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=== [[機動戦士Ζガンダム]] ===
 
=== [[機動戦士Ζガンダム]] ===
 
==== TV版 ====
 
==== TV版 ====
;「病欠します!」<br />「はい!自分がです!!」
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;「病欠します!」<br />「はい! 自分がです!」
:記念すべき第1話の最初の台詞。とても元気に喋るため病気とは思えない。空手部を仮病でサボって、[[グリーンノア]]の宇宙港に[[ブライト・ノア|ブライト]]がキャプテンを務める[[テンプテーション]]が入港したため、彼に会いに行くためである。主将のメーズン・メックスには、すぐにサボる気である事を見抜かれ、張り手をかまされるものの受身をとって逃げ出したため、「あれで病欠かよ」と呆れられる。
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:記念すべき第1話での最初の台詞。[[一年戦争]]で[[ホワイトベース]]の艦長を務めた[[ブライト・ノア]]がキャプテンを務める[[テンプテーション]]が[[グリーンノア]]の宇宙港に入港したため、彼に会おうと仮病を使う。
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:あからさまに元気に喋るので、主将のメーズン・メックスには、すぐにサボる気である事を見抜かれ、張り手をかまされた。が、受身をとって逃げ出したため、「あれで病欠かよ」と呆れられる。
 
;「ズルけるのさ」
 
;「ズルけるのさ」
:本人曰く部活を『病欠』して、キャンパスの外に停めてあるエレカに向かってる時に、幼馴染の[[ファ・ユイリィ|ファ]]が名前を呼びかけながら「どうしたの?」と問いかけながら駆け寄ってきた際の返答。主将の懸念通り、病欠というのは真っ赤な嘘でやっぱりサボる気満々だったのである。
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:本人曰く部活を『病欠』して、キャンパスの外に停めてあるエレカに向かってる時に、幼馴染の[[ファ・ユイリィ]]が名前を呼びかけつつ駆け寄ってきた際の返答。
;「言うなよ! カミーユってのが俺だって誰にでも分かってしまうだろ!」
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;「言うなよ、カミーユってのが俺だって誰にでも分かってしまうだろ!」
:嫌いな自分の名前をファに連呼されて不快感を顕にした台詞。これらのやり取りから、カミーユが自分の名前が嫌いだと言う事がわかる。
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:嫌いな自分の名前をファに連呼され、不快感を顕にした台詞。これだけで、カミーユが自分の名前を嫌っている事がよくわかる。
:この台詞にファから「みんな知ってるわ。本人だけが承知してないんじゃない」と返されて、無言で露骨に不機嫌そうな表情をしていた事から察するに、相当自分の名前を忌々しく感じているようである。
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:この台詞にファから「みんな知ってるわ。本人だけが承知してないんじゃない」と返されて、無言で露骨に不機嫌そうな表情をしていた事から察するに、相当自分の名前を忌々しく感じているようだ。
:なお、本作を監督した富野由悠季氏によれば、カミーユは自分自身で「女性的な名前」だと勝手に思い込んでしまっているだけなのだとインタビューで述べており、現実にも中近東辺りでは男性名として割と一般的な名前だったりする。
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:なお、本作を監督した富野由悠季氏は「カミーユは自分自身で『女性的な名前』だと勝手に思い込んでしまっているだけなのだ」とインタビューで述べており、現実にも中近東辺りでは男性名として割と一般的な名前だったりする。
 
:近年のフランスでは男女兼用ではあるが、どちらかというと女性に多い名前だったりもする。
 
:近年のフランスでは男女兼用ではあるが、どちらかというと女性に多い名前だったりもする。
 
;「なめるな!」
 
;「なめるな!」
:[[一年戦争]]で[[ホワイトベース]]の艦長を務めたブライトがキャプテンを務めるテンプテーションが、グリーンノアに入港してきたと聞いて、宇宙港へ行った時に鉢合わせた[[ティターンズ]]の士官である[[ジェリド・メサ]]に、「女の名前なのに、なんだ男か」と気にしている自分の名前を馬鹿にされ、一緒について来たファに自分の荷物を預け、ファの静止も聞かずゲートに歩み寄りながら叫んだ。そして…。
+
:テンプテーションを見に宇宙港へ行った時、鉢合わせた[[ティターンズ]]の士官である[[ジェリド・メサ]]に「女の名前なのに……なんだ、男か」と気にしている自分の名前を馬鹿にされたカミーユは、一緒について来たファに自分の荷物を預け、ファの静止も聞かずゲートに歩み寄りながら叫んだ。そして……。
;「カミーユが男の名前で何で悪いんだ! 俺は男だよ!」
+
;「カミーユが男の名前で何で悪いんだ! 俺は男だよ!!」
:ジェリドに「女の名前なのに、何だ男か」と軽口を叩かれ激怒しながら鉄拳一発をかまし、さらに止めようとした軍人も殴っている。この行動がお互いに因縁が生まれるのであった…。アニメ史における初の「キレる若者」が主人公になった瞬間。
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:自分の名前を馬鹿にしたジェリドに鉄拳をかまし、さらに止めようとした軍人も殴っている。この行動が、二人の間に後々まで続く因縁を生んだのであった。
:[[スーパーロボット大戦α|α]]では[[DVE]]で収録されている。そして[[第3次スーパーロボット大戦Z時獄篇|第3次Z時獄篇]]でも('''劇場版かつ原作終了後であるにもかかわらず''')DVEで登場した。
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:アニメ史における初の「キレる若者」が主人公になった瞬間。
 +
:[[スーパーロボット大戦α|α]]では[[DVE]]で収録されている。そして[[第3次スーパーロボット大戦Z時獄篇|第3次Z時獄篇]]でも('''劇場版設定かつ原作終了後であるにもかかわらず''')DVEで登場した。
 
;「気のせいだ。疲れているんだ」
 
;「気のせいだ。疲れているんだ」
: 乱闘騒動の後、ティターンズに連行され取調室でMPのマトッシュに尋問されながらも、だんまりを決め込んでいた時に、机の下に見える筈のない宇宙空間を感じた時の台詞。この頃から、既に高いニュータイプとしての資質があったのである。また、同じ頃グリプス付近宙域を[[リック・ディアス (クワトロ専用)|リック・ディアス]]に乗りながら偵察していた、後に人生の師匠ともなる[[クワトロ・バジーナ]]もこの時のカミーユの波動を感じていた…。
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: 乱闘騒動の後、ティターンズに連行され取調室でMP(Military Police。軍警察、憲兵)のマトッシュに尋問されながらも、だんまりを決め込んでいた時に、机の下に見えるはずのない宇宙空間を感じての台詞。
;「怖いんです、怒鳴る人は…」
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:この頃から、すでに高いニュータイプとしての資質があったのである。また、同じ頃グリプス付近宙域を[[リック・ディアス (クワトロ専用)|リック・ディアス]]に乗りながら偵察していた、後に人生の師匠ともなる[[クワトロ・バジーナ]]もこの時のカミーユの波動を感じていた……。
:釈放が決まり、マトッシュに同行していた紳士が、カミーユの手錠を外しながら「君が身分不詳のスペースノイドなら、4、5日は彼に可愛がられるところだ」と忠告され「そうなんですか? スペースノイドって」と返した時に、横からマトッシュが「釈放が決まればしゃべるのか? 現金な奴だ」と皮肉られた時に返した台詞。たちまちこのしれっとした態度がマトッシュの癪に触り……
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;「怖いんです、怒鳴る人は……」
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:釈放が決まり、マトッシュに同行していた紳士が、カミーユの手錠を外しながら「君が身分不詳のスペースノイドなら、4、5日は彼に可愛がられるところだ」と忠告。それに「そうなんですか? スペースノイドって」と返す。
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:すかさずマトッシュが「釈放が決まればしゃべるのか? 現金な奴だ」と皮肉を浴びせると、カミーユはこう返した。このしれっとした態度がマトッシュの癪に触り……。
 
;「煽ったのは、そちらでしょう!」
 
;「煽ったのは、そちらでしょう!」
:上記の台詞により、キレたマトッシュがカミーユにファイルを投げつけ、男性がマトッシュを諌めようとする一方で、その横でその仕打ちに激昂したカミーユが飛びかかってマトッシュの顔にハイキックをかまし、これにはさすがの男性も「公務執行妨害で逮捕するぞ!」とカミーユを咎めた台詞に逆ギレして返した買い言葉。たちまち数人のMPに取り押さえられマトッシュに警棒で袋叩きにされてしまうが…。
+
:上記の台詞にキレたマトッシュがカミーユにファイルを投げつけ、紳士がマトッシュを諌めようとする一方で、その横でその仕打ちに激昂したカミーユが飛びかかってマトッシュの顔にハイキックをかます。
;「…こんな事しちゃって、俺、どうするんだ?」
+
:これにはさすがの紳士も「公務執行妨害で逮捕するぞ!」とカミーユを咎めるが、逆ギレ気味にこう言い放った。たちまち数人のMPに取り押さえられ、警棒で袋叩きにされてしまうが……。
:ビルの外に鍵が挿さったまま放置されていたエレカに飛び乗ってそれを奪い、MS工場に潜入するべく検問を強行突破して、橋の手前でエレカを乗り捨てるべく飛び降りて藪の中に転げてながら呟いた台詞。ようやく冷静になったのか、自分のしでかした事の重大さに気付いたようである。しかし、そのタイミングがあまりにも遅く、もはや後戻りも出来なくなってしまった…。
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;「……こんな事しちゃって、俺、どうするんだ?」
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:ビルの外に鍵が挿さったまま放置されていたエレカに飛び乗ってそれを奪い、MS工場に潜入するべく検問を強行突破、橋の手前でエレカから飛び降りて転げながら呟いた台詞。ようやく冷静になったのか、自分のしでかした事の重大さに気付いたようである。しかし、そのタイミングがあまりにも遅く、もはや後戻りも出来なくなってしまっていた……。
 
