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アポカリュプシス(Apokalypsis)とは宗教用語として用いられている言葉であり、ギリシャ語で『'''黙示'''』といった意味を持つ([[日本]]では英語の「アポカリプス / Apocalypse」の方が馴染みがあるかと思われる)。
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アポカリュプシス(Apokalypsis)とは[[宗教]]用語として用いられている言葉であり、ギリシャ語で『'''黙示'''』といった意味を持つ。[[日本]]では英語の「アポカリプス / Apocalypse」の方が馴染みがあるかと思われる。
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スーパーロボット大戦シリーズでは『[[第3次スーパーロボット大戦α 終焉の銀河へ|第3次スーパーロボット大戦α 終焉の銀河ヘ]]』にて、[[αシリーズ]]の根幹をなす最重要キーワードという位置づけにある。
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==宗教上の扱い==
 
キリスト教やイスラム教等の一神教においては非常に重要な意味を持っており、うちキリスト教において最も重要な黙示と言えるのが、新約聖書の最後に収められている『'''ヨハネの黙示録'''』である。
 
キリスト教やイスラム教等の一神教においては非常に重要な意味を持っており、うちキリスト教において最も重要な黙示と言えるのが、新約聖書の最後に収められている『'''ヨハネの黙示録'''』である。
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== キリスト教におけるアポカリュプシス ==
   
神からのことばを地上の人間が受け取る方法としては「黙示」の他に「啓示」がある。
 
神からのことばを地上の人間が受け取る方法としては「黙示」の他に「啓示」がある。
 
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『啓示(英:Revelation)』とは、「'''何らかの超常的な現象を通じて、神が人間にその意志を開き示すこと'''」を指す。すなわち、本来は絶対的存在であり人間と交わることのない神が、何らかの手段で自らの意志を地上の人間に伝えることを指している。
『啓示(英:Revelation)』とは、「'''何らかの超常的な現象を通じて、神が人間にその意志を開き示すこと'''」を指す。即ち、本来は絶対的存在であり人間と交わることのない神が、何らかの手段で自らの意志を地上の人間に伝えることを指している。
      
唯一の神を信仰するキリスト教やイスラム教等の一神教においては、神のことばとも言うべき啓示は教義の根本を為すものであり、今日教典として用いられている「聖書」ないし「コーラン」はそれ自体が神の啓示の集大成であると言える。
 
唯一の神を信仰するキリスト教やイスラム教等の一神教においては、神のことばとも言うべき啓示は教義の根本を為すものであり、今日教典として用いられている「聖書」ないし「コーラン」はそれ自体が神の啓示の集大成であると言える。
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この黙示内容については歴史的に様々な解釈があったが、今日ではキリストの再臨と関連づけて捉えられ、その他数々の「啓示」と一体化した形で、教義の中核を為すものとして位置づけられている。
 
この黙示内容については歴史的に様々な解釈があったが、今日ではキリストの再臨と関連づけて捉えられ、その他数々の「啓示」と一体化した形で、教義の中核を為すものとして位置づけられている。
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== スーパーロボット大戦αシリーズ ==
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==αシリーズにおける基本設定==
=== 基本設定 ===
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『[[第3次スーパーロボット大戦α 終焉の銀河へ|第3次α]]』において設定された「アポカリュプシス」は、前出の意味の中でもとりわけヨハネの黙示録において示されたような終末論、および最後の審判を意識した内容となっている。
『[[第3次スーパーロボット大戦α 終焉の銀河へ|第3次α]]』において設定された「アポカリュプシス」は、前出の意味の中でもとりわけヨハネの黙示録において示されたような終末論、及び最後の審判を意識した内容となっている。
      
同作においてその力を行使し、審判を下すのが「[[無限力]]」あるいは「[[アカシックレコード]]」と呼ばれる存在である。それは『[[伝説巨神イデオン]]』における「[[イデ]]」、或いは「[[ゲッター線]]」「[[ビムラー]]」「[[ザ・パワー]]」等の意志をもった超エネルギーの集合体で、中でもイデは最も強力なイニシアチブを持つ存在となっている。
 
