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'''量産型'''は、同じ規格・仕様で大量に生産される工業製品。「生産型」、「普及型」とも呼ばれる。
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'''量産型'''は、同じ規格・仕様で大'''量'''に生'''産'''される工業製品。「生産型」、「普及型」とも呼ばれる。
    
== 量産型についての一般論 ==
 
== 量産型についての一般論 ==
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とはいうものの、試作型は前述の通り欠点洗い出しのために、その欠点の内在可能性を承知の上で作るものなので、現実的に言えば安定性に欠けるのが普通である(要するに'''故障する可能性を前提として、それを調べる目的で作るということである''')。その一方最終消費者が実際に使用する量産型においては入念な安全対策が取られる為、試作型とは比較にならない安定性を有する。最終的に、どんなに優秀な製品・機体であろうと、使用中にすぐ故障したり不具合や欠点が多いなど安定性が低く、使用にあたって十分に信頼出来ないのでは意味が無いのである。また、その他の性能についても、制約の範囲内においてではあるもののそれぞれ実現可能な限界近くまで引き上げられるので、基本的に量産型の性能は試作型に比べて優れたものであると考えて間違いはないはずである。
 
とはいうものの、試作型は前述の通り欠点洗い出しのために、その欠点の内在可能性を承知の上で作るものなので、現実的に言えば安定性に欠けるのが普通である(要するに'''故障する可能性を前提として、それを調べる目的で作るということである''')。その一方最終消費者が実際に使用する量産型においては入念な安全対策が取られる為、試作型とは比較にならない安定性を有する。最終的に、どんなに優秀な製品・機体であろうと、使用中にすぐ故障したり不具合や欠点が多いなど安定性が低く、使用にあたって十分に信頼出来ないのでは意味が無いのである。また、その他の性能についても、制約の範囲内においてではあるもののそれぞれ実現可能な限界近くまで引き上げられるので、基本的に量産型の性能は試作型に比べて優れたものであると考えて間違いはないはずである。
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無論、上に記したのはあくまで現実世界における一般論であり、SRWシリーズ(および参戦作品)に限らずフィクション全般に対し必ずしも当てはめるべきものではない点には留意されたい。
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無論、上に記したのはあくまで現実世界における一般論であり、SRWシリーズ(および参戦作品)に限らずフィクション全般に対し必ずしも当てはめるべきものではない点には留意されたい。極端な例を挙げれば、機械が普及していないファンタジーの世界ではそもそも大量生産を可能にする工場や技術が存在し得るのか不明瞭なのに量産という概念は存在する場合もある。
    
=== ロボットアニメにおける量産型 ===
 
=== ロボットアニメにおける量産型 ===
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英語で「one-off」と言えばそのまま「一回限り作られるもの」を意味する。
 
英語で「one-off」と言えばそのまま「一回限り作られるもの」を意味する。
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言葉の定義としては上述の通りだが、コストや製造期間などの問題で結果的に一機しか製造できなかったというよりは、最初から1機しか製造する予定ではなかったものを指す事が多い。
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言葉の定義としては上述の通りだが、コストや製造期間などの問題で結果的に1機しか製造できなかったというよりは、最初から1機だけ製造する予定だったものを指す事が多い。
 
例えば、最初から特定の人物の専用機として開発されたがために2号機を製造する意味がないもの、製造に必要な部品などの関係で物理的に1機しか製造できない事が分かっているもの等。
 
例えば、最初から特定の人物の専用機として開発されたがために2号機を製造する意味がないもの、製造に必要な部品などの関係で物理的に1機しか製造できない事が分かっているもの等。
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例えば[[ガンダムエックス]]は少数生産機ではあるがワンオフ機ではない。実際に3号機までが存在する。ただしその後継機である[[ガンダムダブルエックス]]はワンオフ機である。ワンオフ生産である理由は、サテライトシステムを搭載するのに必要な「認証済みのフラッシュシステム」が1機分しか無いため。機体そのものは特定の人物でないと操縦できないものではない。
 
