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日本におけるロボットアニメの歴史を踏まえて両者の分類を行うとすれば、「'''70年代ロボットアニメがスーパー系'''」「'''ガンダム以降・80年代前半ロボットアニメがリアル系'''」という形で概ね総括できる。その詳細について以下に記述する。
 
日本におけるロボットアニメの歴史を踏まえて両者の分類を行うとすれば、「'''70年代ロボットアニメがスーパー系'''」「'''ガンダム以降・80年代前半ロボットアニメがリアル系'''」という形で概ね総括できる。その詳細について以下に記述する。
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==== 70年代ロボットアニメ ====
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=== 70年代ロボットアニメ ===
 
1970年代初頭、子供向けの番組として茶の間を席巻していた存在といえば、二大特撮ヒーロー『ウルトラマン』及び『仮面ライダー』である。この両者は、巨大な身体か等身大か、異星人か改造人間か…といった細かい違いこそあるものの、悪の怪獣ないし怪人に立ち向かう存在でかつ多彩な能力を有する「'''正義の万能ヒーロー'''」であるという重要な特徴が共通していた。
 
1970年代初頭、子供向けの番組として茶の間を席巻していた存在といえば、二大特撮ヒーロー『ウルトラマン』及び『仮面ライダー』である。この両者は、巨大な身体か等身大か、異星人か改造人間か…といった細かい違いこそあるものの、悪の怪獣ないし怪人に立ち向かう存在でかつ多彩な能力を有する「'''正義の万能ヒーロー'''」であるという重要な特徴が共通していた。
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これらの作品はそれぞれが独自の個性を内包した作品であり、紋切り型にスーパー系と区分する事に対しては異議を唱える声もある。しかしながらこれらの作品は、これまで述べた「一騎当千の正義のヒーローロボットの活躍」「最終目的は悪の侵略者である[[ラストボス|親玉]]を打ち倒すこと」という共有の下敷きを基にして生まれた要素を多く内包しているのは事実である。こんにちスーパー系的であると捉えられている、一種の「テンプレート」とも呼ぶべき要素の多くは、この時期に多くの作品が製作される中で醸成された様式美のようなものであると言える。
 
これらの作品はそれぞれが独自の個性を内包した作品であり、紋切り型にスーパー系と区分する事に対しては異議を唱える声もある。しかしながらこれらの作品は、これまで述べた「一騎当千の正義のヒーローロボットの活躍」「最終目的は悪の侵略者である[[ラストボス|親玉]]を打ち倒すこと」という共有の下敷きを基にして生まれた要素を多く内包しているのは事実である。こんにちスーパー系的であると捉えられている、一種の「テンプレート」とも呼ぶべき要素の多くは、この時期に多くの作品が製作される中で醸成された様式美のようなものであると言える。
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==== ガンダム以降・80年代ロボットアニメ ====
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=== ガンダム以降・80年代ロボットアニメ ===
 
上述の70年代スーパーロボットアニメ黄金期において、『[[無敵超人ザンボット3]]』で業界に一石を投じたのが日本サンライズ(後のサンライズ。以下現社名で表記)である。同社は1975年に『[[勇者ライディーン]]』への制作協力を皮切りにロボットアニメ業界へ参入するが、1977年、『ライディーン』で監督を途中降板した富野喜幸(現:富野由悠季)氏を監督に迎えて『ザンボット3』を制作・放映した。同作は前述の「型」の大部分を継承しつつも、「守るべき[[地球]]の人々から迫害を受け、更には地球を守る事が本当に善いことであるのか?」という点すら定かでないまま戦わざるをえない主人公を描き、'''「正義」というヒーローが拠って立つ最も根本的な戦いの動機に疑問を投げかけた'''点で衝撃的な作品であった。
 