;「許せないな、あの軍人たち」
 
;「許せないな、あの軍人たち」
:2話で、自分を袋叩きにしたMPのマトッシュに復讐するため、ティターンズのMSドッグへ向かいMk-IIを奪うべく基地周辺の森の中を駆け抜けながら、呟いた台詞。元々ティターンズに良い感情を抱いていなかった上に、両親が連邦軍の軍人であるためティターンズ絡みの仕事をしていただけでなく、これまでの経緯からジェリドとのいざこざやマトッシュの尋問などによって相当プライドを傷つけられて立腹している様子である。この時のカミーユの頭の中には、ティターンズの軍人たちに仕返しする事で頭がいっぱいなのだろう。<br />また、一人の少年が軍人たちに「許せない」と思うのは、幾多の戦乱を起こしてきた宇宙世紀という時代の歪みを象徴しているのかもしれない。これらの体験による怒りがカミーユの心に刻まれ、ティターンズに対して「許せない」という思いが原動力となり、ティターンズとの戦いに偶然か必然か巻き込まれてゆく第一歩になったのは、カミーユの運命だったのだろう。
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:2話で、自分を袋叩きにしたマトッシュに復讐するため、ティターンズのMSドッグへ向かいMk-IIを奪うべくを基地周辺の藪の中を駆け抜けながら呟いた台詞。元々ティターンズに良い感情を抱いていなかった上に、嫌っている両親がティターンズ絡みの仕事をしていただけでなく、ジェリドやマトッシュにもプライドを傷つけられてついに爆発した様子である。この時のカミーユの頭の中は、ティターンズの軍人たちに仕返ししたいという気持ちでいっぱいなのだろう。
 +
:一人の少年が軍人を「許せない」と思うのは、幾多の戦乱を起こしてきた宇宙世紀という時代の歪みを象徴しているのかもしれない。これらの体験によるティターンズに対しての怒りが原動力となり、戦争に偶然か必然か巻き込まれてゆく第一歩になったのは、カミーユの運命だったのかもしれない。
 
;「ティターンズだなんて言ったって、地球生まればかりを使う軍隊に、何ができるんだ」
 
;「ティターンズだなんて言ったって、地球生まればかりを使う軍隊に、何ができるんだ」
:上記の台詞に続けた台詞。地球に住むアースノイド(俗に言う地球の重力に魂を引かれた人間達)が、宇宙に住むスペースノイドを『宇宙人』と見下すように、同じくスペースコロニーに住むスペースノイドたちもアースノイドたちに対して、地球生まれは何も出来ないボンボンという偏見と差別意識がある事がわかる。このアニメのスケールの大きさと、世界観を象徴する一言である。
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:上記の台詞に続けた台詞。地球に住むアースノイド(俗に言う「地球の重力に魂を引かれた人間」)が、宇宙に住むスペースノイドを「宇宙人」と見下すように、同じくスペースコロニーに住むスペースノイドたちもアースノイドたちに対して「地球生まれは何も出来ないボンボン」という偏見と差別意識を持っているのがわかる。このアニメのスケールの大きさと、世界観を象徴する一言である。
;「そこのMP!一方的に殴られる痛さと怖さを教えてやろうか!」
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;「そこのMP! 一方的に殴られる痛さと怖さを教えてやろうか!」
:MP=Military Police=軍警察、憲兵のこと。前話で自分をボコボコにしたMPを奪ったMk-IIで仕返ししようとしたときの台詞。流石に殺すまでには至らなかったが、生身の人間に対してバルカンを乱射したり踏み潰そうとしたりし、逃げ惑う彼を見て「ははははは!ざまあないぜ!」と嘲笑するなど、仮にもTVアニメの主人公の取る態度としては放送当時では衝撃的、現在でもかなり異端的なシーン。これには近くで見ていたシャアも開いた口が塞がらなかった。アムロとの差別化を図るべく、思春期特有の情緒不安定さや残虐的な一面が、前面に出され強調されている。<br />シンがこの時の彼を見たらどう思うのであろうか…。少なくとも[[刹那・F・セイエイ|刹那]]がこれを見たら間違いなくマジギレするであろう。なお彼のエキセントリックな面が抑えられている劇場版においても、このシーンはカットされていない。
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:奪ったMk-IIでマトッシュに復讐しようとした時の台詞。流石に殺すまでには至らなかったが、生身の人間に対してバルカンを乱射したり踏み潰そうとしたりし、逃げ惑う彼を見て「ははははは、ざまあないぜ!」と嘲笑するなど、仮にもTVアニメの主人公の取る態度としては放送当時では衝撃的、現在でもかなり異端的なシーン。これには近くで見ていたシャアも開いた口が塞がらなかった。
;「僕の家が…」
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:アムロとの差別化を図るべく、思春期特有の情緒不安定さや無軌道な嗜虐性が、前面に出され強調されている。[[シン・アスカ|シン]]がこの時の彼を見たらどう思うのであろうか。少なくとも[[刹那・F・セイエイ|刹那]]がこれを見たら間違いなくマジギレするであろう。
:半ば成り行きだったとはいえMk-IIを奪って、ティターンズを相手に散々暴れまわったあげく、ようやく頭が冷え冷静さを取り戻したカミーユの目に飛び込んできたのは、しっちゃかめっちゃかになった[[グリーンノア]]の惨状であり、倒壊した自宅を見たときの台詞。以前からティターンズが気に入らなかったとはいえ、ジェリドに名前を馬鹿にされた事から始まり、頭に血が上って感情任せにマトッシュに仕返ししようと後先考えずに行動した結果、巻き添えを食らった幼馴染のファは泣く泣く母と逃げながら避難しており、家庭にいい思い出がなく両親にも失望しており、帰りたいとも思っていなかった自分の家もジムIIの爆発で完全に倒壊していたのをモニターで確認して…。自分が取り返しのつかない事をしてしまったことを自覚したのと同時に、もはやこうなった以上カミーユに残されていた選択肢は、グリーンノアを出て行き、[[エゥーゴ]]の[[クワトロ・バジーナ|クワトロ]]たちに付いて行く以外はなかったのである。
+
:なお、彼のエキセントリックな面が抑えられている劇場版においても、このシーンはカットされていない。
;「いつもそうだ。いつもそうだ。いつもそうやって、貴方は何やってんです!そんなとこで!」
+
;「僕の家が……」
:3話で、エゥーゴにMk-IIを2機も奪われた事で、ティターンズの総司令官である[[バスク・オム|バスク]]の命令により、カミーユの両親を人質にとり、Mk-IIを返さなければ2人を殺すというヤクザ顔負けの脅迫を受け、助けるべくMk-IIで無断出撃したものの、カプセルの中に入れられて何か叫んでいるヒルダを見て苦々しく呟いた独白。家庭そっちのけで仕事に没頭して、いっつも自分をほったらかしにしていた癖に、こういうところで首を突っ込んでくる。「母さん」と呼ばなかったのは何故ちゃんと母親をやってくれなかったんだという思いが込められている。
+
:半ば成り行きだったとはいえMk-IIを奪って、ティターンズを相手に散々暴れまわったあげく、ようやく頭が冷え冷静さを取り戻したカミーユの目に飛び込んできたのは、しっちゃかめっちゃかになったグリーンノアの惨状であり、倒壊した自宅であった。
 +
:以前からティターンズが気に入らなかったとはいえ、ジェリドに名前を馬鹿にされた事から始まり、頭に血が上って感情任せにマトッシュに仕返ししようと後先考えずに行動した結果、巻き添えを食らった幼馴染のファは泣く泣く母と逃げながら避難しており、家庭にいい思い出がなく両親にも失望しており、帰りたいとも思っていなかった自分の家もジムIIの爆発で完全に倒壊していたのをモニターで確認して、呆然と呟く。
 +
:自分が取り返しのつかない事をしてしまったと自覚するのと同時に、もはやこうなった以上カミーユに残されていた選択肢は、グリーンノアを出て行き、[[エゥーゴ]]のクワトロらについていく他はなかったのである。
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;「いつもそうだ……いつもそうだ。いつもそうやって、あなたは何やってんです、そんなとこで!!」
 +
:3話で、カミーユの両親を人質にとったティターンズの総司令官[[バスク・オム]]から「Mk-IIを返さなければ両親を殺す」というヤクザ顔負けの脅迫を受け、助けるべくMk-IIで無断出撃したものの、カプセルの中に入れられて何か叫んでいる母ヒルダを見て苦々しく呟く。
 +
:家庭そっちのけで仕事に没頭して、いつも自分をほったらかしにしていた癖に、こういうところで首を突っ込んでくる。「母さん」と呼ばなかったのは、「何故ちゃんと母親をやってくれなかったんだ」という思いが込められている。
 