同作においてその力を行使し、審判を下すのが「[[無限力]]」あるいは「[[アカシックレコード]]」と呼ばれる存在である。それは『[[伝説巨神イデオン]]』における「[[イデ]]」、或いは「[[ゲッター線]]」「[[ビムラー]]」「[[ザ・パワー]]」等の意志をもった超エネルギーの集合体で、中でもイデは最も強力なイニシアチブを持つ存在となっている。
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なお、作中での[[碇ゲンドウ|ゲンドウ]]の言によれば、[[ゾンダー]]及び[[ソール11遊星主]]の暴走、後述のエビルの[[プロトデビルン]]への変質、再生[[使徒]]、異次元・別銀河からの敵等等、全てが審判のための材料であるとのことである。ただ、[[ゾンダー]]や[[パルス・アベル|アベル]]、[[ゲペルニッチ]]、[[ムゲ・ゾルバドス]]などは自身がアポカリュプシスの一部であることを特段認識している様子はなく、むしろ彼らなりのやり方でアポカリュプシスに抗おうとしていたので、無限力が彼らを直接操っているというよりは、彼らの行動を利用・誘導しているという方が正確かもしれない。
 
なお、作中での[[碇ゲンドウ|ゲンドウ]]の言によれば、[[ゾンダー]]及び[[ソール11遊星主]]の暴走、後述のエビルの[[プロトデビルン]]への変質、再生[[使徒]]、異次元・別銀河からの敵等等、全てが審判のための材料であるとのことである。ただ、[[ゾンダー]]や[[パルス・アベル|アベル]]、[[ゲペルニッチ]]、[[ムゲ・ゾルバドス]]などは自身がアポカリュプシスの一部であることを特段認識している様子はなく、むしろ彼らなりのやり方でアポカリュプシスに抗おうとしていたので、無限力が彼らを直接操っているというよりは、彼らの行動を利用・誘導しているという方が正確かもしれない。
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アカシックレコードは宇宙が誕生したときに定められて覆せない結果、即ち運命そのものでもあり、故に無限力がもたらすアポカリュプシスはまさしく抗い得ぬ滅びの運命と言える。
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アカシックレコードは宇宙が誕生したときに定められて覆せない結果、すなわち運命そのものでもあり、故に無限力がもたらすアポカリュプシスはまさしく抗い得ぬ滅びの運命と言える。
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=== 対抗措置・回避手段 ===
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==αシリーズでの詳細と結末==
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===対抗措置・回避手段===
 
このある種抗い得ぬ滅びの運命に対し、銀河の先住民族達は様々な対抗措置・或いは回避手段を生み出してきた。それらの中にはある程度の効果をあげたものもあれば、逆に彼ら自身の滅びを促進してしまう結果となったものもある。
 
このある種抗い得ぬ滅びの運命に対し、銀河の先住民族達は様々な対抗措置・或いは回避手段を生み出してきた。それらの中にはある程度の効果をあげたものもあれば、逆に彼ら自身の滅びを促進してしまう結果となったものもある。
    
地球の先住民族である[[プロトカルチャー]]は、アポカリュプシスによる物理的な災厄(主として[[STMC]]の襲来など)に対抗すべく、[[ゼントラーディ]]・[[メルトランディ]]といった戦闘種族を創造し、後にそれを更に上回る戦闘能力を持つ戦闘兵士エビルを誕生させた。しかしエビルは異次元宇宙から現れたエネルギー生命体に憑依され、スピリチアを有する生命体全てにとっての脅威へと変貌。これが今日の「'''[[プロトデビルン]]'''」である。制御が不可能となった巨人種族とプロトデビルンの大侵攻により、プロトカルチャーの滅亡は加速することとなってしまう。
 
