | 第3次スーパーロボット大戦Z時獄篇 |
SRWでの分類 | パイロット |
プロフィール | |
---|---|
種族 | 地球人(アースノイド/中東系) |
性別 | 女 |
年齢 | 18歳 |
所属 | ジオン残党軍 |
役職 | パイロット |
概要編集
資産家のマハディ・ガーベイの娘。原作小説版(および漫画版)とOVA版とでは、人物の設定が大いに異なる。
ジオン残党軍の一員として、モビルアーマー・シャンブロの専属パイロットとしてダカールの襲撃作戦に参加する。
原作小説版編集
ダカールを訪れたバナージ・リンクスとスベロア・ジンネマンの案内役。聡明でシニカル、体制に極めて批判的で父の思想に共鳴するところが大きいものの、子供好きで心根の優しい面も持つ。
シャンブロの守りの要であるリフレクター・ビットを、そのニュータイプとしての高い素養を生かしてサイコミュ制御するパイロット。ラプラス・プログラム発動のため、父や兄たちと共にダカールの街を火の海に変えるが、阿鼻叫喚の地獄絵図をサイコミュで受信し続けたことで、父への服従に耐えきれなくなり、殺戮に酔いしれる父を止めようとして逆に射殺されてしまう。しかし、彼女の遺志がバナージを導き、コックピットと共にビームマグナムに撃たれシャンブロを止めさせた。この時、バナージはロニがシャンブロに搭乗していることには気づいていなかったのだが、インダストリアル7におけるラプラスの箱防衛の際に、拡張した意思によってその事実を知った。
漫画版『バンデシネ』には小説版とほぼ同一の設定で登場。原作小説との相違としては、シャンブロに搭乗していることをバナージが知っている点がある他、死後に彼女の遺志がバナージを誘導してシャンブロの制御装置を撃ち抜かせている(当初はコックピットを撃ち抜かせようとしたが、バナージに説得され場所を変更した。コックピットは直後にビームマグナムを奪ったリディに撃ち抜かれている。)。
OVA版編集
原作では聡明で復讐に対して内心否定的であったのだが、マハディを始めとする人物達が登場しなかった結果、普段は原作同様まともに見えても、内面に関しては原作とは一変して攻撃的感情や復讐心を内包しているという危うさを孕んだ人物として描かれ、割を食ってしまった部分がある。父の残したシャンブロを完成させ、それに搭乗して戦う動機も地球連邦軍に両親を殺された復讐の為となっており、本来は複数の人間で運用されるシャンブロのコックピットも単独操縦機に設定が変更されている。なお、父・マハディは、連邦軍に投降も許されない形で死亡したとされているが、自らの殺戮行為を「父の遺志を継ぐ」と断じている点から、原作と同じく過激思想に取り付かれたジオニストであった事もうかがえる。
トリントン基地襲撃の際中にサイコミュが暴走。もはや復讐心からも大きくかけ離れた情念に取り付かれ、民間人も見境無く攻撃する無差別虐殺を行ってしまうが、バナージ・リンクスの必死の説得により一時は停止する。しかし、その直後に唯一の家族とも言えるヨンム・カークスの乗るザクI・スナイパータイプがトライスターによって撃墜され、カークスの死を察知したロニは再び暴走。デストロイモードとなったユニコーンガンダムと対峙し、共にサイコ・フィールドを発生させ激突する。デルタプラスに乗ったユニコーンが迫り来るが、最後はバナージの呼びかけとカークスの思念によって正気を取り戻し、発射したメガ粒子砲をリフレクター・ビットで拡散させユニコーンへの直撃を避ける。しかし、ロニの悲しみを受け止めて撃つことが出来なかったバナージを見かねたリディ・マーセナスにより、ユニコーンから強引に奪ったビーム・マグナムでシャンブロのコックピットを撃ち抜かれ、死亡する。
登場作品と役柄編集
現状はいずれもOVA準拠での設定。また生存フラグこそ用意されるものの、仲間になったことは一度もない。
Zシリーズ編集
- 第3次スーパーロボット大戦Z時獄篇
- 初登場作品。担当声優の伊瀬茉莉也氏は当作品でスパロボ初参加。ガランシェール内部では原作小説を彷彿とさせるバナージとの会話イベントが用意されている。
- シナリオマップにて、暴走イベントが発生すると、顔グラフィック及び戦闘台詞が変化。変化後の戦闘では伊瀬女史の熱演が光る。暴走イベント後、バナージで撃墜すると生き残る。また、生き残っても味方パイロットにはならないものの、彼女の生存がIFルートへのフラグの1つとなっている。
- なお、続く『天獄篇』においては言及される機会が無く、生存が正史になっているかどうかは不明。
携帯機シリーズ編集