;「これで若い恋人とうまくいくね。マルガリータとかってさ」
 
;「これで若い恋人とうまくいくね。マルガリータとかってさ」
:4話で、眼前で母を殺され怒りのあまりカプセルを銃撃した[[ジェリド・メサ|ジェリド]]の[[ハイザック]]に殴りかかり、[[クワトロ・バジーナ|クワトロ]]と[[エマ・シーン|エマ]]の計らいでMk-IIごと[[アレキサンドリア]]に連行され、対面したフランクリンに向かって。父に対する精一杯の皮肉でありカミーユがいかに酷い家庭環境で育ったかが想像できる。しかし、この直後フランクリンからは「言うな!」とビンタを食らわされる。
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:4話で、眼前で母を殺され、怒りのあまりカプセルを銃撃した[[ジェリド・メサ|ジェリド]]の[[ハイザック]]に殴りかかり、[[クワトロ・バジーナ|クワトロ]]と[[エマ・シーン|エマ]]の計らいでMk-IIごと[[アレキサンドリア]]に連行され、対面した父フランクリンに向かって。
;「そうだな。軍人の宿命だものな。軍人は事態の善悪などわからずに上官の命令に従うんだものな。許してやるよ!」<br />「僕は貴方の操るハイザックを抑えてみせた。それでもこうなってしまったのは、軍という組織の性だ。そういう組織を憎むことを、僕は今日覚えたんだ!」
+
:父に対する精一杯の皮肉であり、カミーユがいかに酷い家庭環境で育ったかが想像できる。しかし、この直後フランクリンからは「言うな!」とビンタを食らわされる。
 +
;「そうだな。軍人の宿命だものな。軍人は事態の善悪などわからずに上官の命令に従うんだものな。許してやるよ」<br />「僕はあなたの操るハイザックを抑えてみせた。それでもこうなってしまったのは、軍という組織の性だ。そういう組織を憎むことを、僕は今日覚えたんだ!」
 
:連行されている途中で、知らなかったとは言え母を殺してしまったジェリドに、罪悪感からの裏返しなのか「まだおっぱいが恋しい年頃だったんだものな」と挑発された時に返した台詞。17歳とは思えないくらいに正論であるが、言われたジェリドにはこの上ない屈辱であったであろう。挑発に素直に応じてやらないカミーユの態度に、この作品の底意地の悪さが伺えるシーンである。
 
:連行されている途中で、知らなかったとは言え母を殺してしまったジェリドに、罪悪感からの裏返しなのか「まだおっぱいが恋しい年頃だったんだものな」と挑発された時に返した台詞。17歳とは思えないくらいに正論であるが、言われたジェリドにはこの上ない屈辱であったであろう。挑発に素直に応じてやらないカミーユの態度に、この作品の底意地の悪さが伺えるシーンである。
;「いけませんか!こんなこといって!でもね、僕は両親に親をやって欲しかったんですよ。そう言っちゃいけないんですか?子供が。父は、前から愛人を作っていたし、母は父が愛人を作っていたって、仕事で満足しちゃって、そんな父を見向きもしなかったんです。軍の仕事ってそんなに大切なんですか!?エゥーゴだ、ティターンズだってそんなことじゃないんです。子供が無視されちゃたまんないんですよ!!」
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;「いけませんか、こんな事言って! でもね、僕は両親に親をやってほしかったんですよ。そう言っちゃいけないんですか、子供が!? ……父は、前から愛人を作っていたし、母は父が愛人を作っていたって、仕事で満足しちゃって、そんな父を見向きもしなかったんです。軍の仕事ってそんなに大切なんですか!? エゥーゴだ、ティターンズだってそんな事じゃないんです。子供が無視されちゃたまんないんですよ!!」
:5話にて、父フランクリンも名誉・地位・手柄欲しさにクワトロのリック・ディアスを強奪し勝手極まりない愚行に走った末に、宇宙の藻屑となり戦闘が終わった後のアーガマに一室で、カミーユがさらけ出した本音。言いたい事はわかるが、その場にいるクワトロ、エマ、[[レコア・ロンド|レコア]]も人の親になった事がないから、分かってもらえない。この場に2児の父親であるブライトがいれば、話は別だっただろうが…。クワトロは「よく分かる話だが…」と一見理解を示しているような事を言っているが、同情もしていないし慰めもなくやるべき事をやれとカミーユに言う。こういう事は経験しなければ分からないのだし、身も蓋もない言い方をしてしまえばクワトロ達にとってはカミーユの両親が殺された事などは所詮他人事なのである。
+
:5話にて、フランクリンも名誉・地位・手柄欲しさにクワトロのリック・ディアスを強奪し勝手極まりない愚行に走った末に、宇宙の藻屑となった。戦闘が終わった後のアーガマの一室で、カミーユは本音を吐露する。が、その場にいたクワトロもエマも[[レコア・ロンド|レコア]]も人の親になった事がないから、理解してはもらえなかった。この場に2児の父親であるブライトがいれば、話は別だっただろうが……。
;「死んだ両親のことは言うなというのですか?」
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:クワトロは「よくわかる話だが」と一見理解を示す風に言っているが、その実同情もしていないし慰めもせず、やるべき事をやれとカミーユに言う。こういう事は経験しなければ分からないのだし、身も蓋もない言い方をしてしまえば、クワトロたちにとってはカミーユの家庭事情などは所詮他人事なのである。
:クワトロの「よくわかる話だが…」に対して返した台詞。やはり、カミーユも「やはりそうか」と薄々こういう返事が返ってくる事を予想したことが伺える。でも、こんな状況下なら言わずにはいられなかかった。クワトロ達に理解して欲しかった。しかし、それは結局は現実の前にかなう事はなかった。この時、願望と言えるものを遮られたカミーユは何を感じたのだろうか…。
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;「死んだ両親の事は言うなと言うのですか?」
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:クワトロの「よくわかる話だが」に対して返した台詞。カミーユ自身、薄々そういう返事が返ってくるのを予想していた事が伺える。それでも、こんな状況下なら言わずにはいられなかった。理解してほしかった。しかし、それは結局は現実の前に叶う事はなかった。この時、願望と言えるものを遮られたカミーユは何を感じたのだろうか……。
 
;「一人で組織に対抗しようとして敗れた、馬鹿な人です」
 
;「一人で組織に対抗しようとして敗れた、馬鹿な人です」
:[[クワトロ・バジーナ]]の偽名を使っていた[[シャア・アズナブル]]本人に、シャアを知っているかと問われた時の返答。全く持ってその通りな手厳しい評論だが、シャアは特に気にしていなかったようだ。ただ、TV版終盤の事を考えるとカミーユも割と人の事は言えない。
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:「クワトロ・バジーナ」の偽名を使っていた[[シャア・アズナブル]]本人に、「シャア・アズナブルを知っているか」と問われた時の返答。全く持ってその通りな手厳しい評論だが、シャアは特に気にしていなかったようだ。ただ、TV版終盤の事を考えるとカミーユも割と人の事は言えない。
 
;「大尉、貴方は逆上しすぎている!」
 
;「大尉、貴方は逆上しすぎている!」
:7話で、サイド1の30バンチで[[ライラ・ミラ・ライラ|ライラ]]と交戦して。Mk-IIのパイロットがニュータイプとは言え子供だと分かった途端、コンプレックスからか焦りと苛立ちを募らせ、普段では考えられないような行動に出る。
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:7話で、サイド1の30バンチで[[ライラ・ミラ・ライラ]]と交戦して。Mk-IIのパイロットがニュータイプとは言え子供だと分かった途端、コンプレックスからか焦りと苛立ちを募らせ、普段では考えられないような行動に出るライラにこう言い放つ。
;「自分だけが特別だと思うな!あの人が喜ぶものかよ、生き返るのかよ!」
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;「自分だけが特別だと思うな! あの人が喜ぶものかよ、生き返るのかよ!」
 