上述の70年代スーパーロボットアニメ黄金期において、『[[無敵超人ザンボット3]]』で業界に一石を投じたのが日本サンライズ(後のサンライズ。以下現社名で表記)である。同社は1975年に『[[勇者ライディーン]]』への制作協力を皮切りにロボットアニメ業界へ参入するが、1977年、『ライディーン』で監督を途中降板した富野喜幸(現:富野由悠季)氏を監督に迎えて『ザンボット3』を制作・放映した。同作は前述の「型」の大部分を継承しつつも、「守るべき[[地球]]の人々から迫害を受け、更には地球を守る事が本当に善いことであるのか?」という点すら定かでないまま戦わざるをえない主人公を描き、'''「正義」というヒーローが拠って立つ最も根本的な戦いの動機に疑問を投げかけた'''点で衝撃的な作品であった。
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そしてサンライズリアルロボット路線のもうひとつの潮流として、1981年に『[[太陽の牙ダグラム]]』を送り出した<ref>『ダグラム』はキャラクターモデルのヒットによりポスト『ガンダム』の最右翼となった一方で「アニメック」誌を中心とした低俗なネガティブキャンペーンの的にされてしまった不遇な作品でもある。前述のスーパー系作品黄金期に比べ、この当時は必ずしもリアル系作品が優遇一色というわけでもなかった。</ref>高橋良輔氏が登場する。高橋氏は『ダグラム』終了後の1983年に『[[装甲騎兵ボトムズ]]』を制作するが、同作は『ガンダム』において主役機に僅かに残っていたスーパー系の残滓も徹底的に排除されている点が最大の特徴で、今日「リアル系の金字塔」とも評される傑作である。元々「リアルロボット」という用語自体が、高橋氏が自身のロボットアニメ制作手法を表現するために生み出した造語であることからも明らかなように、高橋氏の作品がロボットアニメシーンのリアル化路線に与えた影響は極めて大きいものであった。その後も高橋氏は84年の『[[機甲界ガリアン]]』を経て、1985年には再び異星文明との星間戦争を描いた『[[蒼き流星SPTレイズナー]]』を制作し、リアルロボットブームを引き続き牽引することとなる。
 