- スーパーロボット大戦BX
- 中盤分岐のELS移送ルートで登場。トリントン基地での戦いの敗北後ゼハートに救われ、ヴェイガンと共にロストロウラン攻撃に参加する。そして二度目のバナージとの対峙の末、最後は自爆作戦を放棄しバナージ達を巻き込まないため独り自爆するという結末を迎える(ちなみにこのシナリオのタイトルは「ロストロウランに散る」ではあるが、原作で散るはずだった人物が延命するため、結果的にこの立ち位置を担っている)。
- 隠し要素の条件を満たせば生存する。生存した場合はヴェイガンに回収され、ゼハートの計らいでセカンドムーンに迎えられ、三度ほどシナリオに顔を出す。エンディングでは地球に降りており、地球防衛組ら子供達と一緒にいる場面が描かれる。
- キャンペーンマップ「悪の華」では味方として使用できる。また、同シナリオではジェリル・クチビとのいがみ合いの末ニュータイプ能力が暴走し、自身の憎しみのみを反映したコピー体が敵として出現するトンデモ展開が。
VXT三部作編集
- スーパーロボット大戦V
- 宇宙世紀世界ルート第31話において原作通りにシャンブロに乗るが、その時点では撃破されても行方不明となる。そして、宇宙ルート第38話でα・アジールに乗って再登場し、ジオンの兵として決着を付けるために再びバナージやハサウェイと相対する。また、無条件で生存するが、仲間にはならない(代わりに条件を満たせばα・アジールを入手できる)。
単独作品編集
- スーパーロボット大戦DD
- 2章Part9にて登場するエネミーユニット。シャンブロに搭乗。
- 本作ではハイパー・メガ・バズーカ・ランチャーのお披露目で防御を減衰→初合流となるガンダムヘビーアームズカスタムが現れて攻撃→覚醒人1号がアムロの入れ知恵で高分子ゲルを生成しパイロットを守りつつ撃墜、というクロスオーバーの連発で生存。その後は連邦軍に捕虜として引き渡される。
パイロットステータス編集
精神コマンド編集
特殊スキル編集
人間関係編集
- マハディ・ガーベイ
- 父。ムスリムの伝統を穢した白人社会に深い憎しみを抱いている。ダカール襲撃時には長年の怨嗟が暴走。多数の民間人が留まるホテルを破壊する等の凶行に走り、殺戮を止めようとしたロニまで射殺した。
- OVA版ではジオンの残党をまとめ上げた資産家という設定に変更されており、地球連邦軍による残党狩りによって既に殺害されているため、本人は登場しない。
- アッバス・ガーベイ、ワリード・ガーベイ
- 腹違いの兄達。OVA版には登場しない。漫画版では既に死亡している設定。
- ヨンム・カークス
- OVA版では上司。ロニには我が娘のように接している。原作小説版では特に接点はない。
- フル・フロンタル
- ジオン残党軍の協力相手。OVA版ではロニ等を陽動として利用する。
- バナージ・リンクス
- 原作小説版では真っ直ぐな感性に共鳴し、互いに好意を寄せあう。OVA版では二人が顔を合わせたのは出撃前のわずかな時間ではあるが、バナージはロニを救おうと尽力した。
他作品との人間関係編集
ガンダムシリーズ編集
- キオ・アスノ
- 『BX』ではトリントン基地での戦いでは彼に引導を渡されかけ、ロストロウランでの戦いではXラウンダーの力で自身の居場所と思念を感じ取られるなど、因縁浅からぬ相手。ロニが生存した場合はセカンドムーンにて一瞬彼とすれ違っている。
- ゼハート・ガレット
- 『BX』ではトリントン基地での戦闘にて彼に救われ、彼に協力する形でロストロウランでの戦いに参加。生存フラグを満たした場合、彼の計らいでセカンドムーンに身を寄せる。
- ディーン・アノン
- 『BX』ではセカンドムーンにて親交があり、妹を喪い悲しみに暮れる彼に自身も大切な人を喪った過去を持つことを告げて諭している。
- ハサウェイ・ノア
- 『V』では、彼にもバナージと同様に興味を持つ。
スーパー系編集
- キバ
- 『BX』ではDLCシナリオ「悪の華」にて、彼に喧嘩を吹っ掛けられた事で、事態をより混沌としたものに陥れてしまう。
名台詞編集
原作小説編集
- 「正気に返ってください。いつものお父様に――」
- 第6巻での最後の言葉。父マハディに対して銃を向けながら説得を行うが、恨みと悲しみで憤怒する彼には届かず逆に撃たれる。
- (せっかくふれあえたのに、私はこんなふうにしかできなかった。ごめんね、バナージ…)
- 薄れゆく意識の中での最後の呟き。それはバナージに届き、彼はシャンブロを討つことになった。
OVA版編集
- 「子供が親の願いに飲まれるのは世の定めなんだよ、バナージ。私は間違っていない!」