:8話で、ライラを殺されたジェリドに対しての台詞。
 
:8話で、ライラを殺されたジェリドに対しての台詞。
;「…誰が、死ぬもんか!」
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;「……誰が、死ぬもんか!」
:ライラの仇討ちに燃えるジェリドの[[ガルバルディβ]]にあと一歩のところまで追い詰められたところを、応援に駆けつけたクワトロの[[リック・ディアス]]に救われアーガマへ帰還した後にクワトロから「しかし、一機のモビルスーツの動きに、あれほど巻き込まれるとは若過ぎるな」「でないと、今度は君が死ぬ番だ」と忠告された時に呟いた独白。<br />また、カミーユの声を演じた飛田氏も放送当時、総監督の富野由悠季から「キャラクターの生死は、演じるあなたたちのオーラにかかっています」との趣旨の発言を出演者全員に言われた時には、この言葉を心の中で何度も唱えながら必死で演じたとの事である。なお、毎回台本を開いてカミーユが生きている事を知ったときはホッとしたとの事である。
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:ライラの仇討ちに燃えるジェリドの[[ガルバルディβ]]にあと一歩のところまで追い詰められたところを、応援に駆けつけたクワトロの[[リック・ディアス]]に救われアーガマへ帰還した後にクワトロから「しかし、一機のモビルスーツの動きに、あれほど巻き込まれるとは若過ぎるな」「でないと、今度は君が死ぬ番だ」と忠告された時に呟いた独白。
;「ぼ、暴力はいけない…」
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:カミーユの声を演じた飛田氏も放送当時、本作を監督した富野由悠季氏から「キャラクターの生死は、演じるあなたたちのオーラにかかっています」という趣旨の発言を出演者全員に言われた時には、この言葉を心の中で何度も唱えながら必死で演じたとの事である。なお、毎回台本を開いてカミーユが生きている事を知ったときはホッとしたとの事である。
:正式に[[エゥーゴ]]のパイロットになってまだ日が浅い原作9話にて。ミーティングに遅刻して言い訳しまくったため、幹部の[[ウォン・リー]]に気絶するまでカンフーでボコボコにされてノックアウト寸前での一言。直前に自分から殴りかかって返り討ちにあったため説得力がない。
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;「ぼ、暴力はいけない……」
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:正式に[[エゥーゴ]]のパイロットになってまだ日が浅い原作9話にて。ミーティングに遅刻して言い訳しまくったため、[[ウォン・リー]]に気絶するまでカンフーでボコボコにされてノックアウト寸前での一言。直前に自分から殴りかかって返り討ちにあったため、説得力がない。
 
;「僕の力があったから、アーガマはここまで来られたんでしょ!」
 
;「僕の力があったから、アーガマはここまで来られたんでしょ!」
:ウォンにボコボコにされ気を失い、更衣室で意識を取り戻した後も、クワトロ達に作戦には行かないと拗ねはじめ、エマからは「今日まで生きてこられたのは、あなた一人の力ではないのよ」に言う言葉に対して返した台詞。この時の彼は[[一年戦争]]の頃の[[アムロ・レイ|アムロ]]にそっくりである。
+
:ウォンにボコボコにされ気を失い、更衣室で意識を取り戻した後も、クワトロたちに作戦には行かないとぐずり、「今日まで生きてこられたのは、あなた一人の力ではないのよ」というエマの言葉にもこう返した。
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:この時の彼は[[一年戦争]]の頃の[[アムロ・レイ]]にそっくりである。
 
;「僕は見込みありません。自閉症の子供なんだ」
 
;「僕は見込みありません。自閉症の子供なんだ」
:エマから「その自惚れが、今にあなたの命を落とすってわかっているから、ウォンさんはあなたを殴ったのよ」「ウォンさんはね、地球にしがみついて地球を滅ぼすような人は何とかしたいと思っているのよ。その上であなたのような見込みのある人に生き残って欲しいと考えて…」とウォンの真意を説明したのに対しての屁理屈。この後エマに「自分の都合で大人と子供を使い分けないで!」と当然のように説教を食らう。<br />大人に対して憧れのような感情を抱いてはいたものの、一方では子供のままでいたいという2つの矛盾した感情が同居していた事が伺える。
+
:「その自惚れが、今にあなたの命を落とすってわかっているから、ウォンさんはあなたを殴ったのよ」「ウォンさんはね、地球にしがみついて地球を滅ぼすような人は何とかしたいと思っているのよ。その上であなたのような見込みのある人に生き残ってほしいと考えて……」と、ウォンの真意を説くエマに対しての屁理屈。この後エマから「自分の都合で大人と子供を使い分けないで!」と当然のように説教を食らう。
;「こ、これが地球の重力なのか…」
+
:大人に対して憧れのような感情を抱いてはいたものの、一方では子供のままでいたいという2つの矛盾した感情が同居していた事が伺える。
:12話で、大気圏を突破し[[ジャブロー]]上空を降りながら。カミーユにとっては地球は初めてだったので、人工的なコロニーの重力とは違う本物に戸惑っている…。
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;「こ、これが地球の重力なのか……」
;「出てこなければやられなかったのに!」
+
:12話で、大気圏を突破し[[ジャブロー]]上空を降りながら。カミーユにとっては地球は初めてだったので、人工的なコロニーの重力とは違う本物に戸惑いを隠せない。
:ゲームでも戦闘でよく聞く台詞の一つ。ジャブロー付近の河川に降り立ったものの、防衛のために出てきたのは旧式のセイバーフィッシュやTINゴッドなどMSが主流となった現在では、時代遅れのロートル戦闘機ばかり。はっきり言えば雑魚であり、カミーユだってこうも思いたくなる。
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;「出てこなければ、やられなかったのに!」
;「抵抗すると無駄死にをするだけだって何でわからないんだ!」
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:ゲームでも戦闘でよく聞く台詞の一つ。ジャブロー付近の河川に降り立ったものの、防衛のために出てきたのは旧式のセイバーフィッシュやTINコッドなど、MSが主流となった現在では時代遅れのロートル戦闘機ばかり。はっきり言えば雑魚であり、カミーユでなくてもこう思いたくもなる。
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;「抵抗すると無駄死にをするだけだって、なんでわからないんだ!」
 
:フライングアーマーで基地防衛の[[モビルスーツ|MS]]や戦闘機を撃墜しながら。かなり、MSパイロットとしての自信がついてきたのであろう。ゲームでもかなり有名な台詞の一つである。
 
:フライングアーマーで基地防衛の[[モビルスーツ|MS]]や戦闘機を撃墜しながら。かなり、MSパイロットとしての自信がついてきたのであろう。ゲームでもかなり有名な台詞の一つである。
;「もし、そうならそれは卑怯ですよ!シャア・アズナブル、名乗った方がスッキリします!」
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;「もし、そうならそれは卑怯ですよ! シャア・アズナブル、名乗った方がスッキリします!」
:13話で、ケネディ・スペースポートにおいて[[カイ・シデン|カイ]]からの手紙を受け取った[[ハヤト・コバヤシ|ハヤト]]が、クワトロに正体を明かすよう詰め寄る中、「しかし、私はクワトロ・バジーナ大尉です」という言葉に対して、カミーユが割り込んできた台詞。カミーユもここではじめてクワトロがシャアだと思ったのか、それとも前から薄々勘付いていて、ここでやっとそれを確信したのかは不明だが、尊敬しているシャアが偽名を使い別人に成りすまして、何をやっているんだという思いがあったのかも知れない。カミーユも、心のどこかでシャアに期待していたところがあったのではないかと思われる。
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:13話で、ケネディ・スペースポートにおいて[[カイ・シデン]]からの手紙を受け取った[[ハヤト・コバヤシ]]が正体を明かすよう詰め寄っても「私はクワトロ・バジーナ大尉です」の一点張りをするクワトロに対して、割り込んで放った台詞。
;「しますよ!どっちなんです?教えてください!」
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:カミーユもここで初めてクワトロがシャアだと思ったのか、それとも前から薄々勘付いていて、ここでやっとそれを確信したのかは不明だが、尊敬しているシャアが偽名を使い別人に成りすまして、何をやっているんだという忸怩があったのかも知れない。カミーユも、心のどこかでシャアに期待していたところがあったのではないかと思われる。
:クワトロが「ガンダムをシャトルへ移動させろ!」とはぐらかそうとする台詞に対して。クワトロとしては、何とかこの場を有耶無耶にして誤魔化したいのだが、逃がすものかと言わんばかりにカミーユも食い下がる。ここまで来たら、引き下がれるものも引き下がれない。
+
;「しますよ。どっちなんです? 教えてください!」
;「…歯ぁ食いしばれっ!そんな大人、修正してやるっ!!」
+
:「ガンダムをシャトルへ移動させろ!」とはぐらかそうとするクワトロに対して。
:あからさまにバレてるのに、「今の私はクワトロ・バジーナだ。それ以上でも、それ以下でもない」という気取ったはぐらかしを繰り返して、自分をシャアだとはっきり認めないクワトロにブチ切れて殴った時の台詞。<br />[[スーパーロボット大戦α|α]]でも、51話で「クワトロとして応える」を選んでしまうと原作通りの流れとなり、飛田氏と池田氏の[[DVE]]が流れる。
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:クワトロとしては、何とかこの場を有耶無耶にして誤魔化したいのだが、逃がすものかと言わんばかりにカミーユも食い下がる。ここまで来たら、引き下がれるものも引き下がれない。
;「どんな事情があるか知らないけど、どんな事情があるか知らないけど!」
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;「歯ぁ食いしばれっ! そんな大人、修正してやるっ!!」
:クワトロを殴り倒してなお、詰め寄った台詞。カミーユからしてみれば、クワトロが何故シャアであることをいつまでも認めようとしないのか、不思議で仕方がなかったのかも知れない。それが原因で、クワトロが卑怯者に見えたのであろう。クワトロには、クワトロなりの事情があるのかも知れないが、カミーユにとってはそんな事情は関係ないのである。そして、クワトロに自分はシャアであるという事を認めて貰いたかった。尊敬していたシャアが、一体こんなところで何をやっているんだという、希望と失望が入り混じった思いが強かったのであろう…。<br />この直後、[[ブラン・ブルターク|ブラン]]少佐の駆る[[アッシマー]]率いる連邦軍部隊が急襲をかけ、この事は有耶無耶になる…。
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:あからさまにバレているのに「今の私はクワトロ・バジーナだ。それ以上でも、それ以下でもない」という気取ったはぐらかしを繰り返して自分をシャアだとはっきり認めないクワトロについにブチ切れ、[[修正]]をかます。
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:[[スーパーロボット大戦α|α]]でも、51話で「クワトロとして応える」を選んでしまうと原作通りの流れとなり、飛田氏と池田氏の[[DVE]]が流れる。
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;「どんな事情があるか知らないけど……どんな事情があるか知らないけど!」
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:クワトロを殴り倒してなお、詰め寄った台詞。カミーユからしてみれば、クワトロが何故シャアである事をいつまでも認めようとしないのか、不思議で仕方がなかったのかもしれない。それが原因で、クワトロが卑怯者に見えたのであろう。クワトロにはクワトロなりの事情があるのかも知れないが、カミーユにとってはそんな事情は関係ないのである。そして、クワトロに自分はシャアであるという事を認めて貰いたかった。尊敬していたシャアが、一体こんなところで何をやっているんだという、希望と失望が入り混じった思いが強かったのであろう……。
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この直後、[[ブラン・ブルターク]]少佐率いる連邦軍部隊が急襲をかけ、この事は有耶無耶になる。
 