そしてサンライズリアルロボット路線のもうひとつの潮流として、1981年に『[[太陽の牙ダグラム]]』を送り出した<ref>『ダグラム』はキャラクターモデルのヒットによりポスト『ガンダム』の最右翼となった一方で「アニメック」誌を中心とした低俗なネガティブキャンペーンの的にされてしまった不遇な作品でもある。前述のスーパー系作品黄金期に比べ、この当時は必ずしもリアル系作品が優遇一色というわけでもなかった。</ref>高橋良輔氏が登場する。高橋氏は『ダグラム』終了後の1983年に『[[装甲騎兵ボトムズ]]』を制作するが、同作は『ガンダム』において主役機に僅かに残っていたスーパー系の残滓も徹底的に排除されている点が最大の特徴で、今日「リアル系の金字塔」とも評される傑作である。元々「リアルロボット」という用語自体が、高橋氏が自身のロボットアニメ制作手法を表現するために生み出した造語であることからも明らかなように、高橋氏の作品がロボットアニメシーンのリアル化路線に与えた影響は極めて大きいものであった。その後も高橋氏は84年の『[[機甲界ガリアン]]』を経て、1985年には再び異星文明との星間戦争を描いた『[[蒼き流星SPTレイズナー]]』を制作し、リアルロボットブームを引き続き牽引することとなる。
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更に上記の流れに追従するように、1982年には河森正治氏ら若手クリエイターを中心として、スタジオぬえより『[[超時空要塞マクロス]]』が輩出されるなど、サンライズ以外の制作会社もリアル的要素の盛り込まれた作品の制作を開始。こうして80年代前半のロボットアニメシーンは、作中に何かしらのミリタリー要素やリアリティ重視が盛り込まれた作品の隆盛、所謂「リアルロボットブーム」が席巻していく事となる。70年代にスーパーロボット作品のテンプレートが形成されたのと同様、リアルロボット作品の様式の多くは、この80年代前半に形作られたものであると言える。
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更に上記の流れに追従するように、1982年には河森正治氏ら若手クリエイターを中心として、スタジオぬえより『[[超時空要塞マクロス]]』が輩出されるなど、サンライズ以外の制作会社もリアル的要素の盛り込まれた作品の制作を開始。こうして80年代前半のロボットアニメシーンは、作中に何かしらのミリタリー要素やリアリティ重視を盛り込んだ作品が隆盛し、所謂「リアルロボットブーム」が席巻していく事となる。70年代にスーパーロボット作品のテンプレートが形成されたのと同様、リアルロボット作品の様式の多くは、この80年代前半に形作られたものであると言える。
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一方、スーパーロボットアニメに目を向けると、『ダルタニアス』からの流れを引き継ぐ形で『[[宇宙大帝ゴッドシグマ]]』『[[百獣王ゴライオン]]』『[[光速電神アルベガス]]』が、そしてリアルロボットの要素を取り入れた『機甲艦隊ダイラガーXV』『[[ビデオ戦士レザリオン]]』が制作・放送されてはいたが、かつての勢いは失われつつあった。またリアルロボットブームの流れを受け、『[[宇宙戦士バルディオス]]』『[[戦国魔神ゴーショーグン]]』『[[J9シリーズ]]』などロボットアクションよりキャラクタードラマを前面に推し出した作品も登場した。
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一方、スーパーロボットアニメに目を向けると、『ダルタニアス』からの流れを引き継ぐ形で『[[宇宙大帝ゴッドシグマ]]』『[[百獣王ゴライオン]]』『[[光速電神アルベガス]]』が、そしてリアルロボットの要素を取り入れた『機甲艦隊ダイラガーXV』『[[ビデオ戦士レザリオン]]』が制作・放送されてはいたが、かつての勢いは失われつつあった。またリアルロボットブームの流れを受け、『[[宇宙戦士バルディオス]]』『[[戦国魔神ゴーショーグン]]』『[[J9シリーズ]]』『[[六神合体ゴッドマーズ]]』『[[超獣機神ダンクーガ]]』などロボットアクションよりキャラクタードラマを前面に推し出した作品も登場した。
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80年代後半には、それまでのロボットアニメとは全く毛色が異なる2つの作品が現れる。85年放映の『戦え! 超ロボット生命体トランスフォーマー』と、88年放映の『[[魔神英雄伝ワタル]]』である。前者は意思を持つ「善」と「悪」のロボット軍団による群像劇を軸に、それまで演出面でのスパイスでしかなかった「変形・合体」を「擬態」という形で前面に押し出し、後者は『ドラゴンクエスト』に代表されるファンタジー系RPGの手法をロボットアニメに持ち込んだ作品で、いずれも低年齢層を中心に人気を博し(これは児童雑誌とのタイアップによる所も大きい)、スーパーロボット系の凋落を止めることに成功する。
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80年代後半には、それまでのロボットアニメとは全く毛色が異なる2つの作品が現れる。85年放映の『戦え! 超ロボット生命体トランスフォーマー』と、88年放映の『[[魔神英雄伝ワタル]]』である。前者は意思を持つ「善」と「悪」のロボット軍団による群像劇を軸に、それまで演出面でのスパイスでしかなかった「変形・合体」を「擬態」という形で前面に押し出し、後者は『ドラゴンクエスト』に代表されるファンタジー系RPGの手法をロボットアニメに持ち込んだ作品で、いずれも低年齢層を中心に人気を博し(これは児童雑誌とのタイアップによる所も大きい)、スーパーロボット路線の凋落を止めることに成功する。
