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ラプラスの箱を求めるのも、サイド共栄圏構想を実現させるべく、「箱」を連邦政府との交渉材料にしてジオン共和国の自治権返還を延期させ、共栄圏実現までの時間稼ぎをするためであった。
 
ラプラスの箱を求めるのも、サイド共栄圏構想を実現させるべく、「箱」を連邦政府との交渉材料にしてジオン共和国の自治権返還を延期させ、共栄圏実現までの時間稼ぎをするためであった。
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しかし、その理想を語る姿はバナージ曰く「他人事のような」どこか冷めた印象を与えており、また本物のシャアを実の父親の様に慕っているオードリー(ミネバ)からは、ネオ・ジオンの民達が望むならシャアを演じようとする姿勢に対し「空っぽな人間」とまで嫌悪され、サイド共栄圏構想についても、結局は強引にアースノイドとスペースノイドの立場を逆転させるだけで、人類の革新を願ったジオン・ズム・ダイクンの理想(ジオニズム)や、アクシズ落としという凶行に走ってでも人類を宇宙へ上げて地球から自立させようとしたシャアの思想(エレズム)とは程遠い物であると酷評されている。
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しかし、その理想を語る姿はバナージ曰く「他人事のような」どこか冷めた印象を与えており、また本物のシャアを実の父親の様に慕っているオードリー(ミネバ)からは、ネオ・ジオンの民達が望むならシャアを演じようとする姿勢に対し「空っぽな人間」とまで嫌悪され、サイド共栄圏構想についても、結局は強引にアースノイドとスペースノイドの立場を逆転させるだけで、人類の革新を願ったジオン・ズム・ダイクンの理想(ジオニズム)や、アクシズ落としという凶行に走ってでも人類を宇宙へ上げて地球から自立させようとしたシャアの思想(エレズム)とは程遠い物であると酷評されている。これは、フロンタル自身が「人類はどうやっても、もはや変わることはない」と諦観しているためであり、「人類はどんな手を使ってでもニュータイプにならねばならない」としたシャアの思想とは真反対である。そのため、「人は変われる、分かり合える」と叫び続けるバナージの理想を、「人類に叶いもしない希望を与える存在」として危険視している。
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最終的にはサイド共栄圏構想はオードリーに否定され、バナージやリディ、ロンド・ベルによって阻止される。そして物語終盤、バナージ駆るユニコーンガンダムと壮絶な激戦を繰り広げた末に敗死(小説版ではメガラニカ内部での対峙の際にバナージによって'''顔面を撃たれる'''という重症を負っている上にシナンジュもクシャトリヤのバインダーを使った攻撃で左腕を失っている)。遺体の乗ったシナンジュのコクピットブロックは、後に決戦から辛うじて生還した[[アンジェロ・ザウパー]]が発見している。
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最終的にはサイド共栄圏構想はオードリーに否定され、バナージやリディ、ロンド・ベルによって阻止される。そして物語終盤、バナージ駆るユニコーンガンダムと壮絶な激戦を繰り広げた末に敗死(小説版ではメガラニカ内部での対峙の際にバナージによって'''顔面を撃たれる'''という重傷を負っている上にシナンジュもクシャトリヤのバインダーを使った攻撃で左腕を失っている)。遺体の乗ったシナンジュのコクピットブロックは、後に決戦から辛うじて生還した[[アンジェロ・ザウパー]]が発見している。
    
その役回りや立ち位置は、他作品に散見される「シャアのコピー」ではなく、むしろその逆、シャアを演じることで彼の考えや理想と、逆説的にそのライバルたるアムロや自身の宿敵たるバナージをも全否定する、いわば「'''シャアの負の鏡像'''」でも言うべき存在。シャアは人類に絶望しつつもどこかで人の革新を諦めきれなかったのに対し、フロンタルは最初からそれらの可能性を完全に否定し「虚しいだけ」と断じる、虚無的といえるほどのリアリストであるという点で対照的である。また、シャアのアクシズ落としの動機の一つは「アムロと決着をつけたい」という私情であったが、フロンタルはこのような個人的動機を一切持っているようには見えず、「器は考えることはしません。注がれた人の総意に従って行動するだけ」と言い切る点でもまた対照的である。
 