;「知りませんよ。傷を舐め合うような男と女なんて」
 
;「知りませんよ。傷を舐め合うような男と女なんて」
:18話で、エレカに同乗した[[フォウ・ムラサメ|フォウ]]から、人目も気にせずいちゃつく[[アムロ・レイ|アムロ]]と[[ベルトーチカ・イルマ|ベルトーチカ]]を見て「あの恋人たちとお知り合いなの?」という言葉に対しての台詞。このときはまだ、アムロやベルトーチカに対して何かと気に入らない印象があるので、苦々しさを感じていたが、ここまで言い切るところを見ると半端なレベルではない上に、自分が2人のように出来る状況じゃない事から嫉妬も混ざっているのであろう。しかし、後のカミーユとフォウもその『傷を舐め合うような男と女』の関係になるとは、この時の2人は知る由もなかった。
+
:18話で、エレカに同乗した[[フォウ・ムラサメ]]から、人目も気にせずいちゃつく[[アムロ・レイ]]と[[ベルトーチカ・イルマ]]について「あの恋人たちとお知り合いなの?」と尋ねられた言葉に対しての返答。
 +
:この時はまだ、アムロやベルトーチカに対して何かと気に入らない印象があるので、苦々しさを感じていたが、ここまで言い切るところを見ると半端なレベルではない上に、自分が2人のように出来る状況じゃない事から嫉妬も混ざっているのであろう。しかし、後のカミーユとフォウもその「傷を舐め合うような男と女」の関係になるとは、この時の2人は知る由もなかった。
 
;「好きさ。自分の名前だもの!」
 
;「好きさ。自分の名前だもの!」
 
:20話で、[[サイコガンダム]]のコクピットの中で、死の間際のフォウに「今でも自分の名前が嫌いか」と言われて。第1話からこの名前のせいでコンプレックスを抱えていたりと、自分の名前を嫌っていたカミーユだったが、フォウとの出会いで成長した。コンプレックスを乗り越え、受け入れた瞬間。
 
:20話で、[[サイコガンダム]]のコクピットの中で、死の間際のフォウに「今でも自分の名前が嫌いか」と言われて。第1話からこの名前のせいでコンプレックスを抱えていたりと、自分の名前を嫌っていたカミーユだったが、フォウとの出会いで成長した。コンプレックスを乗り越え、受け入れた瞬間。
 
;「トーレスの奴、トーストにしてやる」
 
;「トーレスの奴、トーストにしてやる」
:21話で、色々とうるさい指示を出す[[トーレス]]に対しての不満が入った独り言だが、トーレスに聞かれる羽目に。この後不満が収まらないカミーユは[[トーレス]]及び[[サエグサ]]に喧嘩をふっかけて殴り合いに発展、ブライトに[[修正]]を喰らって三人共々自習室入りとなり、エマにも釘を差されるという散々な目に(尤もフォウと別れて寂しいからと言って、関係のない人間に当り散らす行動を取ったカミーユが原因ではあるが)。
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:21話で、色々とうるさい指示を出す[[トーレス]]に対しての不満が入った独り言だが、トーレスに聞かれる羽目に。この後不満が収まらないカミーユはトーレスと[[サエグサ]]に喧嘩をふっかけて殴り合いに発展、ブライトに[[修正]]を喰らって3人まとめて自習室入りとなり、エマにも釘を差されるという散々な目に。
;「迂闊だった。新型が二機も出るなんて、これが甘えだと言うのか…」<br />「戦場で役にも立てず、俺はこんなところで窒息死して、俺は親のところへ逝くのか…」
+
:もっとも、フォウと別れて寂しいからといって、関係のない人間に当たり散らす行動を取ったカミーユが原因ではあるが。
:宇宙に帰ってきて、[[ジェリド・メサ|ジェリド]]と[[マウアー・ファラオ|マウアー]]の[[ガブスレイ]]に追い詰められ手も足も出ず、ついにはジェリド機に羽交い絞めにされ、Mk-IIのコクピットハッチが開いてしまい宇宙に投げ出されて。ようやくカミーユが己の行いを反省した瞬間である。この後、輸送機で駆けつけたファに救助されて事なきを得た。
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;「迂闊だった。新型が2機も出るなんて、これが甘えだと言うのか…」<br />「戦場で役にも立てず、俺はこんなところで窒息死して、俺は親のところへ逝くのか…」
;「死ぬかもしれないんです。綺麗にしておかなければね。鳥に笑われます」
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:宇宙に帰ってきて、ジェリドと[[マウアー・ファラオ]]の[[ガブスレイ]]に追い詰められ手も足も出ず、ついにはジェリド機に羽交い絞めにされ、Mk-IIのコクピットハッチが開いてしまい宇宙に投げ出されて。ようやくカミーユが己の行いを反省した瞬間である。この後、輸送機で駆けつけたファに救助されて事なきを得た。
:第23話にて、作戦宙域に向かっている最中なのに部屋の掃除をしている事をエマにとがめられて。ここで言う鳥とはカラス等の死肉をついばむ類の鳥を指す。さらにこの時「無宗教ですけどね」と言って、自分が殺したパイロットたちの霊を慰めるための手作りの神棚のような物を見せている。ほんの数か月前まで普通の高校生だったのに自分や敵の死と何度も向かい合わされ、この時点で既に精神崩壊の前兆とも取れる様相を見せている。
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;「死ぬかもしれないんです。綺麗にしておかなければね……鳥に笑われます」
;「フォウは今は何も分かってないんです!分からせてやれば良いんですよ!」<br />「強化人間なら外的な条件付けで戦闘を強要されているだけなんだ。治してあげれば済むんです! 性急に殺す事なんてないでしょう!?」
+
:第23話にて、作戦宙域に向かっている最中なのに部屋の掃除をしている事をエマに咎められて。ここで言う鳥とはカラスやハゲタカなどの死肉をついばむ類の鳥を指す。
:35話で、クワトロと共に[[キリマンジャロ]]基地攻略のため地球に降り、基地に潜入した時に再会したフォウが強化人間でしかも[[サイコガンダム]]のパイロットだと知るや否や、彼女を射殺しようとするクワトロを必死で制止して涙ながらに訴えた台詞。クワトロとしては自分とアムロが、7年前に経験した過ちを繰り返させたくないという思いからなのだが、カミーユにしてみれば愛する女が目の前で殺されそうになっているのだから血眼になって止めるのは当然である。これだけカミーユがクワトロに必死になって訴えるのは初めてでもあり、それだけカミーユにとってフォウは大事な女性なのだ。そして、これを見たクワトロはカミーユがフォウにニュータイプや強化人間を通り越して恋をしてしまった事を見抜く。
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:さらにこの時「無宗教ですけどね」と言って、自分が殺したパイロットたちの霊を慰めるための手作りの神棚のような物を見せている。ほんの数か月前まで普通の高校生だったのに自分や敵の死と何度も向かい合わされ、この時点ですでに精神崩壊の前兆とも取れる様相を見せている。
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;「フォウは今は何も分かってないんです!分からせてやれば良いんですよ!」<br />「強化人間なら外的な条件付けで戦闘を強要されているだけなんだ。治してあげれば済むんです! 性急に殺す事なんてないでしょう!?」
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:35話で、クワトロと共に[[キリマンジャロ]]基地攻略のため地球に降り、基地に潜入した時に再会したフォウが強化人間でしかも[[サイコガンダム]]のパイロットだと知るや否や、彼女を射殺しようとするクワトロを必死で制止して涙ながらに訴えた台詞。
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:クワトロにとっては自分とアムロが7年前に経験した過ちを繰り返させたくないという思いからの行動だが、カミーユにしてみれば愛する女が目の前で殺されそうになっているのだから血眼になって止めるのは当然である。これだけカミーユがクワトロに必死になって訴えるのは初めてでもあり、それだけカミーユにとってフォウは大事な女性なのだ。そして、これを見たクワトロはカミーユがフォウにニュータイプや強化人間を通り越して恋をしてしまった事を見抜く。
 