例えば[[ガンダムエックス]]は少数生産機ではあるがワンオフ機ではない。実際に3号機までが存在する。ただしその後継機である[[ガンダムダブルエックス]]はワンオフ機である。ワンオフ生産である理由は、サテライトシステムを搭載するのに必要な「認証済みのフラッシュシステム」が1機分しか無いため。機体そのものは特定の人物でないと操縦できないものではない。
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同じく[[聖戦士ダンバイン]]の[[ダンバイン]]は乗りこなせる人物が殆どおらず量産機でもないが、ワンオフ機でもない。ただしその後継機の[[ビルバイン]]はワンオフ機である。機体自体はショウの搭乗と想定されてはいたはずだが、高い能力があればショウにしか操縦できないものではない。ただ、戦況などから2号機の製造は考えられていなかった。
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同じく[[聖戦士ダンバイン]]の[[ダンバイン]]は乗りこなせる人物が殆どおらず量産機でもないが、ワンオフ機でもない。ただしその後継機の[[ビルバイン]]はワンオフ機である。機体自体はショウの搭乗と想定されてはいたはずだが、高い能力があればショウにしか操縦できないものではない。ただ、戦況などから2号機の製造は考えられていなかった。逆に言えば戦況次第では増産される可能性があったということであり、ゲーム作品ではifの存在としてその量産型のゼルバインが登場している。
    
[[マブラヴ オルタネイティヴ]]の[[TSF-Type00 武御雷]]は、日本国外での運用を考えない前提の整備性を度外視した高コスト機ではあるが複数生産されている。ただしそれもタイプによって異なり、最上位モデルのType00Rの紫カラーは最高性能を誇る代わりに生体認証が組み込まれており、将軍とその双子の妹である人物たった2人しか操縦ができない。当然1機しか存在しない完全なワンオフ。00Rの青カラー及びそれ以下のモデルは、程度の差はあれど2機以上生産されており、いずれも生体認証は組み込まれておらず操縦自体は誰でも可能。
 
[[マブラヴ オルタネイティヴ]]の[[TSF-Type00 武御雷]]は、日本国外での運用を考えない前提の整備性を度外視した高コスト機ではあるが複数生産されている。ただしそれもタイプによって異なり、最上位モデルのType00Rの紫カラーは最高性能を誇る代わりに生体認証が組み込まれており、将軍とその双子の妹である人物たった2人しか操縦ができない。当然1機しか存在しない完全なワンオフ。00Rの青カラー及びそれ以下のモデルは、程度の差はあれど2機以上生産されており、いずれも生体認証は組み込まれておらず操縦自体は誰でも可能。
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『[[ナイツ&マジック]]』の[[イカルガ (ナイツマ)|イカルガ]]は当初からエルが自身の専用機として開発しており、動力源も専用のものが用いられており増産は不可能なのでワンオフ機といえる。しかし予備パーツは用意されており、原作では予備パーツと通常の動力源を用いた2号機が登場している。当然だが通常の動力源なので2号機の性能はオリジナルより劣る。その後は本来の動力源を移植してオリジナルの仕様に戻された。
 
『[[ナイツ&マジック]]』の[[イカルガ (ナイツマ)|イカルガ]]は当初からエルが自身の専用機として開発しており、動力源も専用のものが用いられており増産は不可能なのでワンオフ機といえる。しかし予備パーツは用意されており、原作では予備パーツと通常の動力源を用いた2号機が登場している。当然だが通常の動力源なので2号機の性能はオリジナルより劣る。その後は本来の動力源を移植してオリジナルの仕様に戻された。
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一方、[[機動武闘伝Gガンダム]]に登場する[[モビルファイター]]は一見するとワンオフ機に思えるが、厳密にはワンオフではないと思われる。搭乗するファイターの能力を最大限に活かすためのカスタム機である事が前提だが、修復して戦い続けることが前提なので、部品自体は複数機分用意されているはずであり、ルール上も予備機の使用が認められている。尤も予備機を用意できるかどうかは国力次第であり、作中では修理不能になりリタイアした例もある。ネオオランダのネーデルガンダムは本国防衛用に同型機が多数存在したが、これはファイターが機体に合わせた(ワンオフ機を用いなかった)例だろう。
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[[機動武闘伝Gガンダム]]に登場する[[モビルファイター]]は一見するとワンオフ機に思えるが、厳密にはワンオフではないと思われる。搭乗するファイターの能力を最大限に活かすためのカスタム機である事が前提だが、修復して戦い続けることが前提なので、部品自体は複数機分用意されているはずであり、ルール上も予備機の使用が認められている。尤も予備機を用意できるかどうかは国力次第であり、作中では修理不能になりリタイアした例もある。一方でネオオランダのネーデルガンダムは本国防衛用に同型機が多数存在している。これはファイターが機体に合わせた(量産機を用いた)例だろう。
    
他にはガンダムシリーズでは[[νガンダム]]や[[デスティニーガンダム]]など、事実上特定の人物のために開発・製造された機体はあるが、いずれも厳密にはワンオフではない。前者はアムロが自身の専用機として開発した(アムロはZガンダム等の配備を望んだものの、連邦上層部に警戒され許されず、そこで抜け道としてロンド・ベルの後援者であったジョン・バウアーの手配で新型1機分の開発費を回してもらい、1から機体を製造する事にした)物であり、本来はワンオフ機であったが後に量産されている(量産計画止まりだったとされるが)。後者は完全にシン・アスカ専用として開発されているが、別の人物の調整で開発された2号機が存在する。
 
