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==概要==
 
==概要==
漢字では'''龍'''とも書く。基本的に「リュウ」「タツ」と呼ばれる場合には、東洋の伝承における龍が扱われる。西洋では[[ドラゴン]]と呼ばれる架空の生物がそれに近い扱いを受けており、ここではひとまず両方を併記する。日本の創作では「龍」と表記した場合は東洋の龍に限定されることが多いが、文字としては「龍」が旧字体で「竜」が新字体(常用漢字)であり、飽くまで日本国内での通例に過ぎない。なお文字の成り立ちとしては「竜」の方が先にあり、そこに装飾が加えられて「龍」になったとされる。
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漢字では'''龍'''とも書く。基本的に「リュウ」「タツ」と呼ばれる場合には、[[アジア|東洋]]の伝承における龍が扱われる。[[ヨーロッパ|西洋]]では[[ドラゴン]]と呼ばれる架空の生物がそれに近い扱いを受けており、ここではひとまず両方を併記する。日本の創作では「龍」と表記した場合は東洋の龍に限定されることが多いが、文字としては「龍」が旧字体で「竜」が新字体(常用漢字)であり、飽くまで日本国内での通例に過ぎない。なお文字の成り立ちとしては「竜」の方が先にあり、そこに装飾が加えられて「龍」になったとされる。
    
共通して全身が鱗で覆われ、長いヒゲやツノ、鋭い牙を持つことが挙げられる。どちらも人知を超えた力を持つとされ、[[ライオン]]や鷲などと並び'''力や権力の象徴'''とされる。
 
共通して全身が鱗で覆われ、長いヒゲやツノ、鋭い牙を持つことが挙げられる。どちらも人知を超えた力を持つとされ、[[ライオン]]や鷲などと並び'''力や権力の象徴'''とされる。
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すなわち東洋の龍は'''「自然の象徴」'''であり、道教や仏教が民間に根付くにつれ、龍は絶大なパワーを持つ荒神から、神仙や仏に調伏されそれを守護する者という扱いへと換わっていくこととなった。『封神演義』の[[アルトロンガンダム|哪吒太子]]や『西遊記』の孫悟空らが龍を倒し従えた伝説はそのような[[宗教]]的概念の変遷ともとれ、[[日本神話]]においても[[スサノオ]]が[[幻魔要塞ヤマタノオロチ|ヤマタノオロチ]]を殺したのは自然≒土着の人々をヤマト朝廷が征服した事の隠喩とされる。このような背景もあり必ずしも善の存在として扱われる訳ではない。
 
すなわち東洋の龍は'''「自然の象徴」'''であり、道教や仏教が民間に根付くにつれ、龍は絶大なパワーを持つ荒神から、神仙や仏に調伏されそれを守護する者という扱いへと換わっていくこととなった。『封神演義』の[[アルトロンガンダム|哪吒太子]]や『西遊記』の孫悟空らが龍を倒し従えた伝説はそのような[[宗教]]的概念の変遷ともとれ、[[日本神話]]においても[[スサノオ]]が[[幻魔要塞ヤマタノオロチ|ヤマタノオロチ]]を殺したのは自然≒土着の人々をヤマト朝廷が征服した事の隠喩とされる。このような背景もあり必ずしも善の存在として扱われる訳ではない。
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中国では四方を司る神「四神」の一つとして、東方を守護する青龍がいる。青龍は西を守護する白虎と相対すると言われ、戦国武将の上杉謙信と武田信玄などのように「竜虎相打つ」などと言われる。ロボットアニメにおいても『[[獣神ライガー]]』や『[[魔神英雄伝ワタル]]』は主人公とライバルが龍と虎に相応する他、[[バンプレストオリジナル]]にも[[龍虎王]]/[[虎龍王]]が登場する。また十二支においても唯一架空の生物(辰年)として名を連ねている。
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中国では[[天子|帝王]]を象徴する瑞獣として扱われており、また四方を司る神々「四神」の一つとして、東方を守護する青龍がいる。青龍は西を守護する白虎と相対すると言われ、戦国武将の上杉謙信と武田信玄などのように「竜虎相打つ」などと言われる。ロボットアニメにおいても『[[獣神ライガー]]』や『[[魔神英雄伝ワタル]]』は主人公とライバルが龍と虎に相応する他、[[バンプレストオリジナル]]にも[[龍虎王]]/[[虎龍王]]が登場する。なお、十二支においても唯一架空の生物(辰年)として名を連ねている。
    