地球の先住民族である[[プロトカルチャー]]は、アポカリュプシスによる物理的な災厄(主として[[STMC]]の襲来など)に対抗すべく、[[ゼントラーディ]]・[[メルトランディ]]といった戦闘種族を創造し、後にそれを更に上回る戦闘能力を持つ戦闘兵士エビルを誕生させた。しかしエビルは異次元宇宙から現れたエネルギー生命体に憑依され、スピリチアを有する生命体全てにとっての脅威へと変貌。これが今日の「'''[[プロトデビルン]]'''」である。制御が不可能となった巨人種族とプロトデビルンの大侵攻により、プロトカルチャーの滅亡は加速することとなってしまう。
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一方、ヒトが肉体を捨てて魂を一つにし、無限力と融合することで滅びを免れるという方法も考え出され、一部のプロトカルチャーはそのような存在に達する手段を講じて滅びを回避した。これが[[碇ゲンドウ]]や[[ゼーレ]]が遂行しようとした「'''[[人類補完計画]]'''」の雛型である。本作では[[エヴァンゲリオン]]原作において「補完」を実施した先住民族「第一始祖民族」は第6文明人と同一の存在であると位置付けられており、死海文書等により伝えられている人類補完計画の仔細は、プロトカルチャーが第一始祖民族=第6文明人が行った同様の計画を応用して実行に移したものである事が明かされている。イデがどのように生まれたのかは明言されていないが、これらの情報から、おそらく第6文明人が補完計画を行うことで一つに融合した結果誕生したものと推測される(少なくとも補完によって生まれる意思集合体とイデは「器を捨てて一つになった意志」という同質の存在である。尚、現在では補完計画に対する無限力の評価は様々であり、いわば補完計画の発案者であるイデには支持されているが、個々人の進化を望むゲッター線やビムラーには反対されている)。
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一方、ヒトが肉体を捨てて魂を一つにし、無限力と融合することで滅びを免れるという方法も考え出され、一部のプロトカルチャーはそのような存在に達する手段を講じて滅びを回避した。これが[[碇ゲンドウ]]や[[ゼーレ]]が遂行しようとした「'''[[人類補完計画]]'''」の雛型である。本作では[[エヴァンゲリオン]]原作において「補完」を実施した先住民族「第一始祖民族」は第6文明人と同一の存在であると位置付けられており、死海文書等により伝えられている人類補完計画の仔細は、プロトカルチャーが第一始祖民族=第6文明人が行った同様の計画を応用して実行に移したものである事が明かされている。イデがどのように生まれたのかは明言されていないが、これらの情報から、おそらく第6文明人が補完計画を行うことで一つに融合した結果誕生したものと推測される(少なくとも補完によって生まれる意思集合体とイデは「器を捨てて一つになった意志」という同質の存在である。なお、現在では補完計画に対する無限力の評価は様々であり、いわば補完計画の発案者であるイデには支持されているが、個々人の進化を望むゲッター線やビムラーには反対されている)。
    
その一方、これらの手段を講じた上でもその災厄は計り知れない規模で地球を襲い、99%以上の生命体が死に至る。しかしこの大災厄を生き延びた人々は細々と生き永らえ、少しずつではあるが文明を復興していった。約1万2千年前、彼らの末裔とも呼ぶべき古代ムー文明の人々が、対妖魔の戦力であると同時にSTMCへの対抗手段として造り上げた機動兵器が「'''[[ライディーン]]'''」である。STMCはこの時代にも地球に飛来していたようであり、ライディーン及び妖魔帝国の記録装置にはSTMCに関する情報が遺されていた。
 