- 第4巻より。サイコフィールドの干渉で意識を共有し、非業の死を遂げた両親の思いに囚われたロニに手を差し伸べるバナージと、それでも手を振り払うロニ。バナージは、その「願い」を「呪い」と断じる。
- 「同じだ! 託された事を為す、それが親に血肉を与えられた子の―――血の役目なんだよ! お前のその力も、親の与えたものだろうに!!」
- 同上。トリントン基地を蹂躙するロニを必死で止めようとするバナージに対してぶつけた言葉。
- 実際ガンダムシリーズに限らず、親から残された「力」や「願い」で戦うという例は幾つかあるが、ロニが父から受け継いだ物は「憎しみ」であり、シャンブロもそれを体現するかの如く殺戮兵器となってしまっている。
- 「親から受け継がれるものが、必ずしも(子供にとって)良いものであるとは限らない」というロニの場合は、バナージのそれと対極を成していると言えよう。
- 「ジーク・ジオン…ジーク・ジオン…」
- 同上。既に称えるべき「ジオン」の無い、空虚な言葉。しかし、それしかすがるものの無い人達にとっての最後のよりどころ、あるいはそれに縛られる「呪詛」とも言うべきものへと変質してしまっている。
- 全てを失い、それでも「ジオンのために」戦うというロニの悲しい姿を表している。
- 「悲しいね…バナージ…」
- 同上。「判りあえるのに判りあおうとしない。判りあいたいのに判りあえない」というガンダムシリーズの人類そのものの悲しみを如実に表した一言。
- 最後にこの言葉を残し、ロニは(バナージを見かねたリディによって)ビームマグナムでコクピットを撃ち抜かれる。人の姿から焼け焦げていくショッキングな映像は、視聴者に大きな衝撃を与えた。
- TVアニメ用に再構築された『機動戦士ガンダムUC RE:0096』では、あろう事かこの衝撃的なシーンが前期EDのアニメの一部として使用されており、三か月間に渡ってほぼ毎週ロニが消し飛ぶ様は視聴者の間で話題となった(ある意味回想で何度も死亡シーンが流された彼と似たような扱いである)。
- なお、『第3次Z時獄篇』ではバナージに撃墜された時の台詞である。
スパロボシリーズの名台詞編集
搭乗機体編集
スパロボでの搭乗機体編集
余談編集
- 原作小説とOVA版で人物像が大きく違うことは前述したが、OVA版ではさらにバナージとロニが出会う場所がダカールではないことによって、大きな問題が生じている。
- 原作小説ではロニがバナージ(とジンネマン)対して、地球連邦政府首都・ダカールを観光気味に案内しながら、そこに所在する「宇宙世紀憲章の碑文のレプリカ」を見に行くというシーンが存在するのだが、OVA版では(尺の都合で)ダカール観光ごとカットされている。
- 実は、カットされた一見何てことないシーンは、物語の核心に迫る重要な物体「ラプラスの箱」の中身に対する重大な伏線であり、バナージ達作品内の人間にとって「宇宙世紀憲章の碑文のレプリカ」とは何てことない誰でも内容を知っている代物であるが、当然ながら視聴者は知らない。従って、本来ならばこの場面で内容を見せておく必要があった。
- 当たり前だが、上記のシーンがカットされたことの影響は大きかった。実際、OVA版第7巻で「ラプラスの箱」の中身が判明した際に、オードリーがいきなり出てきた謎の碑文(実際は、OVA版第1巻にちらりと映っているが、内容を読み上げられたりもしなければ、自力で確認できるほど長く画面に写ったりもしない)に対して「私達の知っているものと違う」と驚愕されても、OVA版だけしか知らない視聴者にとっては「私達(視聴者)はそれ自体知らないよ」と話の内容に付いて行きにくかったという声もある。
- 原作小説ではロニがバナージ(とジンネマン)対して、地球連邦政府首都・ダカールを観光気味に案内しながら、そこに所在する「宇宙世紀憲章の碑文のレプリカ」を見に行くというシーンが存在するのだが、OVA版では(尺の都合で)ダカール観光ごとカットされている。
- スタッフの対談によると「(小説版の)父親の怨念と本心ではそれを拒否したいロニのキャラクターを統合した結果」がOVA版のロニだとのこと。シナリオで彼女の死亡は確定していたが、バナージにはこれ以上人殺しをさせたくない…という話し合いの結果、リディが闇堕ちの前振りとして殺害役に選ばれることになった。
- 監督の古橋はロニの生存を提案したそうだが、原作者の福井は「どんな理由があろうと彼女が虐殺行為を働いたのは事実だから、生存するのはおかしい」と反論される一幕もあったそうな[2]。