;「よし、コクピットを開けろ!」
 
;「よし、コクピットを開けろ!」
:36話で、必死の呼びかけの末にフォウがサイコガンダムのサイコウェーブから解放され、正気を取り戻したのを見て安堵しながら呼びかけた台詞。ところが、カミーユはこの時フォウに気を取られすぎて、彼の心に油断が生まれてしまった。
+
:36話で、必死の呼びかけの末にフォウがサイコガンダムのサイコウェーブから解放され、正気を取り戻したのを見て安堵しながら呼びかけた台詞。ところが、カミーユはこの時フォウに気を取られすぎて、心に油断が生まれてしまった。
;「サイコガンダムのコクピットに居てはいけない。早く!」
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;「サイコガンダムのコクピットにいてはいけない。早く!」
:正気を取り戻したフォウが「カミーユ、あなたなの?」という呼びかけに対して、悪魔のマシーンであるサイコガンダムから早く降りるよう促した台詞。やっとの事で彼女が自分を取り戻したのだから、早く降ろさないとまたさっきの状態になってしまうのではないかという危惧と、一刻も早くフォウを救いたいという気持ちでカミーユの心は占められていた。この2つの気持ちが、カミーユから戦場における注意力を奪ってしまい、後ろから襲い掛かってきた[[ジェリド・メサ|ジェリド]]に気付く事が出来なかったのである。
+
:正気を取り戻したフォウが「カミーユ、あなたなの?」という呼びかけに対して、悪魔のマシーンであるサイコガンダムから早く降りるよう促した台詞。やっとの事で彼女が自分を取り戻したのだから、早く降ろさないとまた元の状態になってしまうのではないかという危惧と、一刻も早くフォウを救いたいという気持ちでカミーユの心は占められていた。この2つの気持ちが、カミーユから戦場における注意力を奪ってしまい、後ろから迫るジェリドに気付く事が出来なかったのである。
;「フォウ、目を開けろよ。嘘だろ! こんなの嘘だろ!? 目を開けてくれよ! フォウ!! うわああああああああああああ!!!」
+
;「フォウ、目を開けろよ。嘘だろ? こんなの嘘だろ!? 目を開けてくれよ、フォウ!! うわあああああっ!!!」
:それも束の間、背後から迫ってきた復讐に燃えるジェリドの[[バイアラン]]の攻撃からカミーユを庇って、投げ出された雪原で腕の中で息絶えたフォウを抱きかかえた時に叫んだ慟哭。(なお、原作30話で[[マウアー・ファラオ|マウアー]]をカミーユに殺されたジェリドの時とは正反対となっている)目の前で起こった悲しい現実を受け入れられずにいた。側で見ていたクワトロとアムロも、7年前に死んだララァの事を思い出し、何としても避けたかった最悪の結果が起こってしまい、自分たちの無力さを呪わずにはいられれなかった。戦争による悲劇の歴史は、何故こうも繰り返されてしまうのか…。
+
:それも束の間、背後から迫ってきた復讐に燃えるジェリドの[[バイアラン]]の攻撃からカミーユを庇って、投げ出された雪原で腕の中で息絶えたフォウを抱きかかえた時に叫んだ慟哭(ちなみに、原作30話でマウアーをカミーユに殺されたジェリドの時とは正反対となっている)。
;「僕はもう貴方の事をクワトロ大尉とは呼びませんよ。貴方はシャア・アズナブルに戻らなくてはいけないんです!」
+
:側で見ていたクワトロとアムロも、7年前に死んだララァの事を思い出し、何としても避けたかった最悪の結果に、自分たちの無力さを呪わずにはいられなかった。戦争による悲劇の歴史は、何故こうも繰り返されてしまうのか……。
:[[キリマンジャロ]]にて息絶えたフォウを横抱きに抱えながら。ララァの死の再現を防げなかったことを目の当たりにし、この台詞でシャアは長い雌伏の時を終えて表舞台に立つ決意をし、スパロボでもお馴染みのダカール演説へと繋がる。なお余談だが、その後カミーユは実際にクワトロを「シャア」と呼ぼうとしたが妙に違和感のある表情を見せ、それに対してシャアも「今はクワトロでいい」と返している。結局、物語終了まで「クワトロ大尉」と呼び続けるのだった。周りとは違う、二人の間に深い絆があることが伺える。
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;「僕はもうあなたの事をクワトロ大尉とは呼びませんよ。貴方はシャア・アズナブルに戻らなくてはいけないんです!」
;「何故そうも簡単に人を殺すんだよ! 死んでしまえ! 死んで!」
+
:キリマンジャロで息絶えたフォウを横抱きに抱えながら。ララァの死の再現を防げなかった事実を目の当たりにし、シャアは長い雌伏の時を終えて表舞台に立つ事を決意。スパロボでもお馴染みのダカール演説へと繋がる。
:41話で、レコア率いるティターンズの部隊が[[スペースコロニー|コロニー]]に毒ガスを注入して、住民を皆殺しにしたのを目の当たりにして。ゲームでは見られないカミーユのヒステリックさを感じさせてくれるセリフ。
+
:なお余談だが、その後カミーユは実際にクワトロを「シャア」と呼ぼうとしたが妙に違和感のある表情を見せ、それに対してシャアも「今はクワトロでいい」と返している。結局、物語終了まで「クワトロ大尉」と呼び続けるのだった。周りとは違う、2人の間の深い絆が伺える。
;クワトロ「どうした、カミーユ! 撃て!」<br />カミーユ「ダメです、僕には撃てません!」<br />クワトロ「それが出来なければ、お前は死ぬぞ!!」
+
;「何故そうも簡単に人を殺すんだよ! 死んでしまえ! 死んで!!」
:42話において、[[サイド2]]の13バンチでティターンズと交戦中に[[ロザミア・バダム|ロザミィ]]の[[バウンド・ドック]]に遭遇。彼女と再会するが、[[ゲーツ・キャパ]]の乗るバウンド・ドックから発せられる邪悪な波動で、彼女がロザミアに戻ってしまい何とかΖに乗ってライフルの照準を迫り来るロザミアのバウンド・ドックに向け合わせたものの、撃てずにいるカミーユにクワトロが叱咤した時のやりとり。この時カミーユの脳裏には、ロザミィの笑顔が浮かんで引き金を引く事が出来ずにいて、クワトロとしては地球に降りた時のフォウに続いてロザミアにとり憑かれ始め強化人間に惹かれているカミーユを危惧したのだろう。Ζガンダムのパイロットであるカミーユの戦意を挫くというティターンズの目論見はまんまと成功してしまったのである。[[スーパーロボット大戦α外伝|α外伝]]では、カミーユが[[サイコガンダムMk-II]]で暴走するロザミアにトドメを指すシーン(原作で言う48話)で用いられ、飛田氏と池田氏による[[DVE]]で収録されている。
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:41話で、レコア率いるティターンズの部隊が[[スペースコロニー]]に毒ガスを注入して、住民を皆殺しにしたのを目の当たりにして。ゲームでは見られないカミーユのヒステリックさを感じさせてくれるセリフ。
;「ニュータイプも、強化人間も、結局何もできないのさ」<br />「できることといったら、人殺しだけみたいだな」
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;クワトロ「どうした、カミーユ! 撃て!」<br />カミーユ「ダメです、僕には撃てません!」<br />クワトロ「それが出来なければ、お前は死ぬぞ!!」
:48話、精神崩壊し暴走するロザミアの[[サイコガンダムMk-II]]をやむなく撃墜した後、自虐を連発するシーン。α外伝においてもロザミアが死亡すると同様の台詞を言う(以降の作品ではロザミア生存が正史)。また、α外伝で原作と唯一違うのはフォウがその場にいる事。この時点でカミーユはニュータイプ能力の肥大化のために神経をすり減らしており、精神の限界が近づいていた。
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:42話において、[[サイド2]]の13バンチでティターンズと交戦中に[[ロザミア・バダム|「ロザミィ」]]の[[バウンド・ドック]]に遭遇。彼女と再会するが、[[ゲーツ・キャパ]]の乗るバウンド・ドックから発せられる邪悪な波動で、彼女が「ロザミア」に戻ってしまう。何とかZに乗ってライフルの照準を迫り来るロザミアのバウンド・ドックに向け合わせたものの、撃てずにいるカミーユにクワトロが叱咤した時のやりとり。
;「貴様の様なのがいるから、戦いは終わらないんだ! 消えろ!」<br />「こんな死に方、嬉しいのかよ? 満足なのかよ? 誰が、誰が喜ぶんだよ!」
+
:この時カミーユの脳裏にはロザミィの笑顔が浮かんでおり、引き金を引く事が出来ずにいた。クワトロとしては、地球に降りた時のフォウに続いてロザミアに憑かれ始め、強化人間に惹かれているカミーユを危惧したのだろう。Zのパイロットであるカミーユの戦意を挫くというティターンズの目論見はまんまと成功してしまったのである。
:49話で、ジェリドとの最後の戦いでの台詞。
+
:[[スーパーロボット大戦α外伝|α外伝]]では、カミーユが[[サイコガンダムMk-II]]で暴走するロザミアにとどめを刺すシーン(原作で言う48話)で用いられ、飛田氏と池田氏による[[DVE]]で収録されている。
;「ヘンケン艦長や、カツを殺した人を、このままにはしませんよ! この決着はつけるんです。そうでしょ?」<br />「そうでなければ、こんな宇宙も、人の住んでいるところも、息苦しくって…」<br />「中尉、アーガマまで戻りましょう。Mk-IIで戦うのは無理です」
+
;「ニュータイプも、強化人間も、結局何もできないのさ」<br />「できる事といったら、人殺しだけみたいだな」
:ヘンケンが死んだ後にエマに対して言った台詞。一見なんでもないようだが、実は'''宇宙でバイザーを上げた'''ことを自覚していないため、精神が崩壊する前兆として極めて印象に残るシーン。(劇場版では同じシーンでも、台詞がまったく違う)カミーユはどれだけ危険なことをしているのか全くわかっておらず、エマから激しく注意された。
+
:48話、精神崩壊し暴走するロザミアの[[サイコガンダムMk-II]]をやむなく撃墜した後、自虐を連発するシーン。α外伝においてもロザミアが死亡すると同様の台詞を言う(以降の作品ではロザミア生存が正史)。
;「貴様!人が死んだんだぞ!? いっぱい人が死んだんだぞ!? 」<br />「遊びでやってんじゃないんだよー!」<br />「生命は、生命は力なんだ! 生命は、この宇宙を支えているものなんだ! それを、それを…!<br />こうも簡単に失っていくのは、それは、それは、酷いことなんだよ!」
+
:また、α外伝で原作と唯一違うのはフォウがその場にいる事。この時点でカミーユはニュータイプ能力の肥大化のために神経をすり減らしており、精神の限界が近づいていた。
:原作49話より。戦闘を狩猟のように楽しむヤザンを断罪する叫び。同時にカミーユと[[Ζガンダム]]がピンク色に光り出してハイパー化を始め、例のハイパー・ビーム・サーベルでヤザンの[[ハンブラビ]]を両断する。ついにニュータイプとしての力がΖガンダムを通して具現化し始める。<br />二行目の部分が戦闘台詞でも採用されている他、[[スーパーロボット大戦GC|GC]]・[[スーパーロボット大戦XO|XO]]ではジュドーたちを[[修正]]する際にも出る。
+
;「貴様のようなのがいるから、戦いは終わらないんだ! 消えろ!!」<br />「こんな死に方、嬉しいのかよ!? 満足なのかよ!? 誰が、誰が喜ぶんだよ!!」
;「本当に排除しなければならないのは、地球の重力に魂を引かれた人間達だろう!?」<br />「けど、そのために大勢の人間が死ななければならないのは、間違っている!!」
+
:49話、ジェリドとの最後の戦いでの台詞。
:最終回の50話で、シロッコ、ハマーンと対峙して。フォローしているとは言え、何気なくとんでもない事を言っている。ちなみにこの場にいたクワトロにも当てはまる。
+
;「ヘンケン艦長や、カツを殺した人を、このままにはしませんよ! この決着はつけるんです。そうでしょ?」<br />「そうでなければ、こんな宇宙も、人の住んでいるところも、息苦しくって……」<br />「中尉、アーガマまで戻りましょう。Mk-IIで戦うのは無理です」
;「この戦いで死んだ人は、それで世界が救われると思ったから死んだんです! 僕もあなたを信じますから!」
+
:ヘンケンが死んだ後、エマに対して言った台詞。一見なんでもないようだが、実は'''宇宙でバイザーを上げた'''のを自覚していないため、精神が崩壊する前兆として極めて印象に残るシーン。カミーユはどれだけ危険な事をしているのか全くわかっておらず、エマから厳しく注意された。
:最終決戦にて、クワトロに対して「こんなところで何をやっているんだ」と一喝して。最後までクワトロを信じたカミーユ。皮肉にも、カミーユが信じたシャアはこの数年後に地球潰しを行うのだが……。
+
:劇場版では同じシーンでも、台詞がまったく違う。
;「お前だ! いつもいつも脇から見ているだけで、人を弄んで!」<br />「許せないんだ、俺の命にかえても、体にかえても、こいつだけは!」<br />「わかるはずだ! こういう奴は、生かしておいちゃいけないって!<br />わかるはずだ! みんな、みんなにはわかるはずだ!」
+
;「貴様! 人が死んだんだぞ! いっぱい人が死んだんだぞ!?」<br />「遊びでやってんじゃないんだよーッ!!」<br />「生命は、生命は力なんだ! 生命は、この宇宙を支えているものなんだ! それを、それを!」<br />「こうも簡単に失っていくのは、それは……それは、酷い事なんだよ!!」
:シロッコとの最終決戦時の台詞。限界まで研ぎ澄まされたカミーユのセリフは理論ではなく感情的に訴えるものが多い。
+
49話にて、戦闘を狩猟のように楽しむ[[ヤザン・ゲーブル]]を断罪する叫び。同時にカミーユとZがピンク色に光り出してハイパー化を始め、ハイパー・ビーム・サーベルでヤザンの[[ハンブラビ]]を両断するのだった。
;「わかるまい! 戦争を遊びにしているシロッコには、この俺の身体を通してでる力が!」
+
:ついにニュータイプとしての力がZガンダムを通して具現化し始める。
:シロッコとの最終決戦時の台詞。ヤザン都の戦い同様、ニュータイプの力がΖを通して発現。シロッコは「Ζに何か隠された武装があるのか!?」と思っただけで、カミーユの言うとおりその力を理解することはできなかった。
+
:ゲームでは2行目の部分が戦闘台詞でも採用されている他、[[スーパーロボット大戦GC|GC]]・[[スーパーロボット大戦XO|XO]]ではジュドーたちを[[修正]]する際にも言う。
;「ここからいなくなれー!」
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;「本当に排除しなければならないのは、地球の重力に魂を引かれた人間たちだろう!?」<br />「けど、そのために大勢の人間が死ななければならないのは、間違っている!!」
 +
:最終回・50話にて、グリプスII内部でシロッコ、ハマーンと対峙して。フォローしているとは言え、何気なくとんでもない事を言っている。ちなみに、「地球の重力に魂を引かれた人間」はこの場にいたクワトロにも当てはまる。
 +
;「この戦いで死んだ人は、それで世界が救われると思ったから死んだんです! 僕もあなたを信じますから!」
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:最終決戦にて、クワトロに対して「こんなところで何をやっているんだ」と一喝して。
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:最後までクワトロを信じたカミーユ。だが皮肉にも、カミーユが信じたシャアはこの数年後に地球潰しを敢行する……。
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;「お前だ! いつもいつも脇から見ているだけで、人を弄んで!」<br />「許せないんだ、俺の命に代えても、体に代えても、こいつだけは!」<br />「わかるはずだ! こういう奴は、生かしておいちゃいけないって!」<br />「わかるはずだ! みんな、みんなにはわかるはずだ!!」
 +
:シロッコとの最終決戦時の台詞。限界まで研ぎ澄まされたカミーユの言葉は理論ではなく感情的に訴えるものが多い。
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;「わかるまい! 戦争を遊びにしているシロッコには、この俺の身体を通して出る力が!!」
 +
:シロッコとの最終決戦時の台詞。ヤザンとの戦い同様、ニュータイプの力がZを通して発現。シロッコは「Zに何か隠された武装があるのか!?」と思っただけで、カミーユの言う通りその力を理解する事はできなかった。
 +
;「ここからいなくなれぇぇぇぇぇっ!!」
 