その一方、これらの手段を講じた上でもその災厄は計り知れない規模で地球を襲い、99%以上の生命体が死に至る。しかしこの大災厄を生き延びた人々は細々と生き永らえ、少しずつではあるが文明を復興していった。約1万2千年前、彼らの末裔とも呼ぶべき古代ムー文明の人々が、対妖魔の戦力であると同時にSTMCへの対抗手段として造り上げた機動兵器が「'''[[ライディーン]]'''」である。STMCはこの時代にも地球に飛来していたようであり、ライディーン及び妖魔帝国の記録装置にはSTMCに関する情報が遺されていた。
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尚、アポカリュプリシスへの対抗措置に関連した会話の中で、ルアフは「巨大な生体宇宙船による地球脱出」について言及し、[[サコン・ゲン|サコン]]はそれを受けて「海底に眠っていたあの遺跡は地球を脱出しようとして失敗した宇宙船だった」と述べている。これは前作・第2次αに登場した「'''[[オルファン]]'''」を指したものであり、第3次αでは[[ブレンパワード (TV)|ブレンパワード]]の参戦がなかったために登場しなかったものの、アポカリュプシスへの対抗措置の一つという設定が与えられていたことが明らかとなった。
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このほか、アポカリュプリシスへの対抗措置に関連した会話の中で、ルアフは「巨大な生体宇宙船による地球脱出」について言及し、[[サコン・ゲン|サコン]]はそれを受けて「海底に眠っていたあの遺跡は地球を脱出しようとして失敗した宇宙船だった」と述べている。これは前作・第2次αに登場した「'''[[オルファン]]'''」を指したものであり、第3次αでは[[ブレンパワード (TV)|ブレンパワード]]の参戦がなかったために登場しなかったものの、アポカリュプシスへの対抗措置の一つという設定がこの時点で明らかとなった。
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=== ガンエデンシステム ===
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===ガンエデンシステム===
 
これらの試みの中でも特筆すべきは、特殊能力者・[[サイコドライバー]]の力によって滅びを免れるべく創造された[[ガンエデン]]システムである。
 
これらの試みの中でも特筆すべきは、特殊能力者・[[サイコドライバー]]の力によって滅びを免れるべく創造された[[ガンエデン]]システムである。
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その一方地球に戻ったナシムは、当時地球上で巻き起こっていた[[超機人]]同士の大戦に干渉。STMCへの対抗措置としての役割も担っていた彼らの一部を自身の配下とし、一定の戦力整備を果たした後に永い眠りにつく。その後時を経て[[封印戦争]]の時代、地球を守護するという自らの役割を果たすべく復活。マシヤフとしての役割を与えた[[イルイ・ガンエデン|イルイ]]を使役し、地球人の動向を観察する中で、地球を守護する剣として[[αナンバーズ]]を見出した。しかし最終的には彼らとの見解の相違により敵対関係となり、彼らとの戦いの中でガンエデンシステムは損壊。αナンバーズに対し、アポカリュプシスに立ち向かい、全銀河の代表として生命体の可能性を無限力に訴えかける役割を託すこととなった。
 
その一方地球に戻ったナシムは、当時地球上で巻き起こっていた[[超機人]]同士の大戦に干渉。STMCへの対抗措置としての役割も担っていた彼らの一部を自身の配下とし、一定の戦力整備を果たした後に永い眠りにつく。その後時を経て[[封印戦争]]の時代、地球を守護するという自らの役割を果たすべく復活。マシヤフとしての役割を与えた[[イルイ・ガンエデン|イルイ]]を使役し、地球人の動向を観察する中で、地球を守護する剣として[[αナンバーズ]]を見出した。しかし最終的には彼らとの見解の相違により敵対関係となり、彼らとの戦いの中でガンエデンシステムは損壊。αナンバーズに対し、アポカリュプシスに立ち向かい、全銀河の代表として生命体の可能性を無限力に訴えかける役割を託すこととなった。
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尚、機動兵器としてのガンエデンのコンセプトは『強力な念能力者が搭乗し、無限力に直接アクセスしてその力を引き出す』というもので、前述のライディーンのそれと近しい(ライディーンは無限力の一構成要素である「[[ムートロン]]([[ラ・ムーの星]])」へのアクセスによりその力を引き出す)。但しナシム・ガンエデンにはファーストサイコドライバーであるナシムの意志が残留していたため、洸の自由意志によって制御可能であるライディーンとは異なり、マシヤフであるイルイは自由意志によって同システムを制御することは不可能であった。ナシムと意志を一つにしたイルイ、及び、ゲベルの念が抜け落ちている器のコアであったルアフについては、洸と同様にその意志によってガンエデンを制御することが可能となっている。
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なお、機動兵器としてのガンエデンのコンセプトは『強力な念能力者が搭乗し、無限力に直接アクセスしてその力を引き出す』というもので、前述のライディーンのそれと近しい(ライディーンは無限力の一構成要素である「[[ムートロン]]([[ラ・ムーの星]])」へのアクセスによりその力を引き出す)。ただしナシム・ガンエデンにはファーストサイコドライバーであるナシムの意志が残留していたため、洸の自由意志によって制御可能であるライディーンとは異なり、マシヤフであるイルイは自由意志によって同システムを制御することは不可能であった。ナシムと意志を一つにしたイルイ、及び、ゲベルの念が抜け落ちている器のコアであったルアフについては、洸と同様にその意志によってガンエデンを制御することが可能となっている。
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=== [[アニマスピリチア]] ===
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===[[アニマスピリチア]]===
 