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==== 90年代以降の年代のロボットアニメ ====
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=== 90年代以降の年代のロボットアニメ ===
1985年の『[[機動戦士Ζガンダム]]』の放映を一つの区切として、リアルロボット系作品勃興の流れは沈静化。この頃から行きすぎたSF考証・リアリティ重視の姿勢と巨大人型ロボットというある種ロマンの産物との衝突や演出面の不便さが表面化し、現在にも続く大きな課題になっていくこととなる。80年代後半にはOVAブームが起こり、スーパー系の系譜を受け継ぐ『[[冥王計画ゼオライマー]]』や『[[破邪大星ダンガイオー]]』、リアル系寄りの『[[メガゾーン23]]』等の作品が制作される。しかし総じてこのジャンル自体が黄金期を過ぎ、新たなジャンルの勃興や世間情勢の変化に伴ってロボットアニメは緩やかに衰退を始めることになり、それでいてこの時代には大きな方向性が見られないまま緩やかな低迷期を迎え、1990年代に突入することになる。そんな中でも「ロボットが日常化した近未来日本」と[[警察官|警察]]を舞台にした『[[機動警察パトレイバー]]』は人気を博した…がメディアは違えどロボットより人間模様や事件そのものが重視され、ロボットの活躍が抑え目になってしまうというリアル系の問題点の極北をも示してしまった(特に主役機の活躍が背景描写に近い劇場版第2作・第3作や、ロボ同士の戦いで話が終わらなかった漫画版最終巻後半)。また『パトレイバー』での敵は現実に起こりうる犯罪・問題の延長線上にあるものがほとんどであり(たまに怪獣も出てくるが)クーデターや[[テロリスト|サイバーテロ]]から人命救助まで様々な題材が取り上げられた。
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1985年の『[[機動戦士Ζガンダム]]』の放映を一つの区切として、リアルロボット系作品勃興の流れは沈静化。この頃から行きすぎたSF考証・リアリティ重視の姿勢と巨大人型ロボットというある種ロマンの産物との衝突や演出面の不便さが表面化し、現在にも続く大きな課題になっていくこととなる。80年代後半にはOVAブームが起こり、スーパー系の系譜を受け継ぐ『[[冥王計画ゼオライマー]]』や『[[破邪大星ダンガイオー]]』、リアル系寄りの『[[メガゾーン23]]』等の作品が制作される。しかし総じてこのジャンル自体が黄金期を過ぎ、新たなジャンルの勃興や世間情勢の変化に伴ってロボットアニメは緩やかに低迷期を迎え、1990年代に突入することになる。そんな中でも「ロボットが日常化した近未来日本」と[[警察官|警察]]を舞台にした『[[機動警察パトレイバー]]』は人気を博したものの、メディアは違えどロボットより人間模様や事件そのものが重視されロボットの活躍が隅へ置かれてしまうという、リアル系の問題点の極北をも示してしまった(特に主役機の活躍が背景描写に近い劇場版第2作・第3作や、ロボ同士の戦いで話が終わらなかった漫画版最終巻後半)。また『パトレイバー』での敵は現実に起こりうる犯罪・問題の延長線上にあるものがほとんどであり(たまに怪獣も出てくるが)クーデターや[[テロリスト|サイバーテロ]]から人命救助まで様々な題材が取り上げられた。
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90年代にもこれといって決定打となる方向性は発生しなかったが、敢えて一つ取り上げるとすれば1995年に制作された『[[新世紀エヴァンゲリオン]]』であろう。同作最大の特徴は、主人公が抗うべき対象が「悪の組織」でも「戦争という現実」でもなく、「隣人」と「自分自身」であったことである。この点を意識した作りになっているのが翌96年に制作された『[[機動戦艦ナデシコ]]』であるが、同作の監督である佐藤竜雄氏の見解を参考に総括すれば、70年代アニメにおける戦いの動機は「『[[正義]]』『[[愛]]』という分かりやすい概念」、80年代になると「普遍的な正義などない(=戦争での大義のように、立場によって左右されるもの)のだから、現実を自分なりに咀嚼し、納得いく立ち回りをすること」というスタンスに移行する。これに対し90年代は(佐藤氏は「決定打ではない」と前置きしているものの)「自身が周囲との関係の中で存在していることを理解し、その存在意義を見出すこと」という、一種の自己実現的な戦いの動機が新たに台頭している。このような傾向は1998年制作の『[[ブレンパワード (TV)|ブレンパワード]]』『[[ガサラキ]]』、1999年制作の『[[無限のリヴァイアス]]』等にも見られ、新たな一つの潮流となったことは確かである。
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90年代後半も取り立ててエポックメイキングな方向性は生まれなかったが、強いて一つ挙げるとするならば1995年に制作された『[[新世紀エヴァンゲリオン]]』になるだろう。同作の最大の特徴は、主人公が抗うべき対象が「悪の組織」でも「戦争という現実」でもなく、「隣人」と「自分自身」であったことにある。この点を意識した作りになっているのが翌96年に制作された『[[機動戦艦ナデシコ]]』であるが、同作の監督である佐藤竜雄氏の見解を参考に総括すれば、70年代アニメにおける戦いの動機は「『[[正義]]』『[[愛]]』という分かりやすい概念」、80年代になると「普遍的な正義などない(=戦争での大義のように、立場によって左右されるもの)のだから、現実を自分なりに咀嚼し、納得いく立ち回りをすること」というスタンスに移行する。これに対し90年代は(佐藤氏は「決定打ではない」と前置きしているものの)「自身が周囲との関係の中で存在していることを理解し、その存在意義を見出すこと」という、一種の自己実現的な戦いの動機が新たに台頭している。このような傾向は1998年制作の『[[ブレンパワード (TV)|ブレンパワード]]』『[[ガサラキ]]』、1999年制作の『[[無限のリヴァイアス]]』、2002年制作の『[[ラーゼフォン (TV)|ラーゼフォン]]』等にも見られ、新たな一つの潮流となったことは確かである。