その役回りや立ち位置は、他作品に散見される「シャアのコピー」ではなく、むしろその逆、シャアを演じることで彼の考えや理想と、逆説的にそのライバルたるアムロや自身の宿敵たるバナージをも全否定する、いわば「'''シャアの負の鏡像'''」でも言うべき存在。シャアは人類に絶望しつつもどこかで人の革新を諦めきれなかったのに対し、フロンタルは最初からそれらの可能性を完全に否定し「虚しいだけ」と断じる、虚無的といえるほどのリアリストであるという点で対照的である。また、シャアのアクシズ落としの動機の一つは「アムロと決着をつけたい」という私情であったが、フロンタルはこのような個人的動機を一切持っているようには見えず、「器は考えることはしません。注がれた人の総意に従って行動するだけ」と言い切る点でもまた対照的である。
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:[[ユニコーンガンダム]]を巡って対立はするものの、フロンタル自身は彼個人にも色々と興味を持ち、自分とともに来るように誘ったこともある。
 
:[[ユニコーンガンダム]]を巡って対立はするものの、フロンタル自身は彼個人にも色々と興味を持ち、自分とともに来るように誘ったこともある。
 
;[[アンジェロ・ザウパー]]
 
;[[アンジェロ・ザウパー]]
:親衛隊の隊長で腹心的存在。絶望的な状況から救った事で、個人的にも心酔されているが、フロンタルがバナージに興味を持った事に大きく嫉妬する事になる。
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:親衛隊の隊長で腹心的存在。絶望的な状況から救った事で、個人的にも心酔されているが、フロンタルがバナージに興味を持った事に大きく嫉妬する事になる。またそのような境遇から、フロンタルを「シャアの再来」ではなく、「フル・フロンタル」として見ている貴重な人物。
 
;[[ロニ・ガーベイ]]、[[ヨンム・カークス]]
 
;[[ロニ・ガーベイ]]、[[ヨンム・カークス]]
 
:連邦への復讐に燃える彼らに対し、襲撃作戦の許可を与えた。
 
:連邦への復讐に燃える彼らに対し、襲撃作戦の許可を与えた。
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;「今の私は自らを器と規定している。宇宙に捨てられた者の想い…ジオンの理想を継ぐ者たちの宿願を受け止めるための器だ。」<br/>「彼らが望むなら私はシャア・アズナブルになる。このマスクはそのためのものだ」
 
;「今の私は自らを器と規定している。宇宙に捨てられた者の想い…ジオンの理想を継ぐ者たちの宿願を受け止めるための器だ。」<br/>「彼らが望むなら私はシャア・アズナブルになる。このマスクはそのためのものだ」
 
:同第2巻より。[[バナージ・リンクス|バナージ]]に「あなたはシャア・アズナブルなんですか!?」と問われて。この『器』という考えがフロンタルの根底になっている。
 
:同第2巻より。[[バナージ・リンクス|バナージ]]に「あなたはシャア・アズナブルなんですか!?」と問われて。この『器』という考えがフロンタルの根底になっている。
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;「潮時か……」
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== スパロボシリーズの名台詞 ==
 
== スパロボシリーズの名台詞 ==
;「私とて赤い彗星といわれた男だ……やってみせよう!」<BR/>「君の生まれの不幸を呪いたまえ」
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;「私とて赤い彗星と言われた男だ……やってみせよう!」<BR/>「君の生まれの不幸を呪いたまえ」
 
:「連続攻撃」の台詞パターンの一つ。言うまでもないが元ネタは[[一年戦争]]で[[ガルマ・ザビ|ガルマ]]を謀殺した際のシャアの名言。
 
:「連続攻撃」の台詞パターンの一つ。言うまでもないが元ネタは[[一年戦争]]で[[ガルマ・ザビ|ガルマ]]を謀殺した際のシャアの名言。
 
;「シャア・アズナブルを消去すれば、私は……」
 
;「シャア・アズナブルを消去すれば、私は……」
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:一方で池田氏の演技力の凄まじさを表すDVEでもあり、微妙なイントネーションや音域の違いで「シャアの名台詞を模倣するフロンタル」を見事に表現している。
 