[[熱気バサラ]]、及びその「歌」を指す、銀河の[[特異点]]の一つ。上述したいずれの人工的対抗措置とも異なり、自然発生的に誕生したアポカリュプシスへのカウンター、或いは試練に際しての人類側への配慮と言うべき存在と考えられる。
 
[[熱気バサラ]]、及びその「歌」を指す、銀河の[[特異点]]の一つ。上述したいずれの人工的対抗措置とも異なり、自然発生的に誕生したアポカリュプシスへのカウンター、或いは試練に際しての人類側への配慮と言うべき存在と考えられる。
    
原作と同様、歌で戦いを止めて和解をさせていたバサラの姿勢と意思の有様から、無限力の内では異なる概念の融和を望む[[イデ]]が誕生を待ち望んだ存在である可能性が高い。その歌によってゼ・バルマリィ帝国の兵士に施された洗脳を解いたり、STMCや無限力にすら干渉する彼は、サイコドライバーとは全く異なるプロセスでアカシックレコードにアクセスする、全銀河で唯一の存在である。
 
原作と同様、歌で戦いを止めて和解をさせていたバサラの姿勢と意思の有様から、無限力の内では異なる概念の融和を望む[[イデ]]が誕生を待ち望んだ存在である可能性が高い。その歌によってゼ・バルマリィ帝国の兵士に施された洗脳を解いたり、STMCや無限力にすら干渉する彼は、サイコドライバーとは全く異なるプロセスでアカシックレコードにアクセスする、全銀河で唯一の存在である。
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尚、原作でのアニマスピリチアと歌エネルギーの設定は、歌によりプロトデビルンの元となったエネルギー生命体が誕生した世界である別次元「サブ=ユニバース」へ干渉する事で、時空間をも揺るがす超エネルギーを引き出すというものであった。
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ちなみに原作でのアニマスピリチアと歌エネルギーの設定は、歌によりプロトデビルンの元となったエネルギー生命体が誕生した世界である別次元「サブ=ユニバース」へ干渉する事で、時空間をも揺るがす超エネルギーを引き出すというものであった。
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=== 二つの結末 ===
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===二つの結末===
 
[[銀河大戦]]終盤、地球とゼ・バルマリィ帝国、[[バッフ・クラン]]といった各勢力同士の全面戦争への突入により、STMCの大侵攻や各文明圏への流星雨が活発化。銀河は再びアポカリュプシスによる滅亡の危機に瀕する。
 
[[銀河大戦]]終盤、地球とゼ・バルマリィ帝国、[[バッフ・クラン]]といった各勢力同士の全面戦争への突入により、STMCの大侵攻や各文明圏への流星雨が活発化。銀河は再びアポカリュプシスによる滅亡の危機に瀕する。
    