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この流れはアニメ業界全体に多大な影響を与え、様々なジャンルで影響を受けた・それを模した作品が制作されることになり、ロボットアニメにおいてもそれは例外では無かったが、その流行が一段落すると衰退の現状が再認識され、引き続き新たなジャンルの方向性が試みられ続けることとなり、2010年以降の現在までその状態は続いている。ただ、いかなる方向性を前面に押し出して総括したとしても、確実に言えるのは、実際のところはこれまでに培われたスーパー、リアルそれぞれの「型」のうち、'''両方の要素をある程度ずつ含んでいる作品が相当数にのぼる'''という点である。現在ではそれらの「お約束」とも言える「型」を満たした作品がロボットアニメ扱いされるような状態になりつつあり、それらを外れたもの、特に"ロボットは出てくるがどちらかと言うとキャラクターがメインである"作品についてはまた一線を画した反応がされることが多く、ジャンルの幅を狭めるある種の制約・縛りとなっている面があるとも言える。そもそも、前述のスーパー、リアルそれぞれの「型」について、それらを全てを忠実に満たした純粋なスーパー系作品、リアル系作品というものはあくまで概念上存在するに過ぎないものであって、それぞれの黄金期以外の作品について(90年代以降は特に)スーパー系ないしリアル系のいずれかに明確に分類できる作品は多くない。2006年制作の『[[コードギアス 反逆のルルーシュ]]』(および続編『[[コードギアス 反逆のルルーシュ|同R2]]』)や、2014年制作の『[[クロスアンジュ 天使と竜の輪舞]]』はそのようなスーパー・リアルの線引きが困難な作品の代表例と言える。
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この流れはアニメ業界全体に多大な影響を与え、様々なジャンルで影響を受けた・それを模した作品が制作されることになり、ロボットアニメにおいてもそれは例外では無かったが、その流行が一段落すると衰退の現状が再認識され、引き続き新たなジャンルの方向性が試みられ続けることとなり、2010年以降の現在までその状態は続いている。ただ、いかなる方向性を前面に押し出して総括したとしても、確実に言えるのは、実際のところはこれまでに培われたスーパー、リアルそれぞれの「型」のうち、'''両方の要素をある程度ずつ含んでいる作品が相当数にのぼる'''という点である。現在ではそれらの「お約束」とも言える「型」を満たした作品がロボットアニメ扱いされるような状態になりつつあり、それらを外れたもの、特に"ロボットは出てくるがどちらかと言うとキャラクターがメインである"作品についてはまた一線を画した反応がされることが多く、ジャンルの幅を狭めるある種の制約・縛りとなっている面があるとも言える。そもそも、前述のスーパー、リアルそれぞれの「型」について、それらを全てを忠実に満たした純粋なスーパー系作品、リアル系作品というものはあくまで概念上存在するに過ぎないものであって、それぞれの黄金期以外の作品について(90年代以降は特に)スーパー系ないしリアル系のいずれかに明確に分類できる作品は多くない。2002年制作の『[[オーバーマン キングゲイナー]]』や2006年制作の『[[コードギアス 反逆のルルーシュ]]』(および続編『[[コードギアス 反逆のルルーシュ|同R2]]』)、2014年制作の『[[クロスアンジュ 天使と竜の輪舞]]』などはそのようなスーパー・リアルの線引きが困難な作品の代表例と言える。
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ただし、ロボットアニメの源流とも呼ぶべき「スーパーロボット系」テイストには根強い需要があるようで、サンライズは90年にスーパー系要素と低年齢層向けの作劇を融合した『[[勇者シリーズ]]』を、翌91年に『[[エルドランシリーズ]]』をそれぞれ制作し、好評を博した。その後、同社が2000年に制作した『[[GEAR戦士電童]]』の他、2003年の『[[神魂合体ゴーダンナー!!]]』や2007年の『[[天元突破グレンラガン (TV)|天元突破グレンラガン]]』など、典型的「スーパー系作品」と呼んで差し支えない作品は断続的に世に出続けている。
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他方、ロボットアニメの源流とも呼ぶべき「スーパーロボット系」テイストには根強い需要があるようで、サンライズは90年にスーパー系要素と低年齢層向けの作劇を融合した『[[勇者シリーズ]]』を、翌91年に『[[エルドランシリーズ]]』をそれぞれ制作し、好評を博した。その後、同社が2000年に制作した『[[GEAR戦士電童]]』の他、2003年の『[[神魂合体ゴーダンナー!!]]』や2007年の『[[天元突破グレンラガン (TV)|天元突破グレンラガン]]』、そして2018年の『[[新幹線変形ロボ シンカリオン THE ANIMATION]]』など、典型的「スーパー系作品」と言うべき作品は断続的に制作されている。
    
