PlayStation Portable

PSPから転送)

PlayStation Portable(プレイステーション・ポータブル)は、2004年12月12日にソニー・コンピュータエンタテインメント(SCEI)が発売した携帯型ゲーム機。略称はPSPで、特に断りがない場合「PSP」とは本ハードウェアを指しており、本項もそれに倣う。

概要

ソニーグループおよびSCEIが初めて発売した携帯ゲーム機で第6世代に相当する。ゲームだけでなく動画鑑賞・テキストファイル閲覧・音楽再生・ワンセグ放送視聴・Wi-Fi接続・ブラウザによるweb閲覧などが可能なマルチメディア機で、海外ではメディアプレーヤーとして人気を博した。

処理性能はPlayStationを大きく上回り、PlayStation 2(PS2)に一部匹敵する描画性能を誇る。メインメモリ容量はPS2と同容量の32MBに達する(初期型のPSP-1000)。

ソフト供給用メディアとして、「UMD(ユニバーサル・メディア・ディスク)」と呼ばれる独自規格の光ディスクを採用しており、携帯機ながら容量は片面2層式で1枚あたり1.8GB。演算・描画性能などはPS1を大きく上回りPS2に匹敵するが、メディアの容量だけは劣っている。UMDはゲーム以外にも映像ソフト・音楽ソフトのリリースも行われたが、既に普及していたDVDとの競合や低価格・大容量化するフラッシュメモリ型ストレージメディアとそれに対応したメディアプレーヤーの台頭もあり、デファクト・スタンダード化には至らなかった。画面解像度が480x272(4.3インチ)と2004年発売の携帯ゲーム機としては格段に高く、アスペクト比が16:9となっているため、後年発売される多くのゲームや映像媒体との親和性が高い。液晶はSHARP製ワイドスクリーンASV液晶(VA方式型の高画質版)を採用している。

ゲーム以外の用途に幅広く対応させる目的もあり、データ保存用ストレージにはこちらもソニーの専用規格で同社製のデジタルカメラや音楽プレーヤー等にも使用される「メモリースティック Duo/メモリースティック PRO Duo/メモリースティック マイクロ(M2)」を採用[1]。一部のゲームはメモリースティックにデータをインストールすることでディスクメディアの弱点である読み込み速度を向上させる「データインストール機能」に対応しており、スパロボシリーズにおいては『第2次Z破界篇/再世篇』と『魔装機神I&II』がこれに対応している。

2014年6月をもって出荷を完了し、後継機である「PlayStation Vita」へ移行された。また2016年をもってPSPでのPS Storeへのアクセスが再ダウンロードを除き制限されるようにになった。これはPSPのセキュリティが現行のPS Storeに対応できないための処置となっている。

更に2021年7月をもって、誤購入防止のためPCやPS4でのPSP(とPS3)ソフトの検索、購入が不可能になった。ダウンロード販売が継続されているソフトもあるが、購入するためにはPS3、もしくはVitaのストアで検索し購入、そこからPSPでStoreにログインして再ダウンロードという手段を取る必要がある。

スパロボシリーズではZシリーズ本編が2作発売されたほか、移植やリメイク作品、アーカイブス対応作品が発売されている。

システムソフトウェア

PSPは「システムソフトウェア」と呼ばれる本体制御用のファームウェアをネットワークもしくはUMD経由でアップデートすることが可能で、これによりシステム面の新規追加や不具合の修正を行うことができる。最終バージョンは6.61(2015年1月15日提供開始)。

機種

PSP-1000
ファーストモデル。2004年12月発売。メモリ容量など若干性能が後続機に劣る。
PSP-2000
2007年9月発売。大幅に軽量化し(280g→189g)、小型化したセカンドモデル。□ボタンの特殊構造が改善され、メインメモリが64MBと2倍になった[2]。またD端子接続ケーブルによってTVやモニタへの画面の外部出力が可能。
PSP-3000
2008年10月発売。基本仕様は2000と同一。マイクを内蔵し、液晶画面を高性能化したサードモデル。
PSP-N1000
2009年11月発売。PSP goの名称で発売されたUMDドライブを廃し、16GBの本体内蔵メモリを搭載したDL専用機。ほぼ3000と同じ仕様だが異なる部分としてはBluetooth規格に対応、画面がやや小さくなった事、UMDが使用できない点、メモリースティックマイクロ専用となった等がある。

次世代型携帯機

PlayStation Vita(PSV)
2011年12月17日発売。ソニー系ゲームハード及びプレイステーションシリーズとして初めて、ソフト媒体に専用カートリッジ(フラッシュROMカード)を採用。このため、従来のPSPソフトの使用は物理的にできなくなっている。一応、内蔵エミュレータによってダウンロード版PSPソフトのプレイはできるが、対応するのは「PS Vita互換」のソフトのみとなっている。
スパロボではDL版『スーパーロボット大戦OGサーガ 魔装機神II REVELATION OF EVIL GOD』が初のPSV互換タイトルとなった。

商品情報 

スーパーロボット大戦シリーズ 

UMD

スーパーロボット大戦MX PORTABLE
スーパーロボット大戦A PORTABLE
第2次スーパーロボット大戦Z 破界篇
スーパーロボット大戦OGサーガ 魔装機神 THE LORD OF ELEMENTAL ※限定版のみ
スーパーロボット大戦OGサーガ 魔装機神II REVELATION OF EVIL GOD
第2次スーパーロボット大戦Z 再世篇

ダウンロード

PSP専用

2015年に『OE』、2020年に『第2次Z』、2024年に『魔装機神I・II』が配信終了。

第2次スーパーロボット大戦Z 破界篇 ※PSV互換
スーパーロボット大戦OGサーガ 魔装機神II REVELATION OF EVIL GOD ※PSV互換
第2次スーパーロボット大戦Z 再世篇 ※PSV互換
スーパーロボット大戦Operation Extend ※PSV互換・ダウンロード専売
スーパーロボット大戦OGサーガ 魔装機神 THE LORD OF ELEMENTAL ※PSV互換・ダウンロード専売
ゲームアーカイブス

2018年に『新』、2024年にほか全てが配信終了。

第2次スーパーロボット大戦(CB版)
第3次スーパーロボット大戦(CB版)
スーパーロボット大戦EX(CB版)
第4次スーパーロボット大戦S
スーパーロボット大戦F
スーパーロボット大戦F 完結編
新スーパーロボット大戦
スーパーロボット大戦α
スーパーロボット大戦α外伝

参戦作品

サクラ大戦
『1』と『2』のカップリング移植が発売。

関連作品

Another Century's Episode Portable

スパロボ関連の周辺機器

資料リンク

脚注

  1. 容量はDuoが最大128MB、PRO Duoが最大32GB、M2が最大16GB。
  2. 増設された容量はデータロードのキャッシュとして用いられた。