===西洋における『竜』===
 
===西洋における『竜』===
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元々ドラゴンは東洋の龍と同様に蛇(サーペント)を元としている。しかし、西洋では蛇は不気味なイメージで取られることが多いため、東洋の龍のような神格化はあまりなされなかった。
 
元々ドラゴンは東洋の龍と同様に蛇(サーペント)を元としている。しかし、西洋では蛇は不気味なイメージで取られることが多いため、東洋の龍のような神格化はあまりなされなかった。
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西洋のドラゴンも基本的には自然の象徴……であるのだが、西洋において自然とは畏敬の念を有するものではなく「人間と敵対するもの」というイメージが強い(特に、キリスト教の教えが広まってからは)。その為、西洋におけるドラゴンは'''[[天使・悪魔|悪魔]]'''の化身とされる。[[ギリシア神話]]におけるカドモスのドラゴン退治、キリスト教の聖女マルタの悪竜タラスク討伐、古代ローマのゲオルギウスのドラゴン狩り、[[北欧神話]]のジークフリートによるファーヴニル征伐など、西洋の竜伝説は基本的に'''「いかにして悪の限りを尽くす大[[怪獣]]を[[正義]]のヒーローが倒したか」'''という善悪二元論的な語り口で描かれることが多い。かの有名な吸血鬼ドラキュラは「邪悪な竜の子」の意。
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西洋のドラゴンも基本的には自然の象徴…であるのだが、西洋において自然とは畏敬の念を有するものではなく「人間と敵対するもの」というイメージが強い(特に、キリスト教の教えが広まってからは)。その為、西洋におけるドラゴンは'''[[天使・悪魔|悪魔]]'''の化身とされる。[[ギリシア神話]]におけるカドモスのドラゴン退治、キリスト教の聖女マルタの悪竜タラスク討伐、古代ローマのゲオルギウスのドラゴン狩り、[[北欧神話]]のジークフリートによるファーヴニル征伐など、西洋の竜伝説は基本的に'''「いかにして悪の限りを尽くす大[[怪獣]]を[[正義]]のヒーローが倒したか」'''という善悪二元論的な語り口で描かれることが多い。かの有名な吸血鬼ドラキュラは「邪悪な竜の子」の意。
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勿論そうした話において竜が全て純粋悪として描かれているわけではなく、稀に人々に力や英知を預ける「善良なドラゴン」が描かれることもあった。こうしたドラゴンは東洋龍と同じく力の象徴として、紋章や国旗などに描かれることがある。ウェールズの国旗にも描かれている赤い竜や、中世ハンガリー王国のドラゴン騎士団などが知られている。吸血鬼ドラキュラのモデルである串刺し公ヴラド三世の仇名「ドラキュラ」は単に「ドラゴンの子」の意味で、ドラゴン騎士団の一員だった父親のヴラド二世が「ドラクル(ドラゴン公)」と呼ばれていたことに由来する。一口に竜騎兵と訳される銃砲を装備した騎兵隊は他にも少なからぬ欧州系国家に見られ、実態は変わりつつも一部でその名を現代にも残している。
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ただし、西洋の竜が全て純粋悪として描かれているわけではなく、稀に人々に力や英知を預ける「善良なドラゴン」が描かれる場合もあった。こうしたドラゴンは東洋龍と同じく力の象徴として、紋章や国旗などに描かれる例もある。ウェールズの国旗にも描かれている赤い竜や、中世ハンガリー王国のドラゴン騎士団などが知られている。吸血鬼ドラキュラのモデルである串刺し公ヴラド三世の仇名「ドラキュラ」は単に「ドラゴンの子」の意味で、ドラゴン騎士団の一員だった父親のヴラド二世が「ドラクル(ドラゴン公)」と呼ばれていたことに由来する。一口に竜騎兵と訳される銃砲を装備した騎兵隊は他にも少なからぬ欧州系国家に見られ、実態は変わりつつも一部でその名を現代にも残している。
    