== 両者の基本的な特徴 ==
 
== 両者の基本的な特徴 ==
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なお、繰り返しになるが、これらはあくまで「リアル系」「スーパー系」'''らしさに貢献する要素の一つ'''であり、これらが含まれているものが即いずれかの作品に分類されるとは言えない(90年代の項で述べた通り、'''大半の作品は下記の要素を双方とも一定程度含んでいる'''点に注意が必要である)。また、下記の項目を含む「らしさ」に寄与する要素についてはファンの間で多様な見解が示され議論が戦わされる部分でもあり、更には製作スタッフや[[声優]]の中にも独自の「スーパーロボット」「リアルロボット」観を表明している人物もいる。
 
なお、繰り返しになるが、これらはあくまで「リアル系」「スーパー系」'''らしさに貢献する要素の一つ'''であり、これらが含まれているものが即いずれかの作品に分類されるとは言えない(90年代の項で述べた通り、'''大半の作品は下記の要素を双方とも一定程度含んでいる'''点に注意が必要である)。また、下記の項目を含む「らしさ」に寄与する要素についてはファンの間で多様な見解が示され議論が戦わされる部分でもあり、更には製作スタッフや[[声優]]の中にも独自の「スーパーロボット」「リアルロボット」観を表明している人物もいる。
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==== スーパーロボット・スーパーロボット系作品の特徴 ====
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=== スーパーロボット・スーパーロボット系作品の特徴 ===
 
前述の通り、下記の要素を全て含んだ「純正スーパー系作品」はあくまで概念上存在するに過ぎないものだが、ロボットアニメの作風の変遷を追うことがテーマの一つでもある『ナデシコ』の[[劇中劇]]『[[熱血ロボ ゲキ・ガンガー3]]』は、かなりそれに近いものとなっている。興味がある方は参考にされたい。
 
前述の通り、下記の要素を全て含んだ「純正スーパー系作品」はあくまで概念上存在するに過ぎないものだが、ロボットアニメの作風の変遷を追うことがテーマの一つでもある『ナデシコ』の[[劇中劇]]『[[熱血ロボ ゲキ・ガンガー3]]』は、かなりそれに近いものとなっている。興味がある方は参考にされたい。
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:**後には物量戦を仕掛けてくる敵も登場するようになる。但しその場合、主役スーパーロボットはそれにも問題なく対応できる超広範囲を対象とする殲滅戦用能力を有する。
 
:**後には物量戦を仕掛けてくる敵も登場するようになる。但しその場合、主役スーパーロボットはそれにも問題なく対応できる超広範囲を対象とする殲滅戦用能力を有する。
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==== リアルロボット・リアルロボット系作品の特徴 ====
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=== リアルロボット・リアルロボット系作品の特徴 ===
 
基本的に前述のスーパー系の「型」と対になる性質が多い。
 
基本的に前述のスーパー系の「型」と対になる性質が多い。