:一方で池田氏の演技力の凄まじさを表すDVEでもあり、微妙なイントネーションや音域の違いで「シャアの名台詞を模倣するフロンタル」を見事に表現している。
 
;「…様々な世界に存在するキャスバル・レム・ダイクンは様々な運命をたどった……」<BR/>「[[A|ある者は]][[F|クワトロ・]][[COMPACT|バジーナの]][[COMPACT3|まま]][[OE|戦い]][[GC|続]][[XO|け]]、[[64|ある者は最後に]][[COMPACT2|シャアと]][[IMPACT|して]][[第2次α|世界の敵となり]]、[[新|ある者は人類を守るために異星人に恭順の意を示した…]]」<BR/>「そのどれもに共通しているのは、あなたという存在は世界の在り方を決めるものだった」<BR/>「その中で私は真のシャア・アズナブルとしてアクシズを落下させることを選択した。つまり、今の私は赤い彗星そのものなのだ」
 
;「…様々な世界に存在するキャスバル・レム・ダイクンは様々な運命をたどった……」<BR/>「[[A|ある者は]][[F|クワトロ・]][[COMPACT|バジーナの]][[COMPACT3|まま]][[OE|戦い]][[GC|続]][[XO|け]]、[[64|ある者は最後に]][[COMPACT2|シャアと]][[IMPACT|して]][[第2次α|世界の敵となり]]、[[新|ある者は人類を守るために異星人に恭順の意を示した…]]」<BR/>「そのどれもに共通しているのは、あなたという存在は世界の在り方を決めるものだった」<BR/>「その中で私は真のシャア・アズナブルとしてアクシズを落下させることを選択した。つまり、今の私は赤い彗星そのものなのだ」
:シャアがZ-BLUEに加勢した後の台詞の一部、数多の並行世界…というよりは歴代スパロボ版シャアの未来か。ここで提示された他にも、[[MX|戦後はキャスバルに戻って政界に立った者]]や、[[第4次|戦いの後で何処へともなく姿を消した者]]、[[R|歴史を変えたせいでキャスバルとして表舞台に立った者]]、[[D|思わぬ展開でアクシズ落としが失敗し、その後の世界情勢で変わった者]]、[[SC2|ハマーン不在のアクシズを収めるべく戻った者]]、[[CC|悲劇に屈しなかった若者たちに感化され、ネオジオンのシャアとしてアクシズ落としに立ち向かった者]]等も存在している。
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:シャアがZ-BLUEに加勢した後の台詞の一部、数多の並行世界…というよりは歴代スパロボ版シャアの未来か。ここで提示された他にも、[[MX|戦後はキャスバルに戻って政界に立った者]]や、[[第4次|戦いの後で何処へともなく姿を消した者]]、[[R|歴史を変えたせいでキャスバルとして表舞台に立った者]]、[[D|思わぬ展開でアクシズ落としが失敗し、その後の世界情勢で変わった者]]、[[SC2|ハマーン不在のアクシズを収めるべく戻った者]]、[[CC|悲劇に屈しなかった若者たちに感化され、ネオ・ジオンのシャアとしてアクシズ落としに立ち向かった者]]等も存在している。
 
:共通項としてはフロンタルの言うとおり、存在する世界の進む道に大きな影響を与えている、という点か(クワトロであり続けた場合は「逆襲のシャア」の物語が始まらない=別の歴史が始まる、という影響が現れていることになる)。
 
:共通項としてはフロンタルの言うとおり、存在する世界の進む道に大きな影響を与えている、という点か(クワトロであり続けた場合は「逆襲のシャア」の物語が始まらない=別の歴史が始まる、という影響が現れていることになる)。
 
;「並行世界間の同一人物は基本的に同じ世界には存在しないそうですよ」
 
;「並行世界間の同一人物は基本的に同じ世界には存在しないそうですよ」
 
:シャアとの[[戦闘前会話]]の一部。これを言われたシャア本人からは「不快だな」と、断言されている。自分に都合の良い形でシャア・アズナブルという人間を曲解しているフロンタルの態度には、流石のシャアも腹に据えかねていただろう。
 