:ウェイブライダーによる突撃をシロッコに仕掛けた時の台詞。この台詞と共にウェイブライダーは[[ジ・O]]の土手っ腹に突っ込み、シロッコを葬った。だが……。
 
:ウェイブライダーによる突撃をシロッコに仕掛けた時の台詞。この台詞と共にウェイブライダーは[[ジ・O]]の土手っ腹に突っ込み、シロッコを葬った。だが……。
;「…あ? 大きな星がついたり消えたりしている…。あはは。大きい! 彗星かな? いや、違う…違うな。彗星はもっと、バァーって動くもんな!」<br />「暑苦しいなぁ、ここ。うーん…出られないのかな? おーい、出してくださいよ。ねぇ?」
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;「……あ? 大きな星が点いたり消えたりしている……。あはは、大きい! 彗星かな? いや、違う……違うな。彗星はもっと、バァーって動くもんな」<br />「暑苦しいなぁ、ここ。うーん……出られないのかな? おーい、出してくださいよ。ねぇ?」
:'''ガンダムだけでなくアニメ史に残る衝撃のシーン'''。正に全身全霊をかけてシロッコを打倒したカミーユであったが、これまでの精神的な疲弊とシロッコ最期のあがきを喰らい、遂に精神が崩壊して正気を失ってしまった際の台詞。カミーユはニュータイプとして最高の能力を持っていたが、人の死や悲しみ、怒りといった感情を敏感に受け止めすぎた結果、精神がついていけなくなって崩壊してしまった。まるで無邪気な幼子のようになってしまったその姿に、ファは顔面蒼白となり、ブライトに「カミーユが、カミーユが…」と漏らした。<br />なお、カミーユを演じた飛田氏は、前述のとおり富野総監督から言われた『この作品のキャラクターの生死は演じる役者のオーラにかかっている』といわれた中で、この台詞が一番楽に喋れた台詞だったと語っている。
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:'''ガンダムシリーズだけでなくアニメ史に残る衝撃のシーン。'''
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:まさに全身全霊をかけてシロッコを打倒したカミーユであったが、これまでの精神的な疲弊とシロッコ最後のあがきを喰らい、ついに精神が崩壊した。カミーユはニュータイプとして最高の能力を持っていたが、人の死や悲しみ、怒りといった感情を敏感に受け止めすぎた結果、精神がついていけなくなってしまったのだ。
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:まるで無邪気な幼子のようになってしまったその姿に、ファは顔面蒼白となり、ブライトに「カミーユが、カミーユが……」と漏らした。
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:なお、カミーユを演じた飛田氏は、前述の通り富野総監督から「この作品のキャラクターの生死は演じる役者のオーラにかかっている」と言われた中で、この台詞が一番楽に喋れた台詞だったと語っている。
    