他にはガンダムシリーズでは[[νガンダム]]や[[デスティニーガンダム]]など、事実上特定の人物のために開発・製造された機体はあるが、いずれも厳密にはワンオフではない。前者はアムロが自身の専用機として開発した(アムロはZガンダム等の配備を望んだものの、連邦上層部に警戒され許されず、そこで抜け道としてロンド・ベルの後援者であったジョン・バウアーの手配で新型1機分の開発費を回してもらい、1から機体を製造する事にした)物であり、本来はワンオフ機であったが後に量産されている(量産計画止まりだったとされるが)。後者は完全にシン・アスカ専用として開発されているが、別の人物の調整で開発された2号機が存在する。
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==== ガンダムシリーズ ====
 
==== ガンダムシリーズ ====
 
;[[ジム]]
 
;[[ジム]]
:[[ガンダム]]の量産型。数量を確保する為に徹底的なコストダウンが図られているが、ガンダム並みの推力やガンダムの運用データのフィードバック等、ガンダムと同水準かそれ以上のスペックを達成している部分も見受けられる。もっとも、劇中では徹底して[[やられメカ|やられ役]]としてのイメージが強いのだが…。
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:[[ガンダム]]の量産型。作中では初登場時に生産タイプと呼ばれている。数量を確保する為に徹底的なコストダウンが図られているが、ガンダム並みの推力やガンダムの運用データのフィードバック等、ガンダムと同水準かそれ以上のスペックを達成している部分も見受けられる。もっとも、劇中では徹底して[[やられメカ|やられ役]]としてのイメージが強いのだが…。
 
:なお、[[一年戦争]]終結後は「ジムシリーズ」として独自の進化を遂げていく。
 
:なお、[[一年戦争]]終結後は「ジムシリーズ」として独自の進化を遂げていく。
 
:;[[ジムIII]]
 
:;[[ジムIII]]
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;[[メビウス]]
 
;[[メビウス]]
 
:[[メビウス・ゼロ]]をデチューンした量産機。扱いの難しいガンバレルをオミットして一般兵でも操縦できる機体となったが、そのため戦闘力が顕著に落ちており、[[ザフト]]の[[ジン]]1機に対しメビウス3機でようやく対等とされる(ゼロはジンと互角)。
 
:[[メビウス・ゼロ]]をデチューンした量産機。扱いの難しいガンバレルをオミットして一般兵でも操縦できる機体となったが、そのため戦闘力が顕著に落ちており、[[ザフト]]の[[ジン]]1機に対しメビウス3機でようやく対等とされる(ゼロはジンと互角)。
:なお厳密にはゼロも少数ながら生産されているが、本編開始前に[[ムウ・ラ・フラガ|ムウ]]機を除いて全機消失したため実質的なワンオフ機と化している。
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:なおゼロは少なくとも15機は生産されているが、本編開始前に[[ムウ・ラ・フラガ|ムウ]]機を除いて全機消失したため実質的なワンオフ機と化している。
 
;[[ストライクダガー]]
 
;[[ストライクダガー]]
 
:SEED版ジムポジションの機体であり、その名の通り[[ストライクガンダム]]のデータを基にしている……と思われがちだが、実際には[[換装|ストライカーパックシステム]]に対応していないためどちらかというと[[デュエルガンダム]]の量産型。名前にストライクを冠しているのは、下記の105ダガーよりこちらが先にロールアウトしたことにより命名が前倒しになったため。
 
:SEED版ジムポジションの機体であり、その名の通り[[ストライクガンダム]]のデータを基にしている……と思われがちだが、実際には[[換装|ストライカーパックシステム]]に対応していないためどちらかというと[[デュエルガンダム]]の量産型。名前にストライクを冠しているのは、下記の105ダガーよりこちらが先にロールアウトしたことにより命名が前倒しになったため。
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;[[ザク|ザクII]]
 
;[[ザク|ザクII]]
 
:[[旧ザク|ザクI]]の後継機である[[ジオン公国軍]]を代表する量産型[[モビルスーツ]]。
 
:[[旧ザク|ザクI]]の後継機である[[ジオン公国軍]]を代表する量産型[[モビルスーツ]]。
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:ちなみに本機の[[ガンプラ]]が「量産型ザク」という名称で商品化されたことで、量産型という言葉が広く使われるようになったとする説がある。
 
;[[グフ]]
 
;[[グフ]]
 
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