:シャアとの[[戦闘前会話]]の一部。これを言われたシャア本人からは「不快だな」と、断言されている。自分に都合の良い形でシャア・アズナブルという人間を曲解しているフロンタルの態度には、流石のシャアも腹に据えかねていただろう。
;「だから?」<BR/>「そうまで私を怒らせたいか、シャア・アズナブル!!」
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;「だから?」<BR/>「そうまでして私を怒らせたいか、シャア・アズナブル!!」
 
:同上。あくまでもフロンタルを「己の中にある『シャア・アズナブル』を模倣しているに過ぎない」と断ずるシャアに激昂。本作でようやく'''フロンタルの素が出た'''場面である。
 
:同上。あくまでもフロンタルを「己の中にある『シャア・アズナブル』を模倣しているに過ぎない」と断ずるシャアに激昂。本作でようやく'''フロンタルの素が出た'''場面である。
 
;シャア「不思議だ……こんな状況なのに恐怖は感じない。むしろ暖かくて、安心を感じるとは……」<BR/>フロンタル「だが、この暖かさを持った人間が感情を制御しきれず、自滅の道を歩んでいる……ならば、よりよき世界に導く指導者が必要になる!」<BR/>アムロ「わかってるよ! だから、世界に人の心の光を見せなきゃならないんだろ!」
 
;シャア「不思議だ……こんな状況なのに恐怖は感じない。むしろ暖かくて、安心を感じるとは……」<BR/>フロンタル「だが、この暖かさを持った人間が感情を制御しきれず、自滅の道を歩んでいる……ならば、よりよき世界に導く指導者が必要になる!」<BR/>アムロ「わかってるよ! だから、世界に人の心の光を見せなきゃならないんだろ!」
 
:「BEYOND THE TIME」クリア時のやり取り。ある意味、時獄篇におけるフロンタルの立ち位置を明確にした場面である。
 
:「BEYOND THE TIME」クリア時のやり取り。ある意味、時獄篇におけるフロンタルの立ち位置を明確にした場面である。
 
:ここからわかるとおり、本作のフロンタルは原作におけるシャアの負の部分を担当している形になっている。
 
:ここからわかるとおり、本作のフロンタルは原作におけるシャアの負の部分を担当している形になっている。
;「それは、まさに神の存在と言ってもいいでしょう」
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;「それは、まさに神の存在と言えるでしょう」
 
:天獄篇予告にて、ラプラスの箱を評して曰く。会話している相手はシャア、場所はネオ・ジオンの彼の部屋であるため、決戦後に舞い戻ってきているようだ。
 
:天獄篇予告にて、ラプラスの箱を評して曰く。会話している相手はシャア、場所はネオ・ジオンの彼の部屋であるため、決戦後に舞い戻ってきているようだ。
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:なお「神の存在」と言うフレーズは、ルルーシュがかつて接触したアーカーシャの剣の「集合無意識」に対しても使われている。「火の文明」から「太陽の輝き」への道標たるラプラスの箱、「太陽の輝き」の象徴たる集合無意識。この意味は……。
    
== スパロボシリーズの迷台詞 ==
 
== スパロボシリーズの迷台詞 ==
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;[[ギラ・ドーガ]]
 
;[[ギラ・ドーガ]]
 
:シナンジュに乗る前の搭乗機。ちなみに、機体の色は赤である。
 
:シナンジュに乗る前の搭乗機。ちなみに、機体の色は赤である。
; [[シナンジュ]]
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;[[シナンジュ]]
: 専用機。[[アナハイム・エレクトロニクス]]社製で、[[サイコフレーム]]の搭載機でもある。
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:専用機。[[アナハイム・エレクトロニクス]]社製で、[[サイコフレーム]]の搭載機でもある。
 
;ネオ・ジオング
 
;ネオ・ジオング
 
:OVA7巻に登場した専用機。最終決戦時に搭乗。シナンジュをコアユニットとした拠点攻略用の超大型[[モビルアーマー|MA]]であり、サイコフレーム技術を起点とした兵装が備えられている。SRW未登場。
 
:OVA7巻に登場した専用機。最終決戦時に搭乗。シナンジュをコアユニットとした拠点攻略用の超大型[[モビルアーマー|MA]]であり、サイコフレーム技術を起点とした兵装が備えられている。SRW未登場。
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