==竜・ドラゴンを扱った作品==
 
==竜・ドラゴンを扱った作品==
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;天龍八部衆
 
;天龍八部衆
 
:仏教における、仏を守護する八尊の神々。厳密に言うと龍は八部衆のうち「龍衆」のみ。毘沙門天や帝釈天など仏教に帰依する人型の神「天衆」や、善なる鬼「夜叉衆」、3つの顔と6本の腕を持つ戦いが大好きな「阿修羅衆」、ナーガを日常的に食べてしまう鳥の王「迦楼羅衆」など様々な神が集う。
 
:仏教における、仏を守護する八尊の神々。厳密に言うと龍は八部衆のうち「龍衆」のみ。毘沙門天や帝釈天など仏教に帰依する人型の神「天衆」や、善なる鬼「夜叉衆」、3つの顔と6本の腕を持つ戦いが大好きな「阿修羅衆」、ナーガを日常的に食べてしまう鳥の王「迦楼羅衆」など様々な神が集う。
:*『[[魔神英雄伝ワタル]]』に登場する[[神部七龍神]]は天龍七部衆が名前の由来。ただし、こちらは全員が龍神である。
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:*『[[魔神英雄伝ワタル]]』に登場する[[神部七龍神]]は天龍八部衆が名前の由来。ただし、こちらは全員が龍神である。
 
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;青龍
 
;青龍
:上記の通り、四方を司る四神のうち「東」を守護する龍の神。司る属性は水…と思われがちだが実は「木」であり、「青春」と言われるように春の神とされる。
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:上記の通り、四方を司る四神のうち「東」を守護する龍の神。司る属性は水…と思われがちだが、実は五行説の「木」であり、「青春」と言われるように春の神とされる。
 
:日本では幅の広い刀を「[[グン・ジェム|青龍刀]]」と呼ぶが、中国で「青龍刀」という場合は巨大な薙刀型の武器を指す(日本では[[関羽ガンダム|青龍偃月刀]]と呼ばれるものであり、幅広の刀は中国では柳葉刀と呼ばれる)。
 
:日本では幅の広い刀を「[[グン・ジェム|青龍刀]]」と呼ぶが、中国で「青龍刀」という場合は巨大な薙刀型の武器を指す(日本では[[関羽ガンダム|青龍偃月刀]]と呼ばれるものであり、幅広の刀は中国では柳葉刀と呼ばれる)。
 
:*『[[魔神英雄伝ワタル]]』に登場する[[青龍]]の元ネタ。
 
:*『[[魔神英雄伝ワタル]]』に登場する[[青龍]]の元ネタ。
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==余談==
 
==余談==
*[[恐竜]]という言葉は英語におけるDinosaur(恐ろしいトカゲ)の訳であるが、「トカゲじゃ締りが悪い」ということで龍の伝説に因み「恐竜」と訳した。
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*[[恐竜]]という言葉は[[英語]]におけるDinosaur(恐ろしいトカゲ)の訳であるが、「トカゲでは締りが悪い」という理由で龍の伝説に因み「恐竜」と訳した。
 
**そもそも竜という存在自体が恐竜など大型生物の化石から空想されたのではないかという説もあり、創作分野では恐竜とドラゴンが混同されたり類似したものとして扱われることも多い。前掲の[[ガイキング]]や『[[恐竜戦隊ジュウレンジャー]]』のドラゴンレンジャー(SR未登場)などがそれに該当する。
 
**そもそも竜という存在自体が恐竜など大型生物の化石から空想されたのではないかという説もあり、創作分野では恐竜とドラゴンが混同されたり類似したものとして扱われることも多い。前掲の[[ガイキング]]や『[[恐竜戦隊ジュウレンジャー]]』のドラゴンレンジャー(SR未登場)などがそれに該当する。
  
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