この事態の結末は地球とバッフ・クランが共存の道を歩むか否かにかかっており、共存の道を確立できた場合には、バルマー、バッフ・クラン、プロトデビルンといった各勢力はαナンバーズと共に、アポカリュプシスを乗り越えるべく全銀河的な共闘態勢を構築。その様を見届けた無限力は、銀河の生命体を認め、矛をおさめて彼らを見守っていく道を選ぶ。その直後に現れた、無限力の存在を抹消せんとする負の無限力の王「ケイサル・エフェス」に対しても、無限力及び全銀河の生命体の想いを融和の象徴である「歌」に込め、アニマスピリチアたる熱気バサラを中心にこれを打倒。これを以て彼らは、全生命体にとって究極の試練「アポカリュプシス」を、遂に乗り越えることに成功する。
 
この事態の結末は地球とバッフ・クランが共存の道を歩むか否かにかかっており、共存の道を確立できた場合には、バルマー、バッフ・クラン、プロトデビルンといった各勢力はαナンバーズと共に、アポカリュプシスを乗り越えるべく全銀河的な共闘態勢を構築。その様を見届けた無限力は、銀河の生命体を認め、矛をおさめて彼らを見守っていく道を選ぶ。その直後に現れた、無限力の存在を抹消せんとする負の無限力の王「ケイサル・エフェス」に対しても、無限力及び全銀河の生命体の想いを融和の象徴である「歌」に込め、アニマスピリチアたる熱気バサラを中心にこれを打倒。これを以て彼らは、全生命体にとって究極の試練「アポカリュプシス」を、遂に乗り越えることに成功する。
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その一方、バッフ・クランとの融和に失敗した場合、無限力には互いに争い合う愚かな生命体であると見做され、数限りない[[STMC]]の群れが襲来、そして遂にはイデの発動が起こり、バッフ・クラン共々死滅の道に至ることになる(所謂イデエンド)。即ち、人類はアポカリュプシスを乗り越えられず、またも滅びの道をたどってしまうことになる。
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その一方、バッフ・クランとの融和に失敗した場合、無限力には互いに争い合う愚かな生命体であると見做され、数限りない[[STMC]]の群れが襲来、そして遂にはイデの発動が起こり、バッフ・クラン共々死滅の道に至ることになる(いわゆるイデエンド)。すなわち、人類はアポカリュプシスを乗り越えられず、またも滅びの道をたどってしまうことになる。
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尚、この際にもケイサル・エフェスは僅かながら登場。彼の目的は「無限力を屈服させた存在を倒して自身がその上位存在となること」であるが、この場合[[αナンバーズ]]を始めとする現人類は無限力に自身を認めさせるに至らなかったため、彼はその目的を達することはできなかった。恐らくは次の機会を数万年の時をかけて気長に待つのだと思われる。
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なお、この際にもケイサル・エフェスは僅かながら登場。彼の目的は「無限力を屈服させた存在を倒して自身がその上位存在となること」であるが、この場合[[αナンバーズ]]を始めとする現人類は無限力に自身を認めさせるに至らなかったため、彼はその目的を達することはできなかった。恐らくは次の機会を数万年の時をかけて気長に待つのだと思われる。
    
ちなみにいずれの場合でも、「世界の終焉」という概念のため勘違いされがちだが、アポカリュプシスの対象は太陽系の属する「銀河」である。よってアポカリュプシスによってαシリーズ以外の平行世界まで終焉を迎えるというわけではない。
 
ちなみにいずれの場合でも、「世界の終焉」という概念のため勘違いされがちだが、アポカリュプシスの対象は太陽系の属する「銀河」である。よってアポカリュプシスによってαシリーズ以外の平行世界まで終焉を迎えるというわけではない。
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しかしαナンバーズがアポカリュプシスを乗り越えながらも、ケイサル・エフェスに敗北した場合、その限りではない。新たな宇宙を創世しようとするケイサル・エフェスとアカシック・レコードの「正と負の無限力のぶつかり合い」が、宇宙を歪めて幾重にも重なる平行世界の均衡が崩れて「全ての宇宙の崩壊」が起きる。「因果律の番人」の目的はこれを防ぐことである。
 