==== 劇場版 ====
 
==== 劇場版 ====
;「戦争が無くったって父は愛人を作ったし、母は母で父が若い女と寝ていることを知っていても、仕事に満足しちゃって父を見向きもしなかったんですよ!」<br />「軍の仕事だ、ティターンズのだってはりきってみせて…」<br />「エゥーゴだティターンズだなんて!そんなのはどうでもいいんですよ!」<br />「子供はね…、親に無視されちゃたまんないんです!」
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;「戦争がなくったって父は愛人を作ったし、母は母で父が若い女と寝ていることを知っていても、仕事に満足しちゃって父を見向きもしなかったんですよ!」<br />「軍の仕事だ、ティターンズのだって張り切ってみせて……」<br />「エゥーゴだティターンズだなんて、そんなのはどうでもいいんですよ!」<br />「子供はね……親に無視されちゃたまんないんです!」
:両親が殺害された後で、両親への不満をぶちまけるシーン。TV版とは違い、クワトロ達もカミーユの話を聞き、エマが振ったシャアの話に対してもカミーユの意見に同調するような態度をとったことで、これまでの両親に対する鬱憤が和らいだ(ここから少しづつTV版と違う流れになっていき、劇場版の結末につながる)。
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:両親が死んだ後で、両親への不満をぶちまけるシーン。TV版とは違い、クワトロ達もカミーユの話を聞き、エマが振ったシャアの話に対してもカミーユの意見に同調するような態度をとった事で、これまでの両親に対する鬱憤が和らいだ。
;「僕のことはお隣さんのファ任せだったんだ…、うるさい娘でね!」<br />「爪を噛むな、両手をちゃんと洗え、パンツを取り替えてるかって!」<br />「ぇ!?…俺って何を話してんだ?」
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:ここから少しづつTV版と違う流れになっていき、劇場版の結末につながる。
:サイコガンダムのコクピットで両親のことを話すシーンでファの話になったとき。TV版では口うるさく言うファに対して自分が男であることを証明したいというニュアンスだったが、劇場版ではファがいつも一緒にいてくれたことに気づき、自分が孤独ではない、自分と似ていると思っていたフォウと違う点に気づいてしまい、フォウと別れることになってしまう。
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;「僕の事はお隣さんのファ任せだったんだ。うるさい娘でね」<br />「爪を噛むな、両手をちゃんと洗え、パンツを取り替えてるかって!」<br />「えっ!? ……俺って何を話してんだ?」
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:サイコガンダムのコクピットで両親について話すシーンでファの話になった時。TV版では「口うるさく言うファに自分が男である事を証明したい」というニュアンスだったが、劇場版ではファがいつも一緒にいてくれた事に気づき、自分が孤独ではない、自分と似ていると思っていたフォウと違う点に気づいてしまい、フォウと別れる事になってしまう。
 
;「とっくに好きさ。自分の名前になっているもの!」
 
;「とっくに好きさ。自分の名前になっているもの!」
:劇場版でフォウに「『カミーユ』って名前、今でも好き?」と問われて。TV版と比べてやや長い台詞に変更されている。冗長と感じた方もいるだろうか。TV版と違う印象としては、TV版ではこのフォウの問いに対して初めて心から受け入れた印象があるが、劇場版ではフォウとのやりとりで既に気づいていたのだろうか。
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:フォウに「『カミーユ』って名前、今でも好き?」と問われて。TV版と比べてやや長い台詞に変更されている。冗長と感じた方もいるだろうか。TV版と違う印象としては、TV版ではこのフォウの問いに対して初めて心から受け入れた印象があるが、劇場版ではフォウとのやりとりですでに気づいていたのだろうか。
 
;「戦争に女性を利用するなんて、まともじゃないよ!」
 
;「戦争に女性を利用するなんて、まともじゃないよ!」
:劇場版でサラをシロッコから離そうと必死に説得する。クワトロが聞いていたらどう思ったのだろうか。
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:劇場版で[[サラ・ザビアロフ]]をシロッコから離そうと必死に説得する。クワトロが聞いていたらどう思ったのだろうか。
 
;「こんな、ジオンくさいスーツ!」
 
;「こんな、ジオンくさいスーツ!」
 
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;「ヘンケン艦長やカツや、みんなが死んでいたからって、エマさんはまだ生きています!」<br />「命の限界って、僕らが思っている以上に強いんです!」<br />「はぁ…一瞬気絶していました…。もう、こんなことはやりません」
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;「ヘンケン艦長やカツや、みんなが死んでいたからって、エマさんはまだ生きています!」<br />「命の限界って、僕らが思っている以上に強いんです!」<br />「はぁ……一瞬気絶していました……。もう、こんな事はやりません」
:ヘンケンが死んだ後にエマに対して言った台詞。TV版では精神が崩壊する前兆だったが、劇場版ではエマに気合を入れるためにバイザーを上げた。(宇宙でバイザーを上げたことを自覚しているのがポイント)
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:ヘンケンが死んだ後、エマに対して言った台詞。TV版では精神が崩壊する前兆だったが、劇場版ではエマに気合を入れるためにバイザーを上げた。
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:'''宇宙でバイザーを上げたのを自覚している'''のが、大きなポイント。
 
;「本当に排除しなければならないのは、地球の重さと大きさを想像できないあなたたちです!」
 
;「本当に排除しなければならないのは、地球の重さと大きさを想像できないあなたたちです!」
 
:グリプスII内部でシロッコ、ハマーンと対峙した際の台詞の劇場版バージョン。TV版とは考えが異なっている。この場にいたシャアもアクシズ落としの事を考えるとやはりこの言葉が当てはまる。
 
:グリプスII内部でシロッコ、ハマーンと対峙した際の台詞の劇場版バージョン。TV版とは考えが異なっている。この場にいたシャアもアクシズ落としの事を考えるとやはりこの言葉が当てはまる。
;「ならば! ビーム・コンフューズ!!」
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;「ならば! ビーム・コンフューズ!!」
 
:[[ガンダムシリーズ]]ではほぼ唯一([[機動武闘伝Gガンダム]]を除く)と言っていい「技名を叫ぶ」シーン。
 
:[[ガンダムシリーズ]]ではほぼ唯一([[機動武闘伝Gガンダム]]を除く)と言っていい「技名を叫ぶ」シーン。
 
:TV版では[[キュベレイ]]のファンネルをシールド防御したが、劇場版ではビームコンフューズにより多数のファンネルを一瞬で撃墜した。
 
:TV版では[[キュベレイ]]のファンネルをシールド防御したが、劇場版ではビームコンフューズにより多数のファンネルを一瞬で撃墜した。
:ちなみにGジェネでは、Zガンダムはビームコンフューズによりファンネルを無効化できる作品もある。
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:ちなみにGジェネでは、Zガンダムの特殊能力としてビームコンフューズによりファンネルを無効化できる作品もある。
;「あなたはいつも傍観者で、人を弄ぶだけの人ではないですか!」<br />「その傲慢は人を家畜にすることだ!人を道具にして!」<br />「それは一番、人間が人間にやっちゃいけないことなんだ!」
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;「あなたはいつも傍観者で、人を弄ぶだけの人ではないですか!」<br />「その傲慢は人を家畜にする事だ! 人を道具にして!」<br />「それは一番、人間が人間にやっちゃいけない事なんだ!!」
:シロッコとの最終決戦時の台詞。やはりTV版とは物事の捉え方が若干違う。
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:シロッコとの最終決戦時の台詞の劇場版バージョン。やはりTV版とは物事の捉え方が若干違う。
;「わかるまい! 戦争を手段にしているシロッコには、この僕を通して出ている力が!」
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;「わかるまい! 戦争を手段にしているシロッコには、この僕を通して出ている力が!!」
:シロッコとの最終決戦での台詞の劇場版バージョン。
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:シロッコとの最終決戦時の台詞の劇場版バージョン。
 
;「女たちの所へ戻るんだ!」
 
;「女たちの所へ戻るんだ!」
 
:ウェイブライダーによる突撃をシロッコに仕掛けた時の台詞の劇場版バージョン。
 
:ウェイブライダーによる突撃をシロッコに仕掛けた時の台詞の劇場版バージョン。
;「ああ、メットを交換する。シロッコのモビルスーツはジュピトリスを道連れにしたんだ…」
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;「ああ、メットを交換する。シロッコのモビルスーツはジュピトリスを道連れにしたんだ……」
:劇場版にてシロッコを撃破した後のファの呼び掛けに対して。
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:シロッコを撃破した後、ファの呼び掛けに対して。
    
=== [[機動戦士ガンダムΖΖ]] ===
 
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