しかしαナンバーズがアポカリュプシスを乗り越えながらも、ケイサル・エフェスに敗北した場合、その限りではない。新たな宇宙を創世しようとするケイサル・エフェスとアカシック・レコードの「正と負の無限力のぶつかり合い」が、宇宙を歪めて幾重にも重なる平行世界の均衡が崩れて「全ての宇宙の崩壊」が起きる。「因果律の番人」の目的はこれを防ぐことである。
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== α世界とMX世界の関連性 ==
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==α世界とMX世界の関連性==
 
このアポカリュプシスだが、実は意外な形で他シリーズとαシリーズの関わりを仄めかしている。
 
このアポカリュプシスだが、実は意外な形で他シリーズとαシリーズの関わりを仄めかしている。
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  「その結果、誕生したのが今君達が住まう世界なのさ」
 
  「その結果、誕生したのが今君達が住まう世界なのさ」
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「かの者」とは間違いなくアカシック・レコード即ち無限力である。問題となるのは前半の部分で、「機械仕掛けの神」と言えば、αシリーズではガンエデンを指す。しかし、「歌声」が関わるとなると、それは別の意味を持ってくる。
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「かの者」とは間違いなくアカシック・レコードすなわち無限力である。問題となるのは前半の部分で、「機械仕掛けの神」と言えば、αシリーズではガンエデンを指す。しかし、「歌声」が関わるとなると、それは別の意味を持ってくる。
    
「歌う機械の神」というファクターは、αシリーズにはいない。高確率で該当すると思われるのが、『[[スーパーロボット大戦MX]]』に登場した[[ラーゼフォン]]及び[[真聖ラーゼフォン]]である。これは、「約束の地」という単語からも容易に連想できる。
 
「歌う機械の神」というファクターは、αシリーズにはいない。高確率で該当すると思われるのが、『[[スーパーロボット大戦MX]]』に登場した[[ラーゼフォン]]及び[[真聖ラーゼフォン]]である。これは、「約束の地」という単語からも容易に連想できる。
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現在では、第2次OGにおけるユーゼスの発言から、OG世界のストーリーはα世界が滅んだ後、生まれ変わった宇宙での物語であることが示唆されている。これを踏まえると、スパロボシリーズ全体のストーリーから見た場合、'''MX本編の方がIF展開である'''可能性が出て来ている。
 
現在では、第2次OGにおけるユーゼスの発言から、OG世界のストーリーはα世界が滅んだ後、生まれ変わった宇宙での物語であることが示唆されている。これを踏まえると、スパロボシリーズ全体のストーリーから見た場合、'''MX本編の方がIF展開である'''可能性が出て来ている。
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== 余談 ==
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==余談==
 
*OGシリーズには「大いなる終焉」という単語が登場するが、関連性があるかどうかは不明。
 
*OGシリーズには「大いなる終焉」という単語が登場するが、関連性があるかどうかは不明。
 
**アニメ『ディバイン・ウォーズ』の[[イングラム・プリスケン]]と[[クォヴレー・ゴードン]]の会話によると、あまたの世界が「大いなる終焉」を迎えるとき2人は役目から解放される様子。
 
**アニメ『ディバイン・ウォーズ』の[[イングラム・プリスケン]]と[[クォヴレー・ゴードン]]の会話によると、あまたの世界が「大いなる終焉」を迎えるとき2人は役目から解放される様子。
 
**『OG2』の[[ギリアム・イェーガー]]の台詞によると、「大いなる終焉」を導く因子は「[[太極]]」と関係があるらしい。
 
**『OG2』の[[ギリアム・イェーガー]]の台詞によると、「大いなる終焉」を導く因子は「[[太極]]」と関係があるらしい。
 
*[[Zシリーズ]]においてもアポカリュプシスと類似する現象として、1万2千年単位で訪れる宇宙の大崩壊がある(詳細は[[真化]]の項を参照)。
 
*[[Zシリーズ]]においてもアポカリュプシスと類似する現象として、1万2千年単位で訪れる宇宙の大崩壊がある(詳細は[[真化]]の項を参照)。
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==関連項目 ==
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;[[宗教]]
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;[[世界観/αシリーズ]]
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:
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;[[銀河大戦]]
 +
:
    
{{バンプレストオリジナル}}
 
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